VITA-01、そしてv.Granzによる120分間耐久レース「MEC120」
こと120Minutes Endurance Challengeが、今年から新たに全4戦のシリーズに。
その第2戦が富士スピードウェイで開催された。
鈴鹿サーキットでの開幕戦も47台ものエントリーを集めたが、今回はさらに上回る52台に!
昨年も富士ではFCR-VITAの2時間耐久が行われており、その時のエントリーは42台。
今回は17台のv.Granzを加えているが、その数もまた開幕戦を上回った。
レース形式を簡単に説明すると、決勝レースは「MEC 120」たる名称が示すとおり120分間で競われ、ドライバー交代を伴う2回のピットストップが義務づけ。
その際にはピットロード入口から出口まで180秒間以上の滞在を必要とし、これより短かった場合、不足分だけペナルティストップが課せられる。1回の給油は20ℓまでとされ、セーフティカー(SC)導入時のピットストップは可能だが、その際に併せて給油することは禁じられる。
シリーズ化された「MEC 120」には、プロドライバーの参加も認められたPro-Amaクラスが新設されたが、もちろんプロ同士での参戦は禁止。
プロはBドライバーとして登録され、またVITA CLUBによって認定されたドライバーも含め、決勝のスタートを担当することはできない。予選タイムに関わらず、v.Granzクラスが前方、VITA-01クラスが後方のグリッドになる。
なお、今回から定められたレギュレーションとして、2回のピットストップを履行しなかった場合は失格となる。
ただしトップ車両が2周を超え、かつレース時間の75%(90分間)未満で終了となった場合は義務回数の適応を除外。
75分間(90分間)を完了した後、終了した場合はレース結果から2周の減算となる。
また、決勝中すべてのドライバー交代は180秒以上のピットストップとすることも、新たに定められている。
MEC120ではレースディレクターに加え、福山英朗アドバイザーを置き、
レギュレーション、マナーなど、エントラントに詳しく説明していく時間を設けている。
v.Granzクラス予選
v.Granzが富士を走るのは初めてとあって、そのパフォーマンスがいかほどか注目されたが、金曜日に行われた専有走行で、まず叩き出されたターゲットタイムは、
#12 BRM v.Granzをドライブする杉本雄作選手と三島優輝選手の1分51秒559。
これを近いエンジン規定のスーパー耐久に当てはめると、同じ排気量域のST-4クラスの車両を5秒上回る計算だ。
9時5分から30分間の計測となった予選は、極端な暑さに見舞われずに済み、まずはコンディションも上々。
そんな中、v.Granzクラスで計測1周目からトップに立ったのは、#71 ZENKAI RACING ABBEYの木村偉織選手。
1分52秒台を2周続けた後、計測3周目には1分50秒448にまで短縮を果たす。
続いてのアタックは1分50秒687と、タイムアップは果たせなかったものの、誰にもトップを譲らぬまま木村選手は早々にピットに戻ることに。
木村選手に続く、2分50秒845を計測5周目に記していたのは、#12 BRM v.Granzの三島優輝選手だったが、その直後に#6岡部システムFHRP ABBEYの大崎達也選手が1分50秒454をマークして2番手に。
木村選手との差は、わずか0.006秒!
