鈴鹿クラブマンレース第5戦 CS2
9月20日 鈴鹿サーキット西コース(1周:3.475km)
鈴鹿クラブマンRd.5西コースに向けて
金曜からスポーツ走行が始まった。
今回のレースは西コース。
カラフルなテントがパドックを埋め尽くす。
何十年と続くこの西コースパドックでのレース。
それは鈴鹿シルバーカップレースから始まった。
その頃のピットはヘアピン。
あの狭い空間に全カテゴリーがひしめき合うという、
それはそれで楽しいレース模様だった。
中嶋悟選手がFL500でデビューしチャンピオンをとったのも(WEST759)
鈴鹿シルバーカップである。
この場に立つと原点に戻れる気がする。
懐かしさが溢れてくる。
今年唯一西コースでの開催となった今大会、
CS2クラスは7台のドライバーがエントリーしてきた。
まずは20年度ポイントランキングトップの金久憲司選手。前回も優勝で今年は彼らしい速さが目立つ。
そして安定した速さを身につけ19年度ランキング2位の松本吉章選手。
今年VITAからCS2にスイッチし、2戦目でポールポジションを獲得。
決勝では3位表彰台を獲得したいむらせいじ選手。
ら注目選手が参戦。
他に今回注目されるのが、KYOJO-CUPの開幕戦で優勝し、現在三浦愛選手に続くランキング2位につけている
翁長実希選手の参戦だ。
KYOJO-CUPではF3ドライバーでもある三浦選手と同等の戦いを見せてきたが、
CS2のマシン「WEST 16C」でのレースは今回が初めて。
KYOJO-CUPのマシン「VITA-01」よりハイパワーでスリックタイヤを使用する格上マシンをどう乗りこなすか、
その結果どんな成績を挙げるのかに注目が集まった。
■公式予選
9/20 9:05 Weather:雨 Track:ウェット
雨はほぼ上がったものの路面は濡れており、ウエット宣言が出されて全車レインタイヤで予選に挑んだ。
途中赤旗中断もあり荒れた展開となったが、今回もタイミングモニタが動かないトラブルで展開がわからない状態のまま予選が進んだ。
そして終わってみると初参戦の翁長選手が1分34秒226でポールポジションを獲得。
昨年CS2クラスにスポット参戦で優勝した中里紀夫選手や、今年CS2にスイッチして2戦目でポールポジションを取ったいむら選手のように、VITAを乗りこなす選手はCS2でもいきなり結果を出している。
翁長選手もその例に漏れず、初参戦初ポールポジションの結果を出してきた。
ポールポジション 翁長実希選手
「新品タイヤではなかったのでどこまで行けるかわからなかったのですが、ポールポジションが取れてよかったです。まだマシンの力を100%引き出せていないので、もっと改善が必要だと思いました。
決勝では初めて新品スリックタイヤを使うことになりますが、精一杯戦います。」
予選2位 いむらせいじ選手
「ウエットなので慎重に、8割程度のアタックでした。決勝レースはスタートで前に出て逃げるつもりです。
それよりもレースを楽しみたいと思っています。」
予選3位 TOMISAN選手
「トラフィックに捕まってタイムを出せなかった。
そんな中での3位は上出来じゃないかな。決勝はベストを尽くすだけ。」
と、今回も控えめなコメントをくださった。
■決勝レース
9/20 14:25 Weather:晴 Track:ドライ
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今回もRSクラスとの混走で行われるCS2クラスの決勝レースは西コース12周(or 25分)。
RSクラスの後ろ、5番グリッドがCS2クラスのポールポジションとなる。
路面は完全なドライコンディションでレースがスタートした。
ここでポールポジションの翁長選手がまさかのエンジンストール。
すぐにエンジンを掛け直したが、最後尾まで順位を落としてしまった。
2番グリッドのいむら選手がトップに立ち、4番グリッドからスタートダッシュを決めた金久選手が2位、
TOMISAN選手が3位、
そして予選でタイムを出せず最後尾スタートとなった松本吉章選手が1周目で4位まで順位を上げてきた。
その後ろ、5位の伊藤豊選手まで1秒以内の差でのバトルが続く。
3周目には松本選手が3位に浮上。この戦いは5周目まで続いた。
6周目、リアウイングが脱落して速度の出ないRSクラスの1台のマシンがCS2クラスに追いつかれる状況となった。
トップのいむら選手は難なくパスして事なきを得たが、2位の金久選手は苦労し、やっとの思いでRSクラスのマシンを抜いたら、トップと約4秒もの差が開いている事態となった。
この時少しコースオフした際にタイヤが砂利を拾い、これでスピードダウン。
松本選手に抜かれ3位に後退する結果となった。
松本選手は徐々にトップとの差を詰めるが追い付くには至らず、
タイヤの異物でスピードダウンした金久選手は2位との差が徐々に広がり、
トップ3はこれで決定かと思われたファイナルラップ、なんと松本選手がスピン。
これで金久選手が2位に浮上した。
12周のレースが終わってみると、スタートでトップに立ち最後までミスなく堂々の走りを披露したいむら選手がCS2初優勝。
最後まで諦めない走りをみせた金久選手が2位。
激しいバトルの中で一時5位まで順位を落とすも、
挽回を図ったTOMISAN選手が3位でチェッカーを受けた。
なおスタートで最後尾まで落ちた翁長選手は2台抜いて5位でフィニッシュ。
7周目には全体のファステストラップも記録する活躍をみせた。
優勝 いむらせいじ選手
「前のレースでリアのグリップがない問題があったけど、ここまでにその問題を解消できたのが勝因だと思います。
8月・9月の努力の結果です。遅いRSを一発で抜けたのも良かった。
あそこで手こずっていたら2位に落ちていたかもしれません。
『VITAを乗りこなしたらCS2でも速い』
僕もこれを証明することができました。」
2位 金久憲司選手
「RSを抜くのに時間がかかったことが敗因。
その時デグナーで少しはみ出して砂利か何かを拾ってしまい、そのせいでペースが上がらなくなったので、
後ろの松本さんを無理せず前に行かせました。
最後松本さんが回ってしまったので2位に戻れたけど、不甲斐ない結果。
トップを狙う速さがあっただけに残念です。」
2位 TOMISAN選手
「何も言うことないね。スピードがなかった。この状況で表彰台に乗れたのは良かったんじゃないかな。」
鈴鹿クラブマンRd.5西コース を終えて
西コースレースに参戦すると、肌が触れ合うようなご近所ピットと
目の前に響くエキゾーストノートにとてつも無いエネルギーを感じる。
難しいスプーンコーナーを集中して練習できたりと、非常に効率的で素晴らしい環境だけに
パドックの改善を期待したい。
今回いつもより少ない台数のCS2クラスであったが、
さすがジェントルマンらしい貫禄と優雅さを感じた。
何より、ゴール直後ヘルメットを脱いだ後の顔があまりにも素敵で
思わずファインダーに収めたくなった。
中でもいむら選手はすこし前と比べていつの間にかアスリート体型にレベルアップしており
マスクをしていると一瞬誰かわからなかったくらい。
「VITAでレースを始めてから、体重が激減したよ。とにかく健康になった。
今はジムに通っているので必然的にこうなる」と、憧れのアスリート腹が育っていた。
「趣味でレースをやっているから安全が一番大切」
多くの人がモータースポーツを楽しめる時代を目指し努力して行きたいと改めて思った。
VITA倶楽部