北海道クラブマンカップレース第4戦
9月24〜25日 十勝スピードウェイ
9月も下旬となり、早くも秋の装いを漂わせ始めた十勝スピードウェイで、「北海道クラブマンカップレース第4戦」が9月24〜25日に開催された。
朝晩などは涼しいを通り越して寒いぐらいで、土曜日までは昼間でも長袖着用がマスト。
なお、2デイイベントではあったが、土曜日に予選を行ったのは併催のGR86/BRZ Cupだけで、VITA-01など十勝のオリジナルカテゴリーはすべて予選、決勝が日曜日のうちに行われた。
練習走行が行われた金曜日は終日、雨に見舞われ、土曜日もまた雨は降ったりやんだりを繰り返し、VITA使いたちはこの週末、誰もドライコンディションを走れていない。これがどんな影響を及ぼすのか?
公式予選
先にも触れたとおり、この週末、誰もドライコンディションを経験せず、挑むこととなった公式予選。しかし、日曜日の十勝は天候が一転、北海道の広い空に見渡す限り雲はなく、さわやかな青空の下で予選が開始された。なお、今回のエントリーは17台だ。
#777 関 亜由美選手
#516 織戸茉彩選手
先頭でコースインしたのは、ディフェンディングチャンピオンの佐藤元春選手(恒志堂レーシングVITA 12号機)。前回の3時間レースをリタイアしているため、連覇には後のない状況ではあるが、意識の高さは道内随一だ。その佐藤選手がじっくりタイヤに熱を入れていく中、
計測1周目からアタックを開始したのが、第2戦ウィナーの大島良平選手(TBR #778 VITA)だ。
まずは1分33秒979を記録する。だが、大島選手は位置取りに失敗したことから、その後はいったん間合いを整えることに切り替える。
計測2周目、佐藤選手が満を辞してトップに浮上。1分33秒773、1分33秒304、1分33秒391と3周連続で好タイムを連発する間に、チームメイトの浅井康児選手(恒志堂レーシングVITA 310号機)も1分33秒426で2番手に躍り出る。
フロントロー独占となるかと思われたのも束の間……。
ラスト3周のアタックで、大島選手が1分33秒258でトップに返り咲き、次の周には1分33秒031にまで短縮を果たす。その一方で佐藤選手も負けていない。直後に出したのは1分33秒038で2番手に甘んじるも、その差は1000分の7秒! また、この周には坂本幸照選手(十勝スクールY’S VITAチームナオト)も1分33秒165で、一気に3番手に浮上して、後半伸び悩んだ、浅井選手をも従えた。
5番手には遠征ドライバーながら、スーパー耐久でチャンピオン経験を持ち、また3時間耐久の常連でもある後藤比東至選手(M.A.R.T・STEP・VITA)が1分33秒481で、そして6番手にはラストアタックで1分33秒971を叩き出した、平中繁延選手(HDC 日本平中自動車 VITA)がつけていた。
ポールポジション:大島良平選手(TBR VITA #778)
「ちょっと遅くコースインした方とか、周回遅れになった方とかが最初の1、2周いて、どうしてもアタックできない状況だったので、そこは潔く待って。タイミング的にも、ちょうどいい間隔をとって、前がクリアになった最後の3周ぐらいで勝負をかけるような感じでした。ギリギリでしたけど、本当にもう、こんなの!
