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📣【MEC】Rd.1もてぎ[決勝]v.Granz
2025/03/20 レポートMECレポート

決勝

V.Granzクラス
2025年【MEC120】耐久レース


 今年は3年目を迎え、全国地方選レースのスキルアップを目標に、テクニカル・スポーティングの強化に取り組んでまいりました。その成果が実り、今回のレースではペナルティがわずか1回という、素晴らしい結果を達成することができました。

これもひとえに、VITA CLUBをサポートしてくださったレース関係者の皆様、そしてブリーフィング・レギュレーションの重要性を真摯に受け止め、実践してくださったエントラントの皆様のおかげです。心より感謝申し上げます。

今回は鈴鹿SFレースと日程が重なる中、急遽、服部尚貴氏がレースディレクターとして駆けつけてくださいました。
参加者からのどんな質問にも、わかりやすく丁寧に答えていただき、より安心して取り組む事ができたと感じております。

このカテゴリーからは、スーパー耐久やスーパーGTなど、より上位カテゴリーへとステップアップするドライバーが年々増えてきています。今後もレーシングドライバーの基本をしっかりと学べる場として、さらなる発展を目指し、努力を重ねて行きたいと思います。

「MEC120耐久レースは、トップカテゴリーのレースから得た知見を活かし、本格的なレース体験を身近に感じていただけるよう企画いたしました。
また、参加者の皆様からの貴重なご意見を参考に、誰もが気軽に参加でき楽しめるカテゴリーを目指し、日々改善を重ねています。
皆様の熱意と情熱が、私たちの原動力です。


[RACE]

 予選は1時間近く遅れてスタートしたが、決勝レースは昼休みの調整などによって、当初の予定より20分の遅れでスタート進行が開始された。
路面はもちろんのこと、グラベルもほぼ乾いており、安全面的にもほぼ支障はなさそうだ。
フォーメイションラップの追加もなく、1周で通常どおりローリングスタートからのレース開始となった。

 まさにクリーンスタートとなり、1コーナーへのホールショットを決めたのは、ポールシッターでもある、#88金星工業楽しんじゃおv.GranzのFUZZY選手。
後方で激しいバトルが繰り広げられていたこともあり、そのままトップを快走するかと思われたが、なんとオープニングラップのV字コーナー立ち上がりで、痛恨のオーバーランが! 
なんとか復帰はなったが、これで大きな遅れをとってしまう。

 代わってオープニングラップをトップで終えたのは、#102アイフォア神戸v.Granzの銘苅翼選手だ。
予選は7番手だっただけに、一気にジャンプアップを果たしたことになる。
これに続いたのは#29 E-NEEDSエブリ赤坂v.Granzの大崎選手。ともにProではないが、Silverのドライバーだ。

そして2周目には、#22モノコレSUN’S CREATE v.Granzの富田選手が3番手に浮上。
「やはり来たか」の感もあったものの、6周目の4コーナーで痛恨のオーバーランが。これで順位を落としてしまう。

 その後もなお、銘苅選手と大崎選手による激しいトップ争いは続き、

そして7周目には#15岡部自動車アイフォア神戸v.Granzの前嶋秀司選手が3番手に。
予選は16番手だったが、さすがスーパー耐久の巧者ではある。ただし、その時点で前を行く2台からは10秒近く離されてもいた。

 そんな中、9周目からセーフティカー(SC)が導入される。
ホームストレートで接触があり、1台がウォールにヒットして止まったからだ。
車両回収には約18分、5周を要することに。すでにスタートから35分ほど経過していたこともあり、リスタート直後にピットに戻ってくる車両多数。 そのリスタートのタイミングを、銘苅選手は見誤った感も。1コーナーで大崎選手にかわされただけでなく、3コーナーでは前嶋選手の先行も許す。

次の周に#102アイフォア神戸v.Granzはピットイン。しかし、マシントラブルの発生により、しばらくコース復帰はかなわず。

 そしてトップを争っていた、#29 E-NEEDSエブリ赤坂v.Granzはスタートから43分経過した、17周目に大崎選手から村瀬選手にスイッチ。

それから9分後の21周目に#15岡部自動車アイフォア神戸v.Granzが、前嶋選手から長島正明選手にバトンを託す。

 

 27周目、#23 J-LOC M&M v.Granzがトップに躍り出る。
ステアリングを握るのは、16周目にDAISUKE選手と代わった元嶋佑弥選手だ。

Amaらしからぬ走りを見せ、順位を落としてはいたが、大きな遅れをDAISUKE選手がとっていなかった。

続く2番手は#86 Dr. Dry Racingの下野璃央選手。永井歩夢選手からバトンを託された後、じわりじわりと順位を上げてきた。予選こそ下野選手のアタックで9番手だったが、自身で挽回した格好だ。