その直後にコカコーラコーナー進入で接触があり、赤旗が出されて計測は中断。5分ほど経過して残り12分で再開されるも、トップ3はいずれもピットに留まっていた。再度アタックをかけたドライバーで、大きくタイムを伸ばした者はおらず、上位は確定。
#71 ZENAKAI RACING ABBEYのハヤシヒロキ選手と木村選手、そして岡田衛選手がポールポジションを獲得。スーパーフォーミュラ・ライツでチャンピオンを争う木村選手が、見事期待に応えることとなった。
2番手は#6 岡部システムFHRP ABBEYの岡部隆志選手と大崎選手。大崎選手はフォーミュラエンジョイで名を馳せ、近年はスーパー耐久やGR86/BRZ Cupで活躍するドライバーだ。
3番手は#12 BRM v.Granzの杉本雄作選手と三島選手。三島選手はFIA-F4に参戦中。
そして4番手は開幕戦を制した#31 G-TECH。
今回、OOKA選手のパートナーを務めるのは、SUPER GTのGT300クラスで優勝経験も持つ佐藤公哉選手だ。
■v.Granz 予選リザルト
1位:#71 ZENKAIRACING ABBEY ハヤシ ヒロキ 木村 偉織 岡田 衛
2位:#6 岡部システムHFRP ABBEY 岡部 隆志 大崎 達也
3位:#12 BRM v.Granz 杉本雄作 三島優輝
4位:#31 G-TECH OOKA 佐藤 公哉
5位:#7 nonnno pizza with ab Crmine Czzolino 岸本 尚将
6位:#56 BRM v.Granz 南 清和 岩澤優吾
ポールポジション/ v.Granzクラス予選トップ:#71 ZENKAI RACING ABBEY
ハヤシヒロシ選手
「v.Granzをシェイクダウンさせてから、言うても数えるぐらいしか走れていないんですが、今回プロドライバー枠で木村選手が来てくれて、セットをいろいろ詰めてくれた結果、ものすごく乗りやすくなったというか、速さが出てきたのを実感しています。
それを予選で証明してくれたと思っているんですが、もう少しセットをこの後に耐久用に調整しながら、お昼から3人でレースを戦います」
木村偉織選手
「今週初めてこの車に、専有走行だけ乗ったので、もっとセットアップをやりたかったのですが、時間がどうしても……。
でも、結果的にポールが獲れて良かったです。決勝は決勝で、また違う難しさがあると思いますし、ロングのペースも分からないので……。とりあえずチーム自体、このMECというレースが初めてなので、本当に楽しんで、完走できればいいかな、という感じですね」
岡田衛選手
「どんどん熟練度が高まっているのを感じています。そもそもv.Granzという車のデータが少なくて、レースで走らせるのが、この富士で初めてなんですが、その中でも偉織くんが実力を発揮してくれて、タイムがすごく良かったので、期待どおりポールを獲ってくれました。決勝が楽しみです」
v.Granzクラス予選2番手:#6岡部システムFHRP ABBEY
岡部隆志選手
「FHRPというのは、往年のドライバー、福山英朗さんが企画しているレーシングプロジェクトで、それの第1号になります。
私は過去にハチロクでレースをやっていたんですけど、今回こういう耐久レースは初めてなので、初心者のつもりで頑張ります。
ローリングスタートも初めてなので、トップは嫌だったんですよ。珍しいケースだと思うんですけど、トップにはなるなよと(笑)。で、祈って見ていて、バッチリやってくれました!」
大崎達也選手
「僕自身、このマシンは初めてだったので、慣れるところからスタートして、予選ではうまくまとめられたと思っています。もちろんポール獲りたかったんですけど、リクエストどおりというか(苦笑)
見晴らしのいいところから岡部さんにスタートしてもらえるので、良かったと思っています。しっかりゴールできるよう頑張ります」
V.Granzクラス予選3番手:#12 BRM v.Granz
杉本雄作選手
「三島選手が3番手を獲ってくれたので、僕自身はそれを維持していくのが大事だと思っています。
このv.Granzからスタートさせてもらっているので、前回の鈴鹿以来のレースになります。
今回は富士ということで、走り慣れてはいないんですけど、少し練習を重ねてきたので、力を発揮したいと思っています」
三島優輝選手
「タイム出せた週が遅く、タイヤのピークは過ぎていたんですけど、それはそこまでいい場所に持っていけなかったのが、ポール獲れなかった理由ですね。
ただ、VITAもかなりいますし、そこはしょうがないかなという感じですね。車は問題ないので、決勝は頑張って順位を上げたいと思います」
VITA-01クラス予選
v.Granzクラス同様、VITA-01クラスでも計測開始と同時に誰もがコースインする中、唯一ピットでしばらくステイしていたのが、萬雲恒明選手と阪口良平選手のPro-Amaクラスの#2 MOLECULE TMR VITAだった。
果たして、この判断は吉と出るか、凶と出るか?
