VITA CLUB 三重県鈴鹿市のレーシングカーコンストラクター

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OKAYAMA VITA第4戦
2024/06/09 レポート

VITA第3戦

OKAYAMAチャレンジカップ第4戦

6/9 VITA Rd.4

  岡山国際サーキットのVITAが、今年は例年以上の大混戦となっている。
ここまで3戦終えて、いずれもウィナーが入れ替わっているからだ。
必然的にタイトル争いも熱く、

トップは開幕戦ウィナーの#39武地孝幸選手(odula TONE TMR VITA)で、

第2戦の2H耐久を制した#75清水康友選手(ENDLESS☆カーブティックTrace)がわずか3ポイント差で追う展開となっている。

3位以下はやや間を置いて、進境著しい#219中島僚斗選手(&GコーポレーションANGLE VITA)

#6増本千春選手(SANNO SHIELD清水炉工業 01)

#333上田裕司選手(野郎レーシング☆萬雲塾VITA)

#88 MAKOTO選手(まこと君VITA)

そして#4藺牟田政治選手(SS JOKER☆ダイワN通商VITA)が続く格好となっているが、

この中で最も勢いがあるのが#6増本選手だ。
これまで勝てそうで勝てないレースが続いていたが、第3戦ではポール・トゥ・ウィンを達成。
VITAでの初勝利にもレース後には淡々と「ようやくです」と語っていたが、勝ち方を覚えたことで、自信は今まで以上に増したはずだ。

ともあれ残る戦いは今回を含め2戦、

そこに緊急参戦となったのが、#1大八木竜一郎選手(DAISHIN☆Progrexx☆萬雲塾)だ。
今年は仕事の都合でレース活動を控えていたが、スーパー耐久の「富士24時間」に助っ人として参戦したことで、レーシングドライバー魂に再び火が灯ってしまったよう 
間違いなく大混戦のタイトル争いを、かき回してくれるはずだ。

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予選

 練習走行が行われた土曜日まではドライコンディションが保たれていたが、夜半から雨が降り始め、予選は誰もがウェットコンディションでレースウィーク初の走行となった。
もっともピークは早朝までで、予選が始まる頃には小雨となっていたが。
計測1周目からトップに立ったのは#1大八木選手で、2分4秒293をマーク。
これに#219中島選手が2分7秒753で続く。

次の周には勢い余って、#1大八木選手が1コーナーでオーバーラン。
しかし、グラベルに捕まることなく、そのまま走行が可能だったのは不幸中の幸い。何事もなかったかのように2分3秒360、2分2秒517と、トップのままタイムを詰め続けていく。

その次の周にクールダウンを入れた#1大八木選手は、ラストアタックでもう一発を狙ったものの、これは2分2秒891でタイムアップならず。だが、誰にも脅かされることなく予選を終えていた。

一方、#219中島選手も順調にタイムを縮め続け、計測4周目には2分3秒671を記録して2番手につけた……はずだった。
しかし、再車検で指定外の燃料使用が明らかになり、全タイム抹消に。しかし、決勝には最後尾からの出走が許された。

結果、2番手に繰り上がったのが#14下垣和也選手(SOUEISHA-VITA)だ。
計測1周目は2分7秒702で4番手だったが、次の周に2分5秒106に短縮するとともに3番手にポジションアップ。
そして計測4周目に記した2分4秒054を自己ベストとした。

3番手は#6増本選手。
計測1周目は2分12秒288のスロースタートで11番手だったが、計測2周目には2分7秒351で6番手に、1周置いて2分4秒107にまで詰めることになった。

4番手は終盤の追い込みが凄まじかった#88 MAKOTO選手。
ラスト2周で2分4秒852、2分4秒415と詰めてきた。

5番手は前回、表彰台にも上がった#333上田選手。
計測1周目の3番手から、順位こそ落としたものの、2分4秒434を自己ベストとした。そして、
6番手は#39武智選手で、
7番手は#75清水選手と、
ランキングトップのふたりが並ぶことに。レースには強いドライバーだけに、ここからどこまで順位を上げてくるかで、タイトル争いにも影響を及ぼすことになるだろう。

ポールポジション:#1大八木竜一郎選手(DAISHIN☆Progrexx☆萬雲塾)

「仕事の都合でなかなか出られなくなっていたので、めちゃくちゃ久々に出てきました! 
ヒストリックカーレースに出る予定ではあったので、ついでに出ちゃおうかと(笑)。
今、誰が勝っているとか結果、一切触れへんようにしていたので、全然知らないんですよ。まぁ、なんとかなりました。
雨のおかげです。決勝もこのままうまくいくように、頑張ります」

予選2番手:#14下垣和也選手(SOUEISHA-VITA)

