VITA CLUB 三重県鈴鹿市のレーシングカーコンストラクター

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鈴鹿ファイナルVITAレース
2024/02/23 レポート

VITA Rd.5

  MEC 120を含み、全5戦で争われる鈴鹿サーキットのVITAクラスも、これが最終戦となる。
エントリーは31名。

この中にはフィリピンのFormula V1に出場する3名も含まれている。
ようやくコロナ禍も落ち着き、久々の国際交流ともなった。

 今回の焦点といえば、やはりタイトルの行方だろう。すでに候補はふたりに絞られている。
足掛け2年の連勝記録こそ「5」でストップしてしまったが、ポイントリーダーは#1大八木竜一郎選手(DAISHIN/Progrexx/萬雲塾)が、ここまで60ポイントを獲得。
果たして3連覇なるか? 

そして、前回のウィナーである#133 TOMISAN選手(AKILAND VITA)が、2013年以来の王座獲得を目指し、57ポイントで続く展開となっている。
これだけの差でしかないだけに、先にゴールした方に栄冠は輝くはず。それが優勝によって決められれば、より喜びも増すに違いない。

 

 その一方で、ランキング3位以下は大混戦。
#6増本千春選手(SANNO MST SHIELD清水炉工業所01)や#5中里紀夫選手(SHINEI MiDLAND C72)、#76上岡広之選手(ウイニングCB制動屋Trace☆NUTEC)ら、今季未勝利ながら実力者が並び、せめて優勝で有終の美を飾りたいと思っているはず。

 

その他にも、スポット参戦ながら「チャンピオン争いの空気なんか読みません」と忖度抜きのドライバーもおり、もはや盛り上がりは必至の状況となっていた。

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予選

 

 ついに12月に入り、今年も残すところわずかとなった。この時期の予選で注目されたのは、誰がポールポジションを奪い、かつレコードタイムをどれだけ更新するか。従来のレコードタイムは今年の開幕戦で、#1大八木選手が記した2分23秒916。果たして……。

 だが、予選は波乱の展開となった。
赤旗が3回も出され、満足にアタックできぬまま終えたドライバーも少なくなかったほど。最初の赤旗は開始直後。アウトラップのS時でスピンを喫し、止まった車両があったためだ。

しかし、この時はひとり#58徳升選手に有利に働いた。最終コーナー寄りのピットだったため、コースインを遅らせたことで再開後は先頭を走ることができたからだ。いきなり2分22秒989を記してコースレコードを更新したばかりか、次の周には2分22秒622にまで短縮!

 ところが、他のドライバーは#58徳升選手のような好機を得られず。
2番手には#31藤原優汰選手(TMR)が、3番手には#1大八木選手がつけるも、それぞれ2分23秒625、1分23秒716に甘んじ、次の周には#31藤原選手は2分23秒488に短縮するも、#1大八木選手はタイムダウン。

その直後に#6増本千春選手(SANNO MST SHIELD清水炉工業所01)が、2分23秒468をマークして2番手に浮上。

そして、それから間もなくヘアピン手前の右コーナー脇に止まった車両があり、またしても赤旗が。
この時、#32藤原選手はセクター3で最速タイムを記していたというのに……。

さらに#76上岡広之選手(ウイニングCB制動屋Trace☆NUTEC)が2分23秒528で4番手に浮上。

 さらに残り8分で再開されるも、今度はまたS字でクラッシュが。これで赤旗終了となってしまう。
満足にアタックを許されず、#1大八木選手は5番手に甘んじ、そしてタイトルを争う#133 TOMISAN選手は7番手にその間に割って入る6番手には、#32カワモトミツル選手(オートルックwithシンエイジャパンVITA)がつけていた。

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ポールポジション:#58徳升広平選手(アポロ薬局フジタ電工MT 綾真則VITA)

「ありがとうございます。この短い期間に、富士から鈴鹿のセットに変更してくれて、短い中でもなんとか自分のやれることをやりました。いちばん運が良かったことは、一発目の赤旗が出てくれたおかげで、僕は先頭で出られたことですね。そうでなければ、2〜3周とクリアラップ取るのに時間がかかって、また赤旗でタイム出なかったってこともあったと思うので、その点では運も良く、良かったと思います。チームに感謝ですね、ありがとうございます。綾(真則)さんが最高の車を僕に貸してくれて、富士で2位、3位と獲ったので、あとは優勝しかないので、優勝をプレゼントしたいと思います。僕はランキング3位を目指して頑張ります。僕は行っちゃいます、僕を気にせず、頑張ってください!」

予選2番手:#6増本千春選手(SANKO MST SHIELD清水炉工業所01)

「失敗だらけです。赤旗の前に行けたんですけど、うまくまとめられませんでした。失敗しまくりました、初めてですよ、あんなにミスしたのは。2番手ですけど、徳升さんがたぶん2秒台入れるだろうと思って、正直焦りました。うちはターゲット2番手だったので、それは良かったんですがミスって。徳升さんのタイムは異次元だわ」

予選3番手:#31藤原優汰選手(TMR)

「ちょっと赤旗が続いて……。普通に走れていれば、2番手ぐらいは行けたと思うんですけど。明日はガッチャガチャにしたるんで(笑)、できたらいいんですけね。チャンピオン争いの先に行くつもりです」

予選4番手:#76上岡広之選手(ウイニングCB制動屋Trace☆NUTEC)

