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🏁鈴鹿[v.Granz]Rd.1レースレポート
2025/03/01 レポート

v.Granz第1戦

鈴鹿チャンピオンカップレースRound 1

2/22〜23  v.Granz Rd.1

  v.Granzの完全ワンメイクレースとして、その名もv.Granzクラスと改められてから2シーズン。
スリックタイヤにパドルシフト、そしてコクピット安全デバイスのCSDを備えた、本格的レーシングカーの人気は鰻上り。
昨年の最終戦も16台を集めるに至ったが、今年の開幕戦は20台にまでエントリーが増え、まだまだ伸びそうな気配を漂わせている。

 今年最初のレースが鈴鹿サーキットで、2月22〜23日に開催されたが、全体のシリーズ名称が「鈴鹿クラブマンレース」から「鈴鹿チャンピオンカップレース」に改められた。
モビリティリゾートもてぎのシリーズに共通とされたのは、相互の交流を狙ってのことか。
いずれにせよ、約30年も続いた名称が改められると、何か耳障りも異なるものだが、次第に慣れていくのだろう。

 また、鈴鹿はこのオフに路面改修を行なっており、習熟の意味を含めて通常は20分で計測される予選が25分に延長されている。より多くの周回がこなせる一方で、時間いっぱい走り続けてしまうと、決勝への負担も増す。
でも、タイムは出したい。そのせめぎ合いも注目ポイントのひとつとなりそうだ。


予選


 予選に先駆け、土曜日の午前中に行われたスポーツ走行では、MEC120には出場しているものの、スプリントレースには初参戦となる#29大崎達也選手(ABBEY RACING)が2分13秒659でトップ。
これに昨年の最終戦で衝撃のデビューウィンを飾った、#22富田星羅選手(monocolle)が2分14秒389で続いていた。果たして「富田ショック!」再びとなるか?

 予選の前半グループは、雪が舞うなどしてコンディションはそう恵まれてはいなかったものの、v.Granzの予選が行われる頃には、もう晴れ間まで見られるようになり、むしろレコードタイムの更新もあるかも……とまで予想されていた。

 なお、エントリーは20台だったが、1台が予選を前に出走を取り消し、また練習走行でエンジントラブルに見舞われた#88 FUZZY選手(金星工業楽しんじゃうv.Granz)は交換が間に合わず、予選は18台での争いとなった。そして、低い路面温度を鑑み、それぞれ計測1周目は慎重に、本格的なアタックは計測2周目から開始された。

 まずトップタイムを出したのは、#29大崎選手で2分14秒532。

これに次いだのは#22冨田選手で2分14秒938だったが、

即座に#59入谷敦司選手(カプカv.Granz)が2分14秒911で、ふたりの間に割って入る。

 次の周には#29大崎選手が2分13秒685、さらには2分13秒452と好タイムを連発しており、すでに練習のタイムを上回っているため、このあたりで決まりかと思われた。実際、この後しばらく#29大崎選手もタイムを伸ばせなくなる。対して、#22冨田選手はなかなかクリアラップを取ることができず、明らかに苦戦している様子。

 逆に2番手が目まぐるしく入れ替わり、計測6周目には#1関正俊選手(グラック& KTS)が2秒13秒935で、そして計測7周目には#22入谷選手が2分13秒585を出し、また、この周には#25濱野隆一選手(リクエストワイズwithスキルスピード)が2分13秒699で、ふたりの間に割って入った。

 もう、これで決まりかも……と思ったところで、デグナーでグラベルに捕まる車両が。赤旗が出され、残り計測は6分強。もはや赤旗終了となっても、まったくおかしくはないタイミングだ。しかし、それまでの予選で一度も赤旗が出なかったことで、タイムスケジュールにも余裕があったのかもしれない。計測は5分ほどの中断で再開される。上位陣では#58入谷選手だけがステイ。

 この再開で、#22富田選手がしっかり息を吹き返した感も。今度はしっかりクリアラップも取れて、セクタータイムの全体ベストを示す赤い数字を連発させると、記されたのは驚異の2分12秒697! 最後の一発を完璧に決めて、昨年の最終戦に続くポールポジションを獲得した。

 2番手は#29大崎選手のままながら、ラストアタックで2分13秒715を出すのが精いっぱい。自己ベストを上回ることもできず。再開後のステイでタイヤを温存できた#29入谷選手が3番手、そして4番手が#25濱野選手、5番手が#1関選手となった。

 一方、ディフェンディングチャンピオンの#31 OOKA選手(G-TECH)は、2分15秒172で9番手。一発の速さより、レースでの安定感に定評があるドライバーだけに、きっと順位を上げてきてくれるはずだ。


決勝

 