 しかし、その下野選手に#51 RT HERO’S WAYTANが迫ってくる。
ドライブするのは奥本隼士選手。

パートナーのDANZEL WAYTAN選手が、スタート手順違反でドライビングスルーを命じられていたが、こちらもきっちり巻き返してきた。
32周目には2番手に浮上。
その一方で、トップの元嶋佑弥選手はなおも逃げ続けていた。

 上位3チームの最後のピットは、34周目に#51 RT HERO’S WAYTAN、#86 Dr. Dry Racingが連なるように滑り込んでくる。
それぞれWAYTAN選手、猪爪杏奈選手に間もなく残り30分となる段階で、チェッカーまでの周回を託す。

そして、その8分後の38周目に
#23 J-LOC M&M v.Granzが小松選手に交代。
この時点でトップに立ったのは、#31 G-TECHの澤圭太選手。ただし、まだ最後のピットは済ませていない。

残り15分となった45周目にOOKA選手と代わる。
果たしてトップで戻れるか? 

が、リードは十分でなく、再びトップに立ったのは#23 J-LOC M&M v.Granzの小松選手。しかも、2番手のWAYTAN選手に、22秒ものリードが築かれていた。

 さらに驚くべくは、その時点で3番手には#61 K.Kヨネタニ アキランドv.Granzの阪口選手がつけていたこと!
 人知れずハイピッチでの周回で、順位を上げていたのである。そのままWAYTAN選手にも襲いかかるのでは……とさえ思われたのだが。

 ラスト3周で、その阪口選手が突然スローダウン。どうやらガス欠のよう。ハイピッチでの周回が裏目に出てしまったか。それでも5速ホールドで走り続け、チェッカーを受けることができたのは、ベテランならではだ。

 大量のリードを渡された小松選手は失うどころか、むしろ広げてみせて#23 J-LOC M&M v.Granzで、トップチェッカーを受けることに成功! 
Pro-Amaクラスの優勝も飾る。

総合2位も同クラスから。#51 RT HERO’S WAYTANがペナルティをモノともせず。フィリピン出身の17歳、WAYTAN選手は母国のVITAレースでランキング2位。
昨年のMEC最終戦、岡山ラウンドでもVITAのPro-Amaクラスで2位になっており、今後は日本での活動をメインとするという。

 土壇場の大逆転で総合3位、Pro-Amaクラスの3位も得たのは#86 Dr. Dry Racing。下野選手と猪爪選手、永井選手の女性ドライバートリオは、今後も目を離せそうもない。

 総合4位は、Ama-Amaクラス優勝の#29 E-NEEDSエブリ赤坂v.Granzが獲得。ラストスティントを担当した白崎選手が、残り15分となった45周目にトップを取り返し、その後は後続を無事振り切った。

そして、同クラス2位で総合5位でゴールは、#41 RT HERO’Sビル管財の中川徹選手と青合正博選手が獲得。

予選でウェットタイヤを選んだことが裏目に出て、最後尾スタートを余儀なくされたものの、コンスタントな走りで好結果を得た。

 総合6位はFUZZY選手と元嶋成弥選手、LAM選手の#88金星工業楽しんじゃおうv.Granzで、

次いでゴールした#61 K.Kヨネタニ アキランドv.Granzは、チェッカーを受けた直後にマシンを止めた。Pro-Amaクラスの5位という結果には、少しも満足していないはずだ。

そして8位はAma-Amaクラス最後の表彰台に立った、#22 モノコレSUN’S CREATE v.Granz。
富田選手にとっては悔しい結果になっただろうが、その思いが今後の成長に向けて糧となることが望まれる。

また、#31 G-TECHはPro-Amaクラスの6位となった。


 次回のレースは4か月のインターバルを経て、鈴鹿が舞台となる。再びドラマチックな展開となることは、もはや必至だ。


 

v.Granz Pro-Amaクラス

v.Granz Pro-Amaクラス優勝:
#88 J-LOC M&M v.Granz

DAISUKE選手「シリーズ開幕戦に優勝できて、幸先良くて、本当に嬉しいです。(v.Granzには)まだ何度かしか乗っていないんですけど、なんとかやっと乗り慣れてきた感じがしていて、決勝のラップもそこそこ出せてきたので、本当に良かったと思っています」

元嶋佑弥選手「いや~、良かったです。予選では弟にやられましたが、大事なのはレースなので。DAISUKEさんが最初3秒台で走ってくれて、トップ集団に着いていってくれたので、自分に渡してもらった時にチャンスができたんだと思います。響くんもミスなく最後までまとめてくれて、いいチームだと思います」

