VITA CLUB 三重県鈴鹿市のレーシングカーコンストラクター

パーツ注文 お問い合わせ 新車購入見積もり

鈴鹿ファイナル[VITA]レポート
2024/12/16 レポート

VITA第4戦

鈴鹿クラブマンレースFinal Round
11/30~12/1  VITA Rd.4

  本来、12月7~8日に行われるはずだった、鈴鹿サーキットのVITAレースは、9月に襲った大型の台風接近によってSUPER GTが延期され、その週末と重なってしまう。そのため、VITAレースも鈴鹿クラブマンレースFinal Roundとともに、1週間早い日程に改め開催されることとなった。
なお、今大会は2レース開催で、シリーズが締め括られる。

【レース1】

<VITA Race1>

優勝:#16 徳升 広平 PassingMark VITA
2位:#5 中里 紀夫  SHINSEI MiDLAND C72
3位:#24 坂野 貴毅 THE BRIDE VITA
4位:#68 増本 千春 SANNO SHIELD 清水炉工業 制動屋
5位:#219 中島 僚斗&G コーポレーション ANGLE VITA
6位:#31 HIROBON TMR×アキランド VITA

<VITA Race1 ジェントルマン>

優勝:#78 鍋家 武  IMAGE★ToyBox★SP プラス★REV-01
2位:#87 山本龍 おさきにどうぞ★VITA
3位:#30 大野 宗 YouTube 「ゴキブリ博士」VITA

鈴鹿ファイナルステージは『2レース』
36台のVITAマシンが集まった。
サーキットのチャンピオン、他カテゴリーからの挑戦、など鈴鹿ベテラン勢を相手にどんな戦いを見せてくれるのか、面白い舞台が用意された。

いちばんの焦点は、#5中里紀夫選手の4度目の戴冠なるかだ。
2レース開催ということで、最大40ポイントの加算が可能であるが、すでにランキング2位とは27ポイントの差があり、その2位である西尾和早選手は今大会を欠場。
#24坂野貴毅選手(THE BRIDE VITA)を始め、今大会出場する4人のドライバーに大逆転の可能性は残されているとはいえ、#5中里選手はレース1で4位以上であれば決定となる。


予選

 鈴鹿の最終戦といえば、ひたすら寒いという印象が強いが、昨年もそうだったが、今年も穏やかな天気に恵まれての開催となった。ただ、時折冷たい“鈴鹿おろし”が吹くので、油断は許されないが……。

 今大会のエントリーは36台。最終戦にして、久々の30台オーバーとなった。
その中でも注目されるのは、開幕戦以来の出場となる#16徳升広平選手(Passing Mark VITA)だ。
それを知った多くのエントラントから、「あ~あ」の声が。それだけの成果を残しているドライバーながら、シーズン途中から#16徳升選手はチーム体制を変更。開幕戦とは異なるため、そこにチャンスが生じるのでは……という向きもあった。が、後にそんな思いは完全に覆される。

 また、MEC 120では実績を残し、またGTワールドチャレンジ・アジアやFIA-F4でも活躍中の#30 HIROBON選手(TMR×アキランドVITA)も気になる存在だ。鈴鹿VITAのスプリントレースには初出場となる。やはり……と言うべきか、予選ではこのふたりが来た!

 12時30分のスタートから、それぞれ計測2周目からアタックを開始。まず2分24秒776を記してトップに立ったのは#24坂野選手だったが、すぐに#16徳升選手が2分23秒236でトップに浮上。3番手には2分24秒670で#31HIROBON選手が、そして4番手には2分24秒673で#5中里選手が続く。

 #16徳升選手は、以降のタイムアップが果たせず、早々にピットに戻ったものの、それで十分だった。計測3周目に#5中里選手が2分24秒370で2番手に上がり、#24坂野選手が2分24秒409で3番手、#31 HIROBON選手が2分24秒651で4番手に。#24坂野選手は、これにて走行を終了。

 計測4周目に岡山シリーズの新チャンピオン、#333上田裕司選手(PHOENIX & REGARD &萬雲塾)が2分24秒407を記録して、#24坂野選手、わずかながらも2分31秒587まで縮めてきた#31 HIROBON選手を従えて3番手に割って入る。2番手の#5中里選手も#333上田選手もチェッカーを待たずにピットに戻ってくる中、上位陣では最後まで粘っていたのが#31 HIROBON選手。
ラスト前のアタックで2分24秒360を絞り出して2番手に食い込むことに成功。それでも誰も2分24秒を切れず、#16徳升選手からは1秒以上離されてしまう。

 自らが持つレコードタイムを更新できなかったものの、#16徳升選手は今季2度目のポールポジション獲得となった。#31 HIROBON選手が2番手で、#5中里選手が3番手。そして#24坂野選手に続く6番手は、2分24秒360の#68増本千春選手(SANNO SHIELD清水炉工業 制動屋)。ただ、練習中にトラックから落ち、靭帯を痛めたというから、その影響がないか気になるところではある。

