富士チャンピオンレース第5戦 FCR-VITA第２戦
10月22日 富士スピードウェイ
今年は全４戦で争われるFCR-VITAながら、富士チャンピオンレースのシリーズ後半戦に３戦が設けられているため、第１戦からは実に５か月ぶりの開催となる。
そのエントリーだが、実に39台を数えた。前回の44台より少ないとはいえ、あの時は耐久レース。
昨年、鈴鹿で行われた第２戦も44台だったが、富士のスプリントとしては昨年の27台が最多だったから、その記録を遥かに上回ったことになる。
しかも、
今回は岡山のポイントリーダーの小川涼介選手（MOLECULE/モノコレ/萬雲塾VITA）
鈴鹿・OKAYAMAディフェンディングチャンピオン
#1大八木龍一郎
オートポリスのランキング2位の首藤哲也選手（ジェットの建売★TMR/LBJ VITA）が初参戦。
またFCR-VITAの常連ではあるが、十勝でランキング2位となった佐藤元春選手（恒志堂レーシング レブニーズVITA）も出場しているから、さながら日本一決定戦のようだ。
久々に三浦愛選手
FCR-VITA
ディフェンディングチャンピオン
#470徳升広平選手（フジタ薬局アポロ電工高山短大VITA）
ともあれ、この戦いは間違いなく激戦になる、そんなムードがエントリーリストを見るだけでも、十分に感じられた。
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公式予選
過密スケジュールのあまり、FCR-VITAの予選開始は7時35分から。計測時間は前回より5分長い20分だ。空は曇っているが、もちろん時期的に暑くもなく、格別寒くもなくコンディションは穏やか。タイヤ的には早めのアタックが好ましいが、この台数を思えば、路面状態は後半の方が向上するのは明らかだ。
そんな中、早めの勝負に討って出たのが翁長実希選手（KeePer VITA）で、計測２周目には2分0秒414をマーク。しかし、次の周に翁長選手も2分0秒055にまで縮めるも、これを上回ったのが1分59秒982を記した徳升広平選手（フジタ薬局アポロ電工高山短大VITA）、そして2分0秒022の小西岬選手（RaiseUP ACRE-01）だった。
この3人は競い合うようにタイムを縮め続け、計測４周目には小西選手が1分59秒743でトップに立ち、これに徳升選手が1分59秒844で続いたかと思いきや、計測６周目には徳升選手が1分59秒563を叩き出して再度トップに浮上する。
その後、徳升選手、小西選手はともにタイムアップが許されなかったものの、ラストアタックで翁長選手は1分59秒636をマークして、2番手につけた。ただし、翁長選手は複数回の走路外走行があったとして、４グリッド降格のペナルティが課せられてしまった。
ポールポジションは徳升選手が、昨年の9月、第３戦以来の獲得となり、
小西選手に続いたのは並木俊貴選手（ビーフラット横浜gr VITA）で2分0秒015をマーク。
4番手は塚田海斗（BRM VITA）で2分0秒028を記録し、
5番手が上野大哲選手（タイヤカスレーシングVITA）で2分0秒090。そしてグリッド降格の翁長選手が6番手につけた。
後半勝負を狙ったドライバーは、これだけの台数が走るため、クリアラップが取れず、本領を発揮できずに終わったようだ。大八木選手は「なにしろ場所取りが悪かった」と13番手に甘んじ、またFCR-VITA初参戦の小川選手は22番手、首藤選手は24番手に留まった。
ポールポジション：徳升広平選手（フジタ薬局アポロ電工高山短大VITA）
「今回も僕を出させてくれたチームに感謝です。最初から行きました、チームからは『最初からアタックしろよ、内圧もそれに合わせてあるから』というので、言われたとおり初っ端からタイム出せる走りをさせてもらったら、うまいことハマりました。スリップにもうまくつけられて、ロガー上ではコンマ2秒ぐらい速くなっているので、本当にスリップとチームの作戦に助けられた予選でした。決勝は逃げ切りたいですが、実際にはスリップ合戦で難しい戦いになると思いますが、あまり気にせず、自分の走りをしたいと思います」
予選2番手：小西岬選手（RaiseUP ACRE-01）
「感触は良かったですね、決勝に向けて昨日、多めにセッティングしたのが、いい効果出ています。何より位置取りが良かったんですけど、ちょっと攻めが甘くて、トップには届かなかったな、ってところですね。決勝に向けて作戦も練りやすいポジションなので、結果を残したいと思います」
予選3番手：並木俊貴選手（ビーフラット横浜gr VITA）
「欲を言えば、ポール獲りたかったですね、もうちょっとで59秒入ったので。でも車の感触はすごくいいので、決勝レースで一発気合を入れて、勝ってやろうかなという感じですね」」
予選4番手：塚田海斗選手（BRM VITA）
予選5番手：上野大哲選手（タイヤカスレーシングVITA）
予選6番手：翁長実希選手（KeePer VITA）
「もうスリップ使えない状況だったので、自分がミスなく走ることに集中して、最後の最後に出せて良かったです。ちょっとミスしたところもあったので、まだまだタイムは出そうだったんですが、とりあえず最低限の仕事はできたと思います」
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決勝レース
