VITA CLUB 三重県鈴鹿市のレーシングカーコンストラクター

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📣MEC 鈴鹿レースレポート
2023/08/15 レポートMECレポート

VITA-01による耐久レースは、すでに各サーキットで行われ、
またv.Granzを含めた、「MEC 120」こと120 Minutes Endurance Challengeも、
昨年から鈴鹿サーキットで開催されているが、
シリーズとなると今回が初めて。

 

レーシングカーの素材から生まれた 世界に一つ [MECトロフィ]

 

この後に富士スピードウェイ、岡山国際サーキット、そしてモビリティリゾートもてぎでの3戦を控え、
新たなスタートを切ったシリーズには、47台ものエントリーが集まった。

47台は昨年の鈴鹿「MEC 120」と同数ではあるが、
昨年はCS2が7台だったのに対し、今年はv.Granzが14台と倍増。

また今年からPro-Amaクラスが新設され、そのエントリーは8台に。
VITA CLUBによってプロドライバーとして認定されるのは、

■フォーミュラの全日本選手権で6位以内入賞経験、
■GT500の参戦経験、
■そしてGT300で6位以内入賞経験を持つドライバー。
■その他にもVITA CLUBが過去の実績に基づき、独自に認定するドライバーが対象となる。
FIA-F4の入賞経験者も含まれる場合があり、
さっそくそのひとり目として、岡山のWEST VITA出身で、
FIA-F4の第1戦で2位に入ったばかりの奥本隼士選手が選ばれた。

■アマチュアドライバー同士の組み合わせは、Ama-Amaクラスとして設定され、
Pro-Amaクラス、v.Granzクラスの3クラスで、それぞれ覇が競われる。
■なお、1チーム2名及び3名での参加が可能とされ、原則としてスタートはAドライバーが担当。
Bドライバーへの変更は認められるが、必ずスタートはアマチュアドライバーが担当しなくてはならない。

■ドライバー交代を伴うピットストップの義務づけは2回とされ、
ピットロード入口から出口までの滞在時間は180秒以上。
■給油は1回につき20ℓまで。なお、セーフティカー導入時のピットストップは許されるが、給油は禁止とされている。


またこのカテゴリーでは初めて、専任レースディレクターを設けた。

昔は鈴鹿1000kmなど、当たり前にあった参加型耐久レースがいつの間にかなくなってしまい、ドライバーもメカニックもオフィシャルも経験が少なくなって来ている。
次の世代に向けて、質の高い安全なレースを作り上げていくことを目標に、
コンストラクターとして初めてレース企画するに至った。

シリーズを通じてアナウンスを担当する多賀稔晃さん、解説にはVITA CLUBのアドバイザーを務める福山英朗さんが耐久レースをさらに盛り上げてくれる。

「MECの理念は、主役はアマチュアドライバーであり、楽しみ、上手になることが目標で、
それを先導するプロドライバーがいる。
アマチェアドライバーに更なる学ぶ『場』を与えてあげる事が、モータースポーツ活性化に繋がる鍵となるであろう。


v.Granzクラス予選

予選は土曜日の14時5分から、30分の計測で競われた。
30分間の専有走行が2回行われた金曜日は雨に見舞われたものの、なんとかドライコンディションは保たれた。
しかし、いつ雨が降り始めてもおかしくなく、また47台も走行するのだから、赤旗が出される可能性もある。
後半の方が路面状態は向上するだろうが、1台もピットで長く待機することなく、早々にアタックが開始された。

 ちなみに予選を走るのは1名以上とされたため、途中の交替義務はなし。

早々に2分15秒534をマークし、トップに立ったのは#31 G-TECHの三宅敦詞選手だったが、その直後にS字でストップした車両があり、赤旗が出されてしまう。

6分ほどの中断を経て計測が再開すると、三宅選手はさらにタイムを詰めて、2分13秒600へ。

もう1周コースを攻めるも、さらなるタイムアップは果たせなかったが、早々にピットに戻ってなお、トップは誰にも明け渡さず。スーパーフォーミュラの参戦経験を持つ、三宅選手がGT現役ドライバーとして貫禄を見せ、OOKA選手とともに決勝にはポールポジションから臨むこととなった、

