VITA CLUB 三重県鈴鹿市のレーシングカーコンストラクター

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FCR-VITA Rd.5
2021/12/20 レポート

FCR‐VITA 第5戦

12月11日 富士スピードウェイ

全5戦で行なわれる2021 FCR‐VITAの最終戦は、12月11日(土)。
なんと鈴鹿サーキットで開催となった「VITA日本一決定戦」と同週末に開催となった。
しかし、富士での最終戦には27台が参戦することとなった。
シリーズポイント争いでは、暫定トップに立っている#47号車の徳升広平選手(52ポイント)は参戦するも、2番手の新井薫選手、3番手のいむらせいじ選手が欠席。
ランキング上位で参戦しているのは暫定4番手につける辻本始温選手(27ポイント)ということもあって、
徳升選手にとってはタイトルを決めるための一戦という感じだ。

この日の天候は晴れ。朝方は冷え込んだものの、日中は好天にも恵まれて気温は上昇。この日の最高気温は13度まで上昇した。もちろん路面は終日ドライのままであった。

横浜でドライビング・シミュレータの事業を行っている山本裕之選手(#14 RDS Vita)が、今回FCR-VITAに初挑戦となった。「RDSというシミュレータ屋をやっているので、シミュレータで練習して実車にどこまで活かせるかっていうのをやってみようということで、VITAは参戦コストもそれほど高くもないし、一台購入して参戦してみました。だれか乗りたい人がいれば、来年以降参戦を考えていますが、とりあえず今回は自分が一回出てみようということで、VITA-01に乗るのも今回が2回目」という。今後このマシンで続々ニューフェースが登場するかもしれない。

<予選>

FCR-VITA最終戦の予選は、この日の富士スピードウェイでの最初の走行セッションとして午前8時から25分間で行われた。富田栄造選手(#22 CPホールディング ワコーズED VITA)を先頭に全車いっせいにコースイン。

最初からペースが良かったのはチャンピオン候補の徳升広平選手(#47 KeePer VITA)。
まずは計測1周目に2分3秒895でトップタイムをマーク。
同チームの翁長実希選手(#37 KeePer VITA)とスリップを使い合いながらアタックを進めており、
3周目にはその翁長選手が2分1秒065のタイムでトップに立つ。
続いて1年ぶり2度目のFCR-VITA参戦となった大野俊哉選手(#12 ビーンズスポーツVITA)が2分1秒362で2番手につき、徳升選手は2分1秒860で3番手となっていく。

ところが、この次の周の1コーナーで、見崎清志選手(#24 ENEOS.CLA.pmu VITA)と浅井康児選手(#35 恒志堂レーシングVITA35)の2台が絡んでストップ。この影響で赤旗が掲示されてしまう。

4周目の計測で各車のアタックは一旦水入り。
この時点では、いずれも5周を走行した6台が上位に入った。
トップが翁長選手(2分1秒024)、2番手にイシカワヨシオ選手(#8 東京IRCVivoニルズ01)の2分1秒119。以後、大野選手(2分1秒382)、イノウエケイイチ選手(#2 ワコーズEDニルズ/2分1秒590)
徳升選手(2分1秒825)、猪爪杏奈選手(#86 Dr.DRY VITA/2分2秒963)である。

結果、25分間のセッション中、10分間(午前8時8分から18分まで)は赤旗が掲示され、
セッション時間の延長もなかったことから不完全燃焼の選手が続出、
といった具合だ。
残り7分でセッションは再開。
このコースイン後にもスピンをする車両が出ていたりするも、
ここで、まず辻本始温選手(#18 ORC ARUGOS VITA)が2分0秒760のタイムでトップに立つ。
翁長選手もタイムアップ(2分0秒974)、さらに下野璃央選手(#34 YGF Drago VITA)も2分1秒285で4番手に浮上。
さらに翌周には2分フラットに入れてくる選手も続出し、そしてチェッカーが出された最終アタックでは、翁長選手が2分0秒105のタイムで再びトップに立った。
それに続く2番手には2分0秒207でイシカワ選手。以後、下野選手(2分0秒258)、大野選手(2分0秒409)、徳升選手(2分0秒412)、そして辻本選手(2分0秒458)、猪爪選手(2分1秒045)という結果となった。

