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FCR-VITA第3戦レースレポート
2022/11/30 レポート

富士チャンピオンレース第6戦 FCR-VITA第3戦

11月12日 富士スピードウェイ

スプリントレースとしては最多台数を集めたFCR-VITA第2戦から、1か月足らずでシリーズは第3戦を迎えた。
今回は1台減の38台ながら、それでも大盛況には変わりなし。
富士スピードウェイの長いストレートで繰り広げられる、スリップストリーム合戦にどうやら皆一様に魅入られてしまったようだ。

目下ランキングのトップは、

前回のウィナーで、第1戦の2H耐久でも3位だった、ディフェンディングチャンピオンの徳升広平選手(フジタ薬局アポロ電工高山短大VITA)で、

2ポイント差で追いかけるのが、2戦連続2位の塚田海斗選手(BRM VTA)


徳升選手とともに第1戦を戦った、翁長実希選手(KeePer VITA)が10ポイント差で続く。
レースは今回も含め、まだ2戦残されており、可能性で言えば全員にまだチャンピオン獲得の権利が残されているだけに、最後まで白熱の展開が続きそうだ。


公式予選

今回の予選開始は9時で、前回と同じ20分での計測となった。
前回は早めにアタックをかけたドライバーが上位につける傾向があった。
今回は天気にはより恵まれ、気温こそ低いものの、路面にはストレートの一部を除き、陽はしっかり当たっている。果たして同じパターンとなるのだろうか。

唯一Bピット(1コーナー寄りのピット楝)だったこともあり、タイミングモニターにゼッケンを最初に載せた小西岬選手(RaiseUP ACRE-01)が好調。

計測2周目に誰より早く2分を切った徳升選手にトップを譲ったものの、
次の周にはレコードタイムを更新する1分58秒621をマークしてトップに立つと、1分58秒809を記しこそしたが、その後の短縮はかなわず。それでも、もちろんポジションは最後まで明け渡さず。自身3度目のポールポジションを獲得する。

その小西選手とほぼ同じタイミングで、三浦愛選手(KYOJO TOKEN DREAM VITA)が1分59秒360で2番手に浮上。しかし、三浦選手も、その後の短縮ならず。代わって、徳升選手が1分58秒969を記して2番手に躍り出る。

終盤に入って、それまで位置取りに苦労していた、塚田選手が1分59秒258でようやく3番手に立つも、次の周には上野大哲選手(タイヤカスレーシングVITA)が1分59秒227で、その座を奪い取る。

そしてラス前のアタックで、翁長実希選手(KeePer VITA)が1分59秒323を記して5番手に。
今回の翁長選手はKYOJO-CUPのみならず、インタープロトシリーズのジェントルマンクラスにも併せて出場していて超多忙。
結局、三浦選手は6番手となり、続く新井薫選手(オートルックVITA 01)、永井歩夢選手(Dr.DRY VITA)までが、トップの小西選手から1秒差におさまっていた。

ポールポジション:小西岬選手(RaiseUP ACRE-01)

「やりました! たまたま1周回ってきたら、翁長選手と徳升選手の車が見えたので、ちょっと距離を調整して、追いつけるだけ一気にいこうと思って行った結果、一発目でタイムが出たので、あとは攻めて攻めて。
実はコンマ3秒ぐらい削れたんですけど、そこは僕の足りなかった分かと思って、ピットに戻りながら悔しかったんですけど、それでも『レコードだよ』と言われた瞬間は、すごく嬉しかったです。
すごく緊張していたというか、いろんな人から応援してもらっていたので、その分、溜まっていた喜びが爆発した感じなので、それも決勝で爆発させたいと思います。気を引き締めて、頑張ろうと思います」

予選2番手: 徳升広平選手(フジタ薬局アポロ電工高山短大VITA)

「トップは速かったですね。今回はピット割的にも最初に出て行くのは無理かなと思って、前回はいちばん手前だったから最初に出られたんですが、今回は真ん中だったので渋滞するなと思って、一呼吸置いてから出ました。
渋滞はなかったので良かったんですが、スリップの使い合いがうまくいかず……。
使えたかなと思ったんですが、他のセクターがうまくまとまらなかったりで。
でも、それなりのタイムが出ていたので、決勝もそれなりのところに行くと思います」

予選3番手:上野大哲選手(タイヤカスレーシングVITA)

「マシンのフィーリングはだいぶ良くて、でも、走りにはまだ改善すべき点はあるんですけど。前回、レースがちょっと厳しい状態だったので、もうちょっと楽に戦えるように組み立てをしっかり考えて。
スリップ合戦になるので、そこは作戦立てて、やっていきたいと思います」

予選4番手:塚田海斗選手(BRM VITA)

「不本意というか、自分の予選の弱さがすごく出ちゃった感じですね。
位置取りができなかったのと、あとは自分の焦りもあって、全然タイムが出せませんでした。
ベストの週もスリップはうまく使えたんですけど、走り的には全然だったので、そこはもっと反省して、メンタル強くしていきたいです」