その三宅選手に肉薄したのが、#31東京IRCニルズvivo v.Granzの西村和真選手だった。再開後にちょうど三宅選手の真後ろを走行する格好となり、ふたり連なってクリアラップを取れて走れたことで、2分13秒950をマーク。V.Granzでは初レースとなる、イシカワヨシオ選手とともに2番手につけた。

3番手は#7 Nonno Pizza With Abbeyで、
カルミネ・コッツォリーノ選手をサポートする、岸本尚将選手で2分14秒833を記していた。

ちなみにカルミネ選手は、ル・マン24時間やGTワールドチャレンジ・アジアで活躍する、ケイ・コッツォリーノ選手の父親だ。

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ポールポジション& v.Granzクラス予選トップ

#31 G-TECH

OOKA選手
「三宅選手のおかげでポール獲れて嬉しいですけど、まわりの方もペース速いと思いますので、決勝では自分なりのベストを尽くして走りたいと思います」

三宅敦詞選手
「セッション始まる前に雨も降っていましたし、VITAもいるので混雑もしますから、赤旗が出るリスクもあるかなと。
けっこうタイヤのピークも一発という印象だったので、1周目から攻めていこうと思っていました。

15秒台を出した直後に赤旗になってしまったんですが、運良くピットの先頭の方に並ぶことができましたし、真後ろには西村選手がいて。ふたりでうまく位置取りもできたのでクリアで走ることができて、うまくアタックできたと思います。
明日は晴れ予報なので、そこはいいと思いますし、120分のレースをOOKAさんと一緒に盛り上がっていければいいかなと思っています。
真剣にはやるんですが、楽しみながらというのをモットーにやっていきたいですね」

v.Granzクラス予選2番手:

#8東京IRCニルズvivo v.Granz

イシカワヨシオ選手「僕の力じゃないですけどね(笑)。決勝はね、いかに私が乗る周を少なくするかっていう作戦です。最終的には楽しんで。今日も乗っていないけど、楽しめました!」

西村和真選手「赤旗の前はアタックしていなかったんですが、再開後は三宅選手がちょうど来ていたので、スリップストリームをいただこうと思って位置取りしていたんですけど、ちょっと近すぎてS字でダウンフォースが抜けて、アンダーが出ちゃったので、それの差かと思っています。明日こそ1番でオーナーのイシカワさんにバトンを渡して、そのままの位置でチェッカー受けられるよう頑張ります」

V.Granzクラス予選3番手:

#7 Nonno Pizza With Abbey

カルミネ・コッツォリーノ選手
「頑張りましたね、まさか(笑)。明日は岸本スタートで、僕が真ん中。でも僕は遅いのでポジションをロスします。最後にまた彼。
そのパターンで行くしかないね。でも、まさか3番手になれるとは思いませんでした。
すごく嬉しいね、僕やったんじゃないけど。初めて友達が見に来てくれて、『すごいね〜』って言ってくれて、楽しいね!」

岸本尚将選手「金曜日に初めてv.Granz乗せてもらいましたが、めちゃくちゃ乗りやすくて、すぐ慣れました。ニュータイヤ入れたら、今まででいちばん気持ちよく攻められて、たまたたまタイムまで着いてきました。
決勝ではまわりの人がすごい面子なので、うまく着いていって、最後どこにいるか分からないですけど、頑張って運も手繰り寄せて、いい結果に結びつけばいいと思っています」


VITAクラス予選

 ポテンシャルの差が歴然としているだけに、v.Granzクラスは出場した14台すべて順当に上位につけていた。
総合15番手以下は、VITA勢がずらり連なった。

その中で最上位は、#1 MOLECULE TMR VITAの萬雲恒明選手と阪口良平選手。赤旗中断前の1周で阪口選手がアタックを完璧に決め、2分24秒761をマーク。

再開後には#22 CPホールディングスNILZZの富田竜一郎選手が2分25秒031を記すも、阪口選手のタイムにはあと一歩及ばず。しかし、父親の富田栄造選手、76歳の誕生日に好位置をプレゼントした。

もちろん、阪口選手と富田竜一郎選手は現役GTドライバーとして、他を圧する速さを披露。
Pro-Amaクラスとして貫禄を示した一方で、

これに続いたのはAma-Amaクラス最上位、#0サンズクリエイト& HIROTEXのGAMISAN選手とHIROBON選手だった。
TCRジャパンやFIA-F4のインディペンデントカップ等、数多くのチャンピオン獲得経験は伊達ではなかったHIROBON選手が、赤旗再開後に2分25秒544をマーク。

