鈴鹿チャンピオンカップレースRd.2
[v.Granz ]Rd.2
5/10-11
🏆#29大崎 達也 ファステストを叩き出し見事優勝!
E-NEEDS エブリ赤坂 v.Granz
v.Granz界隈がざわついている。もちろん、いい意味で。
昨年の最終戦で衝撃のデビューウィンを達成した19歳#22富田星羅選手(monocolle)は、年をまたいでなおスピードを維持し、開幕戦ではレコードタイムとなる2分12秒697を記録してポールポジションを獲得。決勝では、#29大崎達也選手(E-NEEDS エブリ赤坂v.Granz)の抵抗を受け、逃げることはできなかったものの、連勝を果たしていた。
しかし今回Rd.2決勝では、#29大崎達也選手(E-NEEDS エブリ赤坂v.Granz)がファステストタイムを叩き出し、冨田選手の連勝を許さなかった。
2025年鈴鹿チャンピオンカップレース、この2人の戦いに今後も目が離せない。
第2戦は5月10~11日に開催。 これまでの2戦は寒さとの戦いではあったが、季節が初夏に移った今は、伝わってくるインフォメーションも、タイヤなどのマネージメントも違っているはず。まさに真価が問われる一戦となった。
予選
土曜日の鈴鹿サーキットは、あいにくの雨模様。天気予報どおりではあったが、こればかりは外れてくれてもいいのに、そう思ったドライバーも少なくなかったはずだ。
ウェットコンディションが、このレースウィーク、予選でいきなり……というわけではなかったものの、路面の水量が違えば、全然違う状況になってしまう。
ともあれ予選はスタート。水しぶきは激しく上がっており、まさにヘビーレインともいう状態だ。
それぞれ探り探り走るも、開始早々に赤旗が出されてしまう。ヘアピンでストップした車両があった上に、シケインでスポンジバリアに突っ込んでいた車両もあったためだ。前者は自走でピットに戻ってきたものの、後者はフロントのダメージが大きそう。幸い、ドライバーはすぐ降りていて、怪我のないことは確認された。 クラッシュパッドの修復を要したため、中断は5分強に及び、計測が再開された時点で「残り8分40秒」とのアナウンスが。よもや延長なし? アウトラップのアクシデントだっただけに、まだ誰もタイム計測できていないというのに。しかし、それは現実だった。
再開後に先頭でコースインできた#29大崎選手が、しっかりクリアラップも取れて、視界も良好の中、ペースを徐々に上げていく。
一方、#22冨田選手は中団からの再出走となっていたが、前回の反省も踏まえて、2回目のアウトラップのうちに位置取りも決めてきたよう。
まずは#29大崎選手が2分33秒339で、トップに浮上。
しかし、その直後に#22富田選手が2分32秒322をマークして逆転を果たす。
3番手は#31 OOKA選手(G-TECH)で2分33秒669を、
そして4番手は#1関正俊選手(グラック&KTS)で2分33秒993を記録していた。
タイヤにも程よく熱が入って、まだまだタイムは伸びるだろうという予想の中、やはり! #22冨田選手が戻ってくると、先のタイムを2秒上回る2分30秒311を記してきたではないか。#29大崎選手も詰めてきたが、2分32秒385と2秒も離されてしまう。3番手は2分32秒453の#1関選手だ。
いやいや、まだまだ……というムードも漂う中、緊張の糸はプツンと切られてしまう。デグナーでコースアウトしていた車両があり、またしても赤旗が提示されてしまったからだ。もはや再開の可能性はなく、間もなく予選終了が場内に伝えられる。たった2周しかアタックできていないのに、とため息ついたドライバーもいたはずだ。
だからこそ、貴重な機会に、持てる力を最大限に発揮した、#22富田選手には「あっぱれ!」の一言を贈りたい。そして、ざわつきはより一層高まった。
2番手は#29大崎選手で、3番手は#1関選手。そして#31 OOKA選手が2分33秒669で、ここまでが2分34秒を切ることに。
5番手には#15吉村一吾選手(NEXSEED v.Granz)がつけ、
6番手はデビューレースとなる#88 YAMATATSU選手(グランツ)がつけた。