「もうちょっと内圧詰められるかと思ったんですが、ベストが出た時もちょっと引っかかってしまいました。
でも、この順位なら決勝を考えても上出来だったかなと。内圧は適正ぐらいで行ったんですよ、急な雨だったので。だから、もうちょっとアジャストできるかなと思ったんですが、そんなに悪くはなかったです。
僕にとっては完全の恵みの雨です、雨しかダメなんで(笑)」

予選3番手:#6増本千春選手(SANNO SHELD 01)

「路面の様子を見ながら走っていましたが、もう少し乾いているだろうと思って、タイヤの内圧、だいぶ落としていたんですよ、ほぼドライに近いぐらい。
失敗しましたね、実力です。でも、決勝では追い上げるんで!」

予選4番手:MAKOTO選手(まこと君VITA)

「車のセットがばっちり合ったというのと、あとはやっぱり雨がすごく苦手で、雨のレースで惨敗した経験があって、雨を目掛けて練習するようにして、たまたま10日ほど前に雨の練習ができたというのが大きいと思いますね。
そこである程度セットを出せたり、自分の運転の仕方を修正できたりしたので、それが今回に繋がったと思います。
今、できる限界かなという感じですね。克服できたかはまだわかりませんが、他の人と同じぐらいで走れるようになったかなと思うので、もうひと剥けできるようにしたいので、まだまだ練習が必要ですね」

予選5番手:#333上田裕司選手(野郎レーシング☆萬雲塾VITA)

「15分って短い時間で、久々の雨だったので、なかなかアジャストしきれずに、後半ちょっとだけエンジンかかってきたかなって感じでしたね。決勝はしっかりと三つ、四つぐらい上げられたらいいですね! 特に車は問題ないので、もうちょっとプッシュできると思います。決勝も頑張ります。ウェットの方がいいですね、どっちでもいいですけど(笑)」

予選6番手:#39武地孝幸選手(odula TONE TMR VITA)

「うまく1周まとめることができずに、マイナスになったり、ちょっと調子いいなと思ってもプラスになったりしたので、ちょっと分からない。決勝は失敗しないように走れば、順位は着いてくると思うので。なんか、まだVITAの雨はつかみきれなくて、走らせ方があると思うので、決勝はドライのほうがいいです。VITAの雨は鈴鹿で経験していますが、なんか岡山の雨って微妙で、ラインも外〜外って走らなきゃいけなかったりして、まだつかみきれていない感じです」

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決勝

 予選の後にやんだ雨は、皮肉にもVITAの決勝レースを間近に控えた段階で、また降り始める。
この日、やっとフルドライとまでいかずとも、濡れ切っていない路面で走れると思っていたドライバーにとっては、セッティング変更を余儀なくされ、逆に間に合わなかった、また開き直ったと対応はそれぞれ。

その決勝で1コーナーへのホールショットを決めたのが、ポールシッターの#1大八木選手で、これは順当。


だが、その後方では5番グリッドから絶妙のダッシュを決め、#333上田選手が一挙に2番手に浮上し、
#14下垣選手と#6増本選手を従えた一方で、
#88 MAKOTO選手が5番手に後退する。

 オープニングラップを終えた段階で、#333上田選手に対して#1大八木選手は早くも2秒8ものリードを築く。


背後には#14下垣選手がつけ、激しく2番手を争い合うことに。その一方で、広がっていくのかと思われた#1大八木選手の間隔は、逆に広がらず。次の周には2秒1にまで縮まってしまう。だが、これはもう勝利への確信を得たがゆえ。

逆に3周目のアトウッドで喫した#333上田選手のミスに乗じ、続くヘアピンで#14下垣選手が前に出たが、この間に再び#1大八木選手は労せずして差を広げることに。

 なんとか#333上田選手を引き離したい#14下垣選手は6 周目に、その時点でのファステストラップ2分6秒249をマークするも、逆に7周目には#333上田選手が、これを上回る2分5秒688を出して応酬、激しいバトルに視線は釘付けに。

 一方、その頃、最後尾スタートを強いられていた#219中島選手は10番手に浮上。
1周目だけで10台抜きを果たしていたが、2周目のセクター3で痛恨のオーバーランが。


それでも、すぐ復帰でき、開き直ったかのように再び追い上げを続けていく。中盤には雨もやんで、路面状態も良くなっていったこともあり、ファステストラップを連発。
8周目には1分54秒502を記すまでに。

 

 その頃、トップを走る#1大八木選手は、コンディションの回復を理解しつつ、余裕を持って走っていたのは、もはや誰にも明らかだった。
VITAでの半年以上のブランクも、少しも苦にせず。

逆に雨がやんだことで、本来の調子を取り戻していたのが、4番手を走る#6増本選手だった。

それまで前も後ろも離れた単独走行だったのに、ラスト2周のペースは誰をも上回るように。このことを知ってか知らずか、

#333上田選手が8周目のヘアピンで、再び#14下垣選手を抜いて2番手に。
もし、守りに入っていたら、#6増本選手にかわされていたかも。


というのも、9周目には1分52秒821、最終ラップに至っては1分50秒775という他を圧するファステストラップを叩き出し、#14下垣選手に迫っていたからだ。

辛くも#14下垣選手はコンマ24秒差で、#6増本選手を振り切ったが、あと1周あったなら果たしてどうなっていたか?