中断前にAma-Amaクラスのトップだった#133 SANNO TOMISAN VTAの増本千春選手が記録していた、2分26秒065をコンマ5秒も上回った。

なお、この2台の間にはPro-Amaクラスの#16 Giddy Up HIRO’S VITAの中川徹選手と奥本選手、

#117 ANDY Team M Vitaの中島佑弥選手と三浦愛選手、長島正明選手が割って入り、

さらにAma-Amaクラスの3番手として、#4レプリスポーツVITAの上野大哲選手と角谷昌信選手が続いていた。

そしてAma-Amaクラスの4番手は、#1 DAISHIN★Progrexx★萬雲塾の大八木龍一郎選手と徳升広平選手。鈴鹿と岡山の、そして富士のチャンピオンが結集、まさに“ザ・チャンピオンズ”というコンビながら予選では不発に終わり、「なぜ、こうなったのか分析中です。必ず決勝では挽回してみせます」と大八木選手は、それでも強気の姿勢を崩さなかった。


Pro-Amaクラス予選トップ

#2 MOLECULE TMR VITA

萬雲恒明選手「僕もけっこう歳いっているし、いつ辞めてもおかしくないので、走れるうちに後輩の阪口良平と、ふたりでレースを1年間楽しもうというコンセプトでやっています。
新車で1年間戦って、チャンピオン獲れたらいいねってことで。
決勝は順当にトップスタートなので、そのまま1位のまま渡せるように、しっかり走りたいです」

阪口良平選手
「今回のために萬雲先輩が新車を用意してくれて、一緒に出たいと言ってもらいました。
いろんなことやったんですが、やっと形になってきたかなという感じで。
もうちょっと距離稼いで、もう少しスピードを足したいところですが、予選はうまくいきましたし、セットアップは良くできたと思います。
決勝ではスタートから先輩に行ってもらいます!」

Pro-Amaクラス予選2番手:

#22 CPホールディングスNILZZ

富田竜一郎選手
「天気が微妙そうなのもあったんですが、初日から見ていて並んでいくときつそうだと思って、少しだけ待ってから出て、いい位置で走れていましたが、そのラップの130Rで赤旗が出てしまって、ちょっと微妙かなと。
でも、たまたま赤旗が出たタイミングが、先頭で戻ってこられるような位置だったので、再開後は完全クリアでアタックできたのは良かったです。

決勝は父がスタートしなくちゃいけないので、まず30分耐えられるかが心配で(苦笑)。

最近、ノースピンとかで終わることがないので、とにかく30分耐えてくれれば、その後に何かあるかなって感じですね」

Pro-Amaクラス予選3番手:

#16 Giddy Up & HERO’S VITA

奥本隼士選手
「雨も振りかけていたので、最初の1周頑張ろうって行って、できる限り頑張ったんですけど、良平さんも富田さんもHIROBONさんもめちゃくちゃ速かったです。
決勝は途中の2スティント目なので、しっかり頑張って中川さんにつなげます。
プロ扱いには僕もびっくりして、まだGT乗っていないんですけど、分かりましたって(苦笑)。明日も頑張ります」

 

Ama-Amaクラス予選トップ:

#0サンズクリエイト& HIROTEX

GAMISAN選手
「HIROBONが頑張ってくれて、僕は何にもしていないですけど(笑)。決勝のスタートはたぶんHIROBONが行ってくれますから、僕は間なんですけど、なんとかHIROBONが築いてくれたマージンを崩さないようにいきたいと思います」

HIROBON選手「う〜ん、ベストなところで引っかかっちゃっているんですよ。だからタイヤのいちばんいいところは使えていないんですけど、なんとか……。赤旗後に出しているので、ちょっとタイムは不満ですけど、一応Ama-Amaクラスでトップなので良かったです。なぜAmaなのって? 僕、Amaですよ(笑)。決勝は相方と一緒に楽しくやります。楽しいレースにしたいですね」

Ama-Amaクラス予選2番手:

