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🏁つくばVITAシリーズRd.6
2025/11/25 レポート

つくばVITAシリーズ
2025/11/23レポート
11月23日筑波サーキット

11月23日に開催の「2025 SCCN NOBEMBER RACE MEETING in TSUKUBA」において
筑波VITAシリーズ第6戦が行われた。
今年のシリーズ最終戦となる本大会。
チャンピオンの座は第5戦まで全勝の#77兒島弘訓選手(ZR WINMAX VITA)ですでに確定しているが、

シリーズ2位を争う#17西濱康行選手(ETA白波ワークスVITA)64ポイントと

#87山本龍選手(お先にどうぞ⭐︎VITA)50ポイントは今回の結果で逆転の目がある。

エントリーは16台。チャンピオンを決めている#77兒島選手は今回欠場。

そして今回レースデビューを飾ったドライバーが一人、
#44中野晃明選手(RaiseUP Vita01)はレーシングカートなどの経験はあるものの公式戦は初めてとのことだ。

「筑波どころか4輪の公式戦は初めてです。
その前はカートレースに出ていましたが。練習は結構積んで、昨日も足りましたし、シミュレーターもばっちり乗ってきました。
感触は『まぁまぁ』かなって感じです(苦笑)。
今回の目標はとりあえず完走することで、無事に帰ってくることですね」


■予選

15分間の予選は午前8時20分コースオープン。
晩秋の筑波は朝から曇り空が広がっていて、予選開始直前には小雨がぱらついていたが、路面を濡らすほどではなくドライコンディション。

気温10度、路面温度13.5度というコンディションだ。#17西濱選手を先頭に全車コースインする。

路面温度が低いため各車慎重にウオームアップを行い、計測3周目あたりからタイムアタックが始まり、まずは残り時間11分に、#21いむらせいじ選手(オートルックVITA-01)が1分5秒886のトップタイム、
2番手#1佐藤考洋選手(tipo ETA VITA)の1分6秒086、
3番手#10中島正之選手(ビーンズスポーツ3年目VITA)1分6秒126と続く。
そしてそれに続いてコントロールラインを通過した#8川福健太選手(東京IRCvovoニルズVITA)が1分4秒273をマークしてトップへ。

#8川福選手が駆るのは今回欠場となったイシカワヨシオ選手のお馴染みのマシン。
急遽代役出場だが、MEC120分レースにはそのイシカワ選手と組んで第2戦鈴鹿、第3戦岡山で共にVIT Ama-Amaクラスの優勝を飾っている。

#21いむら選手も1分4秒608とタイムを詰めるが2番手にドロップ、

3番手#2並木海和選手(ViVa ETA VITA)の1分4秒659につづいて

#87山本選手が1分5秒098で4番手、

#17西濱選手1分5秒313で5番手、

#66土屋伊津季選手(ディープレーシングVITA)1分5秒608で6番手。

予選残り時間10分を切って#56倉田道夫選手(RSロゴスVITA)が14番手から13番手、

#31内田美保乃選手(Raise UP miiisuke VITA)が16番手から15番手にとそれぞれアップ。

大きく順位を上げているのが#7おきねぇ選手(ORCシライワ設備ワコーズVITA)の1分7秒416で13番手から9番手にアップ。

さらに#71渡邊晴也選手(ELEVレーシングVITA)が1分5秒088を出して4番手へ。

しかし直後に#27大沢良明選手(ビーンズスポーツVITA)が1分4秒613の3番手タイムをマーク、#71渡邊選手5番手にダウン。

#31内田美保乃選手にポジションを奪われていたデビュー戦の#44中野選手がラップタイムを4秒も縮めて1分10秒台に入れて順位を逆転。

ここで#1佐藤選手が1分4秒150でトップに立ち、2番手#17西濱選手1分4秒199、3番手#2並木選手1分4秒249と3台が#8川福選手を上回るが、その上を行ったのが#87山本選手で1分3秒988とトップタイムをマーク、さらに1分3秒691とハードルを引き上げる。

ここからポールポジションを競うトップ争いが激しくなり、まず#17西濱選手が残り時間8分に1分3秒222を出して首位を奪い取る。#8川福選手1分3秒691で2番手、3番手には#21いむら選手が1分3秒781でつけて#87山本選手4番手と続く。
さらに#83柿沼一峰選手(G/P@ 恵比寿NUTEC制動屋アラゴスタVITA)が1分3秒107をマークしてトップ。
初めての筑波でのVITAレースとのことで様子を見ていたか、1分5秒台で10番手前後を走っていたが、ここで一気にギアをあげたようだ。さらに4番手に1分3秒737で#27大沢選手が上がってくる。