 

予選ポールポジション #37 翁長実希選手(KeePer VITA)

「今年の中で一番寒い時期のレースってことで、入念にタイヤを温めながら、マシンと自分が温まっていくイメージで走り出して。
赤旗の後、残り5分で再開できたので、アタック掛けて思いっきり走ることを意識したらタイムがついてきたって感じです。タイム的にはもうちょっと行けてたとは思うんですが、あの時間内ではこれくらい。実は初めてのポールポジションなんで、何があってもあせらず、前だけを狙ってバトルできたら」

予選2位 #8 イシカワヨシオ選手(東京IRCVivoニルズ01)

「今エンジンも調子良いし、練習からよくて、赤旗出る前も単独で2番手でした。
再開後は辻本選手の後ろに着くことができたんで、とにかく離されないように離されないようにって走っていたら2番手でした。
自分で2番手だとは思ってなかったんでびっくり。
決勝は集団の中についていければ、と思ってます。5周くらい走ると集中力が途切れてミスが出ちゃうんで、ミスを少なくしていけば…。今日はVITAの後にA1のレースもあるんでその余力も残しておかないと(笑)」

予選3位 #34 下野 璃央選手(YGF Drago VITA)

「赤旗って予想外の展開でした。コレからアタックってタイミングでの赤旗だったので、イチからやり直し。
完全にタイヤが温まってない時点で終わってしまったので、もう少し行けたかな。
決勝は焦ってしまって、うまくレース運びができていないという課題があるので、落ち着いていくことが目標です」

<決勝>

2時間半ほどのインターバルを経て、VITA各車が再びコースへと入っていく。
予選セッションの赤旗の原因となった見崎選手のマシンも右リアの足が折れたということだったが無事に修理も終わってコースイン。
そして午前11時15分、フォーメーションラップが始まり、10周で争われる決勝レースは午前11時19分にスタートとなった。

 

このスタートをバッチリ決めたのがポールポジションスタートの翁長選手(#37 KeePer VITA)。1コーナー進入ですでに後続を少し引き離し始めている。一方2番手争いは団子状態。さらにこのオープニングラップでは、TGRコーナー(1コーナー)やダンロップコーナー、13コーナーでスピンが相次ぐ。

オープニングラップ、翁長選手に1.6秒差で戻ってきた2番手争いは、
徳升広平選手(#47 KeePer VITA)と下野璃央選手(#34 YGF Drago VITA)を先頭に7台ほどの集団となっている。
2番グリッドスタートのイシカワ選手はオープニングラップ4番手で帰ってくるも、その後はズルズルと順位を落として行くこととなってしまう。
代わって大野俊哉選手(#12 ビーンズスポーツVITA)猪爪杏奈選手(#86 Dr.DRY VITA)が上がってきてこの2番手争いに加わっていく。
ただ、トップを行く翁長選手との差はさらに広がっていくという展開。

熾烈な2番手争いはレースも折り返しを過ぎ動き出す。
6周目に入ったホームストレートで徳升選手に並んだ下野選手がこれに競り勝ち2番手に浮上した。
さらに7周目の1コーナーでもスリップからの横並びとなってブレーキング競争が展開され、
見応えのあるスリップの取り合いが見られたものの、この7周目のダンロップコーナーで接触があり、
下野選手は7番手まで順位を落としてしまう。