#133 SANNO TOMISAN VITA

増本千春選手
「赤旗前はトップで、もう一回アタック行ったんですけど、シケインで引っかかってしまって。それがいちばんベストだったので、トップタイムより1秒速かったんですよ、そこまでは。仕方ない、まぁまぁ上出来です。

決勝に向けては、ダラダラ行くだけです、しんどいんで。耐久は苦手なんですよ、好きじゃないし、集中力が続かないので。でも楽しみます」

Ama-Amaクラス予選3番手:

#4 レプリスポーツVITA

上野大哲選手
「練習ではドライが不調で、ウェットは調子良かったんですよ。それでだいぶ雨乞いしていたんですけど、しっかり当てが外れて(苦笑)。
そんなに下に沈むわけじゃなかったし、Ama-Amaクラスでは3番手なので、とりあえず戦えるところにはいるかって感じはあります。レースを楽しみたいという感じでは僕はありませんけど、オーナーさんを楽しませたいですね」

 


v.Granzクラス決勝レース

 土曜日までの不安定な天気から一転、日曜日の鈴鹿は好天に恵まれた。
いや、恵まれたを遥かに超えて、上空には雲ひとつ浮かんでおらず、昼には気温は35度を超え、もはや真夏日だ。
まだ本格的な暑さに慣れていないため、厳しいことこの上なし、といった状態にもあった

 この厳しいコンディションが集中力を奪ってしまったのか、いきなり波乱の幕開けに。
ローリングスタートということもあり、1コーナーの進入では混乱は生じなかったものの、2周目のS字でVITA3台が絡むアクシデントが発生し、いきなりセーフティカー(SC)が導入されてしまう。

 その時点でトップに立っていたのは、#7 Nonno Pizza With Abbeyの岸本選手。
スタート直後の2コーナーで先頭に立ち、スプーンで2番手に上がっていたのは、#46 ABBEY RACINGの中村賢明選手だ。

2周目の1コーナーでは予選6番手だった、#12 KF MOTORSPORTの三島優輝選手も3番手に浮上。
v.Granzクラスもプロドライバーのスタートが禁じられていたから、こういったミドルフォーミュラを戦う若手が元気いっぱい。
しかし、SCの導入によって、さっそくマージンを稼ぐ術を奪われてしまう。

 この時のSC先導は、わずか2周のみ。が、リスタートでの逆転こそかなわなかったが、中村選手は5周目の130Rで岸本選手をかわして、トップに躍り出る。

さらに三島選手も遅れず続き、トップ争いは三つ巴の様相を呈するように。

しかし、5周目のスプーンで1台がストップ。またしてもSCが導入され、車両改修には2周を要す。
再開後にはトップ争いにも変化が生じることに。
#12 KF MOTORSPORTに対し、スタート手順違反に対するペナルティが課せられ、ドライビングスルーで三島選手は大きく順位を落としてしまう。

 これにより3番手に浮上することとなったのは、#24 MONO☆Team.Phenixの永井秀貴選手。
一方、この時点では#31 G-TECHのOOKA選手は、#9Gluck & KTSの関正俊選手に次ぐ5番手。さらに#8東京IRCニルズvivo v.Granzの西村選手も、9番手にまで順位を戻していた。

 スタートからすでに40分を超えていたこと、#31 G-TECHも勝負に出る。

14周目にピットに戻って三宅選手にスイッチ。

そして次の周には#24 MONO☆Team.Phenixも、永井選手からFLYING RAT選手に代わる。それとほぼタイミングを同じくして、またもスプーンでコースアウトした車両が!

 16周目から三たびSC導入となるも、アクシデント発生と知るや否や、#46 ABBEY RACINGが中村選手をピットに戻したのは好機転。直前であったことからSCが入ってなお、松本吉章選手選手への交代と併せ、給油できた上にロスを最小限にできたからだ。

 3周後にSCランが解除されると、続々とピットに入ってくる中、トップに返り咲いた#7 Nonno Pizza With Abbeyは、そのままステイ。
ようやくカルミネ選手と代わったのは、22周目でスタートから1時間2分を経過していた。
v.Granzがここまで走れるとは誰も予想していなかったはず。
連続周回は45分程度と言われていたが、ここまで伸ばせたのは3度のSCランのおかげだろう。
非競技時間は、ほぼ30分にも達していたが、その度胸が恐れいる。