残り時間7分で#8川福選手が1分3秒084でトップに返り咲き。
後方では#55ジェネリック内田選手(RaiseUP コミネVITA)が1分4秒199で13番手から10番手へアップ。

#8川福選手はさらにペースを上げて残り5分、ついに1分2秒763をマーク、今年の開幕戦で#77兒島選手が出した1分2秒909を上回るコースレコードだ。
続けて#8川福選手はセクター1、2と全体ベストを出すと、コントロールラインを通過し1分2秒570までレコードタイムを短縮した。
#17西濱選手も1分2秒988と1分2秒台へ。#10中島選手も自己ベストを1分4秒136まで短縮、13番手から10番手にポジションアップ。
残り時間3分を切って終盤戦。

#83柿沼選手が1分2秒766とこちらも従来のレコードタイムを上回り、

続いて残り時間1分30秒には#21いむら選手も1分2秒844とレコードブレイク。
シーズン最終戦にふさわしいハイペースな予選となった。

 

4番手#17西濱選手、

5番手#87山本選手、

6番手#27大沢選手に続いて

#1佐藤選手が1分3秒880で12番手から8番手まで浮上してきた。

さらに#56倉田道夫選手(RSロゴスVITA)も自己ベストを更新して16位から14位に上がる。
15分間が経過しチェカードフラッグが振られ予選が終了。

ポールポジション#8川福選手、
2番手#83柿沼選手と初筑波VITAレースの両名がフロントロウに並び、
3番手#21いむら選手、
4番手#17西濱選手とこちらは筑波ベテラン組がセカンドロウ、
5番手#87山本選手、
6番手#27大沢選手が3列目スタートということになった。

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ポールポジション 
#8川福健太選手(東京IRCvovoニルズVITA)

「筑波は16、7年前にFJ1600で1年間だけレースに出ていた時期があって、それ以来です。その時にあまりいい成績残せなかったので、いつかは、という気持ちがあったので、それが今日かなって思います。
決勝に向けて速さは確認できたので、このままスタートを無難に決めて、ポール・ツー・ウインをめざして、頑張りたいと思います」

予選2番手 
#83 柿沼一峰選手
(G/P@ 恵比寿NUTEC制動屋アラゴスタVITA)

「残念ながら1番にはなれなかったですね。まぁ悪くはないです。決勝は頑張れば。
抜くところが少ないらしいですが、頑張って前について行くようにします」

予選3番手 
#21 いむらせいじ選手(オートルックVITA-01)

「前を走っている方たちは今年レギュラーでVITAに出ている方なので。
僕は今年耐久を主にやっていて、スプリントはもてぎのv.Granzしかやっていなかったので。
最後スケジュールが空いたので、ここは地元で慣れているからトップの方と遊べるかな、と思って昨日の練習走行だけで出場したのですが。思っていたよりもコンディション悪くなくて、1位の方はもうちょっとタイム出るかな、と思ったのがそこまででもなかったから、決勝もこれならちょっと遊べるかな、という感触です」

予選4番手 
#17 西濱康行選手(ETA白波ワークスVITA)

「負けました(笑)。激しい予選で、感触はよかったのですが、タイムにはつながらなかったので。
他の人たちはもっと行っていたのだと思います。タイムはもう少し行けたのじゃないかな、という気はしていますので、これで満足しているわけじゃないです」

予選5番手 
#87 山本龍選手(お先にどうぞ⭐︎VITA)

「もうちょっと上に行きたかったですね。コンディションはけっこう滑る感じはありますけれど、そこそこでしたね。タイムはもっと出したかったです、ちょっとなにかいまいちでした」

予選6番手 
#27 大沢良明選手(ビーンズスポーツVITA)

「昨日は1分2秒台が出ていたので、そこは惜しかったのですが、感触は悪くないですね。路面が冷たいせいか、昨日よりは(グリップが)食い込まなかった気がします。
トップとは1秒弱ありますが、決勝頑張ります」


 

■決勝


つくばVITAシリーズ最終戦決勝は予定よりやや遅れて12時13分にフォーメーションラップ開始。
気温14度で朝よりは上がったものの曇り空のせいか肌寒い。
路面温度18.5度とあがってきてレースにはいいコンディションだ。
フロントロウの#8川福選手はストレートの戻ったところでタイヤをバーンアウト、83柿沼選手も最後にウィービング。
それぞれタイヤに熱を入れてスタートダッシュに賭けている様子が見てとれる。16台がグリッドに整列するとレッドライトが消灯してレーススタート。