僕は、心が崩壊しちゃうぐらいドキドキしていて(笑)。
毎回、抜いたり抜かれたりのレースを予想はしていましたけど、間違いなく今回もそうなるなと思いますね。ポイントリーダーみたいですが、全然関係ないじゃないですか、ちょっとしか差がついていないので。僕もどこで車壊れるか分からないし、どこで飛び出すか分からないし。
だから、本当にそこらへんはまだ上に行っているとは思えないし、常に追いかけるぐらいの気持ちで行きます」
予選2番手: 佐藤元春選手
(#12恒志堂レーシングVITA 12号機)
「いや〜、1000分の7! でも、全開で走った結果なので、大島選手がそれよりいい走りをしたというだけのことです。ほぼ、自分の中では実力を出し切った走りだったので。
けっこう上位陣が今回は僅差なので、決勝に関してはクリーンなバトルを心がけて、その中で勝っていきたいと思っています」
予選3番手:坂本幸照選手
(#17十勝スクールワイズvitaチームナオト)
「う〜ん、あんまりうまくはいかなかったんですけど、その割には思ったより差がなかったなという感じなので、決勝にはつながると思います。先週から乗り込んでいたので、ドライは他の人より走れています。もうちょっとですね、トップ2が速すぎます。すごい強敵なので、なんとか食い込んでいきたいです。前回よりも差がないので、頑張ります」
予選4番手:浅井康児選手
(#310恒志堂レーシングVITA 310号機)
「1〜3番手はかなり僅差で、僕はちょっと、コンマ3遅れている感じですね。タイヤが思った以上にグリップして、行ける感触はあったんですが、グリップ感とタイムはちょっとずれているんですね、実は。後半、欲をかいて攻め込むと最後、スピンしてしまって、そのまま終了という形でした。でも自分の限界までは出せた感じです。決勝に向けて、頑張ります!」
予選5番手:後藤比東至選手
(#55M.A.R.T・STEP・VITA)
「自分の中では自己ベストですし、自己ベスト順位なので、良かったです。昨日、一昨日とドライの中で1回も走れなかったので、遠征組の中で頑張れればいいなと思っています」
予選6番手:平中繁延選手(HDC 日本平中自動車 VITA)
「なんか変わったことしたからかな? タイヤを陽に当てて温めて、それで考えながら設定したんだけど、本当に遅い。17日の練習では温度も低かったけど、32秒の5とか6出していたんだけどね。
なんか変だから、タイヤ冷やしたんだよ。そして、もう一回アタック。
でも、4ポストのあたりで黄旗が出ていてね。練習の成果が出なかったので、がっかりでした」
7番手:村上泰規選手
(#77 KAWASAKI MRC VITA)
8番手:松橋智史選手
(#555 松橋歯科クリニックSTEPVITA)
9番手:工藤大佑選手
(#910恒志堂レーシングVITA910号機)
10番手:星野 丈選手
(#95 HirooBMARTSTEPVITA)
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決勝レース
決勝レースは、このレースウィークの最後に行われた。この頃には上空に雲も浮かぶようになって、それがまた、よけいに秋らしさを感じさせもした。
さて、エントリーしたマシンを一台も欠くことなく、グリッドに並べられたレースは、いつものとおり12周での争いだ。
注目のスタートは、ポールシッターの大島選手が完璧に決めて、佐藤選手を従えて1コーナーをクリアしていく。上位陣のポジションは予選と変わらず。そして1周目を終えると、早くも大島選手は佐藤選手に1秒の差をつけていた。
坂本選手、浅井選手が佐藤選手にピタリと続き、4番手は後藤選手と平中選手が争う状況。
2周目にはこれに工藤大佑選手(恒志堂レーシングVITA 910号機)と村上泰規選手(KAWASAKI MRC VITA)、松橋智史(松橋歯科クリニックSTEP VITA 555)が加わるようになる。5台が一列で連なっていく中、最初に動いたのが平中選手だったが、6周目の1コーナーで後藤選手を抜くのに一瞬の躊躇があって、その隙を村上選手に逃さず捕らえられてしまう。
さらに8周目、工藤選手と松橋選手に接触があり、ともに大きくポジションを落とす中、8番手に浮上したのが星野丈選手(HirooB☆MART☆STEP VITA)で、そのまま4番手争いのしんがりへ。