 これによりトップに立ったのは#31 G-TECHの三宅選手。SC導入中は事実上の3番手だったが、リスタート後に#24 MONO☆Team.PhenixのFLYING RAT選手をまず抜いて、22周目には#46 ABBEY RACINGの松本選手をパスしていたのだ。

 一方、4番手を走行していた#7 Nonno Pizza With Abbeyは、またもギャンブルに討って出る。27周目にはもう岸本選手に代えたのだ! ピット滞在時間の180秒を加えても、ゴールまで40分以上を残すが、果たして果たして……。

#46 ABBEY RACINGも次の周には、再び中村選手をコース上に送り戻す。

 そんな後続の戦略を尻目に、ひたすら逃げ続けたのが#31 G-TECHの三宅選手。
それでも、先の交代から50分近く走り続けていたのだから、燃費もしっかり稼いでいたことになる。

これでトップに立ったのは#88 k-one Racing Team with CALLの小山美姫選手。予選こそ7番手ながら、それまで重ねてきた我慢が最後に実ったかと思われた。

しかし、#31 G-TECHのOOKA選手がコースに戻って間もなく、4回目のSCランが。OOKA選手の前にいる車両は、いずれも義務づけられた2回目のドライバー交代を終えていない! しかもSCが率いる隊列の後尾につけられたということは……。

 最後のSCランが終わると、続々と各車ピットに戻る一方で、小山選手は2周コース上に留まるも、これは奇襲作戦とはならず。
もちろん、その時トップに立っていたのは#31 G-TECHのOOKA選手。

2位にさえ実に1分36秒もの大差をつけて、トップでチェッカーを受けて、シリーズ化された新生「MEC 120」の記念すべき初戦で、三宅選手とともに総合優勝を飾った。

そして2位は早めに2度目の交代を済ませた、#46 ABBEY RACINGの松本選手と中村選手。

さらに3位は大ギャンブルを成功させた、#7 Nonno Pizza With Abbeyのカルミネ選手と岸本選手が獲得した。
最後のSCランもまた、この2台を楽にさせたようだ。


総合優勝/v.Granzクラス優勝:#31 G-TECH

OOKA選手「三宅選手に、全て助けられたと思っています。優勝の実感は全然沸かないんですが、三宅選手の力、人の力でも嬉しいですね。今度は僕が頑張ります!」

三宅敦詞選手「本当に展開には恵まれましたね! SCも多くて荒れた展開でしたけど、オーナーさんと楽しめて、かつ優勝することができて良かったです!」

 

総合2位/v.Granzクラス2位:#46 ABBEY RACING

松本吉章選手「ちょっと悔しいところもあるんですが、自分がペースを上げられなくて、けっこうつらかったですね。タイヤ的にも、体力的にも厳しかったですけど、良かったです」

中村賢明選手「最後、逆転できるはずだったんですけど、タイミングが悪かったので、そこでちょっと。しょうがないです。タイミングばっかりは運なので。でも、車はすごく良かったです」

総合3位/v.Granzクラス3位:#7 Nonno Pizza With Abbey

カルミネ・コッツォリーノ選手
「まさか僕にインタービュするとは思わなかったでしょう、息子にはしても? 
まさか、こういう日がやってくるとは思わなかった。
僕が表彰台とか、そういう感覚ではやっていなかったので。たまたま岸本と組んで、金曜の朝、最初の走行でタイムを見たら、『おかしい、これ』って。そこからチーム全体でムードが変わりました。
たぶん、この車との相性、すごく合っていた。僕にもアドバイスくれたから、僕のスティントもなんとか。ありがとうございました!」

岸本尚将選手
「もうSC出まくりだったので、最後は僕が多めに走って、賭けでしたけど。
燃費が悪そうだったので、ガス欠覚悟で、ちょっといけるかなって心配だったんですけど、狙いどおりSC入ってくれて、最後までプッシュすることできたので、作戦成功です。オーナーの方がすごく喜んでくれたので、めちゃくちゃ嬉しいですね」

