VITA CLUB 三重県鈴鹿市のレーシングカーコンストラクター

パーツ注文 お問い合わせ 新車購入見積もり

🏁十勝3H耐久レースレポート
2024/05/30 レポート

VITA第2戦
北海道クラブマンカップレース第2戦
6/30 VITA-01北海道 Rd.2 TOKACHI 3時間耐久レース

十勝スピードウェイの名物レースのひとつ、
「TOKACHI 3時間耐久レース」が今年は「北海道クラブマンカップレース第2戦」として6月30日に開催された。

これまではVITA-01と、初代VitzによるN1-1000との混走レースだったが、今年から新たにTS-86/BRZやN0-Vitzといったナンバーつき車両も交えて走ることになった。それぞれ速さの質が異なることから、より注意や配慮が必要とされるようになったが、それもまた耐久レースの醍醐味。
VITA-01使いたちが、どれだけスムーズに抜いていくか、技が試されることにもなった。

 さて、この3時間レースではピットストップが3回義務づけで、ピットロード入口から出口までの所要時間は3分以上。
2名もしくは3人で競われるが、登録されたドライバーは必ず一度はコースインしなくてはならない。
なお、セーフティカー(SC)が導入された場合も、ピットインは可能とされている。
したがって、もしSCが導入されることがあれば、そのタイミングでピットストップを合わせれば、タイムロスを最小限にできるはずだ。
使用できるタイヤは、車検時にマーキングされた8本までとされ、予選と決勝スタート時には未使用のタイヤを用いなければならない。

ーーーーー

十勝3H耐久レース名物
ランチケータリング
@ricolore_obihiroさんいつもありがとう
土曜のお昼は腹ごしらえから♪

そして北海道の夜は美味しいものを食べるのが楽しみ♪


予選

 全国的には梅雨時で、このレースウィークも各地で雨に見舞われたようだが、ここは北海道、梅雨の心配はない。天気予報でも日曜日の夕方から雨が降りそうだと告げていたが、少なくても走行中は心配なそう。

ただ、5月の第5戦も「北海道らしからぬ暑さ」を伝えたものの、今回もまた……。
練習走行が行われた金曜日、土曜日はかなりのものだったが、幸い、予選と決勝が行われた日曜日は爽やかな風が吹いて、耐えきれぬほどではなかった。

 今回のVITA-01のエントリーは12台。
前回の7台から増えたのは、本州から遠征のチームや、地元チームからレンタルして挑むチームがあったためだ。

今回、APチャンピオン、もてぎ、スズカから強者が参戦!
十勝のVITA勢のレベルがさらに高まる中、なかなか手強いメンバーを相手に
どこまで勝負できるか!


予選はAドライバー、Bドライバーごとのセッションが設けられ、その後にCドライバーによるフリー走行が実施される。決勝グリッドは、いずれかのドライバーが出したタイム順で決められるが、スタートは必ずAドライバーが担当しなくてはならない。

さて、12台のうち、最も注目すべきは#6 HRSC 日本平中自動車HDC VITAだ。
平中繁延選手がパートナーとして起用したのは、昨年のウィナーのひとりでもあり、開幕戦で2位の村上泰規選手、そしてGTドライバーであり、息子の平中克幸選手のふたりだったからである。
平中克幸選手がAドライバー予選に臨んだものの、一度もトップになれず。

その前に立ちはだかったのが、誰あろう開幕戦のウィナー、#310恒志堂レーシングVITA 310号機の上野大哲選手だった。
計測1周目からトップに立ち、周回を重ねるごとにタイムを詰めていく。
計測6周目には1分31秒452を記して、これをベストタイムに。
一方、ほぼ同じタイミングで平中克幸選手も1分31秒464を出して肉薄するも、コンマ012秒及ばず。
このふたりに、11恒志堂レーシングVITA 11号機の石崎龍一朗選手が1分32秒550で続いたはずが、このタイムは走路外走行によって採択されず。準じて記していた1分32秒989で7番手に留まってしまう。