再び2番手に上がった徳升選手は3番手争いとのギャップができ、同チームのワン・ツー体制を築いていく。
3番手に浮上した大野選手は、4番手の辻本始温選手(#18 ORC ARUGOS VITA)とホームストレートでのスリップの取り合いで、辻本選手に一度は先行を許してしまうが、Aコーナーで再び3番手を取り戻す。
そのバトルに、後ろを行く猪爪選手が迫ってきて、レース終盤にきて3台による3番手バトルが始まる。

大野選手と辻野選手のバトルは、ファイナルラップになってもつづき、
猪爪選手の後ろにイノウエ選手、下野選手も追いつき6台による3番手バトルが展開されるも、
最終的に順位のへんどうもは固定されたままでフィニッシュとなった。

翁長選手は自身初のポール・トゥ・ウインを達成。
2位となった徳升選手は見事シリーズチャンピオンを獲得。
3位に入った大野選手はVITA参戦2戦目にして初の表彰台を獲得した。

 

<コメント>

優勝 #37 翁長実希選手(KeePer VITA)

「スタートは若干ホイールスピンをしてしまったんですけど、アクセル緩めないでそのまま行っちゃえっていったらいい感じで決まって、そこからは自分のベストな走りをすることができました。
後ろがバトルしてくれたんで、ラッキーなレースでした。
ポール・トゥ・ウイン嬉しいです。こんな形で実現できるとは・・・。
今日みたいな感じでクルマを感じて走れば、結果が付いてくると思うんで、リラックスして明日のKYOJOのレースにも臨みたいと思います」

2位  #47 徳升広平選手(KeePer VITA)

「予選から自分の思った通りに走ることができず、そこがアジャストできなかったんですよね。
昨日の練習走行はそんなことなかったんですが、新品タイヤに入れ替えたとたんになかなかコントロールできず、でした。
決勝もそれを改善するべくセットアップ換えて良くはなっている方向なんですが、でも厳しくて…。
スタートで前に出られたんでああいうバトルができたというところです。
厳しかったですが、いろんな人が仕掛けてくれたおかげで、楽になり、ワンツーでフィニッシュできました」

3位 #12 大野俊哉選手(ビーンズスポーツVITA)

「前回のVITAのレースが昨シーズンの最終戦(開催は今年1月)で、今回は2戦目とぶっつけ本番でしたが、
ずっと富士を走ってきたので、それが良かったかな、と。
予選でもっといいポジションを取れてればよかったんですが、セッションの最後に皆さんに上に行かれて4番手になっちゃいました。
でも決勝ではレースペースもよくて、淡々とついていって、途中で下野選手に無理な感じで入っちゃったんでそれは申し訳なかったなと思ってます。
最後は辻本選手にガンガンに付いてこられて、抜かれて抜き返してみたいな感じでレースを楽しめました」

4位 #18 辻本始温選手(ORC ARUGOS VITA)

「レースらしいレースをした感じですね。路面温度の変化はけっこうあったんですが、飛び出したくないなってことで1周目は慎重に行きました。
自分のミスとかもあって予選で思っていた順位が出なくて、予選で決められなかったのが痛かったです。
それと、スタートを決目ることができなかったので、それが今回の4位という結果だと思っています」

5位 #86 猪爪杏奈選手(Dr.DRY VITA)

「予選がイレギュラーな展開だったので、あまり望ましい位置ではなかったんですが、
チャンスがあれば抜けるかなと落ち着いて前の展開を見てどこで抜こうか考えながらやってましたが、
集団から抜け出すのは難しかったです。
明日(KYOJO)があるんで、まずはクルマを壊さないで返ってくることができたこと。
それと、レース中に感じることもあったので、明日のレースにつなげられればと思います」

6位 #2 イノウエ ケイイチ選手(ワコーズEDニルズ)

「まぁまぁ普通にレースを終えました。もうちょっとガツンと行きたかったんですが、
(自身の体重の)ウエイトオーバーが効いてしまって、立ち上がりに離されちゃって、そうするとスリップにも付けず、なかなか厳しかったですね。でも結果はこんなものですね」