小松響選手「DAISUKE選手と佑弥選手がめっちゃ速くって、自分はほぼ走り切っただけでゴールして楽だったんですけど、ふたりが速かったので助かりました。開幕戦、勝てたので今シーズンここから頑張っていきます。今年はS耐も出るので、そっちもいい流れになるよう頑張ります」

v.Granz Pro-Amaクラス2位:
#51 RT HERO’S WAYTAN

DENZEL WAYTAN選手「去年のVITAから今年はv.Granzにステージを変えて、2位で終えられたことは嬉しいんですけど、自分のファーストスティントで、ちょっとスタートのミスでペナルティになってしまって、そこは自分の反省点としています。でも、週末通して楽しくレースできましたし、この結果はすごく嬉しいです」

奥本隼士選手「DENZELが初めてのもてぎでもすごく早く対応して、良いペースで走れていました。僕自身もしっかりサポートできたと思うんですけど、またまた2位ということで、悔しい気持ちもないわけじゃありません。でも、本当にチームの雰囲気もすごく良くて、いいレースになったと思います」

 

V.Granz Pro-Amaクラス3位:#86 Dr. Dry Racing

下野璃央選手
「悔しいのはありますが、9番スタートから6ポジションも上げられましたし、表彰台にも乗れたので、今回は良かったと思います。みんなノーミスでしたし」

猪爪杏奈選手
「ふたりが頑張って順位上げてきてくれたので、そこを守ろうというのと、最後に良平さんがガス欠になったのでラッキーもありつつ。今回、スーパーフォーミュラ・ライツでエンジニアの内間(淳)さんが鈴鹿に行っちゃっていたので、私が戦略担当と、あとマネージャーの業務も兼任して、いろいろ勉強できたので、新たな視点でレース運びができたので、良かったです。
初めての経験でしたけど、みんなで表彰台に上がれて良かったです」

永井歩夢選手
「3位で嬉しいです。まぁ、ちょっと至らぬ点はありますけど、レースウィーク通して、すごく練習もさせていただいて、ある程度タイムも出せるようになってきたので、パーフェクトとは言えないですけど、それなりには」


v.Granz Ama-Amaクラス

v.Granz Ama-Amaクラス優勝:
#29 E-NEEDSエブリ赤坂v.Granz

大崎達也選手「なんとかやりました。是が非でもオーナーの村瀬さんに1番手で渡すために、とにかくトップでと思い、走り抜きました。またスプリントにも出るので、そこでも勝てるように頑張ります」

白崎稜選手「いい仕事できました、できたはずです(笑)。これを続けられるようにマシン、チーム、まとめ方をいろいろ学んでチームを連勝させて、シリーズチャンピオンにできたらな、と思っています。これからも頑張ります!」

村瀬光太選手「素直に嬉しいですね。ここを目指して頑張ってきたので。はい、そうですね、これが初優勝です。次なる目標は、シリーズチャンピオンです!」

v.Granz Ama-Amaクラス2位:
#41 RT HERO’Sビル管財

中川徹選手「最初はぶつけない範囲でアグレッシブに行きながら、少しでも順位を上げて相方の青合さんにつなげたいと思っていたんですけど、まぁまぁなんとか! 完璧とは言わないですけど、上げられたので良かったです。
青合さんも間のスティントで頑張ってくれて、上げてくれたので。最後に一台だけ抜かれちゃいましたけど、若い人が乗っている車だったので、予想どおりだったかなと。
その他のチームに勝てたことは、本当に嬉しいですね。チーム力というか、みんなの頑張りのおかげです。次も頑張りたいですね!」

青合正博選手「予選でタイヤの選択ミスをしてしまって、最後尾からのスタートになってしまったんですが、このレースウィークを通して僕も相方の中川さんもスピードがあったので、淡々と走って前を目指しましょうと。
最初のスティントで中川さんがけっこう早めに順位を上げてきてくれたので、それが良かったと思います。その後、早めにピットインして、僕もけっこうクリアなところを走らせてもらえたので、最後のスティントをいい順位で中川さんに渡せたんじゃないかと思っています。
でも、最後尾からスタートして優勝したら、めちゃめちゃカッコいいと思っていたんですが、そんなに簡単にはいかなかったですね(笑)」

V.Granz Ama-Amaクラス3位:
#22モノコレSUN’S CREATE v.Granz

富田星羅選手「スピンしちゃったから、落ち着いていけば総合でももっと上に行けたんじゃないかっていうのはありましたね。
とりあえず今回は元嶋選手の後ろを走って、けっこういい経験になったので、今回収穫の方が多かったですね。
これでクラス3位になれたので、次の鈴鹿は得意なコースなので、プロの方に負けないよう頑張ります」

阪直純選手「波乱万丈のレースでしたね! 幻のポールから始まって、こんなもんです、ひとつひとつ。
これから楽しみだし、絶対に鈴鹿でリベンジするのを楽しみにしています。頑張ります、ありがとうございました」


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