その結果、3番手となったのは#12恒志堂レーシングVITA 12号機の佐藤元春選手で、1分32秒704をマーク。

これに1分32秒885を記していた遠征ドライバーのひとりで、#10 VITA-01の中里紀夫選手、

1分32秒898を記していた#910恒志堂レーシングVITA 910号機の工藤大祐選手、

そして1分32秒912を記していた#129足立眼科 レバウス帯広ミドリ調剤VITAの梅田和志選手が続いていた。

Bドライバー予選では、#6HRSC 日本平中自動車 HDC VITAの村上選手が1分31秒758でトップに立つも、上野選手と平中克幸選手のタイムを上回れず。
これに続いたのが#12恒志堂レーシングVITA 12号機をドライブし、FIA-F4にも参戦する大宮賢人選手の1分32秒470で総合3番手に値したが、複数回の走路外走行のペナルティとして2グリッド降格に。

なお、Bドライバーセッションでは、#310恒志堂レーシングVITA 310号機の浅井康児選手が1分32秒470で3番手、#910恒志堂レーシングVITA 910号機の木下祐希選手が1分32秒945で4番手、
#129足立眼科 レバウス帯広ミドリ調剤VITAの澤田圭吾選手が1分33秒222、そして#30足立眼科お魚せんせVITAの四倉悠聖選手が1分33秒236で6番手だった。

その結果、ポールポジションは#310恒志堂レーシングVITA 310号機の上野選手と浅井選手が、

2番手は#6 HRSC 日本平中自動車 HDC VITAの平中克幸選手と村上選手、平中繁延選手が獲得した。

以下、3番手は#10 VITA-01の中里選手と神谷弦選手、

4番手は#910恒志堂レーシングVITA 910号機の工藤選手と木下選手、

5番手はペナルティを受けてしまった#12恒志堂レーシングVITA 12号機の佐藤選手と大宮選手、

そして6番手は#129足立眼科 リバウス帯広ミドリ調剤VITAの梅田選手と澤田選手という順となった。


ポールポジション:#310恒志堂レーシングVITA310号機

上野大哲選手「十勝の第1戦、鈴鹿のMECに続いて、今季3回目のポールです。
金曜日がとりあえず良かったのに、そこからセッティングにハマっちゃって、12号機の方が速かったんですよ。
それで初戦のセッティングに戻して、これで何にも考えずに行こうって。
そうしたら、気温が上がる前にタイム出せましたし、Vitzのトラフィックにもギリギリ引っかからずに、タイミングも良かったです。
とりあえず平中(克幸)さんに負けなかったので、良かった! 
去年もけっこう燃費がきつかったので、今年もSCとか見ながら燃費良く行ければ、後半に何も考えずに行けるかなと思っています。前半はセーブして、後半に合わせてという感じにしようかと思っています」

浅井康児選手「去年まで乗っていた車で、セットも基本そのままの方向で、自分のイメージどおりに動く状態で行けたので、自分の実力どおりには。
今年は1戦目、走っていないので、やっぱりここで、この車で走っていないと落ちていくんだなと実感した予選でした。
上野くんがいいタイム出してくれたので、『ああ、そういう時代なんだな』と感じています。
決勝は、上野くんとのコンビなので、トータルの力ではもちろん優勝できると思っているので、全力で! 
ノーペナで優勝して、予選も1位、ファステストも獲ってフルポイントの優勝目指していますので、お願いします」

