VITA CLUB 三重県鈴鹿市のレーシングカーコンストラクター

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🏁FCR-VITA FINALレポート
2024/12/30 レポート

FCR-VITAレース
2024/12/21レポート
12月21日富士スピードウェイ

富士スピードウェイを舞台に行われるFCR-VITAシリーズの最終戦が12月21日に開催された。

ひところの猛暑もどこへやら。すっかり冬の装いの富士スピードウェイにエントリーしたのは50台のVITA、
ただジェントルマンクラスの常連#8イシカワヨシオ選手は体調不良ということで出場取り消し。来期の復活を望みたい。


ここまで3戦を終えてシリーズランキングの首位は優勝1回、3位2回の#16徳升広平選手(PassingMark VITA)の44ポイント。徳升選手は2021年~2023年とシリーズ3連覇を果たして今年4連覇目に挑んでいる。

これを追うのが優勝1回、4位、5位で計38ポイントの#17斎藤愛未選手(Team M 岡部自動車 D,D,R VITA)と、

優勝1回、4位1回の#39藤原大暉選手(ACE LINE’S VITA)の30ポイントと、3人がシリーズチャンピオンの目を残している。

■予選

20分間の予選は午前8時5分開始。気温6度、路面温度もかなり低そうだ。
各車は慎重にタイヤをウオームアップして残り時間13分あたりからペースアップ。

まず#16徳升選手が1分58秒733でトップに立つと、続く周回では#86下野璃央選手(Dr.Dry☆VITA)が1分58秒553でトップ。

#11落合蓮音選手(ホージャストレーシングVITA)が1分58秒601で2番手、
落合選手は今年6月のスーパーFJ鈴鹿ラウンドに15歳でレースデビュー、先月16歳になったばかりの若手だ。#17斎藤選手が1分58秒604で3番手に上がり#16徳升選手は4番手へドロップ。

折り返しの残り10分には#50永井歩夢選手(BBS VITA)が1分58秒360で15番手から一気にトップに立つ。

トップから10位までが1秒以内に並ぶ接戦だ。11番手には#87山本龍選手(おさきにどうぞVITA)が、1分59秒460というジェントルマンクラスのコースレコードを出してクラストップに立っている、

その後もトップの座は#11落合選手→#39藤原選手と次々に入れ替わるが、残り時間6分に#16徳升選手が1分57秒795を出して7番手からトップに返り咲き。
トップ#16徳升選手を上回る者が現れず予選は膠着状態になる中、

自己ベストを更新して順位を上げたのが#114翁長実希選手(Car Beauty Pro RSS VITA)で1分58秒404で11番手から5番手へポジションアップ。
さらに残り2分、#66奥住慈英選手(SEVEN x SEVEN WITH KFM)が1分58秒065で3番手に浮上する。
#39藤原選手は自己ベストを短縮するが2番手変わらず。

残り1分でジェントルマンクラスの首位が交代。#2イノウエ選手がクラスのコースレコードを更新する1分59秒050をマークして総合14番手クラストップへ。

#87山本選手は0.038秒差の総合15位クラス2位、

クラス3位は総合29番手の#27大沢選手。

チェカードフラッグが振られる中で#16徳升選手はダメ押しの1分57秒617を叩き出し、コースレコードを更新する。その他にも#17斎藤選手が9番手→6番手に。

<予選後コメント>

ポールポジション 徳升広平選手
(#16PassingMark VITA)

「これはもう『みんなのおかげ』で取れたポールポジションですね。
いろんな人がいろんなことを教えてくれて、うまくまとめられてよかったです。
決勝もこの調子で行きたいと思います。チャンピオン取れるかはわからないですが、ミスのないように、2位以内で確定なのでここから逃げ切れるように、と言ってもそんなに甘くないので。頑張りたいです」

2番手 藤原大暉選手(#39ACE LINE’S VITA)
「やっぱり49台もいたので、きっちりクリアラップ取れたかといえば全然だめで、どこかでスリップストリーム使えて稼げたり、逆に詰まったりしてこのタイムだったので、決勝はしっかり戦っていけると思います。
今週チームがガラっと変わって、車も一気に変わったので、チーム特有のセットアップがあって、それにドライビングを合わせるのに精いっぱいでした。
セットアップのそれなりに煮詰めたのですが、ずっとタイムもパっとしなかったのが、予選になってしっかりタイム出せたので、そこは一安心ですね。
決勝はなるようにしかならないので、しっかり戦います。
絶対逃げられないレースになるので、あと寒いので、最初の(タイヤが)冷えた状態で、ミスとかしないように。シーズン通して戦っているので、クリーンにやりたいですね、でも行くときは行きます(笑)」

3番手 奥住慈英選手(#66SEVEN x SEVEN WITH KFM)
「クルマは交換しましたが、今年MECで僕が使ったマシンなので、違和感とかはありません。調子はいい感じです。
トップと僅差なので、許容範囲かなと思っていて、決勝は勝負できると思います」

4番 #11落合蓮音選手
(ホージャストレーシングVITA)

