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📣MEC岡山v.Granzレポート
2024/12/29 レポートMECレポート

【MEC120 OKAYAMA】
   [v.Granz]

本来は12月1日に行われるはずだった、「MEC 120」の岡山国際サーキット
SUPER GTなど他のレースの日程変更があり、調整された結果、2週間後の12月15日に開催されることとなった。
仕事の都合などで日程が合わず、やむなくエントリーを取り消したエントラントもいたようだが、それでもv.Granz、VITA-01合わせ、41台のエントリーを集めた。


しかし、12月ももう半ば、いわば年の瀬ということもあって、やはり寒い! 
天気予報では雪マークさえついていたが、土曜日の早朝だけ降って、あとは降らなかったのは不幸中の幸い。

心配されたのはタイヤのウォームアップだ。予選ならば、じっくり温めていくことで、冷えた路面とより食いつくようになり、さらに乾いて冷たい空気が気持ちよくエンジンを回してくれるだろう。
だが、決勝はスタート直後の1コーナーに不安が残っていた。しかし、この問題はフォーメイションラップが2周に増やされたことで対処できるはず。

 何より、これが多くのドライバーにとって、2024年最後のレースになる。ぜひ気持ち良くシーズンを締めくくって欲しいものだ。


〈v.Granz予選〉

最終戦ということもあって、優勝争いもさることながら、タイトルの行方も気になるところだ。

目下ポイントリーダーは
#777 SEVEN×SEVEN with KF MOTORSPORT。

これを5ポイント差で連覇を狙う#31 G-TECHが追い、

6ポイント差なのが#10ルーニーアキランドv.Granzだ。
この3チームは僅差とあって、先着したチームに栄冠が輝きそうだ。

また、ポール・トゥ・ウィンを達成すれば、23ポイント加算可能とあって、#71 ZENKAI RACING v.Granzや

#41 Racing TEAM HERO’S、#61 K.K.ヨネタニ アキランドにも大逆転の可能性は残されている。

また、今回も目玉となるドライバーとして、阪口晴南選手が#10ルーニーアキランドv.Granzで、前回に続いて出場。
さらに今回は#71 ZENKAI RACING v.Granzで、野尻智紀選手が出場する。
スーパーフォーミュラのチャンピオンがv.Granzでレースするのは、これが初めてだ。

金曜日、土曜日に特別走行が行われ、金曜日はコンディションに恵まれたものの、土曜日の午前は早朝まで降った雪が路面を濡らし、最後まで乾いてくれなかった。しかし、午後からの専有走行までには回復し、
#666 SEVEN×SEVEN with KF MOTORSPORTの藤波清斗選手が1分36秒280をマークし、これをターゲットタイムとした。
 予選は10時30分から、15分の計測で争われた。ただ、冷たい風が吹いて温度を下げたようだ。路面温度は10度を超えず。そのため、タイヤの熱の入りと合わせ、徐々にタイムが縮められることとなった。

それでも計測2周目に、#666 SEVEN×SEVEN with KF MOTORSPORTの藤波清斗選手が、さっそく1分38秒405を出したのも束の間、1分38秒309で上回ったのが#777 SEVEN×SEVEN with KF MOTORSPORTの渡会太一選手。

 しかし、チーム代表の意地を見せ、藤波選手は次の周にトップに返り咲いたばかりか、1分37秒142、1分36秒559と好タイムを連発する。が、その直後に赤旗が! 
アトウッドの先で止まっていたのは、なんと渡会選手だった。「エンジンが急に止まってしまって……。車の調子も良かったし、ようやくタイヤにも熱が入ったところでした。チャンピオンもかかっているのに」と、この時点では王座獲得に黄信号が点ってしまったような印象もあった。

 中断は5分で済んだため、タイヤをそれほど冷やさずに済んだようだ。実際、再開後の5分間で藤波選手は1分36秒548、1分36秒319と、さらに短縮を果たしてポールポジションを獲得。