まずトップに立ったのはAma-Amaクラス、
#1 DAISHIN★Progrexx★萬雲塾の徳升広平選手で、
これに続いたのがPro-Amaクラス、#16 Giddy Up & HERO’S VITAの奥本隼士選手。
ともに計測1周目から1分59秒台に叩き込む。だが、奥本選手は次の周、わずかな短縮に留め、1分59秒534だったが、
徳升選手はひとり1分59秒の壁を超え、1分58秒851にまでタイムを伸ばす。
その後、クールダウンも兼ねてクリアラップが取れる位置を探りながら、走り続けた徳升選手だったが、その機会はもう与えられないと察知し、赤旗前にピットに戻ることに。大八木龍一郎選手とピットで見守る間も、誰の脅威も感じることなくVITA-01クラス、そしてAma-Amaクラスのトップも#1 DAISHIN★Progrexx★萬雲塾が獲得した。“ザ・チャンピオンズ”が、今回は予選から本領発揮に成功!
一方、徳升選手がベストタイムを記録した、次の周に1分59秒488をマークして、奥本選手との間に割って入ってきたのが、Ama-Amaクラスで2番手に躍り出た#51 BRM VITAの渡会太一選手だった。
スーパー耐久の経験も持つ、伊藤毅選手とともに、総合でも3番手に。
そしてVITA-01クラスの総合4番手は、
#2 MOLECULE TMR VITAの阪口選手で1分59秒662をマーク。
前述のとおり、他とは10分間タイミングをずらしてアタックに入り、自身の計測1周目に出したタイムながら、その時、不運にも赤旗原因となるアクシデントが。
巧みにかわすも、少なからずロスがあったのは間違いない。再開後にもアタックを重ねるも、クリアラップは最後まで取れず。
VITA-01クラスの総合5番手は、Ama-Amaクラスでは3番手に。
角谷昌信選手と宮島花蓮選手とともに#4レプリスポーツVITAを駆る、上野大哲選手が1分59秒663をマーク。
総合6番手から8番手には、Pro-Amaクラスが続く。
#144 RSS VITAの平川真子選手と古谷悠河選手、
#114 RSS VITAの翁長実希選手と三浦愛選手、
そして#337 D.D.R VITA-01の斎藤愛未選手と坪井翔選手という順に。
この3台に続いたのが、昨年のFCR-VITA2時間耐久で優勝、Ama-Amaクラスでは4番手となった、#87おさきにどうぞ☆VITAの山本龍選手と大竹将光選手。
ここから戦術の駆使で、順位を上げられるか注目された。
■Ama-Ama 予選リザルト
1位:#1 DAISHIN★Progrexx★萬雲塾 大八木 龍一郎 徳升 広平
2位:#51 BRM VITA 伊藤 毅 渡会 太一
3位:#4 レプリスポーツ VITA 上野 大哲 角谷 昌信 宮島 花蓮
4位:#87 おさきにどうぞ☆VITA 山本 龍 大竹将光
5位:#18 ビーンズスポーツSPM☆VITA 大野 俊哉 三上 潤
6位:#880 まこと君VITA★CF亜衣 MAKOTO 吉田 綜一郎
■Pro-Ama 予選リザルト
1位:#16 Giddy Up&HERO’S VITA 中川 徹 奥本 隼士
2位:#2 MOLECULE TMR VITA 萬雲 恒明 阪口 良平
3位:#144 RSS VITA 平川 真子 古谷 悠河
4位:#114 RSS VITA 翁長 実希 三浦 愛
5位:#337 D.D.R VITA-01 斎藤 愛未 坪井 翔
6位:#50 BRM VITA TOSHIHIRO 荒川麟
VITA-01クラス予選トップ/Ama-Amaクラストップ:#1 DAISHIN★Progrexx★萬雲塾
大八木龍一郎選手
「今回は徳升選手に走ってもらって、満足しています。よくやってくれたって感じです。今回は最初からいきます、スタートも徳升選手なので。今回はちょっとプッシュで、いきなり行ってもらいます!」
徳升広平選手
「コースインしてすぐ手応えがものすごくあって、コースインした直後に『もうこんなにグリップあるの!』って。アタック1周目でもう9秒フラット、そこから8秒入って、『もしかしたらコースレコード届くのかな』と思って走ったんですけど、4周、5周走るとセクター3が厳しくなってきて。
