SCCN SEPTEMBER RACE MEETING in TSUKUBA
2022/09/18レポート
9月18日 筑波サーキット
VITA Trophy 第3戦
決勝雨で中止に！
超大型の台風14号が列島に接近する影響で関東平野にも雨雲の来襲が予報されるなか、
SCCN SEPTEMBER RACE MEETING in TSUKUBAが開催され、VITAレースが14台のエントリーで行われた。
VITA Trophyシリーズは当初年間3戦が予定されていて、残すは10月16日もてぎでの最終戦のみという状況だったが、急遽第3戦が追加された形になった。
今回は第1戦もてぎ、第2戦筑波の両方を制してランキング首位の塚田海斗選手（#50 BRM VITA）が急遽不参加。 本命不在の大会となった。
そのためランキング2位の小野真選手（#24 NEEDS24 TRS ED VITA）には逆転のチャンスとなった。
この日のスケジュールは、午前9時15分から公式車検、午前10時10分から15分間で予選セッション、
そして午後2時34分にコースインして15周の決勝レースが行われるというワンディレースだ。
■注目ドライバー
・三上潤（ひろし）選手（#12 ビーンズ☆SPM VITA）
三上選手は今回がVITAレースデビュー戦、筑波でのレースも初めてとの事だが、VITAマシンをメンテナンスするショップを経営しており、マシンそのものは手慣れている。
「まずは初めてのVITAレースなので、まわりに迷惑をかけない事。
今のところ1分4秒後半から5秒前半程度で走れているので、レース日の天気にもよるけどベストを尽くして上位に行って、デビューで表彰台とか狙えたらいいな、と思います。
VITAの前は以前に富士チャンピオンレースのロードスターN1を1年だけやっていました。
どこまで（上位に）行けるか、頑張っています。
（練習走行で第1コーナーでコースアウトしていましたが？）
あれはですね、イン側にスーパーFJが居ると勘違いして、避けようとブレーキングして飛び出しちゃいました。
マシンに問題はないので、次の練習走行で最終調整してレースに挑みます」
・菅原秀勇紀選手（#77 メッカ・VITA）
菅原選手はなんと30年ぶりのレース参戦。
「前は服部尚貴とか野田英樹なんて面々とレース走っていました、FJ1600やRJとか。
30年前に子供が手を離れたらレースにまた復帰しよう、と決めて、ずっと筋トレとか行って準備していました。
去年三女が大学卒業したので、ヨシ今だろう、と去年から準備始めて、今年4月からVITA乗るようになって、今回レースすることになりました。
（筑波は30年前と変わっていませんか？）
結構変わりましたね、ゼブラ（コース脇）のカマボコも無くなって、いろんな意味で結構よくなった。昔に比べて走りやすいです。最終コーナーも変わっている。まずは30年ぶりのレースを楽しみます」
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■予選
予選開始は予定から5分遅れの午前10時15分開始。
筑波サーキット周辺の天気は昼前後から雨の予報でまだ雨は落ちてきていない。気温28度とひと頃の暑さではないが湿度は高く蒸し暑い。
コースコンデションはドライで三上選手を先頭に14台のマシンが一斉にコースイン、15分間のセッションに挑んだ。
ウオームアップを終えたマシンは計測2周目あたりからタイムアタックを開始。まずはルーキー三上選手が1分05秒094とトップタイムを出すが、すかざずランキング3位の西濱康行選手（#17 ETAアルゴバレーノ VITA）が1分04秒996でトップに立つ。前日の練習走行でも1分04秒台がひとつの目安という声があったが、早々に入ってきた。
ここで山本龍選手（#87 おさきにどうぞ☆VITA）が最終コーナーで単独スピンからコースアウト、グラベルストップしてしまう。今回久しぶりのレース参加と言うことだが前日の練習走行でも第1ヘアピンで何度かスピンを喫していて、マシンの限界をつかみ切るのに苦労していたようだが、タイムアタックする前に予選を終えてしまった。
西濱選手は続く周回で1分04秒681までタイムを短縮、
三上選手も04秒829と04秒台に入れるが
イシカワヨシオ選手（#8 東京IRCニルズvivoVITA）が04秒726を出して2番手へ浮上、三上選手3番手にドロップ。
4番手には村松賢太選手（#66 Vita）が上がってくる。
小野選手5番手、
6番手たなかみきてぃ選手（RiseUP VITA-01）。この時間帯は各選手ベストタイムを更新して順位も激しく入れ替わる。その中でじわじわ順位を上げているのが鈴木智之選手（#88 メッカ・Verity・VITA）で11番手→7番手と来てさらにペースを上げる。
30年ぶりレース参戦の菅原選手も最初にスピンを喫したがすぐに再スタート、1分10秒台で13位につけている。
残り8分、三上選手が1分04秒637とタイムを更新、再びトップに立つが、直後にコントロールラインを通過した鈴木選手が04秒541とベストタイムを塗り替える。西濱選手も04秒674と自己ベストを出すが3番手へ後退。鈴木選手は続く周回で04秒502、さらに04秒441とタイムを削りトップの座を安泰なものにする。三上選手2番手、西濱選手4番手、イシカワ選手4番手で、村松選手5番手。
