【レースにおいてより安全に】
【より好成績を残すためのc
レースにおいてより安全に、より好成績を残すための心得での戦いは、サーキットに到着するはるか以前、エントリーを決定した時点より始まっています。
今回は[ドライバー][車両]
の両面から考えてみましょう。
はじめは車両の準備ですが、
メンテナンス、分解点検整備、
掃除、エンジン始動チェック等
多くの作業があり、これらの事は安全上非常に重要です。
また、セットアップも予定通りで、タイヤの準備も万端でしょうか?
最近少し気になっている点は、ドライバーのドライビングポジションです。
多くのドライバーの皆さんは 1に練習、2に練習、一番大事な事は走り込みでドライビングスキル向上を目指しておられますが、ちょっと待って下さい。
あなたは本当に正しいドライビングポジションでマシンを操作しているでしょうか?
長身の方、小柄な方、或いは標準的な方、もう一度自分のドライビングポジションは
適正であるか否かを見直してみると、飛躍的なタイムアップにつながる場合があります。
もう何年も同じポジションで、ペダル、ステアリング、ギヤ操作、シートホールド問題なしの上、いつも上位を争っている。と言う方々には少々おせっかいですが、
どうもペダルが操作しにくい、シフトミスが出やすいとか、
他のドライバーに比べ少し前方に着座している、
或いはヘルメットの位置が高いなど、身に覚えがある方はドライビングポジションを見直すべきだと考えます。
まずはアイポイント(ヘルメットポジション)ですが、
弊社 3/16付けメンテナンスinfoに記載の通り適正な着座ポジションにすることにより安全性が向上するうえ、重量配分の適正化、大柄な方ですと、重心位置の低減にもつながり、旋回性能向上が期待できます。
レース経験の少ない方の中には、どうしても背中が起き上がってアイポイントの高い方がおられますが、
低く、深く着座して下さい。サーキットではマシンのすぐ前を見る必要はありません。
リアビューミラー、真横のライバル、はるか前方の縁石が見えれば十分です。
どうしても標準シートではうまく着座できない、或いはホールドが良くないと感じる方には、発泡にてオリジナルシート、或いはオリジナルパッドを作ることもできます。
製作要領はYouTube等に多く掲載されていますから、何本かご覧になれば要領が判ると思います。
発泡によるシート制作での重要事項を捕捉しますと
発泡剤を膨らませるビニール袋は出来るだけ大きめで強そうな物を用意しましょう
さもないと、穴が開きそこから発泡が漏れてレーシングスーツにくっついてしまいます。
一度で上手く行くと思わないほうが良い。プロドライバー、プロメカニックでも何度も作り直しになる事がある。(ドライバーの拘りが大きいのですが)
ですから、発泡剤もビニール袋も掃除用の新聞紙も多めに用意しましょう
多くのYouTube動画では簡単そうに作っていますが、発泡剤は膨らむ事で形成されます。
お尻の下、或いは背中部分を発泡する際には、お尻が浮き上がらないように、お尻の部分には殆ど発泡剤を入れないようにして、かつ、発泡が始まったら、ドライバーの腰を押さえつけて浮き上がらないようにします。背中、肩の部分も同様で、ドライバーにステアリングを握りしめて耐えるか、胸や肩の部分をメカニックが押し付けて形成することもあります。
また、膝部分にニーパッドを付けると、足、腰回りのホールドが良くなり、ペダル操作も簡単になります。
VITA、vGRANZの場合、
ブレーキペダルはフルブレーキングで踏み切った所でペダルが垂直よりも手前になるのが正しいレイアウトです。
踏み切った所が垂直よりも奥になりますと踏みにくい上に、ペダルレバー比が下がり深く感じます。
VITAの場合その位置から同じか少し奥にスロットルペダルフェースがあるとヒールアンドトーがしやすいかと思います。
ペダルポジションが良くない場合は、プッシュロッドでの調整は微小にとどめ、
基本的にはペダルベースポジションを変更することをお勧めします。
VITAのギヤレバーポジションは前後方向の変更キットがあります。
またステアリングスペーサ、メーターパネル移動のパーツもありますので、
アイポイント、シートポジションを最適化した後、ペダルレイアウト、ステアリング、
ギヤレバーポジション等を正しい位置に移動する事をお勧めします。
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十分理解されていると思いますが、タイヤは非常に重要な部品の一つです。
タイヤセットごとに、いつ新品で走り出し、いつどこでどれだけのマイレッジを消化しているのか確実に把握しておく必要があります。
保管に関しては内圧を少し下げ直射日光が当たらない場所に保管するのが良いかもしれません。
安全なレースをする為に。
レースはスポーツですから、ドライバーもチームクルーも好成績を目指して戦うのは当然ですが、結果ばかりに拘り熱くなると、周りが見えなくなる可能性があります。
ドライバー目線で考えますと、今コース上でバトルを繰り広げているライバルは、顔も名前もマシンのカラーリングもよく知っている仲の良いお友達かもしれませんが、全く知らないライバルかもしれません。
ただ間違いなく言えることは、仲良しの方も知らないライバルも、モータースポーツを愛し、同じレースに出走している仲間であるということです。
その仲間をリスペクトする心があるならば、無理にノーズをねじ込んだり、ライバルの走行ラインを塞いだり、コースの外へ押し出したりできるでしょうか?
冷静に考えると出来ませんね。
コース上でのバトルは大いに結構ですが、ライバルの走行スペースは確実に残して下さい。
チームスタッフにも同様な事が言えます。
メカニックの仕事は多種多様で、より確実に精度よく仕事をこなそうとすると時間に追われます。
作業環境が完璧とは言えないサーキットの現場でライバルチームとピットスペースを分け合って作業をしなくてはならない事もあると思います。
ライバルチームに対しイライラすることもあるでしょうが、ドライバー同様、お互いモータースポーツが好きな同志です。
ライバルチームメカニックに対してリスペクトする姿は
美しく写ります。
お互いを讃えあう良き戦いから
モータースポーツは広がって行く事ができます。
エントラントの皆様によって
新しいモータースポーツの世界が始まって行きます。
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▶︎【耐久レースの戦い方 その①】