トップ#8川福選手が蹴り出しよく加速、2番手の#83柿沼選手は僅かに反応が遅れたかセカンドロウの#21いむら選手が並びかけて第1コーナーでインを伺う。

しかし#83柿沼選手がアウトから被せるように前に出てターンイン。2位のポジションを守る。#21いむら選手3位、4位#17西濱選手、5位#87山本選手、6位#27大沢選手とグリッド順に第1コーナーを通過する。

好スタートの#8川福選手は2位以下をぐんぐん引き離してオープニングラップを終了。

2位#83柿沼選手は1.163秒の差、
そこから0.905秒差で#21いむら選手、0.459秒差で4位#17西濱選手、
0.221秒差で5位#87山本選手、

0.336秒の6位#27大沢選手、0.394秒差の7位#2並木選手と連なった状態で3位グループが形成されている。

順位を上げたのが#55ジェネリック内田選手と#31内田美保乃選手でそれぞれ12番手、16番手のグリッドから11位と15位にポジションアップ。

2周目に入り#83柿沼選手がペースを上げてトップ#8川福選手を上回るラップタイムで周回し1.070秒差と間合いを詰める。
しかし#8川福選手はここで2段目ロケットに点火したか1分2秒990とペースアップ、ギャップを1.588秒までひろげると4周目には1.653秒差。

後続も順位変動こそないものの、#21いむら選手を先頭とした3位グループは#17西濱選手0.187秒差、#87山本選手0.208秒差、#27大沢選手0.244秒差とトレイン状態で神経戦が続いている。

さらに7位#2並木選手と8位#1佐藤選手0.336秒差、9位#71渡邊選手と10位#66土屋選手0.232秒差。

14位#56倉田選手と15位#31内田美保乃選手0.382秒差と随所で接近戦が広げられるVITAらしい展開だ。

後続のバトルをよそにトップ#8川福選手は2位との差を6周目1.704秒、7周目には2.037秒差とリードをひろげていく。

#21いむら選手と#17西濱選手による3位争いは0.122秒差で7周目に入ると、第1セクターで#17西濱選手が#21いむら選手を捕らえてオーバーテイク、3位に浮上する。

そして7位を走っていた#2並木選手がコースサイドにマシンを止める。レース後の聞いたところでは急にエンジンが止まってしまったとのことだ。

これで#1佐藤選手7位、以下各車ひとつずつ順位が上がる。
この中で勢いのあるのが#1佐藤選手で、8周目には#27大沢選手を攻略して6位へと進出。

トップ#8川福選手は9周目1分2秒735と最速ラップを更新。10周目も1分2秒台。ここで勝負あったと判断したのか1分4秒台にペースを緩めた#83柿沼選手に4.201秒差と独走態勢を築く。

3位以下もポジションが落ち着いてきている中で7位#27大沢選手に#66土屋選手が0.240秒差、9位#71渡邊選手と#55ジェネリック内田選手が0.294秒差、

さらに#7おぎねぇ選手0.268秒差、#10中島選手0.372秒差と4台が接近している。

独走の#8川福選手は12周目に本日のファステストラップ、1分2秒712を叩き出して#83柿沼選手との差を6.764秒にすると、もはや彼を脅かすものはなく、ようやく手綱を緩めたか14周目に1分4秒台までペースダウンしてファイナルラップへ。

この間にそれまで9位で頑張っていた#71渡邊選手が#10中島選手のオーバーテイク許して10位にダウン、#10中島選手9位。#7おぎねぇ選手も#55ジェネリック内田選手を仕留めて11位に上げる。

チェカードフラッグが振られる中、#8川福選手は余裕のゴールイン。
イシカワヨシオ選手から託されたマシンでポール・ツー・ウインの完勝を飾った。

以下2位#83柿沼選手、3位#17西濱選手が表彰台を獲得、
#17西濱選手は5位フィニッシュの#87山本選手とのシリーズ2位争いを制した。
4位#21いむら選手、6位#1佐藤選手というトップ6となった。


 

 

優勝 

 

