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鈴鹿Rd.2レースレポート[VITA]
2025/05/17 レポート

VITA第2戦

鈴鹿チャンピオンカップレースRound 2
VITA Rd.2 5/11〜12

🏆#333 上田 裕司選手 開幕戦に続き連勝! 

 

  GW明けの5月10〜11日に、鈴鹿サーキットのVITAレース第2戦が開催された。
このシリーズは、まさしくチャンピオンカップだ。

鈴鹿だけでも昨年を含み、4回のチャンピオン経験を持つ#1中里紀夫選手(SHINSEI MIDLAND C72 PFC)を筆頭に、2019年の#79米田弘幸選手(ABBEY RACING)が存在し、他のサーキットでは#58綾真則選手(ブライルバッテリーマーズ01)が2013年のもてぎで獲得。

そして前回のウィナー#333上田裕司選手(PHOENIX & REGARD&萬雲塾)は、言わずと知れた昨年の岡山チャンピオンである。岡山で磨いた腕は、鈴鹿でも通用することを大いに証明してくれた。
また、#30大野宗選手(You Tube「ゴキブリ博士」VITA)は、昨年のMEC 120のAma-Amaクラスのチャンピオンでもある。

 そして、もうひとりチャンピオンが帰ってきた。岡山でチャンピオン、鈴鹿で3回のチャンピオン経験を持つ、#7大八木龍一郎選手(DAISHIN★TMR×萬雲塾VITA)である。
2023年にはMEC 120のAma-Amaクラスの初代チャンピオンも獲得しており、昨年は仕事を優先するため、レース活動をほぼ控えていたが、復活したからには、また大暴れは必至である。

 え? チャンピオンは5人だけ、と思うかもしれないが、シビックによるFFチャレンジや、FIT 1.5チャレンジカップ等で獲っているドライバーも実は多い。そのあたり、また折を見て……。

<鈴鹿ブリーフィング>

予選

 レースウィーク土曜日の鈴鹿サーキットは、あいにくの天候に。
VITAの予選が行われる頃は、だいぶ雨は弱まっていたとはいえ、それが災いして水しぶきが上がるところ、上がらないところが長いコースの中で極端に分かれていた。ということは一定のリズムで走っていては、唐突にズルリということもあり得るわけで、普段以上に難しい予選になったようだ。

 そんな中、先頭でピットロードエンドに並んだのは#7大八木選手。1台を挟んで#333上田選手が続いてコースインするも、すぐに抜いていく。しかも、#7大八木選手と#333上田選手は、程よく間隔を保っている。これが重要なことで、クリアラップも取れる上に水しぶきで視界を奪われずに済むからだ。

 先に行われたv.Granzの予選では、コースアウトが多発。しかも、赤旗が出ても計測は延長されずにいたから、タイヤを入念に温め……ということは許されないのは明らかだ。#7大八木選手も#333上田選手もアウトラップから果敢にコースを攻め立て、早々とアタックをかける。だが、勢い余って乗せてしまったデグナー出口の縁石で、#7大八木選手のリヤが流れる。続いていた#333上田選手にも少なからず影響があったようだ。

 そのため、計測1周目は#7大八木選手が2分47秒748、#333上田選手が2分49秒077となる中、2分47秒696で上回ってきたのは、近頃めっきり雨の走りが冴えてきた、#24坂野貴毅選手(THE BRIDE VITA)。

そして、2分46秒664をマークした#70 HIROBON選手(Andare Moty’s制動屋東野レーシング)だ!

 ピットアウト時の#70 HIROBON選手は位置取りには恵まれなかったものの、アウトラップからハイペースで飛ばし、前の車両を抜き続けていく。それでも計測1周目には前に1台がいて、ようやく抜いてきたのが130Rだったから、このタイムであっても、まだ伸び代はある。

 そんな予想どおり、#70 HIROBON選手は次の周、2分45秒781にまでタイムを伸ばしてきた! そして#7大八木選手、#333上田選手もそれぞれ2分46秒625、2分46秒680を記し、2番手、3番手につけてきた。4番手は2分47秒006で#24坂野選手。

 だが、その直後に赤旗が。デグナーのグラベルでスタックした車両があったからだ。その時点で残る計測時間は10分強。一刻も早い再開を、誰もが望んだはずだ。そのまま終了だけは免れた。
しかし、残り計測時間は2分50秒。これでは誰も1周できないのは明らかだ。ルールはルールとして、せめてあと1分でも延長できなかったものか……。