予選5番手: 翁長実希選手(KeePer VITA)

「もうちょっと行けたのに、って感じですね。一緒に並んでスリップ使い合って、チームメイトの徳升選手と行く予定だったんですが、間に他のマシンが入っちゃって、間合いがうまく取れず、ベスト出た周も、最終コーナーで引っかかってのタイムなので、それがなかったら、もうちょっと上がれたのになぁ、58秒近くは出ていたと思います。
今回、忙しいんですが、インタープロトに乗ってからVITAに乗ると、とても丁寧になります(笑)。タイヤを感じて走れていると思います、いつもより」

予選6番手: 三浦愛選手(KYOJO TOKEN DREAM VITA)

「うまく位置取りできなかったのと、1周完璧にまとめられませんでした。車はいいんですけど、自分のミスが、小さいのが……。でも、まとめてもトップのタイムは遠かったと思います。
決勝ではとりあえずスタートを決めて、盛り上げられるように頑張ります」


決勝レース
38台のVITA戦士がグリッドに並ぶ

今回も決勝レースは10周での争いに。今年のFCR-VITAは3戦すべてコンディションに恵まれ、秋晴れの青空の下でのバトルとなった。


決勝スタート

フロントローに並んだ小西選手、徳升選手ともに無難にスタートを切って、続いた上野選手まで予選の順で1コーナーをクリアするも、

翁長選手と塚田選手は順位を入れ替える。さらにコカコーラコーナーまでに、新井選手が三浦選手をかわして6番手に浮上。このふたりに9番手からスタートを切った大八木竜一郎選手(DAISHIN/Progrexx萬雲塾VITA)、永井選手が続く。

オープニングラップを終えた時点でのトップは小西選手。
だが、背後には徳升選手と上野選手、翁長選手がぴたりと続き、1コーナーにはスリーワイドで飛び込んでいく。
アウトから翁長選手が2番手に浮上したばかりか、さらに2コーナーで小西選手にも並び、コカコーラコーナー進入までにトップ浮上にも成功!

これで翁長選手、小西選手、徳升選手、塚田選手、上野選手、三浦選手、新井選手、大八木選手の順に改まる。

3周目に突入した時点でトップの翁長選手は1秒の差をつけ、1コーナーでは小西選手を徳升選手がインから刺して2番手に浮上。
その勢いで徳升選手は、翁長選手にも迫っていく。

4周目には、その差をコンマ5秒とした。その周の1コーナーでは塚田選手が、小西選手を抜いて3番手に。

チームメイト同士、翁長選手と徳升選手は逃げたいところだが、それを誰も許してくれなかった。

5周目にまず迫ってきたのが塚田選手。その後方では小西選手、上野選手、三浦選手が4番手を競い合う。

6周目のストレートでは、スリップストリームから抜け出した徳升選手が、翁長選手をかわして待望のトップに浮上。
さらにWスリップを使った塚田選手も2番手に。
この攻防の間に、セカンドグループも追いついて7台でバトルを繰り広げるようになり、ヘアピンでは塚田選手を尾長選手が早くも抜き返していた。

7周目のストレートでは徳升選手、翁長選手、塚田選手、小西選手が後ろを離し、

上野選手と三浦選手、大八木選手とグループを分けることに。
ここには新井選手と大野俊哉選手(ビーンズスポーツSPM☆VITA)も、やがて加わっていく。
8周目に入ると、上野選手がわずかながらも差を広げた一方で、大八木選手が三浦選手を捕らえて6番手に浮上。

9周目にはスリップストリームから抜け出し、翁長選手がトップに返り咲くも、徳升選手も負けてはいない。
1コーナーでアウトから抜き返す。

最終ラップ、またしてもストレートで翁長選手がトップに立つも、1コーナーでは塚田選手も交えてスリーワイドになり、この攻防を制したのはイン側にいた徳升選手。

さらにコカコーラコーナーでは塚田選手が2番手に上がる。
しかし、勝負はこれで決せず。
ダンロップコーナーで徳升選手に仕掛けた塚田選手だったが、ブレーキをロックさせて痛恨のコースアウト。
ここで労せずして、翁長選手と小西選手が2番手、3番手に浮上する。

トップでチェッカーを受けた徳升選手は2連勝。

そして翁長選手、小西選手、上野選手の順でフィニッシュ。

最後まで続いた6番手争いは、コンマ2秒差で三浦選手が大八木選手を振り切り、

以下、新井選手、

大野選手、さらに予選11番手からひとつ順位を上げた、並木俊貴選手(ビーフラット横浜gr VITA)までがポイント獲得に成功した。

今回の結果により、徳升選手はランキングのトップを守るとともに、

2位の塚田選手との差を12ポイントまで拡大。

そして15ポイント差で翁長選手が続き、12月10日に行われるシリーズ最終戦に向け、チャンピオン候補は3人に絞られた。


優勝:徳升広平選手(フジタ薬局アポロ電工高山短大VITA)

