2020年 鈴鹿クラブマンレース最終戦
VITA-01
11月28日・22日 鈴鹿サーキットフルコース(1周:5.807km)
VITA-01を用いて行われるクラブマンスポーツも、今大会が最終戦。2レース制で最大40ポイント稼げることから、例年以上に最終戦が重要な位置づけとなる。
注目はベテランバイエルン松尾選手とルーキー元山泰成選手によるタイトル争い。
そして現在岡山シリーズランキングトップの大八木龍一郎選手の参戦だ。
この3人は予選から火花をちらし、決勝レースでも素晴らしい戦いを見せてくれた。
なお、今大会は28日土曜日に公式予選が行われ、
29日日曜日の午前に第1レースが、
午後に第2レースが開催される
2デーのスケジュールとなっている。
ブリーフィングでは福山英朗さんが、毎回とても新鮮なお話を聞かせてくださる。
スポーツマン精神に基づいたレーシングドライバーからの経験は、自分自身を振り返るとても有意義な時間となって、私たちの心に刻むことができる。
安全にモータースポーツを育てて行く事は、今や当たり前のテーマとなった。
■公式予選
2レース制だが公式予選は土曜日に20分間1回のみが行われ、
ベストラップで第1レースの、セカンドベストラップで第2レースのグリッドが決まる。
走行開始から徐々にタイムが上がり、残り10分の時点でトップはランキングトップを3ポイント差で追う元山泰成選手で2分25秒235。
2番手にランキングトップのバイエルン松尾選手が1分25秒516でつけ、
タイトルを争う2人が激しくポールポジション争いをする展開となった。
元山選手は更にタイムを縮め、最終的に2分25秒200を記録。
松尾選手も自身のタイムを詰めてきたが2分25秒484と及ばず、最終的に元山選手がポールポジションを獲得した。
松尾選手は惜しくも2位。
そして3番手には久しぶりに鈴鹿を走る大八木龍一郎選手が入った。
この順位が第1レースのスターティンググリッドとなるが、
セカンドベストのタイムでグリッドが決まる第2レースもトップ3は同じ結果だった。
■公式予選トップ3コメント
ポールポジション 元山泰成選手
「予選開始直後からいいタイムが出たので、そのまま行ったらポールポジションが取れた。
でもまだまだ速く走れる部分があるので、完璧な予選とは言えない。
決勝レースは焦らずいつもどおりの走りで、結果に結びつけたい。必ず優勝してチャンピオンを取ります。」
予選2番手 バイエルン松尾選手
「彼(元山選手)はどんどん速くなってくるから、すごいね。予選ではどうしても太刀打ちできない。
決勝レースはスタートで前に出ることができたら面白いレースができるんじゃないかな?
だからスタートに集中するよ。」
予選3番手 大八木龍一郎選手
「久しぶりの鈴鹿だったけど、ちょっとミスが多かったかな。
まだタイムは詰めれるはずだったので、満足いく予選ではなかった。
決勝は前の2人を抜きたいけど、楽しんで走るよ。一番はクラッシュとかないように気をつけます。」
■第1レース決勝 2020/11/29 9:10 Weather: Fine. Track: Dry
11/29(日) 9:10
8周の決勝レース、フォーメーションラップがスタート。
1周ののちにスターティンググリッドに付きレースがスタートした。
宣言どおりに松尾選手がスタートで元山選手を抜いてトップに浮上。
1コーナーは松尾選手、元山選手、大八木選手のオーダーで駆け抜けていった。
L2
しかしスプーンの立ち上がりで元山選手が松尾選手に迫ると、130Rでトップを奪還。これで元山選手、松尾選手、大八木選手のオーダーに変わった。
この3人は1秒以内の差で激しいバトルを展開。
松尾選手が元山選手に仕掛けると、後ろから大八木選手が迫るというシーンを幾度となく繰り返し、
いつ順位が変わってもおかしくないレース展開を見せた。
しかし最終的にこのバトルで順位が入れ替わることはなく、元山選手が今季2勝目を挙げ、
松尾選手に2ポイント差をつけてランキングトップに躍り出た。
素晴らしいバトルを見せてくれた松尾選手が2位。
大八木選手が3位。
5台による大混戦の中でほぼすべてのバトルを制して順位を守りきった
鍋谷武選手が4位。
その5台のバトルの中で7位にポジションを落とすも、3周目と5周目に見事なオーバーテイクを演じた
八木智選手が5位。
そしてラスト2周で順位を上げ、ファイナルラップでも前の2人と激しいバトルを演じた
山谷直樹選手が6位でチェッカーを受けた。
なお、VITA倶楽部ではトップ6の順位以外にも特別賞が設けられており、
50歳以上のドライバーの最上位に贈られる「アクティブ賞」は松尾選手が、
ちょうど中間の順位(今回は16位)のドライバーに贈られる「ど真ん中賞」は紀平潔選手が、
スターティンググリッドから一番多く順位を上げてゴールした選手に贈られる「オーバーテイク賞」は
6つ順位を上げた飯田祐樹選手が受賞した。
■各受賞選手コメント
優勝 元山泰成選手
「スタートで松尾さんに抜かれて焦ったけど、落ち着いて行こうと気持ちを切り替えて走ったら、1周目のスプーンで意外とうまく走れて、裏で抜くことができました。
松尾さんはついてきたけど、しっかり走れば大丈夫だと言い聞かせて走りきりました。」
2位&アクシブ賞 バイエルン松尾選手
「予定通りスタートを決めたけど、裏でスリップ使われて抜かれちゃったね。
2回ほど(トップに元山選手に)アタックしたけど、後ろ(大八木選手)が来ちゃうからね。
行けなかった。でもいいレースでした。」
3位 大八木龍一郎選手
「スタートでごちゃごちゃあったので、それがなければ展開も変わってくるのでね・・・。
レース中に何度か2位を狙ったけど、抜くまではペース上げれなかった。
もっとペース上げられるように頑張ります。」
4位 鍋谷武選手
若い子押されて少し苦しいレースでした。ただ決勝で25秒台が出て、練習で難しかっただけに嘘みたいです。
午後の第2レースでは、周りが同世代の仲間ばかりなので、駆け引きを楽しもうと思います。
5位 八木智選手
「ずーっと混戦の中で、楽しみました。
スタートで1台抜かれて、その後抜きつ抜かれつのレースになったのでどんどん抜いていったという感じではなかったけど、
最終的に5位でチェッカーを受けることができました。」
6位 山谷直樹選手
「予選も不甲斐ない結果でしたが、開き直って、こういう状況でも1台ずつパスしていこうと思っていました。
しかしライバルの方たちもスピードがあって、なかなか前に出られませんでした。
でもいいレースはできたと思うし、勉強になりました。」
ど真ん中賞 紀平潔選手
「初めて賞をもらったので嬉しいです!
最後のバトルで抜けなくて良かった(笑) 狙ったわけではないですが、ちょっと気にしながら走っていました。
今後はもっと上で順位表彰を受けたいと思います。」
オーバーテイク賞 飯田祐樹選手(26位→20位)
「純粋に嬉しいです。クラッシュをしないように一生懸命頑張った結果、この賞をもらうことができました。いつも抜かれることが多かったけど、今回はいっぱい抜いたので楽しいレースになりした。」
第1レースは白熱したレースとなり、感染している方も手に汗を握る瞬間となりました。
それでもドライバーたちはクリーンなレースを演じてくださり、
さすが、VITAドライバー、気持ちの良い展開となりました。
第2レースは13:25スタート。
ここでも熱い戦いが予想されます。
ここでチャンピオンが決まります。