そして、その後方少し離れて5番手に着けていたのは#39武地選手だ。まずはポジションキープからレースを開始し、#88 MAKOTO選手を追いかける。


4周目には5番手に浮上、だがランキングトップを争う#75清水選手も大きく遅れることなく続いていたから、油断は少しも許されず。


それでも路面の乾きとともに、やがて#88 MAKOTO選手と#75清水選手を振り切ることに成功する。

そんな後続のドラマチックな展開とは裏腹に、
#1大八木選手はまさにひとり舞台を演じていた。
後方からのプレッシャーに脅かされることなく、10周を難なく走り抜いて優勝を飾る。

4秒3遅れはしたが、#333上田選手は2位でフィニッシュし、2戦連続の表彰台へ。

そして3位は#14下垣選手。本来はトロフィークラスでのエントリーだったが、総合での表彰台に立ったことで、クラス表彰の対象外となる嬉しい誤算も。

また、連勝ならずも4位で#6増本選手がゴールし、

これに続く5位ゴールの#39武地選手はランキングのトップを死守! 

6位は#88 MAKOTO選手で、最後のストレートでの#75清水選手の猛攻をギリギリのところでかわしていた。

さらに8位でゴールは#219中島選手。

「途中のコースアウトがなければ、あと1個か2個ぐらい上に行けたかなと、ペース的には。ファステストラップは獲ろうと思っていましたが、しっかり師匠(#6増本選手)に持っていかれました。
もっと勉強ですね、目指すは優勝なので」と、やり切った感のある表情で語っていた。

なお、#14下垣選手が表彰対象外となったことで、トロフィークラスの優勝は10位でゴールの#57武連良治選手(TBR RAYBROS VITA)が獲得している。

[トロフィクラス]

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優勝:#1大八木竜一郎選手(DAISHIN☆Progrexx☆萬雲塾)

「いろんなライン走りながら、どこがいいのか、ちょっと探りながら走っていたので、あんまりペースは上がらなかったですね。まあまあ、結果として勝てて良かったです。
雨は途中でやんできて『これはひょっとして、元のラインで走れるかな』って、どんどん行けるようになっていたので。
久々のレースで勝てて良かったです。次のレースは、まだ考えています(笑)」

2位:#333上田裕司選手(野郎レーシング☆萬雲塾VITA)

「なんとかスタートがうまいこといきました。
ゆっくり、ゆっくりスタートしたんですけどね。
あとは下垣さんとクリーンなレースできたかなと。アトウッドでミスして、ヘアピンで抜かれたんですが、同じところで抜き返してきました。また頑張ります」

3位:#14下垣和也選手(SOUEISHA-VITA)

「これがトロフィークラスで最後のレースになるかもしれません、総合で表彰台に上がっちゃったので(苦笑)。
なかなか面白いレースで、スタートは失敗して一回抜かれて。また抜いて、抜き返されました。ちょっと悔しい3位ですね、やられちゃったので!」

4位:#6増本千春選手(SANNO SHELD 清水炉工業01)

「完全ドライのセットで、降らんかったら行けていました。せめてもう少し早く、雨やんでくれていたら、あとひとつは上がったはず。でも、今日のレースはスッキリしたね、ファステストも出せたし!」

5位:#39武地孝幸選手(odula TONE TMR VITA)

「前に着いていけなかったので、反省はありますね。ドライのラインに気づくの遅すぎましたし。
ランキングのトップは維持? ああ、良かった!そうなんですね。
スタートで一台抜かれて、抜き返したんですよ。で、Wヘアピン1個目で前に詰まったんですよ、清水さんがMAKOTOさんに。詰まっているところを、イン入っていきました。
あと1戦、ここ岡山では。最後まで気を抜かずに行きます」

6位:#8MAKOTO選手(まこと君VITA)

「自分なりにはできたと思います。上手い人ってウェットのラインからドライのラインに切り替えるのがタイミング良くて。僕はそれがまだ分かっていないというか。ずっとハーフウェットぐらいのラインで行けるのに、まだウェットのラインで走ったりして、そこでやっぱり差が出たのかな、というのが正直なところです。
でも、今ある実力は出せたかなと思います。雨が降ったままだったら10位以下だと思っていたので、そういう意味では6位というのは、そこまで悪くないと思います。
ただ、もっともっと頑張りたいと思っていますし、もっと練習したいとも思います」

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