ーーーーーー

予選2番手:#6 HRSC 日本平中自動車HDC VITA

平中克幸選手「出て欲しいっていうんで、あまり出るつもりはなかったんですけど、どうしてもって(笑)。
3、4年前ぐらいに耐久で、この車じゃないですけど、一緒に乗って。ほぼほぼ十勝自体、走るのが久しぶりです。
久しぶりにVITAに乗ったら最初はけっこう大変で、恒志堂さんとタイム差があったので、『せっかく来て遅いまま帰るのもなぁ』みたいな感じで、いろいろセッティングも、シーズン通して出ているので、普段どうしているのか聞きながら進めていって。なんとかなんとか予選では、ほぼ同じぐらいのレベルまで来られたのかな、って感じなんですけど。
もうちょっと時間あれば、もっと車良くできたと思うんですが、耐久レースはチーム力ですし、村上くんも速いし、親父にも頑張ってもらって(笑)。優勝目指します」

村上泰規選手「去年、優勝していて、前回もBドライバー予選では1位で、今回も。Aドライバーの方が速かったので、ちょっと上回るのは難しかったですね。
チーム力としては、克幸さんと私、社長(平中繁延選手)でトータルのタイムで勝負できるところがあると思うので、そこらへんチームワークしっかりして。
今回、台数が各クラス増えていて、ピット戦術が重要になると考えているので、そこをうまく使って、表彰台の真ん中を目指していきたいと思っています」

平中繁延選手「いや~、一番の目的は親子で出るってことがね、これで終わりなのか、もう1回乗ってもらえるのか(笑)。まぁ、そういうひとつの楽しみと、みんなで和気あいあいと、若い人を含めてできたらいいなっていう。
でね、自分が乗り慣れている車を今回、選択したんですよ、乗りやすいから。
だけど、このエンジン、何十戦も乗っていて、耐久レースも3回目なんですよ。だから、克幸にも言われたんですけど、これ、言い訳なんだけどね、『お前ら、何を言い訳してるんだ』って言われちゃうけど、『ちょっと力ないね』って。そりゃ、そうだよね。とりあえず、みんな若い人来てくれたので、楽しんでもらえたらいいなと思って。レースですから、優勝します!」

予選3番手:#10 VITA-01

中里紀夫選手「3番手なんですか? 自分の予選の順番も分からんかったけど、タイヤが新品になって、条件一緒になったら、そのうち、この順位になっちゃって。
ちょっと嬉しいですね。淡々と、ペナルティとか四脱とか気をつけて、やっていくしかないかなと。耐久なんで、じっくり行きたいと思います」

神谷弦選手「私はスタートを務めないですけど、ちょっとタイム見ている感じ、私がベテランの人たち、教えてもらっていた人たちに、だいぶ近づいてきた感じがします(笑)。
決勝も頑張りたいですけど、とはいえ調子乗っていたら、またコースアウトして大変なことになるので、そこはちょっと自制しながら。ペナルティとか受けずにチェッカー受けたいと思います」

予選4番手:#910恒志堂レーシングVITA 910号機

工藤大祐選手「やっぱり、これほどの気温が今年初めてなのと、かなり、それでニュータイヤという状態だったので、なかなかデータがないもので、ちょっと四苦八苦はしていました。
ただ、それなりにうまくいったかなと思っています。長丁場なので頭を熱くせず、淡々とクールに行きたいと思います」

木下祐希選手「最後に出してきたのは、タイミングが悪かったり、トラフィックをうまく捌けなかったりで。
まぁ、しょうがないことなんですが、最後の最後に、ようやくタイミング合って出せた感じです。
でも、もっと出したかったというのが本当のところで。もう、決勝では淡々と淡々と、いい意味でつまらない走りをずっとやって、いつの間にか上位にいられるよう、頑張っていきたいです」

予選5番手:#12恒志堂レーシングVITA12号機

佐藤元春選手「FIA-F4で活躍している、19歳の大宮選手と一緒に走りたいなということで、今回、十勝に連れてきました。
けっこうセッティング、ふたりとも迷走していまして、四苦八苦していたんですけど、昨日最後の練習でけっこう決まってきたのに、予選はふたりともちょっと思わしくない結果で。しかも大宮くんは複数回の四脱ということで、決勝は2グリッド降格となりました。
ただ、3時間のレースなので、四脱をしないで着実に順位を上げて、当然てっぺんしか目指していないので、優勝目指して走っていきたいと思っています。
勝負にはこだわりたいですね、このこだわる姿勢がMEC 120にもつながってくると思いますし、他の耐久レースにもつながってくると思うので。
基本は私、出るレースはすべて勝ちたいので、最初に帰ってきたいと思います」

