《VITA北海道シリーズ第3戦》
7/13 十勝スピードウェイ
全国各地のサーキットでビッグイベンントが開催される7月、
北海道の一大勢力である恒志堂レーシングだが、またもスケジュールが重なったため今回も#910工藤大祐選手(恒志堂レーシングVITA910号機)のみの出走。
そのせいか今回は全参加台数が9台とちょっとさみしい。とはいえ上位の常連である栄建設勢やMRC勢は予定通りに参戦し、レースとしての面白さに変わりはない。
予選開始のグリーンランプが灯ると同時にいつもと同様に真っ先にコースインしたのが、恒志堂レーシングの#910工藤大祐選手だったが、なかなか思うようなタイムを出せない様子。
その間に早くも2周目に#778四倉悠聖選手(TBR VITA)が1分32秒台をマーク。
前日の練習走行から1分31秒台前半のラップをきざみ、チームメイトである#777瀬戸惇吾選手(TBR VITA)とスリップを使い合う走行で、この予選では1分30秒台に入ると思われたのだが、そこからが伸びない。
「トラックリミット違反を気にしすぎたんですかね、コーナー立ち上がりのアクセルオンが思うようにいかなかったんです」と言うが、1分31秒台前半には入れてくる。
ライバル達がコースインするのを待つように最後にコースへ走り出したのは#77村上泰規選手(足立眼科Y‘sMRC VITA)。
「路面コンディションがプロクラスの86/BRZ Cupのクルマが走ったせいもあるんでしょうが、ちょっと普段と違っていたんですよ。
でもその条件は皆一緒ですからね、それに慣れなきゃいけません。タイヤが温まった4周目にアタックしてピットに戻りました。ピットクルーから『いまのところトップだ!』と聞きましたが、好調の栄建設TBR勢がタイムを伸ばしたら再アタックしようと待機してましたが、私のタイムがベストで予選終了。実はポールを取れたのは初めてなんですよ、嬉しいです!」とニッコリ。
2番手となった#778四倉悠聖選手に続く3番手タイムをマークしたのが、
「アタックに入ったところで前走車に詰まったりがあり思うようにいかなかった。なによりペースをもっと上げなきゃいけないですね」と言う#777瀬戸惇吾選手。
そして4番手に入ったのは#910工藤大祐選手。「予選4番手なんて初めてですよ。トップとは1秒以上の差はありますが僕の前に3台しかいないんですからね、チャンスが巡ってきたかも!」と嬉しそう。
5番手は「トラックリミット違反防止のポールを2本も倒してしまったんですよ。もちろんそのラップのタイムは抹消ですから、なんとか決勝までに挽回します」と言う#30坂本幸照選手(足立眼科Y’S幸伸建設01チームナオト)が入り、予選グリッドはほぼ想定通りのラインナップとなった。
<決勝>
やはり強かった! 四倉悠聖選手が負け知らずの3連勝達成!
フォーメーションラップを終えて全車グリッドにつくのだが、なかなかレッドランプが消えない。スタート手順にトラブルがありレースはディレイとなり、1周減算で再びフォーメーションラップから再開。
決勝スタートのレッドランプが消えた瞬間、1コーナー目指して一直線に加速したのはポールの#77村上泰規選手(足立眼科Y’SMCR VITA)
セカンドだった#778四倉悠聖選手はマシンをアウト側に向け、#77村上選手のテールにピタリとつけてスピードを乗せてゆく。
前戦と同様に絶好のスタートを切ったのは5番グリッドだった#30坂本幸照選手(足立眼科Y’S幸伸建設01チームナオト)
#910工藤大祐選手(恒志堂レーシングVITA910号車)をかわすや先行する#777瀬戸惇吾選手にもアウトから並びかけるのだが、惜しくもそれは成らず。「予選は失敗でしたから、決勝はなんとか前を追い詰めたいと思ってました」と先陣争いの一角を確保する。
3番手以下を引き離し、#77村上泰規選手と#778四倉悠聖選手のテールtoノーズで続いたトップ争いだが、明らかにラップは#778四倉選手の方に分があり、4周目の第1コーナー進入でインを突いてトップ浮上。
「あのラップ、バックミラーを見ていたんですが、スッとインに入られてしまいました」と#77村上選手もなすすべなかったようで勝負あり。そこから#778四倉選手は徐々にリードを広げて、これまで同様の独走体勢に持ち込んでしまう。
2番手に落ちた#77村上選手も単独走行となり、激しくなったのは#777瀬戸選手と#30坂本選手の3番手争い。
何度も#30坂本選手がアタックするのだが、#777瀬戸選手も自分のラインは譲らずそのままチェッカーとなる。
「わずかコンマ4秒差ですからね、あと一周あればなんとかなったという気がするし、結果論ですがスタートディレイの一周減算がなければ・・と思ってしまいました」と残念そう。
5位は#910工藤選手。「スタートのミスがすべてですね。ブリッピングでエンジン回転を合わせていたんですが、回転が下がったところでレッドランプが消えた。ストールしなかっただけましですが、あのミスがレースを決めてしまった気がします」と悔やみきれない様子だった。
昨シーズンは恒志堂レーシングから出走した上野大哲選手がシリーズを席巻したように、今年は栄建設TBRチームの#778四倉悠聖選手が開幕戦から3連勝を果たした。しかしダブルヘッダーとなる10月の最終戦まではまだ3ヵ月もある。この長いインターバルの間に他のチームがどう巻き返しを図るのか、時間はたっぷりとあるわけで、最終戦が大いに楽しみとなったシリーズ第3戦となった。
1位#778 四倉悠聖
(TBR VITA)
「スタートでアタックしようと思いましたが、それは出来ず、前の村上選手の走りをしっかりと見てレースを進めました。
4周目なんですが第1コーナー進入でインに入れて、その後クロスラインを取られればマズイと思いましたがなんとかパスできました。
インフィールド区間でも抑え込めたので『これで大丈夫だ』とちょっと安心しました。これで3連勝、やっぱり嬉しいです!!」
2位#77 村上泰規
(足立眼科Y‘s MRC VITA)
「ブレーキが厳しかった。雑なブレーキングをするとロックしてしまうんです。その症状が急に来たのであわてました。パッドの問題ではないと思うんですが、コントロールに苦しみました。
そのスキを四倉選手に突かれてしまいました。クルマを仕上げてくれたチームスタッフに応えたいと思いますし、それを生かしてゆきたいと思います」
3位#777 瀬戸惇吾
(TBR VITA)
「予選終わった後、セッテイングを変えたんですよ。それが外れてしまいました。オーバーステアが出てペースを維持するのが辛かったです。
なので、ここは3位キープに徹しようと作戦を変更しました。次のレースまでにクルマを見直して、TBRチームのワンツーを狙えるように準備します。」
4位#30 坂本幸照
(足立眼科Y’S幸伸建設01チームナオト)
「予選でもっと上位に入るべきでしたがそこを失敗したことが今回のレースのすべてです。
レース終盤には前車を追い詰められたんですがそこまで。あと1周あれば結果が違ったと思うと、ちょっと残念です。」
5位#910 工藤大祐
(恒志堂レーシングVITA 910号)
「スタートミスがすべてですね。エンジン回転を合わせてブリッピングしていたんですが、回転が下がった時にレッドランプが消えたんですよ。ストールしなかったのがラッキーなくらいダメなスタートで、そこから追い上げましたが5位まで。
でもトラックリミットも守ってクリーンなレースが出来ましたから、それは満足です。」
6位
#129 澤田 圭吾選手
(足立眼科PROTECH VITA)