続いたドライバーがすごい。1分36秒342で2番手につけたのは、#12 KF MOTORSPORTS v.Granzyの塩津佑介選手。3番手は#61 K.Kヨネタニ アキランドの佐々木孝太選手で1分36秒488、4番手は#10ルーニーCSアキランドv.Granzの阪口選手で1分36秒494、そして5番手は#72 ZENKAI RACING v.Granzの野尻選手で1分36秒585。新旧SUPER GTドライバーたちが上位を独占し、しかも超僅差。いずれもラストアタックで、このタイムを出してきた。

 6番手には#29 E-NEEDSエブリ赤坂v.Granzの白崎稜がつけ、1分36秒611は中断前であれば2番手だったが、その後の伸びを欠いたのが惜しまれる。一方、チャンピオン候補だが、#31 G-TECHが7番手で、#777 SEVEN×SEVEN with KF MOTORSPORTは11番手となったため、形勢としては#10ルーニーCSアキランドv.Granzに、一歩有利となった。

ポールポジション&v.Granzクラス予選トップ:
#666 SEVEN×SEVEN with KF MOTORSPORT

藤波清斗選手「ポール獲れなかったので、ずっと。今年初なので。赤旗出なかったら、もっとタイム出たかもしれないけど、みんな一緒なんで、しょうがない。レコード? ではないんだぁ。まぁ、頑張ります。いい感じなんで、レースは頑張ってやろうと思っています」

v.Granzクラス予選2番手:
#12 KF MOTORSPOR v.Granz

塩津佑介選手「死ぬほど悔しいです、めちゃくちゃ(笑)。(藤波選手とは)GTでもチームメイト、やらせてもらっているので。絶対ポール獲る気持ちで行ったのに、ほんの少し足りなかったかなぁ。
アタック自体もたぶんお互い完璧じゃなかった部分はあったので、そこがちょっと悔しいんですが、車はすごく調子良くて、レースペースもいいと思うので、レースもそんなに荒れなければ、優勝目指せるんじゃないかなと思っているので、最後は勝って終わりたいです」

 

v.Granzクラス予選3番手:
#61 K.Kヨネタニ アキランド

佐々木孝太選手「けっこう練習から調子良かったので、ある程度のところまで行けると思っていたんですけど、ちょっと届かなかったですね。
赤旗が出なかったらまぁまぁ状況が……、そのへん、みんな一緒なんで、まぁ悔しいけど。でも、決勝のペースは練習見ていても調子良さそうなので、はい。意外に行けると思っています」

4番:#10 山本 龍司 / 阪口 晴南 / 植田 正幸 
ルーニーCSアキランドv.Granz

阪口 晴南選手

昨日からちょっと厳しいかなって雰囲気だったので。。。
それでも自分達なりには改善していったので、タイム差も縮まってきて最終的には少し悔しい感じになってしまいました。
決勝は頑張ります!

5番:#71 林 寛樹 / 兒島 弘訓 / 野尻 智紀 
ZENKAIRACING v.Granz

野尻 智紀選手

予選についてはみんな同じコンディションで走っているので、今のこのポジションが今の自分達の位置かなと思っております。
今週初めてこの車に乗りましたが、全てを自分のコントロール下に置けるのでこれくらいの車がちょうど良くて一番面白いです。
今週は楽しむがモットーで来ているので、エンジョイモータースポーツでいきたいと思います!

と思います!

6番:#29 勝木 崇文 / 白崎 稜 / 村瀬 光太 
E-NEEDS エブリ赤坂 vGranz

白崎 稜選手

赤旗が出なければ、ポールかセカンドロウくらいには行けるかなと思いましたが、ちょっとタイヤが冷えるとタイム出すのは厳しかったですね。6番というのは最低限だせた順位かなと思います。
今回もたくさん速いプロのドライバーさんがいて、その中で走れているのがとても嬉しいです。


 

V.Granzクラス決勝

 決勝レースを迎える頃には、路面温度はようやく10度を越えたが風が冷たく、予選よりコンディションは厳しくなったようだ。
原則としてスタートはAドライバーが担当することとなっているが、上位陣では3番手の#61 K.Kヨネタニ アキランドで、米谷浩選手から畑享志選手に改めている。
冒頭で触れたとおり、フォーメイションラップは2周行われたことで、クリーンスタートが切られた。

