北海道クラブマンカップレース第4戦
VITA-01北海道シリーズ第2戦
9月27日 十勝スピードウェイ
本来ならば、全5戦で争われるはずだった「北海道クラブマンカップレース」のVITA-01北海道シリーズだが、
新型コロナウイルスの影響で第1戦、第2戦が中止に。
第3戦からのスタートとなったが、このほど10月18日に開催される第5戦は2レース制とされることが発表され、
シリーズは全4戦で争われることとなった。
今回のエントリーは、実に17台。
前回より1台増え、4台のザウルスジュニアと合わせて21台がグリッドの並ぶ様子は、壮観であることは容易に想像できた。
しかも、遠征ドライバーはいるものの、マシンはすべて遠征なし。
今さらながらにVITA-01が北海道で広く受け入れられていることを、強く感じさせてくれた。
レースそのものは2デイでの開催だったが、VITA-01に関しては予選、決勝レースを日曜日に行う、実質1デイ開催。
練習走行が行われた金曜日、土曜日は悪天候に祟られ、ドライコンディションで走ることが許されなかった。
日曜日は早朝こそ前日の雨が路面を濡らしたものの、午前に行われた予選はほぼドライコンディションになったかと思われた。
実際、路面そのものはわずかに湿っていた程度だったのだが、ダスティだったばかりか、水を吸ったランオフエリアの土がコースアウトする車両が現れるたび、泥となって路面に撒かれていたからたまらない。
そんな状況において、真っ先にトップへと躍り出たのが、第1戦のウィナー坂野研選手だった。
その坂野選手を計測3周目に逆転したのが、古井戸竜一選手。
そのまま競い合いながら、タイムを更新していくことが期待されたものの、その間に坂野選手が2コーナーで痛恨のスピンを喫してしまう。
いったん坂野選手が中団に埋もれる間も、古井戸選手はタイムを縮め続けていたが、終了間際に坂野選手は一気にタイムアップを遂げて、トップに立ったと思われた。
しかし、チェッカーが振られた直後に、古井戸選手も再逆転に成功! 2戦連続でポールポジションを獲得することとなった。
3番手は平中繁延選手が、
4番手は鬼塚益生選手が、
そして5番手は浅井康児選手が獲得。
一方、前回3位の佐藤元春選手は終盤の位置どりに失敗していたこともあり、8番手に甘んじた。
ポールポジション 古井戸竜一選手
「今回も坂野くんと競るのは分かっていたので、これじゃ厳しいだろうと思っていたから、最後に1本だけ思いっきり集中しました。なんとか坂野くんを抑えられたので、決勝は楽しみかな、というところはあります。
前回はラップ車両に引っかかったので、それで抜かれちゃったんですが、今回も前回と同じ順番なので、今回はやられないように、頑張ります!」
予選2番手 坂野研選手
「最初のうち古井戸さんに着いていったら、土かぶっちゃって。真っ白になった瞬間、1コーナーで飛び出すわ、2コーナーでスピンするわ(苦笑)。
土が取れるまで何周もかかって、最後の2周で狙うはずが、チェッカーが出ちゃって、『ああっ!』って感じでした。サイテ〜。
それでも2番手だったのでいいところかなと、少し安心しています。また古井戸さんと楽しいバトルができたらな、と思っています」
予選3番手 平中繁延
「1コーナーのイン側に泥出ていて、アウトクリップにも誰か飛び出したのか泥、撒いていて。
もう10歳若かったら行っていたけど、ねぇ? 最後だけ行きましたけど(笑)。
サインボード出してくれるから何番手って分かるけど、出ているタイムが遅いので、ちょっと残念でした。
どうせだったらポール獲りたかった。ポールからガ〜ンと行きたかったんだけどね!」
午後の決勝は、完全に路面はドライとなっていたが、一部に乾いた泥が乗って、依然としてダスティな状況に変わりはなかった。
やはりというべきか、21台が並んだグリッドは壮観そのもの。
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今回はGR 86/BRZレースとの併催ということもあり、3番グリッドに並んだ平中選手のマシンの脇にはGTドライバーであり、息子の平中克幸選手の姿も。
そしてVITA-01北海道には欠かせなくなった、平中選手の孫たちからの熱い声援が。
09.27 START: 12:43 天候:Fine コース:DRY
これが効いたのか、絶妙のスタートを切ってポールの古井戸選手にも迫る勢いを見せたのに対し、
坂野選手が出遅れてしまう。そして佐藤選手が、いきなり2台をかわして6番手に浮上。
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4周目までは古井戸選手、平中選手、そして坂野選手が三つ巴でのトップ争いに。
その後方では4周目の1コーナーで佐藤選手が、坂本幸照選手をパス。
その直後に坂本選手はスピンで、大きく順位を落としてしまう。
トップ争いの激しさあまり、一時は1秒以上離されていた鬼塚選手も坂野選手に追いついてくる。
上位陣で最初に動きを見せたのは、平中選手だった。7周目の1コーナーで古井戸選手に迫るも、一発で仕留められなかったことが災いして、逆に差を広げられることに。
これを好機と、古井戸選手はスパートをかける。
一方、直後に激しさを増したのが平中選手と坂野選手の2番手争い。これが極まったがゆえに10周目の2コーナーで平中選手は痛恨のスピンを喫し、コースアウトで戦線離脱の無念に……。
これでさらに楽になった、古井戸選手が難なく逃げ切りを果たして、今季1勝目をマーク。
しかし、ファステストラップは坂野選手に明け渡した結果、ランキングでは同点のトップタイとなった。
3位は鬼塚選手で、
4ポジションアップなった佐藤選手が4位。
17番手スタートだった中川隆吾選手が、チームメイトの佐藤選手の後を追いかける格好で順位を上げて、5位でゴールを果たしている。
ウィナー 古井戸竜一選手
「後ろでバトルしてくれたので、なんとか逃げられました。
最強の長きライバルである、坂野くんが勝つか、自分が勝つかっていう、そのままシリーズをふたりで引っ張っていければ、と思っています」
2位 坂野研選手
「スタートで1から4に入れちゃいました。で、失速。ガーッと行かれちゃいました。
平中さんと争っているうちに、古井戸さんに逃げられちゃったのが悔しいですね。
次はバトルして、勝ちたいです」
3位 鬼塚益生選手
「表彰台が久々なので、やっとここに帰ってこられました。チームのみんなに感謝って思いが強いですね。
着いていくことはできましたが、抜くのは難しいなと思って、前のバトルを後ろから見ながら隙をつくしかないな、と思いながら走っていて。
そうしたら前でバトルが続いて、うまいこと前に出られたという、思ったとおりの形でレースが運べました」
レポート:秦 直之さん
北海道クラブマンカップレース
第4戦
VITA17台。ザウルス4台と壮観な舞台が出来上がりました。
おそらく前社長は、あの満面の微笑みで遠くから両手を振って応援していたことでしょう。
エントラントの皆様方には感謝の気持ちでいっぱいでございます。ありがとうございました。
今回カメラマンの方がたくさんの写真を撮影してくださいました。
VITAマシンのアルバムを作成いたしますので、
しばらくお待ちください。
モータースポーツの魅力をもっともっとたくさんの方に伝え、さらに多くの人たちがモータースポーツを好きになるようこれからもウエストは全力で応援して行きたいと思います。
ありがとうございました。
VITA倶楽部