早めに切り上げて、決勝のためにタイヤを残しておこうと判断しました。早めに出ていった分、クリアも取れていましたし、スリップも使えて8秒入ったというのもあったので、位置が良かったです。先頭からちぎっていきたいと思うので、全力で行きます!」
VITA-01クラス予選2番手/Ama-Amaクラス2番手:BRM VITA
渡会太一選手
「昨日から調子良かったので、普通にいい場所につけながら、スリップ使ってアタックしようと思ったんですが、けっこう速い人が来たので、これは譲ってアタックしようと思ったら、引っかかっちゃったんで。
その後もアタックしたんですけど、コーナーでコンマ3秒削ったのに、また引っかかっちゃって。思いどおりにいかない予選でしたが、それでも2番手ですし、前戦に比べれば予選でも前に来られたので、決勝でもこのまんまの勢いで頑張りたいと思います」
VITA-01クラス予選3番手/Pro-Amaクラストップ:#16 Giddy Up TEAM HERO’S VITA
中川徹選手
「精いっぱい頑張ります。前回は悔しい結果に終わっているので、今回はなんとか完走したいですね。私自身、富士は6年ぶりになります」
奥本隼士選手
「このタイヤの感触的に、絶対に計測2周目に行くしかないので、内圧とか諸々調整しました。運良くv.Granzのスリップも使えて、それがうまくまとめられて。その後もずっとプッシュはしていましたが、とにかく台数も多いので、それ以上タイムは上がらなかったんですが、車の戦闘力的にもロングにいい感じがあるので、決勝は中川選手と一緒に頑張ります」
VITA-01クラス予選4番手/Pro-Amaクラス2番手:#2 MOLECULE TMR VITA
阪口良平選手
「ちょっと待って出ていったんですが、一度も上手いこと走れなくて。最後、セクター1、2ではいいタイム出ていたんですけど、最後のセクター3で抜きに行くぐらい引っ掛かっちゃったので、こんな順位になっちゃいました。
VITA全体のトップじゃなくても、Pro-Amaのトップは獲りたかったけど、ちょっと足りなかったですね。最初から行っちゃった方が良かったかもしれないし、赤旗原因となったアクシデントが目の前であって、その周がベストだったんですよ。
再開後に何回も仕切り直しているうちに、美味しいところ逃しちゃいました。決勝には切り替えていきます」
VITA-01クラス予選5番手/Ama-Amaクラス予選3番手:#4レプリスポーツVITA
上野大哲選手
「スリップ1回も使えなかったので、ほぼ単独のタイムなんですけど、結果的に言えば、よくない予選でした。決勝はとりあえず、角谷さんと花蓮ちゃんにマージン作って渡そうかなと、そういう作戦です」
VITA-01クラス予選6番手/Pro-Amaクラス予選3番手:#144 RSS VITA
平川真子選手「5年ぶりのレースです。予選は私が行って、昨日たくさん古谷選手からアドバイスをいただいたので、それをひとつずつこなして、昨日の練習よりタイムアップしていたので、レースはきちんと完走できるように頑張ります」
v.Granzクラス決勝レース
シリーズ第2戦は1デイレースとあって、予選終了後から2時間経たず、
11時25分には決勝レースのスタート進行が開始。
予選を前に1台がリタイアとなっていたが、それでも富士の長いストレートに51台が並ぶ様子は、梅雨明けの青空にも映えて壮観の一言だった。
1周のフォーメイションラップの後、1コーナーへのホールショットはポールシッターの#71 ZENKAI RACING ABBEY、岡田選手が決めるも、
これを最終コーナーで並んでストレートで抜き去っていたのが、#12 BRM v.Granzの三島選手だった。
2周目には#7 nonno pizza with abbeyの岸本尚将選手が2番手に浮上するとともに、3周目にはトップを奪い取る。
10周ほど経過すると、じわりじわり逃げていく岸本選手の後方で、三島選手、
12番手からスタートした#86 Dr.DRY v.Granzの下野璃央選手、
#31 G-TECHのOOKA選手、
9番手からスタートした#59 ABBEY RACINGのいむらせいじ選手の順で固まり始める。中でも勢いがいいのが下野選手で、16周目には2番手にも浮上。
