VITAもてぎ・菅生シリーズ第5戦
SUGOチャンピオンカップレースシリーズ第6戦
今年からスポーツランドSUGOも舞台に加えられ、モビリティリゾートもてぎでの4戦と併せ、
「もてぎ・菅生シリーズ」として全6戦で争われることになった。
SUGOでのレースは、これで2戦目。
1戦目は西からの遠征も多く、20台もエントリーがあったが、
今回はその時も出場していた#30窪田俊浩選手(A-PEX☆TOKAIDENSO☆VITA)
そして初参戦の#33八木智選手(C.A.First京都VITA01)の2台のみ。
全体的にも9台は寂しいが、同日にオートポリスで3時間耐久が行われることも影響しているのかもしれない。
鈴鹿からの遠征!ありがとうございます✨
ただし、「もてぎ・菅生シリーズ」のランキング上位陣は揃っており、
目下54ポイントでトップの#8イシカワヨシオ選手(東京IRCニルズvivo VITA)
14ポイント差で追いかける#2イノウエケイイチ選手
(ワコーズEDニルズ)
39ポイントで3位の#30窪田選手、
26ポイントで4位の#65小松寛子選手
(XCEL-LITEマーズ01)
が、もれなくお目見え。
レース巧者の#39藤原大暉選手(ACELINESロゴスVITA)もエントリーしているだけに、退屈なレースになることはないだろう。
予選
SUGO最初のVITAウィナー、徳升広平選手はサーキットに訪れてはいたものの、#27大沢良明(ビーンズスポーツSPM VITA)のコーチングに専念し、出場せず。
新たなウィナーに誰が輝くのか注目された。エントリーは9台ながら、練習走行では10台が走行。
“謎の一台”ではなく、#22富田栄造選手(CPホールディングスNILZZ)のコーチングのため、富田竜一郎選手が一緒に走っていたというわけだ。
SUGO1戦目で徳升選手が1分34秒787を記していたが、より温度も下がって条件も向上。
練習走行では#39藤原選手がすでに上回っており、新たなレコードタイムが記されることが期待された。
日曜日の早朝に行われた予選は、小春日和の穏やかなコンディションに恵まれ、アタックには文句のない状態となっていた。
計測1周目から1分43秒906をマークしてトップに立ったのは、#8イシカワ選手だ。
他のドライバーはまだウォームアップ中。
計測2周目には#39藤原選手が1分34秒851でトップを奪うと、次の周には1分34秒309にまで短縮を果たし、期待どおりレコードタイムを更新する。
さらなるタイムアップを#39藤原選手は狙ったものの、逆にタイムを落としたため、チェッカーを待たずにピットイン。
その直後に#2イノウエ選手が1分34秒763と、自己ベストを塗り替えてきたが、#39藤原選手のタイムには一歩及ばず。
その結果、#39藤原選手のポールポジションが決定した。
#2イノウエ選手に続いたのは、#8イシカワ選手で2周のクールダウンの後、1分34秒891まで縮めていたが、
ピットアウト時に速度違反があり、3グリッド降格のペナルティが。繰り上がって3番手となったのは#30窪田選手で、1分35秒206をマーク。
4番手は1分35秒997を記していた#65小松選手で、
5番手は1分36秒002の#22富田選手。そして#8イシカワ選手が6番手のグリッドにつくこととなった。
ポールポジション:#39藤原大暉選手
(ACELINESロゴスVITA)
「もうちょっと行けたかな? こっち来る前、車にトラブルがあって、セットアップ、持ち込みのセットどうしよう云々より、直す方に時間かかっちゃって、富士のセットのまま来ちゃっていたので、合わせられるところが限られていて、あんまり大きいことはしたくないと思って。
今ついているものでまとめていったんですけど、昨日の段階で新品履いて、同じタイムが出ていたので、う~ん、このへんで頭打ちかな。
リベンジしたいですね、33秒入れたいです。何をしたらいいかって課題点も見つかったので、それを次戦というか、またSUGOがあってタイミング合えば、そこでチャレンジしたいですね。決勝はもう、淡々と行きます。
いろんな人から『ぶっちぎるな』って言われていて(苦笑)。淡々といって、皆さんシリーズを戦っているでしょうから、それは邪魔しないように、無駄な接触とかなく、クリーンに走りたいと思います」
予選2番手:#2イノウエケイイチ選手
(ワコーズEDニルズ)
「ちょっとね、ぎっくり腰で、腰が痛かったんです
が、まぁまぁ頑張りました。タイム的には単独なので、こんなもんだと思います。決勝は、若手に着いていきます」
予選3番手:#30窪田俊浩選手