4位は#24 MONO☆Team.Phenixの
FLYING RAT選手と永井選手。

5位は#37 NOPROプロトカープロジェクト03の
野上敏彦選手と野上達也選手、小西岬選手。
序盤のシケインでのスピンがなかったら……。

さらに6位は#59 ABBEY RACINGで、普段はCS2でライバルとして戦い合う、
いむらせいじ選手と成瀬茂喜選手が、
ガッチリ手を組んで入賞を果たしている。

 また小山選手が山本恭平選手とともに走らせた、#88 k-one Racing Team with CALLは、終盤に訪れた好機を生かせず、無念の7位。

そして予選を沸かせた#8東京IRCニルズvivo v.Granzは、SC中の追い越しにより、ドライビングスルーペナルティを課せられたことが尾を引き、11位に終わっている。

■v.Granz 決勝リザルト

1位:G-TECH OOKA/三宅 淳詞
2位:ABBEY RACING 松本 吉章/中村 賢明
3位:NonnoPizzaWithAbbey Cozzolino Carmine/岸本 尚将
4位:MOMO☆Team.Phoenix FLYING RAT/永井 秀貴
5位:NOPROプロトカープロジェクト03 野上 敏彦/野上 達也/小西 岬
6位:ABBEY RACING いむら せいじ/成瀬 茂喜

 


VITAクラス決勝レース

 Pro-Amaクラスが存在しても、プロドライバーはスタートに起用できず、またAma-AmaクラスとはいえVITAを知り尽くしたコンビも多いため、常にクラスの垣根を超えたバトルが激しく繰り広げられた。

 スタートから激しくトップを争い合ったのは、#2 MOLECULE TMR VITAの萬雲選手と#0サンズクリエイト& HIROTEXのHIROBON選手。まずはオープニングラップのうちにHIROBON選手が前に出る。

この戦いに、1回目のSC後には#4レプリスポーツVITAの上野選手、#16 Giddy UP & HERO’S VITAの奥本選手、#133 SANNO TOMISAN VITAの増本選手も加わるようになり、それぞれ目まぐるしく順位を入れ替えていく。

 度重なるSCランは、結果的に予選で遅れをとった#1 DAISHIN★Progrexx★萬雲塾に、挽回の機会を与えることともなった。徐々に大八木選手が順位を上げ、2回目のSC後にはトップを争う5台の背後まで迫るように。


そこでスタートから34分経過した、
11周目には#1 DAISHIN★Progrexx★萬雲塾は、徳升選手にスイッチ。

次の周には#2 MOLECULE TMR VITAも、早々と阪口選手を投入する。

すると、負けじと13周目には#0サンズクリエイト& HIROTEXもGAMISAN選手へ。
SCが入って燃費に余裕ができたはずだが、どうやらチームメイト同士で、他のチームは眼中にないとも言わんばかりの真っ向勝負を繰り広げていた。

 代わってトップに立った#4レプリスポーツVITAの上野選手も、角谷選手に15周目には交代。
この直後に3回目のSCランが実施されるも、タイミングが合わず順位を落とすように。

トップを争っていた、もう一台の#133 SANNO TOMISAN VITAはSCラン後の交代となって、やはり順位を落としていた。

 レースが落ち着きを取り戻すと、事実上のトップに躍り出ていたのは阪口選手で、

追いかける格好となっていたのは徳升選手。

その一方で、少々驚きだったのは、最後までピットに入らず総合トップも一時走った#371 KeePer VITAは、有村将真選手から天谷怜奈選手への交代を24周目まで、実に1時間9分も引っ張っていたことだ。いかにSCが長く入ったとはいえ、これは貴重なデータにもなるだろう。

 一時は4秒以上もあった阪口選手のリードながら、これを徳升選手が徐々に詰めていく。27周目にはVITA使い最速となる、2分26秒697をも記し、30周目にはついに1秒を切るまでとした徳升選手だったが、コース上での逆転は果たせず。

31周目には同時にピットに入って、再び萬雲選手と大八木選手に勝負を託したからだ。

 この間にトップに立ったのは#117 ANDY Team M Vitaの三浦選手。
予選はPro-Amaクラスの4番手ながら、中島選手からバトンを渡された後に、やがてGAMISAN選手の背後まで迫るまでに。