 結局、定刻どおりチェッカーが振られ、誰も計測できず。#70 HIROBON選手がVITAでは初のポールポジションを獲得する。
冒頭で、まさしくチャンピオンカップだと評したが、#70 HIROBON選手こそ、そのひとり。
FFチャレンジやFIT 1.5チャレンジカップで幾多の王座を手にしているドライバーなのだ。

 2番手には#7大八木選手、3番手には#333上田選手がつけて、4番手が#24坂野選手。

5番手を#219中島僚斗選手(&GコーポレーションANGLE TMR)、

そして6番手を#68増本千春選手(SANNO清水炉工業所TMR)が獲得して、師弟コンビで3列目に並ぶことに。

 ジェントルマンクラスのトップは#78鍋家武選手(IMAGE★ToyBox★SPプラス★REV-01)で、総合でも10番手。

同クラス2番手の#61木村一廊選手(KOO’ON with ABBEY)は、#79米田選手を間に挟んで12番手に。

一方、#1中里選手は最後まで位置取りに恵まれず、16番手と中団に埋もれてしまう。ここからどう追い上げるか注目される。


決勝

 一転して日曜日の鈴鹿サーキットは、好天に恵まれた。それまでとコンディションが大きく変わっての戦いとなる。
予選で納得のいく走りができなかったドライバーも多いだろうから、まさにストレス発散の機会ともなるが、それが悪影響を及ぼさなければいいのだが……。

 33台が並んだグリッドから、レッドシグナルの消灯とともに鋭いダッシュを決めたのが、#7大八木選手だった。
一方、ポールシッターの#70 HIROBON選手はやや加速が鈍った感も。
しかし、あえて争うことなく自らのラインを走り、インを刺してきた#7大八木選手、そのさらにインのラインを選んだ#333上田選手にも先攻を許し、#70 HIROBON選手は3番手に後退。

 トップ3に続いたのは#24坂野選手と#219中島選手で、ここまでは予選順位のまま。
そして、ふたつ順位を上げて#80伊藤裕士選手(村田鉄筋セナルトMBR制動屋KYR)が6番手につけ、続いて#68増本選手という順に。

 トップの座は譲った#70 HIROBON選手だったが、仕掛けは早かった。
オープニングラップのスプーン進入で、#333上田選手をインからかわして2番手に浮上。
#333上田選手も負けじと、ヘアピンでの再逆転を試みるも、抜き切るまでには至らず。

そして2周目の1コーナーで、#70 HIROBON選手は#7大八木選手をパス。早々に予選のままのポジションに戻していた。
 西コースに差し掛かると、#70 HIROBON選手と#7大八木選手は軽く後続を離す格好となり、このまま一騎討ちでのトップ争いが繰り広げられると予想された。

対して3番手以下は、依然としてトレイン状態。そんな中、4番手を走る#24坂野選手が、デグナー立ち上がりでオーバーラン。姿勢を乱すまでではなかったが、わずかな失速は見逃されず、#219中島選手が前に出る。

 そして、その直後にヘアピンで1台がコースアウト。心配していたセーフティカー(SC)が導入されてしまう。
車両回収は迅速に行われ、1周でSCランは終了するも、次の周には再びSCが。
今度は逆バンクでクラッシュが発生。2台がストップしていたからだ。
この時のSC先導は2周に及び、残り2周での超スプリントでバトルが繰り広げられた。

 最初のリスタートもそうだったが、#70 HIROBON選手は誰よりウェービングを行い、タイヤを冷やさないようにしていたのに対し、#7大八木選手は微動たりとせず。
意外にも1コーナーでは誰もアクションをかけず、勝負どころは今ではないと誰もが理解していた様子。

 

 最終ラップの1コーナーで、#7大八木選手が勝負に出るも、#70 HIROBON選手はしっかりガードを固めて逆転を許さず。

その後ろでは#333上田選手と#219中島選手が虎視眈々。

 

やや間隔を置いて5番手争いも激しく、ヘアピンからスプーンにかけてアクションが。その結果、前に出たのは#85西尾和早選手(クローズアップ制動屋VITA)で、以下#80伊藤選手、#68増本選手、#10三宅永泰選手(TOY’S MS制動屋VITA)という順に入れ替わる。

 だが、さらにレースは動いた。直後のスプーン立ち上がりで、なんと#70 HIROBON選手と#7大八木選手が接触!
 #70 HIROBON選手がコース脇にストップし、#7大八木選手もコースアウトしたものの、すぐに戦列に返り咲く。その#7大八木選手は4台が“塊”になって飛び込んでいったシケインで2番手に浮上。