#219中島僚斗選手(&G コーポレーションANGLE VITA)が7番手で、続いた#78鍋家武選手(IMAGE★ToyBox★SPプラス★REV-01)が、ジェントルマンクラスではトップだった。

ポールポジション:#16徳升広平選手(Passing Mark VITA)

「見事な車を作ってくれて、感謝です!  セッティングもバッチリ決まっていましたね。
このチームとの初めての鈴鹿のレースなので、ちょっと不安要素もありましたけど、なんとか仕上げてくれて、あとは行くだけです、やります! レコード出なかったのは、去年、朝だったからじゃないですか、もっと寒かったような覚えがあるし。それでも良かったです」

予選2番手:#31 HIROBON選手(TMR×アキランドVITA)

「ベストで来とったんですけど、シケインで外側に1台おって、ちょうど入ってこようとした時に絡みそうになって、だいぶ乱したんで。
コンマ7ぐらいマイナスで、メーターで来とったから。『けっこうイケてんな』と思ったら、。1個目でミスして、2個目で飛び出しそうになって、だいぶロスした~。
あいつ(徳升選手)に追いつけるように頑張ります」

予選3番手:#5中里紀夫選手(SHINSEI MIDLAND C72)

「最終ラップに引っ掛かっちゃいました。まぁ、徳升が速すぎて、あとはそれ以外のレースって感じですかね、皆さん。なんとか……ですね。チャンピオンがかかっているので、きちっと完走したいと思っています」

<VITA 予選>

ポール:#16 徳升 広平
2番:#31 HIROBON
3番:#5 中里 紀夫
4番:#333 上田 裕司
5番:#24 坂野 貴毅
6番:#68 増本 千春
 SANNO SHIELD 


決勝【レース1】

 決勝のレース1は日曜日の9時35分にスタート進行を開始。
予選に臨んだ36台は、1台も欠けることなくグリッドに並んだ。天気は土曜日に引き続き穏やかだ。

 スタートを誰より決めたのがポールシッターの#16徳升選手。
これに#31 HIROBON選手が続き、スタートで#5中里選手の前に出たはずの#333上田選手は、シフトミスで大きく順位を落とし、その後浮上できず。
4番手は#24坂野選手で、#68増本選手、#219中島選手の順で1コーナーをクリアする。

そして、その直後の2コーナーで3台が絡むアクシデントが発生。1台がコース脇に止まってセーフティカー(SC)が導入される。

 いきなり逃げ足の速さを見せていただけに、#16徳升選手はきっとため息をついたことだろう。
SC先導は2周に及んだが、その後のリスタートが完璧だった。
ホームストレートに#16徳升選手は早くも#31 HIROBON選手に1秒の差をつける。そればかりか、この周のうちに#5中里選手が2番手に浮上。抜かれた#31 HIROBON選手は、その後#24坂野選手に抜かれていた。トラブル発生か?

 次の周には#5中里選手にさえ、3秒3の差をつけて戻ってきた#16徳升選手。
もっとも、もう#5中里選手は無理をする必要はない。この後もどこまで#16徳升選手が差を広げるか、注目されたのだが……。

 またしてもSCが導入されてしまう。今度も2コーナー脇で止まった車両があったため。間違いなく、#16徳升選手は先ほどよりも深いため息をついたはずだ。
2回目のSCランは1周で済んだが、リスタートで#5中里選手は#16徳升選手に離れない。が、背後に#24坂野選手や#68増本選手がいたことで、慎重にならざるを得ず。前よりミラーを凝視しながらの走行ではあっただろうが、無事2位でのフィニッシュを果たし、レース2を待たずしてチャンピオンを獲得した。

 3位は#24坂野選手で、開幕戦以来の表彰台に上がり、
4位は#68増本選手。5位は#219中島選手で、#31 HIROBON選手は6位でフィニッシュ。
7位は#320西尾光芳選手(エス★コンプリート320VITA)で、
8位でフィニッシュの#78鍋谷選手がジェントルマンクラスのトップを守り抜いていた。

優勝:#16徳升広平選手(Passing Mark VITA)

「無事に終わって良かった。あんまり言うことないですね(笑)。SCが余計でしたね。レース2はSCが入らないことを祈ります。リバースグリッドですけど、行くしかない! だから、皆さんよろしくお願いします。もちろん全力でやらせていただきます」

2位:#5中里紀夫選手(SHINSEI MIDLAND C72)

「良かった、ホッとしました。HIROBONを抜いたのはNIPPOの立ち上がり。あそこでちょっと僕の方が勢い良かったので、抜けましたね。チャンピオン決まって良かった、ホッとしましたよ。これでレース2は全然気楽に行けます。リバースグリッドだから、見せ場作ります。頑張ります」