これに恐れをなしたのか、#0サンズクリエイト& HIROTEXも28周目には、HIROBON選手と交代していたほどだった。

レースは終盤に差し掛かり、全車が最後のピットを済ませるとトップに立つだろうと思われていた、#2 MOLECULE TMR VITAだったが、34周目に差し掛かったばかりのS字でストップしているではないか! 「目の前でスピンされて、避けようとしたところをv.Granzの一台にガ〜ンとオカマ掘られた」と萬雲選手。これがゴールまであと15分のタイミング、戦列復帰ならず、無念のリタイアとなった。

 #117 ANDY Team M Vitaも34周目に三浦選手から、長島選手に交代するとポジションを明け渡すこととなり、

代わってトップに立っていたのが
#1 DAISHIN★Progrexx★萬雲塾の大八木選手。

さらに#0サンズクリエイト& HIROTEXのHIROBON選手、

#133 SANNO TOMISAN VITAの増本選手が続いて、VITA勢全体のトップ3をAma-Amaクラスで占めるように。

 そのまま逃げ切りを果たし、VITA勢としては唯一42周走破に成功した、

#1 DAISHIN★Progrexx★萬雲塾の大八木選手と徳升選手が優勝を飾って、
”ザ・チャンピオンズ“ここにありを、
改めて実証することとなった。

2位は#0サンズクリエイト& HIROTEXのGAMISAN選手とHIROBON選手が獲得。4秒遅れて#133 SANNO TOMISAN VITAのTOMISAN選手と増本選手がチェッカーを受けた。

そしてPro-Amaクラスのトップとして、土壇場まで4番手に長島選手がつけるも、

これにヒタヒタと迫っていたのが#22 CPホールディングスNILZZの富田竜一郎選手だった。いつの間に、と誰もが思ったはずだ。

 富田栄造選手がスタートを務めたため、序盤に順位を落としてはいたが、それは作戦として想定内。むしろ序盤に相次いだSCで交代を8周目、スタートから30分近くまで伸ばせたことが、やがて福音を呼び込む要素に。実は3番手まで富田竜一郎選手が3番手まで順位を上げていた25周目に2回目のピットに入っていた。

しかし、その次の周に#22 CPホールディングスNILZZは、またピットに入ったから誰もがトラブル発生を疑ったはずだった。

 しかし、これこそ世紀の大作戦! たった1周だけで親子の交代を行なっていたのだ。話は戻って、長島選手に代わったばかりの#117 ANDY Team M Vitaの背後につけた、富田竜一郎選手は激しい追い上げの勢いで、なんとラスト2周の逆転に成功。これがPro-Amaクラスのトップ交代シーンともなった。

 #22 CPホールディングNILZZの富田栄造は76歳にして、悲願のレース初優勝。富田竜一郎選手の作戦の妙もあって、Pro-Amaクラス最初のウィナーとなった。

さらに最終ラップには#5 SHINSEI MIDLAND C27の中里紀夫選手にも、長島選手は逆転を許していたが、どうやらこれには気づいていなかったようだ。

 クラス2位は得たものの、ドライビングスルーペナルティを課せられていた#5SHINSEI MIDLAND C27。まさか、まさか……と思われたものの、SC中の追い越しは中里選手がしていたとあって、レース後は「申し訳ない」とばかりに、うつむき加減だったのが印象的だった。


Ama-Amaクラス

 Ama-Amaクラス優勝:#1 DAISHIN★Progrexx★萬雲塾

大八木竜一郎選手
「相方もいい走りをしてくれて、いいレースできたと思います。僕自身、実はペースをあんまり上げられなかったんですが、無事に勝つことができて、今日は幸せです。シリーズを追いかけます、チャンピオン獲ります、よろしくお願いします!」

徳升広平選手
「このような舞台を用意してくれた、大八木さん、萬雲さん、皆さんに感謝ですね。期待に応えるような走りと結果が出せて、ホッとしております。この走りを続けていきますので、応援よろしくお願いいたします」

Ama-Amaクラス2位:#0サンズクリエイト& HIROTEX

GAMISAN選手「2位ですが、嬉しいです。自分の順位をなんとか守ろうと頑張ったんですが、なかなかうまくいきませんでした。それでも、やれるだけやりました」

HIROBON選手
「とにかく荒れていましたよね。最初のスティントの時、スピンされちゃって、避けるのにも、巻き込まれないように走るだけでも大変でした。あんなにSC出なかったら、また違った展開になっていたかもしれませんね。なんせ暑かったから。大変でした」

