VITA CLUB 三重県鈴鹿市のレーシングカーコンストラクター

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🏁[鈴鹿Rd.4] VITA レポート
2025/10/10 レポート

VITA第4戦
鈴鹿チャンピオンカップレースRound 4
10/4~5 VITA Rd.4

「暑さ寒さも彼岸まで」とは、よく言ったもので、すっかり秋らしさを感じさせるようになった、10月4~5日
鈴鹿サーキットのVITAレース第4戦が開催された。

ここまで絶好調なのが、#333上田裕司選手(PHOENIX & REGARD &萬雲塾)だ。
スプリントでの開幕2戦を制しただけでなく、MEC 120として開催された第3戦も、徳升広平選手とのコンビで優勝。

つまり今季負けなしでここまで来ており、ランキングでも2位の#24坂野貴毅選手を24ポイントも引き離している。
 果たして#333上田選手の連勝街道は、このまま続くのか? 

しかし、VITA使いは歴戦の雄が揃っており、「なんとしても逆襲を!」と意気込んでいるドライバーばかりである。どうあれ激戦となるのは間違いない。


予選

 練習走行が行われた金曜日はドライコンディションが保たれたものの、晩から降り始めた雨は土曜日になってもやまず、路面を水浸しに。

予選は定刻どおり8時30分からスタート、計測は20分間だ。

全車一斉にコースインし、ピットが1コーナー寄りだったこともあり、颯爽と先頭でホームストレートに戻ってきたのは#333上田選手。
水飛沫に視界を遮られない状況は明らかに有利と見られたが、その直後に赤旗が提示されてしまう。
S字でストップした車両があったためだ。誰もタイム計測できぬうちに、一度ピットに戻らざるを得ず。

 9時41分に計測再開。だが、延長のアナウンスはなし。
走れて3周といったところか? 

まずトップに立ったのは#219中島僚斗選手(&GたつばんレンタカーANGLE TMR)で、2分46秒125をマーク。
次いで2分46秒202の#1中里紀夫選手(SHINSEI MIDLAND C72)、2分46秒258の#333上田選手、
そして2分46秒411の#70 HIROBON選手(Andare Moty’s制動屋 東野レーシング)の順に。

 しかし、次の周には#1中里選手が2分44秒525にまで短縮果たしてトップに浮上、

#219中島選手が2分45秒116で続いた一方で、#333上田選手はいったんクールダウンで順位を落とす。
そして、チェッカーが振られた周に#1中里選手は2分44秒589と、タイムを伸ばせなかったのに対し、#219中島選手はそのタイムを上回れなかったとはいえ、2分44秒698まで短縮し、トップと2番手は確定したかと思われた。

 ところが、それから間もなくポンとタイムを上げ、2分44秒696で#1中里選手と#219中島選手の間に割って入ったのが、
#79米田弘幸選手(ABBEY RACING)だった。

さらに最後のアタックで#333上田選手が2分45秒018を、

#85西尾和早選手(クローズアップ制動屋VITA)が2分45秒121を、

#24坂野貴毅選手(THE BRIDE VITA)が2分45秒505を、
それぞれ記録して4~6番手を獲得。

#70HIROBON選手が7番手で、

続いた#78鍋家武選手(IMAGE★ToyBox★SPプラス★REV-01)は、ジェントルマンクラスのトップも獲得した。


ポールポジション:
#1中里紀夫選手
(SHINSEI MIDLAND C72)

「赤旗前後で、雨量は極端には変わっていなかったと思います。久々の雨だし、車を全然わかっていなかったから、ちょっと心配だったんですけどね。タイヤの皮剥きもほとんどできていない状態だったし、怖かったですけど『P1』は出ていたし、悪くないのかなと。

後ろも離れたので、これ、ひょっとしたらいい感じになっているかな、って思っていました。車はそこそこ乗りやすかったんですけど、めっちゃいいって感触も、特に自分にはなかったんです(苦笑)。ポールは1年ぶりですね」

予選2番手:
#79米田弘幸 選手(ABBEY RACING)

「前のHIROBONさんのスリップもらってタイム上げられただけで、何もしていません(笑)。
ラッキーでした。雨量多かったんで、空気圧だいぶ上げていったのが正解だったように思います。ヘビーウェットのセッティングで車高も上げたのが功を奏したようで、スピンせず生き残って、前に速い子がおるわって思って、着いていったら『あれ? タイム出た』って、そういう感じでした。
実力じゃないです、今回は。
明日は後ろから突つかれるかもしれません!」