 オープニングの1周を終えた段階で、ポールシッターの#666 SEVEN×SEVEN with KF MOTORSPORTのBANKCY選手が1秒半の差をつけて戻ってくる。
次いで畑選手、#10ルーニーCSアキランドv.Granzの山本龍司選手、そして#71 ZENKAI RACING v.Granzの林寛樹選手という順。
BANKCY選手のリードは翌周には3秒7にも広がっていた。

 このまま逃げるのか、と思われた矢先の3周目にはセーフティカー(SC)が。
林選手が2コーナーでクラッシュ! 
#71 ZENKAI RACING v.Granzのダメージは激しく、野尻選手や兒島弘訓選手にバトルを託すことなく、早々にリタイアとなってしまう。
マシン回収には17分を要し、SC先導が終了したのは9周目。

この間にピットに入り、杉本雄作選手から三島優輝選手への交代を行っていたのが#12 KF MOTORSPORT v.Granzだ。
MEC 120ではSC中のドライバー交代は認められているが、給油は禁止。
ピット義務づけ2回のうち1回を最小限のロスで済ませたが、この後に燃費走行を強いられるのは必至だが、果たして?

 

 SCがコースを離れると同時にピットに入ってきたのが#666と#777、2台の SEVEN×SEVEN with KF MOTORSPORT。それぞれBANKCY選手から藤波選手へ、武井真司選手から近藤翼選手に交代する。

 これで#61 K.Kヨネタニ アキランドの畑選手がトップに立つも、背後に続いていた#10ルーニーCSアキランド v.Granzの山本選手が14周目に逆転。

さらに19周目には#29 E-NEEDSエブリ赤坂v.Granzの勝木崇文選手が3番手に浮上する。

 トップの山本選手は1時間を経過した32周目にピットイン。かつて45分しか走れないと言われたv.Granzが、今やここまで好燃費で、かつ速いとは実に誇らしくもある。

すると、その直後に再びSCが導入される。1コーナーに止まった車両があったから、「この時だ!」という予知もあったのだろう。少ないロスで阪口選手はコースに送り出された。

 

 これでトップに立ったのは藤波選手で、続いていたのは近藤選手と三島選手。
チームメイト同士で上位を独占する格好となっていた。
2回目のSCは10分ほどの先導で済み、しかしピットの対応は異なった。
36周目、すぐに入って三島選手から塩津選手に代わったのに対し、近藤選手から渡会選手への交代は、その次の周。
藤波選手から再びBANKCY選手に代わったのは、らに2周後だった。

 トップに返り咲いた阪口選手ながら、なかなかピットに戻ってこない。
やがて渡会選手と塩津選手が2番手、3番手に浮上。
リードは2周、3度目のSCがあれば、即座に入ってきただろうが、その機会はもう訪れず。
残り7分となった61周目に、ようやくピットイン。
さぁ、どうなる?

 しかし、植田正幸選手がコースに戻った時、#10ルーニーCSアキランドv.Granzは3番手に。渡会選手と塩津選手の逆転を許していた。
この時、ふたりの差は3秒ほど。チームはオーダーを出していなかったようで、必死に渡会選手を追い詰めていった塩津選手。だが、最後は1秒及ばず。

第2戦もてぎ以来の2勝目を挙げた、#777 SEVEN×SEVEN with KF MOTORSPORTがチャンピオンを獲得した。

 2位は#12 KF MOTORSPORT v.Granzが獲得し、


3位は#10ルーニーCSアキランド v.Granz。

そして4位は連覇ならず、#31 G-TECHだった。
最初のピットストップは2回目のSC直前。

ここでOOKA選手から佐藤公哉選手に代わるも、すぐにSCが入ったことでロスを最小限にすべく2周後の33周目には、再びOOKA選手が乗り込んだ。あえてプロで引っ張らずに! 