Ama-Amaクラス3位:#22 SANNO TOMISAN VITA

TOMISAN選手「疲れました。なんとか僕は熱中症にならずに済みました。けっこう出ましたね、SCが。まぁ、無事にサバイバルゲームに生き残った感じでしたね」

増本千春選手「本領はまぁ、発揮できました。頭が痛い中で頑張りました、熱中症で。暑かったです。でも、無事で良かったです」

■Ama-Ama 決勝リザルト

1位:DAISHIN★Progrexx★萬雲塾 大八木 龍一郎/徳升 広平
2位:サンズクリエイト&HIROTEX GAMISAN/HIROBON
3位:SANNO TOMISAN VITA TOMISAN/増本 千春
4位:おさきにどうぞ☆VITA 山本 龍/大竹 将光
5位:マルテンサイトVITA 武地 孝幸/猪股 京介
6位:野郎レーシング 萬雲塾 VITA 上田 裕司/西澤 耕治

 


Pro-Amaクラス

 

Pro-Amaクラス優勝:#22 CPホールディングスNILZZ

富田栄造選手
「おかげさまで、息子が頑張ってくれたおかげです。僕は最初を走ったので、僕より速い方、7台ぐらいに抜かれたんですけど、でも同ラップでずっと25分ぐらい走れたので良かったです。
優勝は初めてです、おかげさまで。
76歳で1位は、ちょっといいですよね!」

富田竜一郎選手
「3ピットです。もともと最初から2回給油の後に、アウト〜インでドライバー交代しようと決めていて、それが終わって数周でSC出てくれた時に、まだみんな1回しか入っていなくて、明けに2回入る車が多かったおかげでリードラップに戻れたのが、一番ラッキーだったかなと思います。
あとスタート後、SCが長引いてくれたおかげで、父のスティントがだいぶ楽な方向に行ったのも良かったです。
運が良かったって気がします」

Pro-Amaクラス2位:#5 SHINSEI MIDLAND C27

中里紀夫選手
「すいません、SC中の追い越しという、超ど素人なことをやってしまいました。犯人は私です。大先生(服部選手)がそんなこと、滅相もありません(苦笑)。本当に悪うございました。いろいろラッキーもあったんでしょうけど」

服部尚貴選手
「他の何台かがトラブったりして、落ちてくれただけで、うちらは決して速く走っていません(笑)。
完全に、淡々と走っていて、一回ペナルティがあって、もう酷いんだろうなって思っていたら、いろんなトラブル抱えている人たちがいたから助かりました。SC中の追い越しなんて、まったくいただけませんが、結果は残ったので、良かったです。面白かったです」

Pro-Amaクラス3位:#117 ANDY Team M Vita

中島佑弥選手「VITAは6年ぶりで、富士で乗って以来。タイヤも変わって、まわりのレベルも上がって、正直な話、ちょっとで行けるだろうと思っていたら、やっぱり鈴鹿はレベル高いですね。
でも、楽しかったです、本当に面白いレースでした。あと、SC速い(笑)。それこそSFで大湯くんが言っていましたけど、同じぐらい速かったです」

三浦愛選手「このチームで初めての耐久で、鈴鹿でのVITAで、本当に長島さんたちドライバー、スタッフがいなければ、今の私にはできなかったことなので、まず完走できたことに感謝です。ありがとうございます」

長島正明選手「優勝できそうだったんだけど、仏心出ちゃって、富田竜一郎に行かせちゃった。とにかく、今回は愛ちゃんに恥書かせたくないって来て、優勝で終わらせたかったけど、3位かぁ。1位じゃなかったら、3位もビリも一緒(苦笑)」

 

■Pro-Ama 決勝リザルト

1位:CPホールディングスNILZZ 富田 栄造/富田 竜一郎
2位:SHINSEI MiDLAND C27 中里 紀夫/服部 尚貴
3位:ANDY Team M Vita 中島 佑弥/三浦 愛/長島 正明
4位:TSUMUGI PG  FG VITA Ken Alex/佐々木 孝太
5位:ヨシムラオートVita 吉村 雅一/谷川 達也
6位:MOLECULE TMR VITA 萬雲 恒明/阪口 良平