 結局、トップチェッカーを#333上田選手が受け、これで開幕2連勝。
今年も#333上田選手は“持っている”ドライバーのようだ。

一方、#7大八木選手は先の接触が「危険なドライビング行為」と即座に判定され、40秒のタイムペナルティで表彰台に立てなかったばかりか、29位にまで順位を落としていた。

 繰り上がって2位は#219中島選手で、鈴鹿では初の表彰台へ。
そして雨だけではないことを証明した#24坂野選手が、3位表彰台に上がった。

4位は予選9番手からジャンプアップの#85西尾選手で、
5位は#80伊藤選手。
ちなみに#85西尾選手と#80伊藤選手も、FIT 1.5チャレンジカップでチャンピオン経験を持つドライバーだ。
 続いてゴールした#68増本選手は反則スタートのペナルティで5秒加算され、無念の9位に。
繰り上がって6位は#10三宅選手が獲得した。

 ジェントルマンクラスでは2周目までトップの#78鍋家選手が、総合でも9番手を走っていたものの、最初のSC導入直前に順位を落とし、#61木村選手がトップに浮上。
2度のSCランが鍋家選手から挽回のチャンスを奪い、そのまま逃げ切った#61木村選手の優勝となった。 同様に、追い上げの機会を奪われていた#1中里選手は、それでも11位に。得点にはあと一歩及ばなかったとはいえ、意地は少なからず見せられたのでは。

また、アクシデントの後、なんとかコースには戻った#70 HIROBON選手は14位に。
今回誰より悔しい思いをしているに違いない。リベンジを期待しよう。


 


 


優勝:#333 上田 裕司選手
 PHOENIX&REGARD&萬雲塾

督の教えで今日は何か起こるからとりあえず待っとけという事でしたけど、ついていくだけで必死でした(笑)
これ以降も今回みたいに上手にはいかないと思いますので、自分で勝てる強いドライバーになっていきたいと思います。

2位:#219 中島 僚斗選手
 &Gコーポレーション ANGLE TMR

大八木選手の圧にやられてしまい、最終コーナーで抜かれてしまいました。
今回から足のセッティングをガバッと変えて、全然良くなりました。
皆さまのお陰でここまで走れるようになってきました。
次は優勝できますように頑張ります!

3位:#24 坂野 貴毅選手
 THE BRIDE VITA

車のセット的にアンダーが強くて、自分でも上手く合わせられなかったのでミスが多かったです。もっと練習して頑張りたいと思います。
とりあえず表彰台に乗れたのは嬉しかったです。

4位:#85 西尾 和早選手
 クローズアップ制動屋VITA

今回はちょっとストレートが前よりも行けてなくて、それで苦戦してしまいましたね。
予選が出る位置が悪くてそこから流れが悪かったです。
鈴鹿のVITAはかなりレベルが高いので、この中で優勝、チャンピオン取れるよう目指していきたいです。

5位:#80 伊藤 裕士選手
 村田鉄筋セナルトMBR制動屋KYR

車のバランスも良く、今回はかなり調子よく走れました。
25年くらい前にAE86レースを始めて、そこからFFの箱車ばっかりでした。
初めてVITA乗った時はそこまで苦労せずに乗れましたね。
個人的には純正でついている足回りが結構良く、それあってペース良く走れました!

6位:#10 三宅 永泰 TOY’S MS 制動屋 VITA

今回も棚ぼたです。
速さ的にもまだまだなのでもっと練習します。


〈ジェントルマンクラス〉

 

優勝:#61 木村 一廊選手
 KOO’ON with ABBEY
今回はチームがセットしてくれた車がよくてただ乗っていただけです。
レース中はみんなについていくのに必死でしたけど、ラッキーもあってクラス優勝できました!
今回はほんと楽しませていただきました!

2位:#78 鍋家 武選手
IMAGE★ToyBox★SPプラス★REV-01

3位:#18 大橋 孝行選手 
オオハシ*ASLAN*VITA-01
開幕戦に続いて表彰台に乗れました。
今は乗れば乗るほどタイムも上がっているんで1番楽しいところですね。
鈴鹿はたくさん走ってきましたけどやっぱFF車とは走らせ方が全然違うんでまだまだ修行が足りないです。
まずはジェントルマンクラスで優勝できるところまでいってその先も目指していきたいです。


まさに。
鈴鹿チャンピオンカップレースは、
チャンピオンDr.の戦いだった。
頂点を極めた人がF1コースを舞台とし、さらにドライビングを極める。
最大のライバルは『自分』
モータースポーツは何て楽しい。

皆さまありがとうございました。
VITA CLUB