予選3番手:
#219中島僚斗選手(&GたつぼんレンタカーANGLE TMR)

「(雨量は)けっこう多い方だったんかな、って感じだったんですが、途中ちょっとやみかけました。
川のでき方が、だんだん乾いていく感じだったんです、僕が走っている感じでは。

だから、ちょうど山になっているところの、川がなくなったところを探しながら、直線でも1周目はハイドロ起こっていたので、そこだけは避けるように、できるだけ溝を、川のないところを走ろうとしていました。
ちょっと守りに入りすぎた感じもあって、車的には良かったので、もうちょっと行けていたかなって感じでした」

予選4番手:
#333上田裕也選手
(PHOENIX & REGARD &萬雲塾)

「先頭で行きました。だけど、4番手という不細工な(苦笑)。勢いは初めだけかという感じでした。

雨量はね、走られへんみたいな感じじゃなくて、これぐらいの雨量を想定して走っていたんですけど、もっとプッシュできたんじゃないかな、ってところですね。
でも、2列目だから、全然挽回できる場所なので、はい。前にはチャンピオンもいますし、しっかり勉強させてもらおうと思っています」

予選5番手:#85西尾和早選手
(クローズアップ制動屋VITA)

「雨の走行自体が、まだレースウィークしか走っていないので、全然経験なくて。とりあえず前に前に行って、クリア取れるように走りました。
最後に位置取りはうまくいったんですが、走りがあんまりうまくいかなかったです。今日の走りをもっとブラッシュアップして、明日の決勝につなげられるようにします」

予選6番手:
#24坂野貴毅選手(THE BRIDE VITA)

「いや~、思ったよりタイム出なかったですね。前半、詰まっちゃったのが、もったいなかったです。
もうちょっと早く抜けられて、タイヤも温まってくれれば、もっと行けたと思います。2周はクリアでアタックできたんですけど、抑えていき過ぎちゃいましたね、全然行けました。まだまだ余っていたので、
『もっと行っている人は行っているよな』って思ったら、案の定って感じでしたね。悔しいので、決勝で上がれるように頑張りたいと思います」

予選8番手&ジェントルマンクラス1位:
#78鍋家武選手
(IMAGE★ToyBox★SPプラス★REV-01)
「久しぶりに雨の中を走って、なかなかグリップしないなと思っていて。ライン乱さないように丁寧に走りましたけど。最終ラップ、いい感じでタイム上がってきていたんですが、リヤがロックしてスピンしてしまって、それがもったいないなという感じでした」


決勝

 

 

 未明のうちに雨は上がっていたものの、VITAの決勝は8時からスタート進行開始とあって、まだ路面は濡れたまま。なかなか微妙なコンディションであることは、コースイン直後にデグナーで1台が飛び出していたことからも明らかだ。


 スタートダッシュは#333上田選手が誰より鋭く、1コーナー進入までに#79米田選手を抜いて2番手に浮上。
#219中島選手は出遅れ、#24坂野選手の先行を許していた。
その1コーナーこそ混乱は生じなかったが、続く2コーナーで多重クラッシュが発生! 
その場で#85西尾選手がバンカーの餌食となり、その先のS字では足回りにダメージを負った、#80 HIROBON選手がストップ。そして、その影響か、デグナーや立体交差下でもストップした車両が。

 一方、その間にトップに立っていたのが、勢いに乗る#333上田選手だ。S字で#1中里選手を早々と抜いていた。

そして、すぐに#219中島選手が#24坂野選手を抜き返して4番手に。
もちろん、間もなくセーフティカー(SC)が導入される。

6番手には3ポジションアップの#80伊藤裕士選手(村田鉄筋セナルトMBR制動屋KYR)がつけ、その後に#78鍋家選手が続く。

 SCの先導は2周で終わり、トップの#333上田選手はリスタートの加速をバックストレートでもう開始。

これには続く#1中里選手も完全に虚を突かれた格好で、スタンド前に戻ってきた時には、実に3秒半もの差が! 

