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鈴鹿クラブマンRd,1 CS2
2020/03/25 レポート

鈴鹿クラブマンレース第1戦 CS2

3月14〜15日 鈴鹿サーキット

 今年の鈴鹿クラブマンレースは、全8戦での開催が予定されており、
そのうち6戦はフルコースが舞台となる。
CS2レースは、そのうち5戦で開催され、
第2戦は
《クラブマンスポーツ=VITAとの混走による60分耐久レース》
として行われる。
「年5戦じゃ、物足りない!」という向きに、
是非お勧めしたいのがOKAYAMAチャレンジカップへの挑戦だ。
2戦がCS2レースシリーズに組み込まれ、いずれも2時間耐久として開催されることとなっている。

 今年のCS2レース開幕戦は、エントリーこそ12台と
これまでのレースとそう変わらないものの、
新たな顔ぶれもあって、なかなか印象を新たにしていた。

まずは昨年のJAF-F4チャンピオンである徳升広平選手が登場。

さらに昨年までクラブマンスポーツに関東から積極的に遠征していた、いむらせいじ選手がフル参戦を表明した。

その開幕戦は、土曜日に行われた予選があいにくの雨模様で、
全車がウェットタイヤでの走行となった。

スタートから間もなくハプニングが。チャンピオン経験もある、FLYING RAT選手がアウトラップの逆バンクでコースアウトしたのだ。
幸いコース復帰はなったものの、いったんピットに戻っての走行では、本領を発揮することなく下位に沈んでしまう。

また、JAF-F4やスーパー耐久など、さまざまなレース経験を持ち、10年ぶりのレースとなる岡村俊男選手が長らくピットを離れられず。
電気系のトラブルでシフトが機能しなくなり、満足にアタックを許さレなかったからだ。

FLYING RAT選手はなんとか7番手につけたものの、
ピットロードでの速度超過があり、2グリッドダウン。
さらに岡村選手は最下位に甘んじてしまう。

そんな状況の中、ひとり思いっきり気を吐いていたのが徳升選手だ。最初の計測ラップから2分39秒台に乗せ、他のドライバーを秒単位で引き離していたが、
タイヤに熱が加わるようになると、より差は広がっていくことに。
何しろセクター2のタイムだけならば、混走のRSを上回るほど。
計測4ラップ目には、2分35秒444にまで短縮を果たす。

その時点で2番手との差は3秒半もあったが、ラストアタックで松本吉章選手がようやく2分37秒310を記し、

これにTOMISANが2分38秒143で続くこととなった。

いむら選手は4番手に。

ポールポジション 徳升広平選手(WEST 16C)

「先週(JAF-F4の開幕戦もてぎをエンジントラブルで)、
走れなかった分、ちょっとぶつけてみました! 
ウェットどころか、今日初めて走ったんですよ、
このクルマに(笑)。
朝イチで20分走って、いきなり本番です。
でも、速かったですね、思ったよりもいいクルマでした。
こういうタイヤにはF4で慣れているし、逆にドライだったら苦戦していたかもしれません。
雨だったから良かったのかも。
明日は晴れっぽいので、気を抜かずに行きます。
ドライで1回も走っていないから、どれだけグリップするか分からないんですが、まぁイケイケで行きます!」

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その雨は土曜日の午後にはやんで、
予選の後半のクラスではほぼドライコンディションとなっていたこともあり、
日曜日の決勝は全車ドライタイヤを装着するまでとなっていた。
上空に青空が広がり、まさに絶好の状況に。

 注目のスタートを完璧に徳升選手が決めたのに対し、
松本選手は出遅れてしまい、大きく順位を落とす。
それでも5番手走行中の3周目に、130Rでスピンを喫し、
復帰は果たせたものの、今回のレースはバトルを許されぬまま終了となった。
松本選手の後退もあって、
オープニングの1周だけで徳升選手はほぼ2秒のリードを築き上げる。

 一方、2番手に躍り出ていたのは、いむら選手だった。好スタートを決め、一気にジャンプアップ。

徳升選手こそ逃してしまったものの、
背後には昨年の最終戦ウィナー金久憲司、
TOMISAN選手を引き連れて激しく2番手を争い合う。
もちろん、その間も徳升選手は逃げていく。

 いむら選手は、これが初めてのCS2でのレースと思えぬほど、粘りの展開を見せていたものの、ついに我慢の限界が……。
6周目のデグナーでスピンを喫し、その際にタイヤにフラットスポットを作ってしまったこともあり、スプーンでも再度コースアウト。
グラベルにはまってしまい、無念のリタイアを喫することとなった。