決勝
近頃の天気予報は、本当に精度が高い。伝えられていたとおり天気は回復して、決勝は完全にドライコンディションに改められていたからだ。
前回も路面は乾いていたものの、小雪が舞うほど温度が低く、フォーメイションラップが1周追加されたほどだったから、ようやく“普通”の条件下での戦いになった。
注目すべきは#22富田選手のスタートだ。カート出身とあって、スタンディングスタートは得意としていない。が、スプリントレースも3戦目とあって、もう言い訳も効かない状況には置かれていた。
実際のところ、#22富田選手のスタートも悪くなかった。しかし、それより#29大崎選手のスタートが決まったと言うべきだろう。
抜群のスタートダッシュで#29大崎選手が1コーナーを奪う。
一方、その後方では1台がストールし、さらに1台が白煙を上げて1コーナーに進入。その車両がS字でストップしたため、セーフティカー(SC)が導入されてしまう。
間もなく全車ペースを緩める中、順位を確認すると#29大崎選手がトップで、2番手は#22富田選手。
3番手は#1関選手ながら、4番手と5番手は#15吉村選手と#31 OOKA選手が順位を入れ替え、
さらに6番手、7番手にはふたつずつ順位を上げていた#58入谷敦司選手(カプカv.Granz)、#12金久憲司選手(ONE LAP COATアシスト青春親父)が浮上。逆に初レースの#88 YAMATATSU選手が、10番手まで順位を落としていた。
車両回収はスムーズに進み、SCの先導は1周で終了。
ローリングスタートならお手のもの、と思われた#22富田選手だったが、リスタートを完璧に決めて1コーナーには差をつけ、トップで飛び込んでいったのは#29大崎選手。
ここは経験の差と言えるだろう。そして#1関選手だけが、このふたりに続いてトップは3台で争われることとなる。
前回もスタートで前に出たものの、1周しかトップを守れなかった#29大崎選手だったが、3周目にその時点でのファステストラップ、2分15秒331を出して迫ってくる#22富田選手に徹底抗戦。特に東コースではぴたりと背後に着けてくる#22富田選手を抑え続ける。
その後方での4番手争いも激しく、まずは#58入谷選手が#31 OOKA選手を抜いて5番手に。勢いに乗る#58入谷選手は次の周には4番手に浮上。さらに#31 OOKA選手と#15吉村選手も順位を入れ替えていた。
4周目には#1関選手が遅れ始め、トップ争いは完全に#29大崎選手と#22富田選手の一騎討ちに。
なおも続いたチャージだが、最終ラップに入って1コーナーの縁石に乗った#22富田選手のリヤがズルリ。どうやら先にタイヤが音を上げてしまったようだ。
ならばとばかりに、#29大崎選手は余力を全放出。ファステストラップとなる2分15秒327をも記録して、最後は2秒差でv.Granz初優勝を飾ることとなった。
#22富田選手はスプリントレースで初の黒星を喫して2位に。
そして中盤からは単独走行となった#1関選手が、前回に続く3位でゴール。
4位は4ポジションアップに成功の#58入谷選手が獲得した。
5位は#31 OOKA選手で、
6位でゴールしたのは#12金久選手だったが、SC中の追い越しにより、30秒加算のタイムペナルティで10位に降格。繰り上がって6位を、
#25濱野隆一選手(リクエストワイズwithスキルスピード)が獲得した。
2位:#22 富田 星羅選手 monocolle
スタートはいつもよりも上手くは決めれたんですが、大崎さんの方が良くて。 いつも自分は序盤がペースがいいので、そこで抜きたかったんですけどSCが入ってしまったので上手く自分の展開に持ち込めなかったですね。 シリーズ的には今同ポイントだと思うので、このままシリーズ目指して頑張っていきたいと思います!
5位:#31 OOKA選手G-TECH
今回足のセッティングを変えたんですけど、ドライが初めての走行になったんでまだそこに自分が合わせきれなかったですね。かなり感覚的には良いので、これで練習してトップ集団にくらいついていきたいと思います。 スタートは上手く決まったと思ったんですけど、周りはもっと上手でしたね