やがてトップの岸本選手にも迫るまでに。
だが、#7 nonno pizza with abbeyは40分経過した20周目に、カルミネ・コッツォリーノ選手に交代するためピットイン。
下野選手はコース上での逆転こそ果たせなかったものの、これでトップに躍り出る。
そして、その後に上位を争っていたドライバーが続々とピットに入る中、#86 Dr.DRY v.Granzは2番手の#12 BRM v.Granzと同時に、交代をスタートから52分も経過した27周目にまで伸ばしていた。
ところが、#86 Dr.DRY v.Granzは大阪八郎選手に交代することなく、リヤカウルが開けられた後、ガレージに押し込まれてしまう。ミッショントラブルが原因だった。
これで#12 BRM v.Granzの杉本選手がトップに立つが、
これに秒違いの速さで迫っていたのが#31 G-TECH。OOKA選手から佐藤選手への交代を、18周目には済ませていたことが功を奏した格好だ。
31周目には#9 Gluck & KTSの河村直樹選手が2番手に。
やはり18周目に関正俊選手からステアリングを託され、その時点での8番手からグイグイ順位を上げていた。
早くドライバー交代を行ったからには、2回目のピットストップも早いと思うのが道理だ。しかし、トップを争う2台が再びOOKA選手、関選手への交代を行ったのは同じ43周目。ハイペースを保ったまま、まさか50分近く走り続けようとは!
この間、トップに立っていたのは、#37 NOPROプロトカープロジェクト03の大谷飛雄選手。
徹底した燃費走行が効いた格好だが、もし燃費にまだ余裕があるようであれば、49周目の野上達也選手への交代を、もう3周遅らせていたら……。
というのはゴールまで後14分となった、52周目からセーフティカー(SC)が導入されたからだ。2コーナー先の大きなデブリを回収するためだだった。
もちろん、再びトップに立っていたのはOOKA選手で、2番手は関選手。そして3番手は三島選手で、4番手はいむら選手。SCの導入でそれぞれの差が詰まり、バトル再開となれば、またドラマが起こる可能性もあっただろう。
デブリの回収だけなら、そう時間を要さなかったし。ところがタイミングをほぼ同じくして、GRスープラコーナーで止まった車両が! この回収は簡単ではない。
ゴールまでの時間が刻一刻と近づいていき、ゆっくりと周回が重ねられる中、そして2時間が経過してチェッカーが振られることに……。
#31 G-TECHのOOKA選手は、これで2連勝。佐藤選手とゴール後に笑顔で固い握手を交わしていた。
2位は土壇場の追い上げが許されず、#9 Gluck & KTSの関選手と河村選手が獲得。
それ以上の悔しさを味わっていただろう、#12 BRM v.Granzの杉本選手と三島選手が3位。
4位は#59 ABBEY RACINGのいむら選手と成瀬茂喜選手で、
#37 NOPROプロトカープロジェクト03の野上敏彦選手と野上達也選手、大谷選手が5位。
6位は#41 Racing TEAM HERO’Sの青合正博選手と植田正幸選手。途中、接触に対するドライビングスルーペナルティを課せられながらも、しっかりと挽回してきたのはFIA-F4を戦い合うドライバーのコンビゆえとも言えるだろう。
総合優勝/v.Granzクラス優勝:#31 G-TECH
OOKA選手「連勝できました。公哉選手が真ん中で、すごくいい走りをしてくれたので、ある程度、余裕を持って走れたのが良かったんだと思います。
SCが入った時は、第1戦のように有利に働くのか、不利に働くのか、後ろの車も速かったので、再開されていたらどうなっていたか分からなかったんですが、もしそうなって追いつかれたとしても無理はせず、自分の走りで行こうと思っていました」
佐藤公哉選手「良かったです、僕にとっても久しぶりの優勝なので。OOKA選手がスタートから良いペースで走ってくれたので、車のバランスも良かったから、そのままいい形で引き継ぐことができました。楽しくレースして、優勝できて良かったです!」
総合2位/v.Granzクラス2位:#9 Gluck & KTS