3位:#24坂野貴毅選手(THE BRIDE VITA)

「VITAでは表彰台は2回目で、その時はウェットだったので、ドライで上がれたのは嬉しいですね、なんとか守りの走りで、無難に行きました」


決勝【レース2】

優勝:#31 HIROBON TMR×アキランド VITA
2位:#16 徳升 広平 PassingMark VITA
3位:#68 増本 千春 SANNO SHIELD 清水炉工業 制動屋
4位:#24 坂野 貴毅 THE BRIDE VITA
5位:#320 西尾 光芳 エス★コンプリート 320 VITA
6位:#78 鍋家 武 IMAGE★ToyBox★SP プラス★REV-01

<VITA Race2 ジェントルマン>

優勝:#78 鍋家 武 IMAGE★ToyBox★SP プラス★REV-01
2位:#87 山本龍 おさきにどうぞ★VITA
3位:#2 GAMISAN HIROTEX TMR VITA


 #31 HIROBON選手がレース1で6位に甘んじたのは、先の#16徳升選手や#5中里選手のコメントで、もう明らかだろう。レース2は、レース1の成績に基づくトップ6のリバースグリッド。トラブルが出たと、変に繕うことなく「レース2を勝つために、後ろ来ないから行かせて」と、はっきり言うところが、#31 HIROBON選手のキャラクターでもある! ともあれ、狙いどおりポールポジションを獲得した。

 スタート進行開始は14時10分。これまた8周での争いだ。#24 HIROBON選手はスタートでトップを守ったのに対し、2番手グリッドだった#219中島選手が完全に出遅れてしまう。
#24坂野選手が2番手で1コーナーをクリアするも、ヘアピンで#68増本選手にかわされていた。
#219中島選手よりも深刻だったのは#5中里選手だ。スタート直後のシフトミスで、大きく順位を落としてしまっていた。

 また、1周目にはS字でアクシデントも発生。4番手まで上がっていた#16徳升選手の心境がまたしても思い浮かぶ。

ただ、1周で終了すると、リスタート後の2コーナーで、すかさず#24坂野選手をパス。「あと2台!」とすぐに気持ちは切り替わったはずだ。実際、4周目の200Rで#68増本選手を抜いて、2番手にも躍り出ていた。

 なのに、再び5周目からSCが。ただでさえ、あと3周しか残されていない。2周で先導が終わった後のリスタートで、#31 HIROBON選手にコンマ3秒差でコントロールラインを通過した#16徳升選手は、当然1コーナーでオーパーテイクを試みるも、抜き去るまでに至らず。

 さらに#16徳升選手を絶望的な気持ちにさせたのは、7周目を終える前に3回目のSCボードが提示されたことだったはず。今度は1コーナー脇に止まった車両があったためだ。逆に#31 HIROBON選手がほくそ笑む様子も、目に浮かぶ。レース1の優勝賞金が3万円なのに対し、レース2のそれは20万円だったからだ!

 結局、SC先導のままチェッカーが振られ、
優勝を#30 HIROBON選手が獲得し、2位が#16徳升選手で、
3位は#68増本選手。
4位は#24坂野選手で、連続表彰台ならず。


5位は#320西尾選手で、ジェントルマンクラス連勝の#78鍋家選手は、レース1よりふたつ順位を上げて6位という結果に。


優勝:#31 HIROBON選手(TMR×アキランドVITA)

「儲かったぁ、20万(笑)。まぁ、最初に逃げられたのが良かった。後ろ見たら(#16徳升選手が)『もういるやん!』って思って。『いつの間に?』って思いましたわ!」

2位:#16徳升広平選手(Passing Mark VITA)

「まぁ、しゃあない。これもレースですね。そもそも2回目のSC明けのリスタートで、僕が一発で仕留めんかったのが、いちばんの問題です。しゃあない。リベンジします!」

3位:#68増本千春選手(SANNO SHIELD清水炉工業 制動屋)

「今年の最後、表彰台上がれて良かった。今週、トラックから落ちて、ちょっと靭帯痛めたんですけど、今日は全然大丈夫でした。
SC が多すぎましたね。これもレースですからね。徳升選手に気許しすぎてパッと見たらヘアピンで横にいてびっくりしました。でもそこからは後ろから勉強させていただいたんで良かったです」

 

4位:#24 坂野 貴毅 THE BRIDE VITA

「スタートは良かったのに、その後抜かれてしまい、まだまだ頑張らないとと思います。イン側は締めないといけないなと教訓しました」笑

5位:#320 西尾 光芳 エス★コンプリート 320 VITA

初めてこれだけ長くタイヤを使うレースをしました。
予選でタイヤを使いすぎてしまったんで
レースは耐えて耐えてなんとか5位取れました。タイヤの使い方をすごく勉強させていただきました。来年も頑張ります


表彰式
レースの後は楽しい
【YEAR END PARTY】