大宮賢人選手「四脱の複数回があって、そこは自分のミスですから申し訳なく思います。
十勝は初めてです。特殊な感じで、新品(タイヤ)の時の感触も他のサーキットとは違う感じがあって、そこに自分が合わせられなかったのが、今回ポール獲れなかった原因です。
決勝では、走りの修正点もたくさんありますし、そこをしっかり直して、3時間あるので。
しっかり佐藤さんとも相談して、優勝できるように頑張ります」

予選6番手:#129足立眼科 リバウス帯広ミドリ調剤VITA

梅田和志選手「最初は予想どおり、他車との兼ね合いでクリアラップが、自分が勝負したい周では、ちょっと取れなかったんですけど、幸い、
その後に速い車の後ろに着けたっていうのがあって、それで自分なりには悪くないラップが、2周ぐらいは一応できました。それが6番につながったかなというので、そこはちょっと運が良かったっていうのはあると思いますけど。
でも、タイヤのバランスがつかめたので、決勝はなんとか、3時間の勝負なので、チーム戦略立てながら、おそらく入るであろう、SCをうまいこと利用して、終わってみたら上にいたという、なんとか総合力で上を目指したいと思っております」

澤田圭吾選手「二枠目ということで、気温が上がることが予想されていたので、ちょっと早めにタイム出そうという、今回は作戦で行きました。
ただ、ちょっと、いちばん美味しい時のタイミングで攻めすぎてしまって、1コーナーでスピンをしてしまって、それでちょっと走りが安定思考というか、それで攻められなくなっちゃった感じですね。後半の方はアジャストできていたんですが、その頃にはタイヤが終わっていて、残念ながらという感じだったんですが、ただ、そんな内容のよくない予選だったんですが、5番手だっということで、そこはポジティブに考えています。
決勝ではタイヤが厳しくなるというのを予想していますし、なので、いかにタイヤを守るか、あとは燃費をしっかり維持して、あとは正しいラップでピットインを、SCとかも絶対あると思うので、そこは間違いないように、意識してやっていこうと思っています」


決勝

 1デイレースで、しかも予選と決勝の間には他に1レースしか挟まなかったこともあり、慌ただしくもあったが、定刻の12時には決勝のスタート進行が開始された。
サーキット上空には薄い雲こそ浮かんでいたが、青く澄み渡っており、これぞ北海道という感じだ。
もう少し涼しかったら、なお最高だったが、まぁ贅沢は言うまい。

 12時15分にはフォーメイションラップ開始。

そしてスタートでいきなり飛び出して行ったのが、ポールシッターであり、#310恒志堂レーシングVITA 310号機をドライブする上野選手だった。
オープニングの1周だけで1秒2の差をつけるも、

ならばとばかりにペースを上げたのが、#6 HRSC 日本平中自動車HDC VITAの平中克幸選手だ。
2周目には背後につけて、後続を引き離していく。

4周目のストレートで平中克幸選手が前に出るも、上野選手も遅れを取ることなく続いていった。

 一方、その後方では#11恒志堂レーシングVITA 11号機の石崎選手が、3周目に5番手に浮上していたが、それぞれ耐久レースらしく、自分のペースを貫いていた感も。それでもチャンスがあれば行くのが道理。

#12恒志堂レーシングVITA 12号機の佐藤選手が、10周目に#10 VITA-01の中里選手を抜いて3番手に躍り出る。
さらに11周目には石崎選手が4番手に浮上。
20周ほどすると、平中克幸選手と上野選手のつば競り合いも一段落。2秒ほどの間隔が広がるようになる。