しかし、これがあっさり水の泡となってしまう。またしてもS字で2台がストップし、1台は自力で脱出したものの、またしてもSC導入となったからだ。
再びSC先導は2周で終わり、やはりバックストレートから加速した#333上田選手だったが、その手はもう、食わぬとばかりに、#1中里選手も同時に加速を開始。

それでも計測ラインを1秒6も早く駆け抜けたのだから、この日の#333上田選手は完全に乗れていた。

 

 その後方では#79米田選手に、#219中島選手が1コーナーで迫るも抜ききれず。対して、#24坂野選手のインを刺し、#80伊藤選手が5番手に浮上する。本来ならば、8周の戦いだったが、それから間もなく30分のタイムリミットが訪れてしまい、7周目を終えたところでチェッカーが。

 

 ほぼ3秒の差をつけ、#333上田選手が4連勝!
 最終戦はWヘッダーとあって王座決定には至らなかったものの、王手をかけたのは間違いない。

続いて#1中里がチェッカーを受け、

#79米田選手と#219中島選手が連なってフィニッシュ。もし、もう1周あったなら、状況はまた変わっていたかもしれない。

 5位は#80伊藤選手で、

6位は#24坂野選手。ランキング2位はキープして、首の皮一枚ながら逆転王座の可能性を残した。

7位は予選11番手だった、#320西尾光芳選手(エス★コンプリート320VITA)が獲得。

そして8位とジェントルマンクラスの優勝は#78鍋家選手だった。



 

 

優勝:#333上田裕司選手
(PHOENIX & REGARD &萬雲塾)

「スタートが決まったので、2コーナー~S字で抜けました。我ながらリスタートも良かったですね、
2回目は合わされちゃいましたけど。ただ、2回目のリタートの後も僕、130Rはもう、死ぬ気で攻めようと思って。それで離れへんかったら、もうしゃあないな、と思って。130R抜けたら離れていたんで、これは大丈夫だなと。
あとは飛び出さないように、淡々と走っていました。4連勝、王手ですね! 車は本当に良かったぁ」

2位:#1中里紀夫選手
(SHINSEI MIDLAND C72)

「(上田選手が)速いんで仕方ない。(抜かれたのは)S字。1コーナーからぐんぐん来られたけど、そこは抑えてS字の3個目と4個目の間で、もう入られて『どうぞ』(苦笑)。残念です」

3位:#79米田弘幸選手(ABBEY RACING)

「すごく難しいコンディションで、タイヤが冷えたらすぐ食わなくなるし、温め過ぎるとタレるし、SC中はずっとタイヤのコントロールと、前との距離に気を使っていました。
けっこう難しい路面でしたね。けど、みんなフェアで楽しいレースでした。皆さんの安全とチームの人に感謝します」

4位:#219中島僚斗選手
(&GたつばんレンタカーANGLE TMR)

「いや~、スタートですね。3速になかなか入らなくて、無理やり入れようとしたら5速に入って。それで飲み込まれてしまいました。ペース的には悪くなさそうだったんですけど……。練習します」

5位:#80伊藤裕士選手
(村田鉄筋セナルトMBR制動屋KYR)

「僕自身は予選がすべてでしたが、こんなにSC出たら、レースにならない。しょうがないんですけどね。僕も長年レースやってきて、いろんな車乗ってきたけど、入門カテゴリーにしては車が難し過ぎる。何か対策しないと、ウェットのたびに今回みたいなことになる。大きい事故が起こる前に、何かできることがあるんであれば……。雨の時にはウェットタイヤにしてあげるとか、コスト以上のものがあるじゃないですか? 雨は別にタイヤを導入したからといって、やめるような人はいないと思いますよ」

6位:#24坂野貴毅選手(THE BRIDE VITA)

「いや~、だいぶ悔しいですね。スタートで一回、4番手まで上がったので、そのまま逃げられればよかったんですが、やっぱ前に詰まってグチャグチャやっているうちに抜かれちゃって。SC明けでもちょっと立ち上がりが鈍って抜かれちゃったりで、めっちゃ悔しいですね、しゃあないですけど。上田さん、ぶっちぎっていますけど、最終戦でなんとか上がりたいですね、真ん中に」

ジェントルマンクラス優勝:
#78鍋家武選手(IMAGE★ToyBox★SPプラス★REV-01)

「非常に荒れたレースでしたね、最後まで。車のコンディションもあんまり良くなかったので、もう最後まで生き残ることだけ考えて。まぁ、安全に走りました。逆に、それがよかったみたいですね」

2位:#61 木村一廊 KOO’ON with ABBEY

 

3位:#525 CHAY グラック&CHAY