関正俊選手「いいレースでしたね! 2位になれるとは思っていませんでした、みんな速いドライバーばっかりなので。良かったです。河村選手がマージン稼いでいてくれたので、楽なレースできるなと思っていたのに、SC入ってマージンなくなったので、どうしようかなと思っていたら、最後まで行ってくれました。12号車、真後ろまで来ていたので!」
河村直樹選手「最後、SCに助けられたところはあるんですが、でもレースラップは良かったので、予選はちょっと失敗しましたが、関選手が速かったし、ようやく実力のところに来たかな、という感じでした」
総合3位/v.Granzクラス3位:#12 BRM v.Granz
杉本雄作選手「最後、チャレンジしたい部分はありましたが、そうはいっても3位が獲れたのはチームのメンバーのおかげでもありますし、何よりパートナーの三島くんにかなり引っ張ってもらえたので、本当に彼には感謝しています」
三島優輝選手「悔しさもありますね。でも、僕のペースはそんなに良くなくて、その中でも表彰台には乗れたので、目標達成です。杉本選手も楽しんでくれたので、それが一番です」
■v.Granz 決勝リザルト
1位:#31 G-TECH OOKA 佐藤 公哉
2位:#9 Gluck & KTS 関 正俊 河村 直樹
3位:#12 BRM v.Granz 杉本雄作 三島優輝
4位:#59 ABBEY RACING いむら せいじ 成瀬 茂喜
5位:#37 NOPROプロトカープロジェクト03 野上 敏彦 野上 達也 大谷 飛雄
6位:#41 Racing TEAM HERO'S 青合 正博 植田 正幸
VITA-01クラス決勝レース
VITA-01クラスの決勝で、今回も序盤の鍵を握ったのがAma-Amaクラスの若手ドライバーだった。
先行逃げ切りを誓ったはずの#1 DAISHIN★Progrexx★萬雲塾の徳升選手を、スタート直後に#51 BRM VITAの渡会選手が抜き去っていく。
前を行くv.Granz勢に行く手を阻まれたからだが、ローリングスタート後のレース運びは、全日本カート選手権の最高峰、OKクラスで王座を獲得した経験を持つ渡会選手に、一日の長があったということなのだろう。
しかし、徳升選手は2周目にはトップに返り咲き、そのままじわりじわりと逃げていく。
逆に渡会選手は、#4レプリスポーツVITAの上野選手の接近を許すようになり、やがて応戦一方となってしまう。
そこから一歩離れて、4番手を争っていたのは#114 RSS VITAの翁長選手と#87おさきにどうぞVITAの大竹選手、
そして予選こそ14番手だったが、早々と追い上げてきた#860 Dr.DRY VITAの猪爪杏奈選手。その三つ巴のバトルは、序盤のハイライトにもなっていた。
一方、7番手を走行していたのは#2 MOLECULE TMR VITAだったが、萬雲選手のペースが想定どおりに上がらない。
そこで28分を経過した13周目、早めに阪口選手に代えて勝負に出ることに。
そして#1 DAISHIN★Progrexx★萬雲塾の大八木選手への交代も、セオリーより早め。30分経過した15周目に、最初のピットストップを済ませていた。
その後は渡会選手と上野選手とでトップを争い合うも、なかなか差がつかず。先にピットに入ったのは#4レプリスポーツVITA。44分経過した21周目に対し、
#51BRM VITAはさらに2周後に。この踏ん張りが功を奏し、全車最初のドライバー交代を終えると、大八木選手がトップで、2番手には伊藤選手がつけていた。
しかし、#1 DAISHIN★Progrexx★萬雲塾の大八木選手がトップを守り抜いていく中、
この第2スティントで本領発揮となったのは、#114 RSS VITAの三浦選手だ。21周目に翁長選手からバトンを託された後、31周目には2番手に浮上。
すでにトップとの差は30秒にまで達していたが、そこから大きく水を開けられずにいたからだ。
同様に、気がつけば3番手に上がっていたのが、#337 D.D.R VITA-01の坪井選手。
斎藤選手との交代を早めに行い、#2 MOLECULE TMR VITAの阪口選手をも抜き、Pro-Amaクラスのトップにも立っていた。