このあたりで各車タイム更新が頭打ちになる中でイシカワ選手は残り5分を切って1分04秒557とタイムを刻むが
鈴木選手を上回るには至らない。これで三上選手3番手、西濱選手4番手に後退。
また福地一真選手（#75 大調ユニバーサルツインVITA）も04秒865を出して5番手へ進出。しかし村松選手が04秒839を出して福地選手の前に出る。
ここで15分が経過して予選は終了。鈴木選手のポールポジションが確定、イシカワ選手がフロントロウに並んだ。
セカンドロウは初VITAレースの三上選手が3番手、
西濱選手4番手。
以下5番手村松選手、
6番手福地選手とグリッド上位が決まった。
菅原選手は1分07秒856の自己ベストを出して13位につけた。
予選開始早々にグラベルストップした山本選手も1周だけできた計測ラップの1分14秒129で予選通過基準タイム1分23秒908はクリアしており決勝進出が認められた。
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ポールポジション：鈴木智之選手（#88 メッカ・Verity・VITA）/1分04秒441
「（難しいコンデションになりそうですが？）決勝はまったくわかりませんね。正直雨あまり経験がないので、どうなるか予想がつきません。（今のタイムは狙い通り？）コンマ2秒くらい遅い気がしますが、だいたい、あの位じゃないですかね。雨は必ず降ると思いますので、できるかぎり準備して、後は祈るしかないです（笑）。VITAは雨苦手なところがあるような気がするので、ちょっと怖いですね。慎重にスタートして、淡々と走る感じですね」
予選2番手：イシカワヨシオ選手（#8 東京IRCニルズvivoVITA）/1分04秒557
「練習よりはタイム出たので、ラッキーですかね、前後にマシンがいないいい場所を走れていたので。決勝に向けては、雨（の予報）なので、筑波の雨ってちょっと記憶になくて、練習ではあるのですけど、どうやって走っていいんだか、逆にフロントロウに並ばない方がよかったのかな、って気持ちですけど。
（まずは大事に行きますか？）
大事に行くと抜かれちゃうしね（笑）、難しいところですよね。後ろの三上選手は若いんでしょ？ そういう若い人が相手だとスタートでやられちゃうし、逆に（ポールシッターの）鈴木さんスタート上手くないのか（笑）この間はスタートで抜いちゃったし、最初のうちはあまり前に居たくないですよね、ただそれで逃げられちゃしょうがないし、（雨の）経験があればどこがどうなっているって分かるんでしょうけど初めての雨なので、あまり降らないことを願いますよ」
予選3番手：三上潤選手（#12 ビーンズ☆SPM VITA）/1分04秒637
「ちょっと残念です。あまりいいタイムアタックができなかったのですけど、初めて新品のタイヤを使ってみて、いろいろこれから活かせることがあると思います。決勝は雨だと思うので、気を付けて行こうかな、と思っています。（タイム的にはもうちょっと出そうでした？）
そうですね、あとコンマ3秒くらいは出そうだと思いつつ、出し切れなかった自分の実力不足というところと、クルマのセッティングというのも新品タイヤをつけてやってきたことが無かったので。まぁでも初めてのサーキットで初めてのVITAレースの中で予選3番手になれたのは価値があるのかな、と思います。
ベテランの方に混じって決勝では邪魔にならないようについて行って、頑張って表彰台乗れて、目指すは優勝でクルマもキレイなままで帰って来られるように頑張ります」
■決勝
予報通り昼前あたりから雨が落ち始め、たまに降り止むものの、時には風をはらんで横殴りの雨になる状況となった。
VITAレースの前に行われたスーパーFJの決勝時点でコース上は完全なウエットコンデションで、角度がついたコーナーでは川が横切りストレートでも水が浮いた状態。レースは開始されたものの水に乗ってクラッシュするマシンも出て赤旗中断、再スタート後もコースアウトが発生し、結局セーフティカーの先導でレースを終える状況となった。
この頃VITAレースの決勝をどうするか協議が行われ、エントラントも全員が招集される事となった。スーパーFJの様子から考えて同じオープンボディのレーシングカーであるVITAも同じように水に乗ってコントロールを失う恐れがある事、また水煙で視界も非常に悪く接触のリスクも高い事。こうした状況だがレースを行えるかどうか？
オーガナイザーの提案は
「レース成立の規定周回数である15周の70%（12周）まで、セーフティカー（SC）の先導で予選の順位で走行する」
「レース自体を中止にする」
の2案で、エントラントが選んでほしいという事で、ドラーバー達が意見をかわし、このコンデションではSCランでもリスクがありレース中止、という事で意見がまとまり、オーガナイザーもそれをうけ入れた。
レース中止は大変残念であるが、雨足は強くなる一方でコンデションの好転は期待できない事、
1か月後にシリーズ最終戦がある事など勘案すると致し方ない結論だと言えよう。
第3戦中止によってVITA Trophyシリーズのポイントランキングも変動せず、残り1戦となった。
上位ランキングはトップ塚田選手30ポイント。2位小野選手20ポイント、3位西濱選手14ポイント。
優勝ポイントが最大15ポイントなので、小野選手にはまだ逆転のチャンスがある。
最終戦もてぎは2時間の耐久レース。
スプリントとは違った難しさがあり目が離せない。
🏁エントリー
✨9/16-9/26まで