そしてスタートからほぼ40分経過した、27周目に5番手を走行する#10 VITA-01が、最初にピットに入って神谷選手と交代。

 

それから間もなく、平中克幸選手のペースが鈍ったことから、再び上野選手が差を詰めたが、47分目の31周目に#6 HRSC 日本平中自動車HDC VITAは村上選手への交代を行なったため、抜くまでには至らず。

その周には、#11恒志堂レーシングVITA 11号機も市川篤選手にスイッチ。
33周目には#12恒志堂レーシングVITA 12号機も大宮選手に、

#910恒志堂レーシングVITA 910号機も木下選手に、そして

#129足立眼科リバウス帯広ミドリ調剤VITAも澤田選手への交代を行なっていた。

上位陣では#310恒志堂レーシングVITA 310号機が最も遅く、ほぼ1時間経過した37周目になって浅井選手に交代。

最初のピットストップが終わると、再びトップを#6 HRSC 日本平中自動車HDC VITAが走り、しかも村上選手が平中克幸選手にも遜色ないペースで走り、2番手の浅井選手との差を徐々に広げていく。
その浅井選手も、3番手の大宮選手を引き離していた。

上位で2回目のピットストップが最も早かったのが、4番手を走行する#11恒志堂レーシングVITA 11号機で60周目。

それから2周後にはトップの#6 HRSC 日本平中自動車HDC VITA、

#910恒志堂レーシングVITA 910号機がピットイン。ここまでスタートから1時間40分ほどと、ほぼ折り返しのタイミングだった。

その間に暫定トップに立った#310恒志堂レーシングVITA 310号機、

これに続いていた#12恒志堂レーシングVITA 12号機は66周目に。

最も遅らせたのは69周目の#129足立眼科リバウス帯広ミドリ調剤VITAで、先のピットストップから1時間以上走り続けられたのは、徹底した燃費走行を心がけていたからだった。

村上選手から40秒を超えるマージンを託された、#6 HRSC 日本平中自動車HDC VITAの平中繁延選手は、そのままトップを走り続けるが、76周目に早くも最後のピットストップを行う。しかし、早過ぎまいか? 先の交代から30分も経過していないし、ゴールまでの残り時間は50分以上ある。ことの顛末は、レース後のドライバー3人のコメントで明らかになる……。ともあれ問題は、どのタイミングでライバルがピットに入って、どの位置で戻るかだ。

まずは#12恒志堂レーシングVITA 12号機は83周目で、残り40分強はセオリーどおり。

86周目の#910恒志堂レーシングVITA 910号機も同様に。
#11恒志堂レーシングVITA 11号機は91周目で、残り30分のタイミング。
しかし、いずれも#6 HRSC 日本平中自動車HDC VITAの前には出られない。

残すは2台。その時点でトップに立っていた#301恒志堂レーシングVITA 310号機は、ラスト20分をWスティントとなる上野選手に託した。


どうだ? 平中克幸選手は前にいた!
 しかし、ふたりの間隔は、わずか4秒。ひょっとすると。

最後に入ったのは#129足立眼科リバウス帯広ミドリ調剤VITAだったが、これは我慢し過ぎだったかも。

順位を整理すると、#6 HRSC 日本平中自動車HDC VITA、#310恒志堂レーシングVITA 310号機、
#12恒志堂レーシングVITA 12号車、
#11恒志堂レーシングVITA 11号機、
#910恒志堂レーシングVITA 910号機の順位となっており、
#129足立眼科リバウス帯広ミドリ調剤VITAは6番手に。

その間にも平中克幸選手に上野選手は迫り続け、残り6分となった段階でついにコンマ4秒差として背後に着くことになる。その105周目には1分31秒940という、驚異のファステストラップまで叩き出していたのだが……。ガードを巧みに固めて、平中克幸選手は上野選手を最後まで前に出さず。