一方、その後も金久選手、TOMISAN選手のバトルは続いたものの、終盤にはTOMISAN選手がやや力尽きてしまった感も。
最終ラップは金久選手に引き離されてしまう。

 その間にも徳升選手は少しもアクセルを緩めず、ファステストラップを連発。
しかし、2分13秒670を出すに留まり、コースレコードの2分13秒073には及ばず。
それでも初めてドライコンディションを走った上で、このタイム。
条件が許せば、再挑戦に期待したいところだ。
もちろん最後まで独走、8周のレースでほぼ19秒の差をつけ、JAF-F4チャンピオンとしての貫禄を見せつけた。

金久選手、TOMISAN選手に続く、4位は東督也選手が獲得した。

ウィナー 徳升広平選手(WEST 16C)

「なんとか勝てました! 
でもオートルックの黒いクルマ(いむら選手)がスタートから速かったので、抜かれるかと。
それでもトップを保てて、初めてのドライでの走行でしたから、
不安もないわけかなかったんですが、なんとか行けました。
ただ、チームからは『コースレコード狙ってこい!』って指令が出ていたのに、まったく出せず申し訳なく思っています。
また機会があれば、『今度こそ!』って思っています」

2位 金久憲司選手(ONELAPCOATアシスト青春親父16C)

「いむらさんに抑え続けられて、もうちょっと追いかけたかったんですが、いなくなるまでは厳しかったですね。でも、楽しかったです。コーナーでは詰められるんですが、スリップストリームで横まで行けなかったのは、立ち上がりで僕の踏み方がねぇ。また練習します!」

3位 TOMISAN選手(ABBEY RACING)

「いま一歩、ついていけなかったですね。精いっぱい頑張りましたが……。ミス待ちって感じでしたが、かないませんでしたね。CS2は、これが3戦目かな。今までスポットでしたが、今シーズンはこのシリーズを追いかける予定です」

 


 さて今回クローズアップするのは、今回CS2デビューを果たした、いむらせいじ選手です。

関東でVITAのレースが行われるようになって、早い段階から参戦して優勝経験も豊富。
マシンのカラーリングとその風格から、またの名をブラック魔王は、新たなステージに挑むこととなりました。

「VITAもまだ卒業はしないです。鈴鹿のVITAが一番楽しいんだけど、そればっかだとね。
関東ではVITAをスポットで出ようと思っているんですが、メインは鈴鹿でCS2をやろうと思っています。
やっぱりハコより軽くて、コーナリングスピードが高いじゃないですか? 
次にやるなら、予算的にもこれしかないだろうと」

「パドルシフトで、タイヤもスリック。
流して走る分にはVITAより楽なんですよ。
ただ、タイム出そうと思ったり、速い人とバトルしようと思ったら、やることはVITAと一緒で、タイヤ滑るところまで行かなくちゃならなくて。
その滑るところまでの動きが、VITAのラジアルタイヤとは若干違うところで。
あと、ホイールベースの長さ。ただ、捜査の基本はあんまり変わらないという印象ですね」

「シェイクダウンしたのが2週間前で、まぁ慣れていけば、操作はできるんじゃないかな。だから、乗りこなせるようになればVITAと同じように楽しいんだと思うんだけど、まだマイナートラブルが出たり、そういうのを潰しながらなので、まともに動くようになったのが本当に昨日とか一昨日からなので。そういうのがなくなっていくと、もっと集中して走れるんじゃないかと」

「エンジンパワーも十分だし、素直なクルマではあるので、VITAをある程度乗れる人なら、普通に違和感なく乗れるんじゃないでしょうか。
全体的にスピードもグリップも上がった感じで。
そこはさすがウエストのクルマですね。

スーパーFJと比べて、どちらが楽しいかというと、体格的にもスーパーFJは僕には苦しいけど、CS2は居住性もいいから、
その点で集中して走れるっていうのはありますね。
あくまで僕には……ですけど」

 気になる初戦の結果ですが、先に述べたとおり予選は4番手。
決勝では一時2番手を走行しましたが、無念のリタイアを喫してしまいました。レース後に、いむら選手はこう振り返っています。

「経験不足と、圧倒的にリヤ(タイヤ)が早くタレたんで……。金久さんを抑えようとは思わなかったけれど、行けるところまで行こうとは思っていて。で、デグナーでもっと行けるかと思ったら、スピンしてしまいました。その時にフラットスポットを作ってしまったみたいで、またスプーンで飛び出して、今度はハマってしまったのでリタイアに。
まだまだ練習します。これからなので期待していてください」

 そうは言いながらもいきなりの2番手走行は、まわりに十分なインパクトを与えたと思います。第2戦以降の活躍に期待しましょう!

記事:秦 直之さん

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