VITA-01クラスで最初に2回目のドライバー交代を行ったのも、また#1 DAISHIN★Progrexx★萬雲塾だった。残り40分となった38周目に再び徳升選手が乗り込む。
この周には#860 Dr.DRY VITAも、永井歩夢選手から猪爪選手にスイッチ。結論から言えば、強力な手駒を最後に残していれば、早めの交代がより有効だったのは明らかだ。
39周目には#337 D.D.R VITA-01が、40周目には#114 RSS VITAがピットイン。
そして43周目にはPro-Amaクラスのトップに上がっていた#16 Giddy Up & HERO’S VITAが、残り30分を切った43周目に、ようやく中川選手から奥本選手にスイッチ。これでチェッカーまでに至る流れは大方見えてきたはずだ。
やはりトップに立っていたのは、
#1 DAISHIN★Progrexx★萬雲塾の徳升選手。
そして#337 D.D.R VITA-01の斎藤選手、
#860 Dr.DRY VITAの猪爪選手、
#87おさきにどうぞVITAの大竹選手、
#2 MOLECULE TMR VITAの満雲選手という順に。
だが徳升選手こそ大量のマージンを得ていたが、それ以降の差はごくわずか。ラストの大逆転も決して不可能ではなさそうだった。
しかし、ラスト14分で導入されたSCが、あるチームには幸いに、またあるチームには不幸にも……という顛末になった。v.Granzクラス同様、バトルが再開されていれば!
大差をつけて逃げ切り、連勝とAma-Amaクラスの優勝を飾ったのは、言うまでもなく#1 DAISHIN★Progrexx★萬雲塾の大八木選手と徳升選手。
これに続いたのはPro-Amaクラス優勝の#337 D.D.R VITA-01の斎藤選手と坪井選手。
新婚ほやほやのコンビがご祝儀代わりのトロフィーと賞金を獲得。
一方、クラス優勝も期待された#114 RSS VITAの翁長選手と三浦選手は、ピット滞在時間が1秒(!)足りず、43周目にペナルティストップを課せられて4位に後退。表彰台に立つことも許されなかった。
Pro-Amaクラス2位には16 Giddy Up & HERO’S VITAの中川選手と奥本選手がつけて、前回リタイアの無念を晴らすことに成功。
やはり3位となった#2 MOLECULE TMR VITAの萬雲選手と阪口選手も、前回は終盤にリタイアを喫していたから、リベンジの格好にはなるも、この順位に満足しているとは思い難い。
この2台の間に割って入り、Ama-Amaクラスの2位は#860 Dr.DRY VITAの猪爪選手と永井選手が、
そして3位は#87おさきにどうぞVITAの山本選手と大竹選手が獲得した。
VITA-01クラス総合優勝/Ama-Amaクラス優勝:#1 DAISHIN★Progrexx★萬雲塾
大八木竜一郎選手「すべての作戦が予定どおりで、本当に。ピッタリ合いました。
本当に何も言うことないよね?
完璧なレースができたのでミスもなく、うまくふたりともドライブできて車を運べたので『良かったな』と、その一言に尽きます。
連勝できて、気持ち的にはちょっと楽になりました。
次は僕がレースを始めた岡山なので、また楽しくレースできたらと思っています。」
徳升広平選手「スタートで抜かれたのは想定外でした。ちょっとv.Granzに詰まってしまった時に、隙を見せてしまったなと。
でも、そこは落ち着いて対処して、すぐ抜いた後は、ちょっとずつジリジリと離していって、自分のペースで走れて良かったです!」
VITAクラス総合2位/Pro-Amaクラス優勝:#337 D.D.R VITA-01
斎藤愛未選手「無事に優勝できて良かったです! これ、優勝できなかったら喧嘩になるんで(笑)、良かったです。
リードしてくれるのは、やっぱり夫です。頼りっぱなしです。夫の力で勝てたようなものなので、あとは機会をくださったオーナーさんにも、感謝したいです。ありがとうございました」
坪井翔選手「いろいろと展開も味方してくれて、作戦も予定通りで行きました。最後にSC入るとは思わなかったですけど、いろんなタイミングが重なって、僕らは淡々と行った結果、他のペナルティがあったり、なんだろうなぁ、他力っていうか(苦笑)。