(A-PEX☆TOKAIDENSO☆VITA)
「もう、ダサダサです(笑)。4秒入れたかったですね。追いついちゃって、前に。開けたんですけど、2台追いついて、『これ、いらんところで追いつくわ』と思って諦めて、早く間合い開けたのに、また追いついて。
開けたら、もうリヤタイヤ終わっていました。まぁ、面白くなりそうなので、いいと思います。ロングは昨日までのテストで、しっかり出ているので、たぶん大丈夫だと思います」
予選4番手:#65小松寛子選手
(XCEL-LITEマーズ01)
「一応、今までの中でベストラップが出たので、『まぁまぁ』かなと思っているんですが、もうちょっと頑張れたかなって。VITAより前は、SUGOをロードスターでけっこう走っていましたが、VITAではあんまり走った経験なくて、とにかくVITAとSUGOで楽しく走れるようになりたいと思います」
予選5番手:#22富田栄造選手
(CPホールディングスNILLZ)
「イシカワさんには『鬼ブロックするぞ!』って言っております。
四脱を何回かしちゃって、あまりいい予選ではありませんでしたね。でも、楽しくやれましたので、このまま決勝でも楽しみたいと思います」
予選6番手:#8 イシカワヨシオ選手
(東京IRCニルズvivo VITA)
「えらく怒られました(笑)。『大ベテランなのに、何キロで走っているんですか!』って。
昨日、新品履いて1本目、このぐらいの時間で、やっぱ走れば走るほど最後の方がタイム出たんで、今日、4か5ラップ目に小松さんのスリップうまくいただいて、そこで4秒台に入ったので、『これは前半まで行けるな』と思っていたんですが、昨日と路面温度が違うのか、タイヤがタレてきちゃってタイムが出なくて、そしたら自分の走りもガチャガチャになって、ミスしたりなんだりで。
それで帰ってきたら怒られて。速度違反かあ、全然気にしていなかったな、って出て行く時。
決勝はクールに、でも富田さんが『絶対抜かせないよ』って(笑)。手強い相手が前にいます。レース的には面白くなるんでしょうが、去年と一緒で、チャンピオンの尻に火がついてしまった感じです」
決勝
今回はレースシリーズとしては2デイながら、VITA的には日曜日の1デイ開催となった。決勝は、予選に比べると雲も出ていたものの、極端には温度を下げていない様子。
注目のスタートは、フロントローに並んだ#39藤原選手と#2イノウエ選手が揃って出遅れたのに対し、3番グリッドから#30窪田選手が絶妙のダッシュを決めて、中央突破に成功。
1コーナーにトップで#30窪田選手が飛び込んでいく。
一方、その後方では#2イノウエ選手が2コーナーでオーバーシュートしたのをきっかけに、3コーナーでスピン。これを避けようとした車両3台が接触し、そのうち#65小松選手は戦列に復帰できたものの、#2イシカワ選手と#27大沢選手は、あえなくリタイアとなってしまう。
そのため、セーフティカーが導入され、戻ってくると#30窪田選手、#39藤原選手、#22富田選手、#55伊勢屋貴史選手(御堂土地建物vita)、#33八木選手、そして#2イノウエ選手、#65小松選手という順に。車両回収には時間を要し、5周目にようやくリスタートが切られることとなった。
トップ#30窪田選手は、馬の背コーナーから加速するも、#39藤原選手が食らいついて離れず。コントロールラインを通過した時点でのギャップは、わずかコンマ2秒しかなく、さっそく馬の背コーナーでアウトから#39藤原選手に被せられるも、ここでの逆転は阻止。
しかし、7周目のストレートでスリップストリームから抜け出た#39藤原選手に、#30窪田選手はトップを奪われてしまう。
その後ろで勢いがいいのが#2イノウエ選手だった。自らにはダメージがなかったことで、リスタートで、まずは#22八木選手をパス。その周のうちに#55伊勢屋選手をかわすと、次の周の馬の背コーナーで#22富田選手のインを指し、3番手に浮上する。
しかし、#22富田選手も負けてはいない。息子・竜一郎選手のスパルタ修行の甲斐あって遅れることなく続き、1コーナーで#2イノウエ選手を抜いて3番手に返り咲く。
続いて#2イノウエ選手に迫ったのが、#65小松選手だ。8周目の馬の背コーナーで#55伊勢屋選手を抜いた勢いそのままにチャレンジするも、先のアクシデントで左フロントのタイヤとカウルが干渉。一時はコンマ5秒差としたが、終盤はペースを落とさざるを得ず。最後は白煙が上がるまでとなったため、「完走第一」と切り替え、最後尾に退くことに……。
トップに立ってからの#39藤原選手は、ファステストラップを連発しながら#30窪田選手を徐々に引き離していく。