その頃には大島選手が、もう完全に独走体制。5周目にファステストラップとなる1分32秒838を記して、差を2秒まで広げていたからだ。
そして、2番手以下も佐藤選手、坂本選手、浅井選手の順で単独走行となっていた。
さらに終盤に現れたバックマーカーは大島選手こそ、スムーズにかわせていたが、遭遇場所の悪かった佐藤選手は、さらに間隔を広げられてしまう。
一方、5番手争いはなおも激しく続いていたが、11周目の3コーナーで平中選手は、村上選手に追突されて、なおも順位を落とす羽目に。これで星野選手がまたしても順位を上げて6番手に。
最後は5秒6の差をつけ、大島選手が初めてのポール・トゥ・ウィンを達成。
今季2勝目をマークした。
以下、佐藤選手、坂本選手、浅井選手、後藤選手の順でゴールし、ここまでは予選同様。
予選10番手から冷静なレース運びを見せていた星野選手が、第2戦に続く6位を獲得した。
残すは10月16日に行われるシリーズ最終戦のみ。形勢は大きく大島選手に傾きつつあるが、勝負の世界に絶対はない。佐藤選手の逆襲、そしてふたり以外のドライバーの優勝にも期待したい。
優勝:大島良平選手(TBR VITA #778)
「スタートはいつも決まらないんですが、今日はうまく決まりましたね。練習したんですよ、その甲斐がありました。良かった、こんなに逃げられたことは今までなかったので、なんか不思議な気分です。でも、(佐藤選手との間隔が)一回開いたと思ったら、次に逆転するぐらいの勢いで迫られました。そんなに簡単なものじゃないっていうのは、5年も6年もやって分かっているので、まだまだ努力して、もっと速くなれるように頑張ります」
2位:佐藤元春選手(恒志堂レーシングVITA 12号機)
「自分の走りとしても、マシンとしてもかなり限界を引き出して走っていたので、最終戦に向けてセッティングも、もっと煮詰めていきたいと思います。バックマーカーがからんじゃって、タイミングも悪かったし、からんだコーナーも悪かった。コーナーで詰まっちゃって減速せざるを得ない、今回はいろんなレースをやっていたので、レーシングラインを外すとタイヤカスを拾っちゃうので、それも避けたい。減速せざるを得なかったという、そんな状況でした」
3位:坂本幸照選手(十勝スクールY’S VITAチームナオト)
「前のふたりでバトルするかなと思っていたら、まず大島さんが速い。かなわなかったので、佐藤さんに着いていこうと思ったんですが、自分のミスが多くて、着いていけなかったですね。周回遅れも出てきましたが、それ以前に勝負に決着ついてしまったので、諦めずに走ったんですけど……。何か上積みして、ふたりにまた挑戦したいですね」
4位:浅井康児選手(恒志堂レーシングVITA 310号機)
「やっぱりまだ実力不足。スタートでまずミスしちゃって、あと細かいミスをしちゃった分、下がってしまいました。追いついてもまたミスをして、ちょっとずつ下がるという……。細かい操作でやっていかないといけないと痛感したレースでした。ただ、次につなげられるデータも取れたので、頑張って次こそ行きますから、期待していてください」
5位:後藤比東至選手(M.A.R.T・STEP・VITA)
「ありがとうございます。平中さんとバトルを楽しむことができました。楽しかったです。平中さんの方がベテランだけど、ぼくもベテランの味を見せて(笑)。はい。初めての入賞なので良かったです」
6位:星野丈選手(HiroB☆MART☆STEP VITA 555)
「前にじわじわ近づいていって、プレッシャーを与えていたつもりだったんですが、そしたら本当に、僕の前で2台飛んで行きました。第2戦の6位より今回の6位の方が、内容の良い6位でした。エンジンは旧型なので、そこのハンデはありますけど、6位まで行けているので、なんとかセットを自分のものにして、もっと上げていければ。
今日は壁の33秒台にも入ったので、非常に良かったです」
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〈シリーズポイント〉
2022年十勝VITAレースが面白い!
同ポイントで挑む、10月16日最終戦🏁
勝利の女神はどちらに。。🏎💨
大先輩平中選手は
『レースは身体を健康にしてくれるよ』と
シリーズポイント3位を手にして迎える。
[十勝スピードウェイ]
車好きは日本中に溢れている。
VITA CLUB