🏁岡山VITAシリーズ第6戦決勝
VITA岡山シリーズ最終第6戦は12月10日、
「岡山チャレンジカップレース第7戦」で決勝を行った。
決勝は午後2時40分に今シーズン最後のフォーメーションラップが始まり、参加21台全車がグリッドを離れた。
天気は快晴、この時期にしては異例の暖かさだ。
全車グリッドに着き、シグナルブラックアウトで最終戦の幕は切って落とされた。
ポールポジションの藤原優太選手(#31 TMR AKILAND VITA)、予選2位の有岡綾平選手(#16 HERO’S TECH WORLD)、同3位の増本千春選手(#6 SANNO SHIELD 01)は予選順位のまま1コーナーへ向かう。
同4位の長田茂久選手(#46 TRACE☆CB☆制動屋☆愉快なおっさん)も少し遅れて順位をキープし、1コーナーを通過した。
ところが2コーナーで、その後ろを走る清水康友選手(#75 カーブティッククラブ☆Trace☆制動屋)、藺牟田政治選手(#4 NUTEC制動屋JOKER)、中西亮平選手(#66 BASIS RACING☆NAMS)の3台が絡むアクシデントが発生。
これに好スタートを切った予選10位の下垣和也選手(#14 SOUEISHA-VITA)が巻き込まれた。下垣選手は最下位でコースに復帰したが、清水選手、藺牟田選手、中西選手はこの場でリタイアとなった。
このアクシデントで車両回収のためレースは開始早々にセーフティーカー(SC)が導入された。
SC中の順位はトップ藤原選手、2位有岡選手、3位増本選手、4位長田選手で、5位に村上凌晟選手(#17 Racing TEAM HERO’S)、6位に植島禎一選手(#34 尾張信貴山☆制動屋☆Trace☆VITA)、7位に中島僚斗選手(#83 恵比寿&G RIGHT VITA)、8位に後藤武史選手(#510 MOLECULE萬雲塾VITA)、9位にTAKE chan選手(#78 恵比寿アキランドVITA制動屋)、10位に松本匡史選手(#999 m*dent with 萬雲塾VITA)が上がってきた。
3台の車両回収に手間取り、SC先導のまま周回数の消化は延々と続く。ようやくSCが解除されたのは5周目で、レースは6周目から残り5周で再開された。
再開後の6周目、トップ3台、藤原選手、有岡選手、増本選手は0秒5前後の間隔で4位の長田選手を引き離しながの展開となる。
この周、10位を走る松本選手が、前のTAKE Chan選手を捉えて9位に上がった。
7周目にはトップ3台は互いにその差を縮めワンパックとなった。
この周、5位を走る村上選手が、前の長田選手をリボルバーでパスして4位に浮上。
また9位の松本選手も後藤選手をパスして8位と毎周順位を上げる健闘を見せる。
8周目にはバックストレートでトップ藤原選手のスリップについた2位有岡選手が、ヘアピンで並びかけこの2台は並走。しかし、ここは藤原選手が有岡選手を抑えてトップを死守した。
この周、10位に落ちたTAKE Chan選手がペースの上がらない後藤選手を捉えて9位に浮上した。
9周目にも再びバックストレートでスリップについた2位有岡選手とトップ藤原選手がヘアピンで並走。ここでついに有岡選手が藤原選手を捉え、トップに躍り出た。
2位に落ちた藤原選手は、続くリボルバーコーナー立ち上がりでシフトミス。これに乗じて、3位増本選手がパイパーコーナーでインから仕掛ける。しかし、ここで両車は接触。藤原選手はスピンを喫し、6位まで後退。増本選手は2位に上がった。
最終ラップの10周目には、6位に落ちた藤原選手が前を走る植島選手を1コーナーで捉えて5位まで順位を回復した。
レースはこのまま終了。優勝は有岡選手で、2位増本選手、3位村上選手、4位長田選手、5位藤原選手、6位植島選手、7位中島選手、8位松本選手、9位TAKE Chan選手、10位後藤選手の順でゴールした。
2位に入った増本選手は藤原選手を逆転してチャレンジクラスのチャンピン獲得と思われたが、非情にも藤原選手との接触で30秒加算のペナルティーが科されてしまう。
優勝の有岡選手は代わらないが、3位以下の順位が繰り上がり、2位村上選手、3位長田選手、4位藤原選手、5位植島選手、6位中島選手、7位松本選手、8位TAKE Chan選手、9位後藤選手、10位戸田淳也選手(#36 アングルオートVITA)で、増本選手は完走選手中、最下位の18位となった。
優勝した有岡選手は今回はスポット参戦。耐久レースでの優勝はあったが、一人で乗るスプリントレースでの優勝は初めてということで、表彰式ではお子さんを抱え喜びもひとしおだった。