これでいったんは渡会選手の前に出たものの、そのまま逃げることは許されず。しかし、自分の力でなんとかしようという思いに、OOKA選手の漢気を見た。
「あと一歩でしたけど、たくさん走れて良かったです。満足のいくレースでした」とは偽りのない本音だったはず。

 5位でゴールは、#29 E-NEEDSエブリ赤坂v.Granzながら、SC中の追い越しとホワイトラインカットのペナルティで、10秒ずつ加算されて8位に降格。
しかし、プロを含まぬチームとしては、最高のパフォーマンスを示せた終末ともなっていた。

繰り上がって5位となったのは、#666 SEVEN×SEVEN with KF MOTORSPORT。
ポールも奪っただけに、完全には満足のいかぬ結果だろうが、チーム代表の立場として藤波選手は「去年1年目出て、今年はSEVEN×SEVENというスポンサーがついて、チャンピオンという目標を掲げてやってきて、本当にそれを現実として達成できたので満足です。チームとしてみんな成長して、若い子達も頑張ってくれたので、本当にそれは良かったです。また来年も頑張ります!」と語っていた。

 そして6位は#61 K.Kヨネタニ アキランドが獲得。なお、昨年のMEC 120は4回もSCが入ったため、トップも62周しか走れなかったが、今年は2周上回る64周を、しかも8位まで走破に成功してもいた。


v.Granzクラス優勝:

🏆シリーズチャンピオン
#777 SEVEN×SEVEN with KF MOTORSPORT

渡会太一選手「予選で止まっちゃったので、もうチャンピオンは厳しいと、ポイント差も近かったので、実際。
でも、良かったです。
最後、勝ってチャンピオン決められて良かったです。
トラブルが予選で出ず、決勝で出ていたら……と今は思いますね。
やっぱり、1年間ここまでやってきて、開幕戦は苦しかったですけど、それから2戦目以降は結果も残してきたので、チャンピオンのほぼ絶対条件みたいなものでしたから、しっかり獲れて良かったです」

近藤翼選手「助っ人の役割は、うまく果たせましたかね? どうなるかわからなかったですが、結果良くて、喜んでもらえて良かったです」


v.Granzクラス2位:
#12 KF MOTORSPORT v.Granz

杉本雄作選手「チームとしてはワンツー獲れまして、今回、僕がスタートさせてもらったんですが、とにかくコンディションが悪くて、なかなか……。順位を落としていく中、三島くんと塩津くんに巻き上げていただけたので、ふたりには感謝しかないです」

三島優輝選手「僕に代わった時には暫定トップだったのに、ちょっと順位下げちゃったんですが、その位置に持っていってくれた杉本さんとチーム、最後に僕が落としてしまった順位を巻き返してくれた塩津さんには感謝で。今年1年間、締めくくれて良かったです」

塩津佑介選手「あと1秒足りなくて、めちゃくちゃ悔しいです。予選もちょっと足りなかったし(苦笑)。でも、出し切ったし、今年1年間やって、ちょっとずつ改善していって、最後に表彰台で終われたのは嬉しいかな。チャンピオンもだいぶ追い詰めたし。来年どうなるかわからないですけど、またレースやりたいと思います」

v.Granzクラス3位:
シリーズ:2位
#10ルーニーCSアキランド v.Granz

山本龍司選手「やっぱりライバルはチャンピオン争いしているチームってことで、前半のペースも良く、後半の追い上げも良かったので、我々もベストな戦略ではいけたと思うんですけど、まぁ777の方に軍配が上がったかな、という感じで。
やっている事としても楽しかったし、ライバルチームともいいレースができたと思います。また、来年に期待していただけたらと思います。」

阪口晴南選手「僕も長く乗りましたけど、龍司さんの方が長かったんじゃないかな? まぁまぁ予定通りの走行時間でした。
まわりのライバル勢が速かったので、僕のペースもそこまで抜けていたわけではないから、そこの貢献度はあんまり今回なかったと思うし、ちょっと悔しいですね。
でも、1年間、いろんな方に乗っていただいて、チームみんなで勝ち獲ったランキング2位なので、いい1年だったと思います」

植田正幸選手「僕は寒い中、2周頑張りました(笑)。ふたりは本当に頑張ってくれました、『このままやったら、いいのになぁ』と思いながら。僕は1回出ていないんですが、みんなが頑張ってくれて、すごい作戦考えてくれました。
とにかくふたりが頑張ってくれたので、良かったです」