今回、決勝レースは10周で争われる。予選に続いてコンディションも恵まれたから、これは激戦が期待できそうだ。また、予選を走った39台、すべてグリッドに並べられた。
ポールシッターの徳升選手はスタートに出遅れ、小西選手の先行を許したばかりか、絶妙のダッシュを決めた塚田選手にもアウトからかわされてしまう。徳升選手は、さらにダンロップコーナーでも並木選手に抜かれ、4番手に後退していた。
オープニングラップのうちに小西選手と塚田選手は後続を引き離し、早くも一騎討ち状態に。
そして、2周目のダンロップコーナーでは、徳升選手が並木選手を抜き返していた。その後方ではイノウエケイイチ選手（ワコーズEDニルズVITA）や翁長選手、上野選手、そして大野俊哉選手（ビーンズスポーツSPM☆VITA）がピタリと着いて、逆転の機会を虎視眈々と待ち続けていた。
４周目に入ると、徳升選手が逃げ始めるも、その後ろの4番手争いはなおも激しい。大野選手が、まず上野選手をかわして6番手に浮上する。さらに７周目には、翁長選手が並木選手を抜いて4番手に上がる。
一方、トップ争いは攻防の激しさのあまり、ややペースが鈍ったところを徳升選手がとらえ、三つ巴の戦いに変化。
８周目の１コーナーでは、塚田選手が待望のトップに躍り出て、さらにダンロップコーナーでは小西選手を徳升選手が抜いて、ついにレースは大きく動く。
その後、小西選手がやや遅れたのに対し、９周目の１コーナーでは徳升選手が、ついにトップに返り咲く。だが、塚田選手も負けてはいない。最終ラップの１コーナーで抜き返したのだが……。
勝負は最後の最後、計測ライン直前で決着がつく。最終コーナーでピタリと塚田選手の背後につけ、スリップストリームから抜け出した徳升選手が横に並び、1000分の84秒という僅差ながらも前に出ることに成功！ 徳升選手がFCR-VITA今季初優勝を飾った。
最後は、再び前のふたりに追いついた小西選手だったが、逆転には至らず3位に。
4位は翁長選手、
そして5位は並木選手が獲得
さらに最終ラップにイノウエ選手をかわした、大野選手が予選10番手から6位フィニッシュを果たしている。
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優勝：徳升広平選手（フジタ薬局アポロ電工高山短大VITA）
「いや〜、最後まで気の抜けないレースで、どうなるかと思いましたよ。スタートは情けなくて、しゃべることがありません（苦笑）。ペースが良かったので、なんとか挽回できて、ミスなく最後の方は走れました。ホント、一安心です。なんとか行けました。これも車をしっかり仕上げてくれたチームのおかげです。ありがとうございました！」
2位：塚田海斗選手（BRM VITA）
「僕ができるベストは全部やって、最終ラップもトップで帰ってこられたんですけど、ストレートで抜かれてしまって、ちょっとどうしようもなかったです。今、自分ができるベストは全部できたことを前向きにとらえて、次の富士のレースでこの悔しさを、チームのみんなと一緒に鬱憤を晴らせるように、まずは絶対また戻ってきて、優勝したいです」
3位：小西岬選手（RaiseUP ACRE-01）
「ちょっと詰めが甘かったです。スタートは決まって、ちぎってやろうと思ったんですが、相手が相手だけに、簡単に勝たせてくれなくて。もう一台、徳升選手も着いてきて三つ巴になって、なかなか楽しかったですけど、うまくはいかなかったですね。とりあえず、また表彰台に戻ってこられて良かったんですけど、まだまだ上があるので、頑張ります」
４位：翁長実希選手（KeePer VITA）
「スタートをミスしてしまったので、ポジションアップできなくて、そこからは皆さんとのバトルという感じでした。ギリギリ当たらないところでのバトルの中で、リスクなく抜きたかったので、無理はしませんでしたが、あと１周あれば全然チャンスあったんですけど。でも、課題は明確なので、もっとロスなく、しっかり自分の行くところ、閉めるところを確認していたら、もうひとつ前に行けたかもしれません」
5位：並木俊貴選手（ビーフラット横浜gr VITA）
「バトルは楽しかったんですけど、もうちょっと前に着いていきたかったですね。次はトップ争いでやっていきたいです。スタートダッシュは良くて、トップグループに着いていけるかと思ったんですけど、徳升さんとバトルしている間に前が逃げちゃったので、そこは改善したかったですね」
5位：大野俊哉選手（ビーンズスポーツSPM ☆VITA）
「VITAのスプリントは３戦目で、エントリーリスト見た時は、フォーミュラの経験者や西の強豪まで来ているので、『シングル入れればいいや』ぐらいに思っていました。予選は位置取りを失敗してノースリップで、あの順位だったので、もしかしたら上も狙えるかもと思っていました。決勝では序盤、絡みながらもそこそこのレースペースで、バトルをフェアに楽しませてもらって、楽しかったです。望外の6位で素直に嬉しいですね」
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FCR-VITA Rd.2
39台の戦いは迫力満点！見どころ満載でした。
イコールコンディションのマシンを使うからこそ
面白い！
ここで基本をしっかり学び、走る。
11月12 (土)Rd.3🏁も38台のエントリー✨
ポーディアムに立つのは誰だ！