「スタートは普通でしたね、上位のみんな揃って。
しばらく様子見ていたというか、なかなか抜けなくて、それにしても2周目の1コーナーはすごかったですね、
いま思い返すと。無事に帰ってこられて何よりで(苦笑)。
その後、翁長選手がシフトミスしたかなんかで、それがないと抜けなかったかもしれませんね、正直。
ファイナルラップまでもつれてしまいましたが、ブレーキでものすごく突っ込める車だったので、抜かれても1コーナーで刺せると心配はしていなかったんですが、思ったより接戦だったので、どうなることかと思いました。
ブレーキングで安心して行ける車を作ってくれたチームに感謝です。
だいぶ連覇に近づきました。ちょっと楽になったかなという感じです。最終戦も頑張ります!」

元祖FRD藤村社長も応援に駆けつけて、
ナイスショット!

2位:翁長実希選手(KeePer VITA)

「悔しい〜。2周目の1コーナーで大外から2台抜けたのは、ブレーキ頑張ったから。
うちのチームはブレーキを重視しているので。ワンメイクでタイヤも車も一緒だから、何で差をつけるか、ブレーキでいちばん差が出るので、そこは集中的に作ってきたところです。
抜かれてから苦しい展開になって、そこは徳升選手の方が上手でした。
ペースはあったからファステストは取れたので、それは良かったです。本当はうまくスリップの間合いを考えて、(徳升選手と)ふたりで逃げ切れたら良かったんですけど、うまくいきませんでしたね」

3位:小西岬選手(RaiseUP ACRE-01)

「また3位です(苦笑)。スタートは決まったんですが、実は気温が上がっていたので、もしかしたらタイヤをうまく使えないかも、と思っていたら、まさにそのとおりで。最後の3周ぐらいで、ようやくちゃんと乗れるようになってきたぐらいで、まだ適応が甘かったというところですね。
まだまだ精進していかないと。不屈の精神で頑張っていきたいと思います」

4位:塚田海斗選手(BRM VITA)

「富士ではなかなか優勝できず、悔しいです……。
最終ラップのダンロップコーナーで行けるかと思ったんですが、ブレーキングで飛び込んだ時に道がなくなって、イン側に入ってしまって、どうしようもなくて避けたらロックアップしてしまいました。
爪が甘いというか、反省点はいっぱいありますけど、結果を出すのはドライバーで、責任はすべてあるので、僕がもっと頑張れば! 最終戦、絶対に勝ちます、勝たなきゃいけないんです」

5位:上野大哲選手(タイヤカスレーシング VITA)

「最後、ダンロップコーナーでコースアウトしたのが戻ってきて、軽く当たってしまいました。
最初からペース良く、離れるまでになれば良かったんですが、そこはもうちょっと改善で、着いていけるようになりたいです。ストレートも伸びずにだいぶ苦しかったので、来月もあることですから、もう少し練習を、マシンも対策していきたいと思います」

6位:三浦愛選手(KYOJO TOKEN DREAM VITA)

「もう一歩欲しいですけどね、スピード的に。スポットなので、シーズン通して走っている人と比べたら、厳しいのは分かっているんですけど、もうちょっと何か考えたいですね。
でも、バトルできたし、自分もちょっとミスがあったので、そこをカバーできていたら、もうひとつ前で争えたと思うので、そこはちょっと反省点です」


[ドライバー]
ピックアップ

最近、全国のサーキットで
60歳代の現役ドライバーが大活躍している。
FCR-VITAでは、3名のジェントルマンをご紹介。

まずは現役VITAドライバー。
鈴鹿ではCS2レースも数多くエントリー!
往年の元トヨタワークスレジェンド、
見崎清志選手です。76歳現役!!
「乗れるチャンスがあればいつでも乗りたい」
「若くないから難しさもあるけどね」
モータースポーツの本質を教えてくださる大先輩です。

次は、富田栄造選手。プロドライバーのご子息竜一郎様のコーチングで
いつも仲良く走るその姿は、憧れの存在です。
親子で耐久レース。いいですね

そして、全国のサーキットを転戦とされ大活躍しているのは
イシカワヨシオ選手。
困った時に助けてくださる、ステキなおじさまです。
この笑顔からいつもエネルギーをいただいています


そして、今回開催されたレジェンドカップレースでは、
80歳代のレジェンドもVITA-01をドライビング。
1年ぶりにステアリングを握るその姿は、昔をホウフツさせるほど
カッコ良すぎでした。
モータースポーツでイキイキと歳を重ねる
✨これからの生き方♪
ありがとうございました。

プロドライバーも、FIAドライバーも
老若男女がコースレコードを狙える!
✨これがVITA-01の魅力