109周目にチェッカーが振られたところで差はコンマ144秒! 
まさに#6 HRSC 日本平中自動車HDC VITAの辛勝だった。

3位は#12恒志堂レーシングVITA 12号機で、表彰台には6位まで立つことを許されたが、同チームはそのうち4チームを独占していた。

遠征チームでは、#10 VITA-01の中里選手と神谷選手が最上位で8位。

また、#666酒井正和号で優勝狙う三人衆・VITAの三浦康司選手と西濱康行選手、イシカワヨシオ選手はレンタルマシンで、愛機とは勝手が違ったのか、9位という結果に終わっていた。


優勝:#6 HRSC 日本平中自動車HDC VITA

平中克幸選手「いや、本当に、あまり言いたくないんですが、ドラマがありまして。予定のピットよりも全然早く入っちゃって、3回目。
全然、僕らの予想していない時に入ってこられちゃって、僕は行くしかないから、そのまま行って、でも、そのままじゃ燃料も絶対保たないし。
それで燃費走行をとりあえずして、どれぐらい燃費走行したら分からない中で、『なんとかこれぐらいかな』って、ピットとやり取りしながら、『これだったらギャップがないぐらいだ』って感じで。
とりあえずギャップゼロなのか、(310号車に対して)前なのか、後ろなのか、それで初めて勝負しようと決めていました。結果、前に出ることができて、そこで勝負して勝てたので、だから僕らとしては、できる限りのこと、すべて出し切ったから、すごく良かったです。
燃費走行で34秒とか35秒でずっと走っていて、相手との位置関係が分からない中だったレースでしたから、けっこう楽しかったです。
最初のスティントの時は直線で抜きました。楽しかったです!
最近の僕のGTレースより全然楽しかった(笑)。
レース内容がそのぐらい楽しい内容でした」

村上泰規選手「2年連続です、去年の相方はお休みしているので、2年連続の権利を持っているのは私だけだったので、なんとか獲りたい、そういう気持ちで戦略面もドライビングについてもすごい、メカも僕がやっていたので、そのへんの車作りから、克幸さんに協力してもらって、ここまで持ってこられました。
克幸さんがおっしゃっていたとおり、予定外のピットインですけど、最後はさすが、GTドライバーの腕の見せどころというところで、素晴らしい走りを見せていただいて、最後にトップでチェッカー受けてくれて、本当に嬉しいです。
レースラップも克幸さんと僕も、かなり似たような感じだったので、僕が終わるまでに後ろを40秒離せたので、一回社長に代わろうかって、そういうような戦略でした」

平中繁延選手「いやいや、あれね。ピットクルーがこうやって騒いでいたんですよ、手招きするような感じで。『ああ、もう入ってこい』ってことかって、無視したら怒られるでしょう? だから、入ったんですよ。そしたら誰もいなくて、『あれ、あれ、あれ?』と(苦笑)
給油マンもいないし、誰もいなくて。あれでおそらく10秒以上タイムロスしたんじゃないかな。
俺は楽しく走っていたんですけど。おそらくもうガソリン入っていないと思います」

 

 

2位:#310恒志堂レーシングVITA 310号機

上野大哲選手「いや、本当に……。途中ですごく遅いVITAに捕まって、前でスピンされちゃって、それ避けるのにちょっとスピンしちゃったんですよ、それが響いちゃって、最後。追いついても、本当にコンマ何秒だったと思うんですけど、ちょっともったいなかったです」
他のカテゴリーと混走するテクニックは、さすが平中プロ、勉強させていただきました。

浅井康児選手「悔しいですね、行けると思ったんですけど、
最後の壁は現役の、偉大なプロドライバーっていうことで、ブロックとか心の余裕とか、いろんなものを持っていて、すごくそういう意味では勉強になったレースだったんじゃないかって。
1位は逃したけど、得るものは大きかったレースだったと思って、いい経験ができました。
ありがとうございました」

3位:#12恒志堂レーシングVITA 12号機)