アタックラップも前のドライバーを抜かないといけない場面もあったりして、色々とミスもあったんですけど4番というポジションは意外でした。でも嬉しいというよりも悔しい思いの方が強いです。悪くないポジションからのスタートなので頑張ります。

5番 #50永井歩夢選手
(BBS VITA)
最近ちょっと調子いいです。先週、今週と連チャンでいい調子でレースできているんで刺激的にもかなりいい状態でできてます。車の状態も良くていい感じです。

6番 #17齋藤愛未選手
(Team M 岡部自動車 D,D,R VITA)

全然ダメでした。。。台数も多いので、位置取り間違えるとタイムが上手くだせなく反省点が多い予選でした。毎回同じ事言ってますが笑
タイヤのピークのところでもまとめきれず、ちょっと悔しいです。
まだチャンピオンの可能性はあるのでしれっと1番取っていきたいと思います。

 


決勝

■FCR-VITA第4戦戦決勝は
午前10時17分にフォーメーションラップが開始。
気になるチャンピオンの行方は#16徳升選手が2位以内ならば自動的に決定。
3位以下の場合は#17斎藤選手と#39藤原選手の結果次第ということになる。
朝の予選よりは気温が上がって9度、日差しに照らされ路面温度も少しずつ上がってきているため、タイヤの内圧の設定が難しい。

49台全車がクリーンスタート、10周または30分間の決勝が開始された。
蹴り出しがよかったのが2番グリッドから発進の#39藤原選手で、ポールシッター#16徳升選手の右サイドに並べかけてTGRコーナーにインから進入するが#16徳升選手が前に出てトップの座を守る。

#16徳升選手~#39藤原選手~#66奥住選手~#11落合選手がワンパックでトップグループを形成、5位以下をやや引き離して第3セクターへ。

パナソニック・オートモーティブコーナーを立ち上がる所からの加速で2位#66奥住選手~3位#11落合選手~4位#39藤原選手という順に変わる。

そしてオープニングラップの混戦を抜けて順位を上げたのが#666井本選手で8位から6位へ、

#86下野選手が10位から7位、ジェントルマンクラストップの#2イノウエ選手が15位から11位へとジャンプアップしている。さらに後方で大きく順位を上げたのが#19山田恭央選手(NSレーシングVITA)と#81福田幸平選手(SUNRISE Rental VITA 01)で、それぞれ34位から26位、38位から30位と8つずつポジションを上げた。

5台が出走のジェントルマンクラスでは1周目を終えて#2イノウエ選手が総合11位のクラストップ、

#87山本選手が総合16位のクラス2番手、

#22富田栄造選手(CPホールディングスニルズ)が総合35位のクラス3番手を走っている。

トップに立った#16徳升選手は順位を争う2位グループを引き離し3周目に1.6秒差。

一方2位グループではバトルが続き、#66奥住選手、#39藤原選手、#11落合選手が順位を争う。

4周目に#39藤原選手はここまでのファステストラップを出して#66奥住選手に0.27秒差と接近、

 

 

#11落合選手をはさんで5位#50永井歩夢選手(BBS VITA)、6位には#86下野選手、7位#666井本選手が上がってくると、4周目に#86下野選手と#666井本選手が相次いで#50永井選手をオーバーテイク。
これで#86下野選手5位、#666井本選手6位で#50永井選手7位にドロップ。

5周目に入りストレートで#39藤原選手が僅かに#66奥住選手の前に出て2位に進出。トップ#16徳升選手から1.114秒差でレースは後半戦へ。

勢いに乗る#39藤原選手は6周目に#16徳升選手との間合いを0.626秒まで削り取る。

7周目も#39藤原選手は1分58秒118とこの日のファステストラップをマークして#16徳升選手を0.178秒差にロックオン。

テール・ツー・ノーズ状態で8周目に突入すると左サイドから#16徳升選手に並びかけてTGRコーナーにアプローチ。
この攻防で#39藤原選手が前に出てついにトップが交代する。しかし#16徳升選手は食い下がって逆転のチャンスを伺っている。

後方では#666井本選手が#86下野選手を仕留めて5位に浮上。

ファイナルラップ。#39藤原選手と#16徳升選手はバンパー・ツー・バンパーの超接近戦。300Rで#39藤原選手が僅かに失速したのを見逃さずに#16徳升選手がアウト側からダンロップコーナーへのブレーキングで前に出てトップの座を奪い返す。
両車はパナソニック・オートモーティブコーナーをテール・ツー・ノーズ立ち上がり、フィニッシュラインに向けて加速競争。

ぎりぎりまで#16徳升選手のスリップストリームを使った#39藤原選手が左サイドからオーバーテイクした瞬間にフィニッシュラインを通過、#39藤原選手がトップでゴールした。
#16徳升選手は0.104秒及ばずの2位に終わったが、これで2024年のシリーズチャンピオンを確定させた。

3位は#666奥住選手。
ファイナルラップに接近戦となった4位グループはパナソニック・オートモーティブコーナーからの立ち上がりで#11落合選手を#666井本選手、#86下野選手が次々とオーバーテイク。

