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北海道クラブマンカップ第3戦
2021/08/29 レポート

北海道クラブマンカップレース第3戦 VITA-01

8月29日 十勝スピードウェイ

8月の終わりとはいえ、全国的にはまだ厳しい暑さが続くが、そこは北の大地・北海道。
練習走行が行われた土曜日は、多少暑さを感じたものの、予選、決勝レースが行われる日曜日は、
爽やかな青空に恵まれてなお、実に心地よい気候となっていた。

さて、本来ならば十勝スピードウェイで開催される「北海道クラブマンカップレース第3戦」は、
大人気の86/BRZレースやヤリスカップと併せて行われるはずだったが、
コロナ禍によって開催延期になってしまった。
その結果、1デイイベントで十勝オリジナルの3レースのみ開催された。
もちろん、入口での検温、消毒は欠かさず、パドック内の随所で感染予防に対する配慮は怠りなし。

ただ、VITA-01レースにおいても前回3位の古井戸竜一選手ら、参戦を見合わせたドライバーもおり、今回のエントリーは12台に留まった。

前述のとおり、爽やかな天候に恵まれる中、予選は9時35分から20分間の計測で実施された。真っ先にコースインしていったのは、前回のウィナーである佐藤元春選手。

逆に、その佐藤選手と激しいトップ争いを繰り広げた平中延繁選手は、あえて一呼吸置いたしんがりでのコースインとなり、これがどう影響を及ぼすか注目された。

計測1周目から1分33秒台に入れてトップに立った佐藤選手は、その後もじわりじわりとタイムを詰めていき、計測3周目に1分33秒323を出すと、次の周には1分32秒839をマーク。その後は、ライバルに対する牽制の意味合いもあったのだろう。タイムアップは果たせなかったものの、1分32秒台をコンスタントに連発。しかし、誰にも逆転を許さなかったばかりか、他に1分33秒台を切る者は現れず、2戦連続のポールポジション獲得となった。

ポールポジション:佐藤元春選手(恒志堂レーシングVITA 12号機)

「このぐらいの気温、路温だと、4周、5周目がピークなので、そこで結果を出せるようにって、しっかりタイヤを温めて、いちばんおいしいところでクリアが取れて、アタックできてポールポジションが獲れました。
クリアラップ獲れたんで、今日は嬉しいですね。決勝では、ポール・トゥ・ウィン目指して頑張ります!」

一方、平中選手は遅れて出たことが裏目に出てしまい、混走のザウルスジュニアやクールダウンの車両に相次いで行く手を阻まれ、ラスト2周でようやく1分33秒305を出すことに。それでも2番手につけ、フロントローは確保。

予選2番手:平中繁延選手(HDC 日本平中自動車VITA)

「なんだろうね、空気圧なのか、左リヤが滑っちゃってね。
それとね、今回わざと遅く出たんですよ。誰もいないところ走っていたら、いいやって。
そしたら、ちょうどいいところにジュニアに引っかかって、少ししたらまた2台に。『あれ? そんな早く』って。怒っているわけじゃないけど、これはもっと離れたほうがいいぞって、ペース落として少し開いたところでスパートかけたんですが、十分じゃなかったですね」

3番手は佐藤選手のチームメイト、浅井康児選手がほぼ同じタイミングで1分33秒537をマーク。

予選3番手:浅井康児選手(恒志堂レーシングVITA310号)

「新品タイヤの合わせ込みがうまくいって、5周目にいいラップが取れました。まだ目標には足りていないんですが、結果だけ、順位だけ見れば、まぁまぁというところで。
もうちょっと技術の向上が必要だと思っています。決勝では安定したラップを刻む必要がありますが、ひとつでも上に行こうという意気込みで行きたいと思います」

同じくチームメイトの中川隆吾選手は、逆に平中選手同様、ラスト2周で1分33秒545を叩き出して4番手となった。

5番手が鬼塚益生選手で1分33秒573。

そして、坂野研選手がようやく姿を見せ、1分33秒695で6番手につけることに。
「じっくり行くつもりが、じっくり行かずに終わってしまいました。ちょっと予定外です。なんか調子悪くて、原因が自分なのか、クルマなのか分析している最中です。決勝でまくらなくちゃいけないので、原因を追求してから挑みたいと思います」と坂野選手。
実際12周の計測のうち、1分33秒台に入れられたのもわずか3周、ベストタイムも最後の最後に出すのは、明らかに緊急事態のはずだ。