佐藤元春選手「悔しい結果でしたね。レベルの高い、特にトップ3はレベルの高いバトルだったので。
今回またニュータイヤスタートで、タイヤの挙動って減った時にけっこう変わってくるので、それをもっとドライバーである自分がアジャストして、ベストタイム刻めるようなドライビングを目指したいと思いました。
もう少しペース上げれば、トップと戦えたので。途中、かなり混走で行き場を失ったような感じで、右にも左にも真ん中にも、これは減速せざるを、大幅にしなければならないという場面もありましたね。
そういうところは運なので、いい運を引き寄せられるように、本当に精いっぱいしなければと思いました」

大宮賢人選手「悔しいですね。最終的には走りとしては修正できたと思っているんですけど、ファステストラップは獲れなかったので、悔しいですね、何も残せなかったというのは。ただ、耐久は初めてなので、いい経験にもなりましたから、これを今後に活かしていきたいと思います」

4位:#11恒志堂レーシング VITA 11号機

石崎竜一朗選手「予選では走路外走行のペナルティを受けてしまって、ちょっとギリギリかなって、前輪1本残したつもりだったんですが、出ちゃっていたみたいで。でも、スタートでそれなかった位置まで戻せたので、良かったと思います。僕の責任なんで、取り返しはできたと思っています」

市川篤選手「練習走行で、ちょっと苦悩を抱えていただけに、本当に予選の直前になって、車が決まって乗りやすくなって、私は落ち着いて走れるようになって良かったです、今は清々しいです。あとちょっとで表彰台に届かなかったという悔しさもありますが」

5位:#910恒志堂レーシングVITA 910号機

 

工藤大祐選手「いや~、初めてなんですよ。入賞はあるんですけど、5位とはいえ表彰台立ったのは初めてで、嬉しいです。
ありがとうございました。もう、耐久って、ずっと乗り続けるので、技術的にはすごく勉強になって。近いうちにスプリントで表彰台を目指したいと思います」

木下祐希選手
「私もVITAのレースで表彰とか、入賞するのが初めてだったので、めちゃめちゃ嬉しいです。
本当はもう一個上に行きたかったですが、あんまり欲張らずに。楽しく走れたので、良かったです」

6位:#129足立眼科 リバウス帯広ミドリ調剤VITA

梅田和志選手「まぁ、嬉しいのと悔しいのと、両方という感じですね。去年も6位だったので、同じ6位だったということで、やっぱりまぁ、少しでも上を狙っていたというのが正直なところで。SCも出ずに、普通に自力の差で今回、決着がついたっていうところでは、やっぱり力不足だったというのが素直なところだったので、はい。
でも、調子いい時も、もちろんあったので、それを維持できるようにすればなぁと。
悔しいですけれども、でも嬉しい6位だったと思います。最初にいっぱい走っておいて、後でいろいろ対応できるようにっていうことでやったんですけど、本当にSC出なかったですね(笑)。
そこですね、みんな同じようなこと思っていたと思うんですが、上位勢は本当に速かったなと、完敗でしたけど、楽しかったです」

澤田圭吾選手「嬉しい気持ちと、もうちょっと上行けたなっていう気持ちと半々ですね。
とにかく引っ張るって作戦を採った中で、やっぱり引っ張るために、けっこう燃費走行強いられて、そこでペースを上げていかれなかったんですよね。
で、SCが出なかったので、もし、引っ張らなくて、ちゃんとペース上げていたら、どうなったんだろうな、ってちょっとタラレバがありました。
5位は狙えたっていうのが正直な感想です。この悔しさを次回以降のレースで!」

ど真ん中賞は、この2チームが!👏
来年もガンバッテクダサイ!

ど真ん中賞
#129 足立眼科 リバウス帯広ミドリ調剤 VITA 
   梅田 和志/澤田
#30 足立眼科お魚せんせVITA 
   鬼塚益生/四倉悠聖