「みんなそうでしょうけど、ベストな走りができない中でも4番手で良かったです。という気持ちです。決勝も頑張ります、なんとか表彰台に上がれるように!」

予選5番手:#1大八木龍一郎選手(DAISHIN/Progrexx/萬雲塾VITA)

「赤旗ばっかりで、ちょっとね。もうちょっとちゃんとして欲しいです。もう怒っていました。あんなんじゃ、レースできないので、みんな、ちゃんと意識高く持ってやった方がいいと思います」

予選6番手;#32カワモトミツル選手(オートルックwithシンエイジャパンVITA)

「赤旗の連続で、まとめられる周がありませんでした、皆さん同じでしょうけど。まぁ、こんなもんでしょう、6番手って。決勝はその分、いいレースしたいと思います。みなさん、いい先輩なので、胸を借りるつもりで」

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決勝レース

日曜日の鈴鹿サーキットも穏やかな天気に恵まれ、絶好のレース日和となっていた。
当初、8周での争いとされていたが、フォーメイションラップを終えてトラブルが発生した車両があり、スタートディレイとなって1周減算の7周に改められた。

フォーメイションラップをやり直し、ようやく切られたスタートをしっかり決めたのは#58徳升選手。
対して、#6増本選手はレッドシグナルが消える前に、ほんの少しだが、車を動かしてしまい、そのため出遅れてしまう。

一方、1コーナーへの加速に優った#31藤原選手は、#6増本選手をかわしたばかりか、トップにも迫る勢いを見せたが、逆転するまでには至らなかった。


そして4番手には#1大八木選手が浮上。


さらに予選9番手だった#5中里紀夫選手(SHINSEI MIDLAND C72)が5番手にジャンプアップして、
#133 TOMISAN選手を従える。

1周目を間もなく終えようとしたシケインで接触があり、その中には予選6番手だった#32カワモト選手も。ただし、コース上に止まった車両はなく、セーフティカーが導入されずに済んだのは何よりだった。

トップで戻ってきた#58徳升選手のリードは、いきなりコンマ8秒にも達し、その後も徐々に差を広げていく。
1周目を終えた時点では#31藤原選手が後続を従えていたが、その後方でのバトルが2周目に入って激しさを増したことで、次の周には2秒2の差をつけるようになっていた。

そして、その周に3番手に浮上していたのが#1大八木選手。
#133 TOMISAN選手が後ろにいるだけに、チャンピオンを掌中に収めたのは確実ながら、しっかり表彰台圏に入れてきたのは見事の一言。#76上岡選手と#6増本選手、#5中里選手、そして#133 TOMISAN選手を背後に置くも、少しも動じることなく集団をリードしていった。

一方、トップの#58徳升選手は、まさに盤石。ひとり2分23秒台でコンスタントに走り続け、4周目にはファステストラップとなる2分23秒504をも叩き出していたほど。そのまま7周を駆け抜け、#31藤原選手に3秒差をつけて、第3戦MEC 120以来となる2勝目をマーク。ランキングもひとつ上げて3位となった。

2位は#31藤原選手で、終始単独走行。

そして#1大八木選手は最後までポジションをキープし、シリーズ3連覇を達成した。

4位は#76上岡選手で、

続いてゴールした#6増本選手は件のスタートに対し、5秒加算のペナルティで7位に降格。

5位を#5中里選手が獲得し、

#133 TOMISAN選手が6位となって、ランキング2位になっていた。

 

 

優勝:#58徳升広平選手(フジタ薬局アポロ電工MT綾真則VITA)

「勝てて良かったです。スタートは普通に決まって、あとは淡々と走るだけだったので、この短時間に車作ってくれたチームに感謝ですね。あと、VITA CLUBですね、このレースに出させてくれる機会作ってくれた。来年、何のレースできるか分からないですけど、VITAは続けようと思います。フォーミュラは引退します(笑)」

2位:#31藤原優汰(TMR)

「ちょっとアカンかったですね。スタートで行けるかと思ったんですが、外だったし抜けなかったですし、そこからはチャンスなかったですね。来シーズンはいろんなチームとお話しさせていただいているので、まぁ、どこかのレースで。まだ確定はしていませんが」

3位&チャンピオン:#1大八木竜一郎選手(DAISHIN/Progrexx/萬雲塾)

「いろいろありましたけどね、なかなか前半からペース上がらずで、もうどうしようかと思ったんですが、いい位置でレース終われて、良かったです。チャンピオンも決まったので、もう無理せずキープで行こうかな、と思ったところですね。連覇の気分ですか? そりゃもう、最高です!」

4位:#76上岡広之選手(ウイニングCB制動屋Trace☆NUTEC)
「バトルは楽しめたんですが、抜いて3位までは、ちょっと届かなかったですね。悔しいですけど、これが結果ですね」
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5位:#5中里紀夫選手(SHINSEI MIDLAND C72)
「スタートは良かったんですけど、シフトミスを何回もしてしまって。それでも、ちょっとだけ意地見せました」
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6位:#133 TOMISAN選手(AKILAND VITA)
「いつもの棚ぼたです。着いていくだけでしたけど、しんどかったです。タイトルのことは意識していましたし、まぁ、全力で挑みましたけど、力足らずでしたね……」

【YEAR END PARTY】

レースの後は表彰式です。
💐皆さまおめでとうございました!