KYOJO CUPでも大活躍のRINA ITO選手♪


決勝レースは今回も12周で争われる。ただ、直前に行われたN0-1000の予選終了から、VITA-01レースのコースイン開始までのインターバルが、わずか10分間しかなかったことには、苦言を申し上げたい。両方に参加しているチームもあるのだから、そこは配慮してあげる然り。ここは走行会イベントを挟むべきであった。

今回は全車クリーンスタートが切られ、またしても鋭いダッシュを決めたのが平中選手。
1コーナーの進入でインから佐藤選手をかわし、トップに躍り出る。

これに浅井選手、そしてひとつポジションを上げて鬼塚選手が続くも、その先で中川選手と痛恨の接触が。
中川選手はマシンを止めてリタイア、鬼塚選手はほぼ最後尾まで後退してしまう。
これで労せずして坂野選手は4番手に浮上する。

1周目を終えると、早くも平中選手と佐藤選手は後続を引き離していた。絶えず1秒と遅れず一騎討ちでのトップ争いを繰り広げるも、佐藤選手は今ひとつ決め手を欠いている感も。

一方、その後方では浅井選手との差を、徐々に坂野選手は詰めていた。中盤には背後に着くまでとなるが、浅井選手のガードは固く、

その間に松橋智史選手と大島良平選手が争いながら近づいてきた。

そして、その後ろでも激しいバトルが。RINA ITO選手を先頭とする7番手争いの集団に、割って入ったのが鬼塚選手。山口琢美選手、坂本幸照を相次いでかわした後、今度はITO選手にも迫ったが、6周目の1コーナー立ち上がりで接触してしまう。ITO選手はコースに踏み留まったものの、坂本選手と山口選手に抜かれて9番手に後退、そして鬼塚選手はピットに戻ってリタイア。

話は戻って3番手争い。坂野選手が9周目のストレートエンドで並び、1コーナーでようやく浅井選手を攻略。しかし、その間にトップグループは15秒以上も先を行って、その後はポジションキープに専念せざるを得ず。逆に浅井選手は、10周目に松橋選手にもかわされていた。

迎えた最終ラップ。ここで佐藤選手が勝負に出た。ピタリと背後に着いた状態から、ついに1コーナーで待望のトップに躍り出たのだ。もちろん平中選手も遅れることなく続いたが、再逆転のチャンスは与えられず。コンマ362秒差で辛くも逃げ切った。佐藤選手が嬉しい2連勝を達成した。

2位は平中選手で、

3位は坂野選手。唯一3戦連続で表彰台に上ることとはなったが、ポールポジション獲得の1ポイント、さらに9周目にはファステストラップを記録して、もう1ポイント加えていた佐藤選手に、2ポイント差ながらランキングのトップを明け渡していた。

次回は3時間耐久レースとして、9月26日に開催される予定。チャンピオンシップを占う上での、大一番となりそうな予感だ!

優勝:佐藤元春選手(恒志堂レーシングVITA 12号機)

「1コーナーで抜けました、ファイナルラップの! でも、きつかったですね、平中選手が速かったので。チェッカー出るまで諦めないで行こうと思ったので、それが功を奏しました。この連勝は大きいですね!」

2位:平中延繁選手(HDC 日本平中自動車VITA)

「はは、もう1周あると思ってた。佐藤さんは最後、狙っていたのかもしれないね。
いきなりプッシュしてきたから、『あれ、どうしたのかな』と思って。したら、最終ラップだったんだな。
頑張っているなぁ、って思っていたらチェッカー振られちゃったよ〜(笑)」

3位:坂野研選手(ハイパーネット★東北海道ヤナセVITA 01)

「なんとか3位に食い込んだけど、遅い。どうやらエンジンがおかしいようですね。ちょっと考えます。
2コーナーまでに4番手に上がって、その後も3番手の人と勝負して、ガチンコで並んで1コーナーに入っていって、向こうもスペース開けてくれたので、なんとか切り抜けられました。
3位になれて良かったです、とりあえず。安心ポジションです(笑)」


9月26日に毎年恒例の3時間耐久レースが開催されます。
チャンピオンシップを占う上での、大一番となりそうな予感がします!
あいにく富士のレースと重なってしまいましたが、
【VITA倶楽部AWARD】をご用意して、レースレポート取材班が追いかけます。
チャンピオン決定戦のレポート、どうぞお楽しみに。

九州オートポリスは『温泉』レース🏎でしたが、
北海道十勝スピードウェイは『海鮮』レース🏎
今回のエントリーメンバー、楽しそうです♪
お楽しみに🏁💨