#8 川福健太選手(東京IRCvovoニルズVITA)
「自分でもいい走りができたなと思います。自分が目指していたアベレージタイムを刻みながら、それをちょっとずつ更新しながらで、走りには満足しています。
クルマはイシカワさんが走ったままで、何もいじっていなくて、シートとかもそのままでドライブできました。
このクルマはMECで走っているのとは別の新しい個体で、僕はサーキットで走ったのは今回が初めてでした。フレームが新しい分の違いを感じますね。
シャキっとしているというか動きが筑波のタイトコーナーとかでも最初の反応からよくて、クルマが曲がっている時の動きがいいな、足をすごく活かせているなというのがわかります。新車やっぱりいいな、と(笑)。

筑波でレースキャリアをスタートさせて、志半ばで成績も残せずすぐに筑波を離れて、そこからはカートを10年ぐらいやって4輪をずっとやっていなかったので、いつかは筑波で勝ちたいなと思っていて、それが今日やっと達成できました。
そういう意味では自分の中でも区切りがついて嬉しいですね。イシカワさんにいい報告ができます」

2位 

#83 柿沼一峰選手
(G/P@ 恵比寿NUTEC制動屋アラゴスタVITA)
「2位が続いていますね。まあしょうがないです。もうちょっとちゃんと練習します。
初めての筑波でも速かったのはクルマがいいのかな(笑)。
とりあえずは何事もなく。来週ももてぎでレースがあるので、クルマをちょっといたわりたいとおもって、7周目くらいまでもう追いつかないと思って、ちょっとペースを落として、後ろだけ見ながら走っていました」

3位 
#17 西濱康行選手(ETA白波ワークスVITA)
「いむらさんのペースが中々上がってこなかったので、後ろついているうちに(前の2台に)行かれてしまいました。いむらさんからのプレッシャーは、まぁよく知っている人なので、クリーンなバトルしてくれるだろうなと思っていたら、思っていた以上にクリーンで、とても楽しかったです。いいレースができました。
これでシーズン2位を取れて、もうちょっと上の方がよかったですが(第2戦以降)表彰台をキープして2位だったので、来シーズンにつながるいいレースができたのではないかと思います」

4位 
#21 いむらせいじ選手(オートルックVITA-01)
「西濱さん速かったですね。こちらも速かったけれど、無理してまで抜き返しに行く必要もないので、あのままの感じで、やりました。淡々と、大した見せ場もなく(苦笑)。
西濱さんぜんぜんミスしなかったので、縮まるポイントがなかったです。お互い『縦』では勝負できない状況でした」

5位 
#87 山本龍選手(お先にどうぞ⭐︎VITA)
「いまいちマシンが、というのは言い訳になってしまいますが、前に近づいて走れたのでよかったのかなとは思います。ここ3戦くらいストレートが遅いな、と思っていましたが、今年はこのまま行こうと思っていたので、しょうがなかったですね。
もうちょっと前に出られればよかったですね」

6位 
#1 佐藤考洋選手(tipo ETA VITA)
「8周目のオーバーテイクは 前を行く大沢さんと並木選手が第1コーナーで絡んで。当たってはいないと思うのですが、その隙に僕が前に出て。うまい具合に前に出られたので、そのまま逃げ切りたかったのですが、僕のクルマ直線がちょっと遅いので(苦笑)
直線でちょっとブロックラインを取りながら。あとコーナーはなんとかなるので、バックストレートだけどうにか並ばれないように、それだけ気にしながら走っていたら、前からは置いて行かれちゃったのですが、最後までどうにか大沢さんを抑えきったので、僕としては楽しくバトルができたなと思っています」

これにて2025年VITA筑波シリーズは終了。シリーズ初開催の今年、全6戦のうち出場した5戦すべてでポール・ツー・ウインという伝説を作ってチャンピオン獲得の#77兒島選手。
その#77兒島選手のコースレコードを3人が上回ったハイペースの最終戦を これまたポール・ツー・ウインで制したピンチヒッターの#8川福選手は「これで療養中のイシカワ選手に吉報を持っていける」と語った。
イシカワ選手のあの弾ける笑顔が早くサーキットに戻ってきてくれることを祈りたい。
そして来シーズンに向けた決意表明を告げた選手もおり、早くも来シーズンが待ち遠しい。

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2025年

つくばVITAシリーズが新しく開幕しました。
1年間、動画でつくばエントラントの皆さまを追いかけ、
新しい魅力をたくさん見つけました。

ローコストモータースポーツは、皆さまのお力で
運営できております。
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

2026年の『つくばVITA』
VITAならではの、新しいレース企画をお楽しみに!

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