ゴールドカップレース第1戦 VITA
VITA が初めて九州はオートポリスサーキットを駆け巡ってから 3 年目の春。
3 月 28 日、今年もオートポリスにてゴールドカップ開幕戦を迎えることとなった。
しかし、前日の天気予報では全国的に春の嵐になると告げられ、当日は予報通り明け方か ら天候は崩れ大粒の雨が打ち付ける音がサーキットに響き渡る。
雨は時折小康状態になる場面もあったが、雨が収まれば今度は霧が出てくるという
オート ポリス特有の“オートポリスウェザー”となり、予選ディレイのアナウンスが虚しくサー キットにこだました。
午後になり天候回復の見込みがないことから、レース中止が告げられ一台もコースを走る ことなくゴールドカップ開幕戦は幕を閉じることとなった。
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今年の開幕戦、昨年シリーズチャンピオンの中島功選手、そしてそのシリーズチャンピオ ンを巡り中島選手と渡り合っていた鬼塚哲生選手の両名がエントリーしておらず、「台数が 減ってしまうのでは」という心配をよそに、
エントリー数は昨年の最終戦より一枠増え 13 台となり、九州の地にも VITA レースが着実に根を広げ始めていることを改めて実感。
開幕戦一番のトピックスは、旧型を使用した ACE クラスが 12 台中 5 台だったことに対し、 今年の開幕戦では 1 台となっていたことだろう。
唯一の ACE クラスの#99 野村浩二選手(NRM トップギア VITA01)も「エントリーリス トを見たら自分だけ ACE クラスだったのでびっくりしましたよ笑」と、驚きを隠せない様 子。
ACE クラスから今年マシンを変更をした#7 今村達哉選手(ヤクルト☆ブレイン☆遊心☆ VITA)に感想を伺ってみると。
「まず ACE クラスマシンと新型の違いはアクセルですね。ACE クラスはスロットルワイ ヤーだったのに対して、新しい VITA は電子スロットルなんですよ。だから旧型と同じ感覚 でアクセルを戻しちゃうとエンジンブレーキが思った以上に掛かってしまってなかなか難 しい。慣れるまで四苦八苦しそうです」 「あとエンジンのポジションが旧型より少し高くなっているのでコーナーリングでの挙動も違うんですよ。これも慣れるまで時間が掛かりそうですね。笑」 と、語ってくれた。
関東から参戦してきた#50 藤吉健一選手(おうちの買い方相談室 VITA)は
「いつもは富士のロードスターカップレースに参戦してるのですが、今回は他のサーキッ トのレースとかぶってしまいマシンが借りることができず。
そんな時、オートポリスで VITA に乗ってみないかというありがたい話を頂きまして。
どうしようか迷っていたらいつ の間にか参戦しなくちゃいけない状況になっちゃったんです。笑」
と語る藤吉選手。
「ギアチェンジがなかなかスムーズにいかないので今の内に練習します」
と悪天候でディレイが続く状況の中、時間を無駄にすまいと練習に励んでいた。
↓クリックで拡大 〈ピットの様子〉 |
レースができない中ピット内では、
走行動画やロガーデータを観ながらチームスタッフか らアドバイスをもらう選手。
自分の装備品を丁寧に磨く選手。
チームメカニックの方たちが予選準備を着々と進め、いつ予選になってもすぐに出せるよ う刻々と変わる天候の変化に対して細かいセッティングの変更を行ったり、マシンを磨く チームスタッフ。
例えどんな状況下でも、中止の発表がされるその時まで誰ひとりとして レースを諦める人はいなかった。
今回は残念ながら中止の判断が下されたが、次回の 5 月 2 日のゴールドカップ第 2 戦では 最高のコンディションの元でレースができることを節に願いたい。
記事:池田幸司さん
3月28日 オートポリス
インタビュー:秦直之さん
かつてはMINEで、近年はオートポリスで知らぬ者は存在しないと言われる大ベテランのテツ清水選手。
ツーリングかーレースから舞台を移して、VITAレースでは2年目を迎えている。
「正直、2年まだからもうちょっといけるかと思っていたんですよ。
ところが次から次へと元気な人、新しい人が出てきていますので、去年以上に。
去年はまだ1年目という、自分の中に甘えが若干あったんですけど、今年はもう、去年の何倍も努力しないと老化に追いつかんですね、体力も気持ちも」
「だから、老化の上をなんとか行きたいなと、それがテーマです。
何秒出すとかなんとかじゃなく、もう気持ち。気持ちをより強く持つのがテーマですかね。