2位に入った村上選手は有岡選手のチームメートで、ヤリスカップからの転身。VITAレース初参戦でいきなり2位に入る大健闘を見せた。
3位に入ったのはトロフィークラスの長田選手。トロフィークラス、ランキングトップでのクラス優勝で文句なしのチャンピオンと思われたが、総合3位以内は対象外(特別規則書41条2.2)(2)②)のようで、トロフィークラスの順位はつかなかった。一つ下の4位ならチャンピオンだったので、釈然としない結果となった。
4位に入ったのは17歳の藤原選手。このレースではペースが上がらず苦しい展開で、接触でスピンも喫する後味の悪い結果となったが、終わってみればチャレンジクラスのチャンピオンを獲得。天国と地獄を経験したレースとなった。
5位に入ったのは植島選手。レース展開にも助けられたが、粘り強いレースで序盤からの順位を譲らなかった。
6位に入ったのは23歳の中島選手。今年からVITAレースに参戦を始め、スプリント形式のレースは全戦参加。このレースが今季最高位で、今後の活躍が楽しみな若手だ。
7位には松本選手が入った。周回毎に順位を上げるオーバーテークショーを演じた。
8位にはTAKE Chan選手が入った。トロフィークラス優勝で有終の美を飾った。
9位には後藤選手が入った。
10位には戸田選手が入った。
チャレンジカップのポイントランキングは、チャンピオンが藤原優太選手、2位増本千春選手、3位には今回優勝した有岡綾平選手、4位は今回欠場の大八木龍一郎選手、5位は清水康友選手、6位は長田茂久選手となった。
トロフィークラスは、今回クラス4位に入った下垣和也選手が逆転チャンピオンを獲得。オープニングラップのアクシデントで最下位まで落ちたが、粘り強く走りマシンをゴールまで導いた。
2位には今回クラス優勝のTAKE Chan選手が上がり、ノーポイントの長田茂久選手は3位に後退、4位藺牟田政治選手、5位吉村雅一選手、6位イノウケケイイチ選手となった。
これで今季の岡山VITAシリーズはすべて終了。来年は2月に開幕する予定だ。
🏆2023年チャンピオンは藤原優太選手の手に渡った。
🏁第6戦決勝コメント
優勝 有岡綾平選手(#16 HERO’S TECH WORLD)
「SCがあって10周のうちに藤原選手を抜こうと思ってたら5周になってしまい、焦りました。クリーンなレースをしてくれて、並んでも寄せることもなく、2人ともいいレースをできたと思います。耐久はありましたが、VITAのスプリントは初優勝なのでほっとしています」
2位 村上凌晟選手(#17 Racing TEAM HERO’S)
「昨日から始めてVITAに乗って、今日いきなりレースでした。優勝した有岡さんとチーム代表の青合さんのアドバイスを聞きながら走ったら、なんとか形になりました。前がごちゃごちゃしていたので、うまくよけながら、途中も前の選手とバトルして抜きました。去年まではヤリスカップに出ていました」
3位 長田茂久選手(#46 TRACE☆CB☆制動屋☆愉快なおっさん)
「激しいレースでした。若い人にはついていけません。ペナルティーの3位なので、後味は悪いですね。これからも出ますよ」
4位/チャレンジクラスチャンピオン 藤原優太選手(#31 TMR AKILAND VITA)
「スタートとSC後のリスタートはうまくまとめました。アトウッド立ち上がりからペースが上がらなくて、スリップに入られてはダブルヘアピンで離れての繰り返しでした。もうちょっとちぎれる速さがあったらと思います。リボルバーでシフトミスをして追いつかれ、増本選手が内側にいてコツンとあたった感じです。チャンピンですが、ちょっと後味が悪いですね。来年はFIA-F4とかチームといろいろ相談中です」
5位 植島禎一選手(#34 尾張信貴山☆制動屋☆Trace☆VITA)
「アウト側のグリッドだったので、1コーナーを外から行って、2コーナーでインを取るという作戦でした。それが功を奏して、2コーナーでのアクシデントを逃れることができ、運よくポジションアップできました。リスタートの時にチームメートの長田選手と村上選手を食えなかなと思ったんですが、そこまでペースは足りませんでした。藤原選手が前で回ったので追い抜いたんですが、1コーナーであっさりまくられました」
6位 中島僚斗選手(#83 恵比寿&G RIGHT VITA)
「予選は最終コーナーで滑ったときがベストラップでうまくいきませんでした。オープニングラップで前が混雑したときにちょうどインが空いていたので上まで行けました。VITAは1年目で23歳です。今年はレンタルですが、来年はマイVITAで出る予定です」