 この時期は温度が低いため、スタート直後にアクシデントが起こりやすい。
昨年の開幕戦は、しかも雨にも見舞われてしまったため、セーフティカー(SC)スタートとされたが、今年は土曜日のうちにフォーメイションラップを1周加えることに。その分、決勝レースは1周減の7周での争いに改められたが、安全面への配慮である。むしろ感謝すべきであろう。

 v.Granzにおいては、その効果はてき面だった。1コーナーでの混乱はなく、全車無事にクリアしていったからだ。

しかし、ドラマは起きていた。昨年の最終戦に続き、#22富田選手がスタートに出遅れ、#29大崎選手の先行を許していたからだ。とはいえ、やはりカートレース出身のドライバー。経験というより、スタンディングスタートに慣れていないから、やむを得まい。そして、小雪が舞うようにもなる。

 しかし、#22富田選手も必死に#29大崎選手に離れず続き、1周目を終えた段階での差は、わずかコンマ04秒!
 3番手には#1関選手、そして予選8番手から早々に4ポジションアップを遂げていた#72大山正芳選手(ダイワN通商アキランドv.Granz)が続いていたが、トップ2台との差はすでに1秒以上。一方、#58入谷選手は順位を落とし、5番手となっていた。

 早々と後続との差を広げ、プレッシャーを感じずにいたからか、#22富田選手はいきなり勝負に討って出る。
ホームストレートでスリップストリームから抜け出し、#29大崎選手をパス。これがいかに好判断だったかは、直後の1コーナーで2台の接触があり、ともにコースアウト。即座にSC が導入されてしまったからだ。

 車両回収には2周を要し、5周目からリスタートが切られることに。
#22富田選手の加速はシケイン立ち上がりからだったこともあり、#29大崎選手がぴたりと食らいついていくものの、逆に渋滞気味だったことで、#1関選手や#72大山選手、#58入谷選手がやや遅れてしまう。

そして、もちろん1コーナーでの逆転を狙った#29大崎選手ではあったが、#22富田選手に封じ込まれてしまう。

 6周目に入っても、トップ争いがテール・トゥ・ノーズ状態だったのは変わらず。

だが、#29大崎選手の執念を打ち砕いたのは、その直後の1コーナーでまたしてもコースアウトした車両があり、再びSCが導入されてしまったこと。
残り周回を思えば、もはや再開の芽はない。

そのままSCに引き連れられたままチェッカーが振られ、#22富田選手が年またぎの2連勝を達成。
完全に課題ともなった、スタートを決められた時には、どんな展開を見せてくれるのだろう、そのあたりも注目したいところである。

 2位は誰より悔しい#29大崎選手で、3位は#1関選手が獲得。

そして予選からのジャンプアップだけでなく、6周目の1コーナーから2コーナーにおける、#1関選手へのアプローチで見せ場を作った#72大山選手が4位に。
2度目のSCランがなければ、もしかして……という勢いもあった。

5位は#58入谷選手で、6位は予選11番手ながら早めの追い上げが功を奏し、#280小谷泰弘選手が獲得していた。

 そして#31 OOKA選手はふたつポジションを上げ、7位でゴール。このしぶとさこそ、連覇の決め手になるかもしれない。

また、正式結果では#280ペナルティのため#31OOKA選手は具上がりの6位入賞となりポイントを稼いだ。



v.Granz入賞者

優勝:#22 富田 星羅 monocolle

最初抜かれましたけど、なんとかなりました。1コーナーで抜けてよかったです。
スタートは焦ってしまうのもあって、まだ苦手意識はありますが次回はそこで最初に落とすことのないように頑張りたいと思います。

2位:#29 大崎 達也 ABBEY RACING

SCが多くてなかなか戦えないレースで不完全燃焼なところもありましたけど、そこにいた自分が悪いです。スタートは抜群に決まったので5月のレースは勝てるように頑張ります。

3位:#1 関正俊 グラック&kts

スタートの時に上手いこと半クラになったような感じで抜群に決まりましたね。
前の2人について行こうとする気持ちはありましたけど、練習不足でしたね。後ろから大山さんも迫ってきてちょっと焦りました。次戦までに練習して頑張りたいと思います。

4位:#72 大山 正芳 ダイワN通商アキランドv.Granz

レースは入谷選手、関選手とバトルをできて楽しかったです。お互いにクリーンで、リスペクトしあえるレースでとてもよかったですね。次戦も頑張りますよ!

5位:#58 入谷 敦司 カプカ v.Granz

実は今日セットを若干変えて、それが良くなかったのかスタートがぜんぜんダメでしたね。
次戦までに走行練習よりもスタート練習をしなさいとチームからも言われております!
レース中のバトルは面白かったですね〜
次戦も頑張りますよ!

6位:#31 OOKA選手
『がんばれば良いこともありますね。私、腕はないけど運はあるんですよ笑』と、安定した走りが強みのOOKA選手。