結果がすべてですから、それがなくなったらおしまいですし。
遊びですから、趣味ですから、というのは私の中では許されない」
「具体的な目標としては、今言ったように自分の老化の上を行けば、結果はついていくんじゃないかと。その結果が表彰台であれば、一番いいですね」
70歳を過ぎた今でも、この衰えぬ闘志。大いに見習いたいところである。
続いて紹介する、江本玄選手も2年目のドライバーだ。
かつてポルシェカレラカップジャパン(PCCJ)を2008年から7年戦った経験を持つ。
「VITAはとにかく面白いですね! カップカーと比べればパワーはないんですが、すごく奥が深いです。全然感じが違うんです、PCCJでは速くなかったですが(笑)」
「動かし方はかなり違うと思っていますけど、いろんな意味でコストも安いし、クラッシュした時の修理代も安い。タイヤ代も安いし、だからめちゃくちゃ楽しめます。
PCCJやっていた時はぶつかったらどうしようとか、そんなことばかり考えていたんですね。
そこらへんのストレスも少なくて、もう入門にもいいし、いろんなレースをとことんやって、他のレースを飽きて、お金もかかるなぁ、って人にはオススメですよ」
「冬は良かったんですよ、練習でも。ただ暖かくなってタイムが出なくなって、やっぱりわかっていたつもりだったのが、気温のせいで速い人に1秒ぐらい開けられているので、奥が深いです。
そこがまた楽しくて、チャレンジしがいがあります」
「去年はラッキーでシリーズ5位だったけど、一度も表彰台に上がっていないので、今年こそ上がりたい。せめて年間シリーズ4位とか3位とか、少しでも上で終わりたいですね」
そういった飽くなき探究心。やはり見習いたいところである。
続いて紹介するドライバーは、ふたりとも今回がVITAレース初参戦。ただ、キャリアには大きな違いがあった。まずは首藤哲也選手だ。
「昨年までヴィッツレースを3年ほど、それとスーパー耐久にも3年ぐらい、ここと富士にも出ていました」
「初参戦で楽しみにしていたんですけど、残念です。練習の感じではけっこう行けそうな感じだったので。それにウェットも得意だったので、本当は開催して欲しかったんですけど、安全第一なので、仕方ないと思います」
「VITAは手軽なんですけど、箱と比べて一人で準備して、スタートするのがなかなか大変なので、多少サポートの人がいた方が、と思いますけど、そのぶん楽しめます」
「とりあえず初参戦なんですが、実は優勝を狙っていたので(笑)。その気持ちを次回につなげて、一戦一戦楽しもうと思います」
そして、もうひとりの正岡慶之選手は、これがレースデビューでもあった。
「今までチューニングカーでタイムアタックをやっていて、JAF戦には昔、Bライ取ってジムカーナを二十歳ぐらいの頃にやっていました」
「VITAに乗り始めたきっかけは、オートポリスにポーっと寄ってみた時に、これなんだと思って聞いて、面白そうだと思って。先月納車されたばかりなので、まだ3枠しか走れていないんですが、まだタイムの伸びる余地はあると思っています」
「面白いです。ずっとミッドシップのクルマ(NSX)に乗ってきたので、動かし方は好きなんですが、
これからある程度アジャストしていって、セッティングもチームにやってもらおうと思っています。
いずれ全国に、鈴鹿とか筑波にも行ってみたいので、とりあえずホームのオートポリスでしっかり走れるようになりたいです」
「まだ飛び出して亀の子になったり、土を拾ってきたりとか、そういうことばっかりやっていて(笑)。
まだシート合わせすらできていない状態で。裸の状態で乗ってみたら、からだがあっちこっち行ってしまって、
ドライビングのレベルにはまだなっていません。まだまだです。
でも、チーム九州男児で、速いドライバーが集まっているチームの一員として、恥ずかしくないレベルのところには行きたいと思っています」
さまざまなキャリア、意識のドライバーが存在するのがVITAレース。だが、みんな楽しみつつ、真剣だから応援したくなるレースでもあるのだ。
3/28ゴールドカップレース第1戦 VITA
残念ながら、悪天候でレース出来なかったレポート!です。
ま!こんなことも長い人生にはあって仕方ない。
けれども参戦してくださったエントラントの皆さまは活気に溢れ、
その熱い思いを全国に届けなくては!
九州からの熱い思い、いただきました。ありがとうございました。
7月には『5h耐久レース』が開催されます。
もうすぐ詳細をアナウンス予定です。
『モータースポーツを思いきり楽しむ』
そんな時間を作って行きたいと思います。
VITA倶楽部