最後は#30窪田選手がギブアップ宣言。#39藤原選手が4秒差での快勝となった。
3位は#22富田選手で、スプリントレースでは初の表彰台へ。以下、
#2イノウエ選手、#55伊勢屋選手、#33八木選手、#65小松選手の順でフィニッシュとなった。
#8イシカワ選手のリタイアで、タイトル争いはより混沌としたものに。トップは守ったものの、今回の2位で#30窪田選手がわずか1ポイント差で、#2イノウエ選手も6ポイント差にまで迫ってきたからだ。
「3コーナーでゴツーンと行って、足回り逝っちゃったかと思ったら、カウルが割れて入っちゃってた。だから走れないことはなかった、ポイント獲れたんだって。
その時点では、『もう、車無理』だと思って、最悪です。
そもそも速度違反から、こうなっちゃったんですね。タイトル争いにも火がついちゃいましたね。
だから次、優勝しかないですよね、まぁ、頑張ります」と誓った#8イシカワ選手。
さて、タイトルの行方は? その最終戦は2週間後の11月24日に、もてぎで開催される。三つ巴のタイトル争いが楽しみになってきた。
優勝:#39藤原大暉選手
(ACELINESロゴスVITA)
「やらかしましたね、スタートは(笑)。
淡々と走って優勝しちゃうのは、せっかくレースなので、もったいないと思うので、バトルしました。
窪田選手は車の置き方から、すべてお上手で、技量もあったので、自分も安心して飛び込めました。
車の位置とかタイミングは、本当に素晴らしいなと思っていて、数周でしたが後ろを走っていて、学ばせていただきました。
車は特には触らなかったですね、大きくバランス変えるのはやめようと。普通に行けば勝てるかなと思ったんですけど、まさかスタートであんなことになるとは思わなくて、一瞬巻き込まれそうになっちゃったんですけど、ギリギリ避けられてなんとか良かったです。
またレコードを塗り替えに来てみたいです。最終戦は出られなくて、自分のVITAレースは次がFCRになります」
2位:#30窪田俊浩選手
(A-PEX☆TOKAIDENSO☆VITA)
「スタートは良かった? 確かにスタートは(苦笑)。
SC明け、狙っていたんですよ。馬の背で加速したろうと思って、『お~、こりゃ絵に描いたように行けるわ』って思ったら5速だったんですよ。『おおっ、これは後ろに悟られてるかな』と思ったら、ピタッとつかれているし、最終コーナーの二輪シケインあたりで加速せんなと思って4速に落としても、時すでに遅し。最終ラップはもう、諦めました。
後ろも離れているし、イシカワさんはリタイアしているし、これ以上無理してノーポイントに終わっても嫌なので。まぁ、楽しかったです」
3位:#22富田栄造選手
(CPホールディングスNILLZ)
「スタートが良かったのと、前の方がガタガタになったので、3位になれました。
イノウエさんに裏で抜かれて、どうしようかと思ったんですが、ピッタリつけたんで、じゃあ失礼しますよ。
息子のスパルタ教育が効きました。ありがとうございます」
4位:#2イノウエケイイチ選手
(ワコーズEDニルズ)
「スタートを失敗して、2コーナー立ち上がりでちょっと出てしまって、それでスピンしていまいました。
すいません。僕は当たっていないけど、ご迷惑おかけしました、ごめんなさい。
富田さんに抜き返されちゃったのは、富田さんが速かったんです。」
5位:#55伊勢屋貴史選手
(御堂土地建物vita)
「最後尾で、かつ出遅れた部分があったんです、スタートで。なので十分、余裕でかわせた感じです。
練習の時点で全然タイムが足りなかったので、もっと練習してさらに上を目指したいと思います」
6位:#33八木智選手
(C.A First京都VITA01)
「SUGOは初めてです。窪田選手に教えてもらってバッチリなんですけど、僕の腕がついていかなくて(苦笑)。
初めてのコースに行きたいと思って、富士よりもここの方が魅力的だと思って、来させてもらいました。
鈴鹿にも共通しているところはあって、怖いところもありましたが、レースは楽しめました。
無事帰って来られて良かったです。無傷なんで良かったです」
テクニカルコース
『SUGO』
今年から始まったVITAシリーズ2戦目。
🏆揺らぎない速さの藤原大暉選手。
🏅ベテラン窪田俊浩選手から学ぶ走り
🏅78歳、練習は嘘をつかない、一流のアマチュア。
富田栄造選手
人生を垣間見たような見応えのある戦いでした。
『練習は嘘をつかない』
一流のアマチュアからいただいた名言です。
皆さまありがとうございました.
2025年もBIGレース開催します🏎️💨
たくさんの挑戦、お待ちしています!