#666井本選手4位、#86下野選手5位を獲得。#11落合選手は一瞬で6位に落ちるというFCR-VITAならではの厳しさを味わう結果になった。

ジェントルマンクラスは#2イノウエ選手が総合12位でトップ、

#87山本選手が総合16位クラス2番手、

そして77歳の#22富田選手が総合32位クラス3番手で完走した。

ポディウムに戻ってきたウィナー、#39藤原選手はマシンから降り立つと2度3度と愛車のボディーに触れ、ゆっくりとカメラの前に進み出て笑顔を見せた。
それから#66奥住選手、#16徳升選手とがっちりと握手、互いの健闘を称えあった。




 

優勝 藤原大暉選手(#39ACE LINE’S VITA)
「実はファイナルラップの300Rでシフトミスしていまして(苦笑)。それでいったん(徳升選手に)前に出られたのですが、最終コーナーをピッタリ付いていければスリップストリームに入れるので、もしかしたらチャンスあるかな、となるべく(コーナー)出口重視で、スリップが一番効く間合いで入っていったら、最後の最後で逆転できました。
(序盤)4番手まで落ちちゃったのは想定外だったのですが、そこからは自分のスピードを取り戻せたというか、あれで吹っ切れたというか(笑)、よかったです」


4連覇
‘24シリーズチャンピオン
徳升広平選手(#16PassingMark VITA)

16徳升選手は4年連続のチャンピオンを獲得して
歴史に名を刻んだ

2位 徳升広平選手
(#16PassingMark VITA)
「最後にやられちゃったのは しょうがない、あれもレースですね。やるだけやったので、出し切ったかなと思います。
トラブルなく走り終えて、チャンピオン取れたのもチームのおかげであるので、ありがとうの一言に尽きます。
4連覇して(来年の)5連覇はございません(笑)。
別のカテゴリーで頑張りますので、応援よろしくお願いします」

3位 奥住慈英選手(#66SEVEN x SEVEN WITH KFM)
「届かなかったですね。ちょっと(タイヤの)内圧とかもアレ(失敗)があって、序盤アンダーステアに悩まされて、前について行くのに精いっぱいだったので、絡めなかったですね。それが何より悔しいです。
後半内圧が上がっていって、やっとフロントが利くような感じになりましたが、負けました」

4位 井本大雅選手
(#666SEVEN x SEVEN WITH KFM)
「ファイナルラップのオーバーテイクは やっぱり富士ってスリップストリームが利くので。最終コーナーでも差せる間合いだったのですが、そこは確実に、スリップで抜くことを意識して、最終コーナーを我慢し直線で抜いた、という感じです。
急な参戦でしたが元々MECに出ていたので、先週の岡山からの連戦なので、その流れのまま、いい感じで来られたので」

5位 下野璃央選手(#86Dr.Dry☆VITA)
「最終ラップのオーバーテイクは、前で井本選手と落合選手がバトルしていたので、最終コーナーからの加速でそこに私が追いついて、スリップで前に出られたという感じで、狙い通りです。スタートで3台ぐらい抜けたので、それも狙い通りでした」

6位 落合蓮音選手
(#11ホージャストレーシングVITA)
「ファイナルラップは普通にスリップストリームで抜かれちゃった、という感じです。
あとはこの週末ずっと風が強くて、ストレート走っていても、コントロールタワーとグランドスタンドに挟まれた区間はいいのですが、そこまではすごい横風で失速していたので、最後はキツかったです。
スタートはボチボチという感じでポジション上げて。そこから2位までは行けたのですが、ストレートで全体的にキツいところがあって。コーナーで何とかするのですが、何とかした分をストレートでやられちゃう感じで、そこが苦しかったです」


ジェントルマンクラス優勝 
#2イノウエケイイチ選手(ワコーズEDニルズ)
「うれしいですが、総合でもっと戦えるように、来年はちょっとやせてきます(笑)」

2位 #87山本龍選手
(おさきにどうぞVITA)
「ヘアピンで他のマシンがたぶんスピンして、横に当たってきて。そこから調子が悪くなり、ギアもうまく入らなくなり、それでずるずる順位を落としてしまうみたいな感じになっちゃったので。
できればイノウエ選手のところ、近くまで行きたかったのですが、それはかなわず、ちょっと不甲斐ないレースでした。ジェントルマンクラス2位というのはいいとして、という感じですね(笑)。もうちょっと(総合で)上に、予選の順位でも上に行きたかったです」

3位 #22富田栄造選手(CPホールディングスニルズ)
「前回のレースの時にホントは3位で表彰台上がれると思っていたのですけれど、最終ラップにコースアウトして逃していたのですよ。
それで今回はリベンジできて、よかった、ありがとうございます。
何とかミスもなく、コースアウトもなく、接触もなく完走できたので、よかったです。
エンジン乗せ換えたばかりでちょっと遅いので、直線で(他より)1秒くらい遅くて、いくら後ろにつけても抜けない状況で離されて。最終コーナーでまた追いつくのだけれど、という繰り返しで、でも楽しかったです」