あとはトラフィック処理が大事なので、そこはやっぱり僕はGT500とかで経験してきているので、そこを利点として、ふたりでミスなくレースできたので、非常に嬉しいです」
VITA-01クラス総合3位/Ama-Amaクラス2位:#860 Dr.DRY VITA
猪爪杏奈選手「私がスタート行って、最初のスティントは前ですごいバトルしていて、タイヤを消耗させていたので、ちょっと後ろから、あんまりそこに突撃しないようタイヤを温存して、スティント渡せました。最後、SC入らなくても、たぶん2番は死守してくれたと思います」
永井歩夢選手「ちょっと一回失敗して、スピンしてしまったので、大変申し訳ない気持ちでいっぱいです。猪爪選手におんぶにだっこだったので、とてもありがたいです」
VITA-01クラス総合4位/Ama-Amaクラス3位:#87おさきにどうぞVITA
山本龍選手「今年は2回ピットが義務なので、燃費作戦が採れなかったんですよ。封じられました。作戦の幅がほとんどなかったので……。
大竹くんがスタート、ビシッと決めてくれたので。でも、その大竹くんのおかげで表彰台立てて良かったです。私、さんざんミスっていたので」
大竹将光選手「おめでとうって言われると、ちょっと微妙なところですね。予選の段階からトップと比べるとペース悪くて、予選も想定どおりというか、練習通りの結果になってしまって。
ちょっと序盤はスタートドライバー任せてもらったので、ガンガン行っていたんですけど、もう一息あればSC出る前、一台前にいたので、抜いて帰ってこられたのかなと」
VITA-01クラス総合5位/Pro-Amaクラス2位:#16 Giddy Up & HIRO’S VITA
中川徹選手「これが本当に願っていた以上の、一生懸命走っていたら、いつの間にかこのポジションになっていたという感じなので、ちょっと驚きましたけど、はい。
富士を主戦場としている方も多かったので、最初からペースは厳しいのは分かっていました。その中でもなんとかベストを尽くそうと思って、頑張っていました」
奥本隼士選手「予選でもクラストップで、決勝もとにかく一生懸命走って、終わってみたら『2位やん』ってなって! SC入って、僕らにはすべていい方向になりました。次、岡山は地元なので、次もあるのであれば、僕も頑張りたいです」
VITA-01クラス総合6位/Pro-Amaクラス3位:#2 MOLECULE TMR VITA
萬雲恒明選手「最後、ちょっと残念でしたけど、シリーズを通してはポイントもやっと獲れたので、そういう意味ではちょっと良かったです。今回、波に乗れなかったというか、僕自身が23年ぶりなんで、富士が。
なので、良平選手の足を引っ張ってしまいましたが、次の岡山はホームなので、きれいに頑張りたいと思います」
阪口良平選手「とにかく僕で引っ張りたいと、SCが入ったりするかもしれないということで、最初は早めのピットだったんですが、あまりうまくいきませんでしたね。
でも、前回は残り10何分で止まっちゃったけど、今回はなんとかゴールできたから、また次に向かっていけそうです。オーナーの力になれるように、また頑張りたいと思います」
■Pro-Ama 決勝リザルト
1位:#337 D.D.R VITA-01 斎藤 愛未 坪井 翔
2位:#16 Giddy Up&HERO’S VITA 中川 徹 奥本 隼士
3位:#2 MOLECULE TMR VITA 萬雲 恒明 阪口 良平
4位:#114 RSS VITA 翁長 実希 三浦 愛
5位:#50 BRM VITA TOSHIHIRO 荒川麟
6位:#48 MOST-HM VITA 中澤 卓也 武藤 英紀
■Ama-Ama 決勝リザルト
1位:#1 DAISHIN★Progrexx★萬雲塾 大八木 龍一郎 徳升 広平
2位:#860 Dr.DRY VITA 永井 歩夢 猪爪 杏奈
3位:#87 おさきにどうぞ☆VITA 山本 龍 大竹将光
4位:#880 まこと君VITA★CF亜衣 MAKOTO 吉田 綜一郎
5位:#51 BRM VITA 伊藤 毅 渡会 太一
6位:#15 恒志堂レーシング レブニーズVITA 佐藤 元春 鶴田 哲平