VITAもてぎ・菅生シリーズ第6戦
🏆雨の洗礼!
窪田が譲らぬPole to WINで今季初優勝!
2025年のVITAもてぎ・菅生シリーズ第6戦は、
うち2戦をスポーツランドSUGOで開催し、今回がその今季ラストレースとなる。
前回のSUGO大会、すなわちシリーズ第3戦は16台が参加したが、今回はわずか9台のみ。
同じ日に筑波シリーズも開催されることも、少なからず影響しているのだろう。
しかし、大接戦でタイトルを争い合うランキング上位陣は揃って姿を見せているから、物足りなさは皆無。
トップは#80志賀卓也選手(シードソリューション・マーズ・01)で、
5.5ポイント差で続くのが、#32カワモトミツル選手
(シンエイジャパン&オートルックVITA)
そこから1ポイントずつ差を置いて、
#83柿沼一峰選手(プラチナ恵比寿NUTEC制動屋VITA)と
#30窪田俊浩選手(A-PEX☆TOKAIDENSO☆VITA)が続いている。
要するに、たった7.5ポイント差で4人が並んでいるのだから、今回で順番がどう入れ替わってもおかしくない。そして今回トップに立ったドライバーが、残す最終戦を有利に戦うのだろう。この一戦、まさに天下分け目の戦いとなりそうだ。
予選
もう11月は間近。そして、ここは東北である。
今はもう、秋がなくて夏から冬へと直行だ、などと言われるが、まさに実感する。
もう肌寒く、上着なしにはいられない。しかも、雨にも見舞われた。
いつ雨足が強まってもおかしくない。
だからこそ、アタックは早めにかけたいところだが、路面温度も低いからタイヤのウォームアップは普段以上、入念に行わなければならない。そこが悩ましいところだ。
各車、一斉にコースイン。
最初にタイミングモニターの上に名前を記したのは、#88阿部智文選手(Schatz Racing)。
VITAでレースするのは、ここSUGOでの第2戦以来、2回目ながら東北660選手権と呼ばれる、軽自動車の草レースでは「絶対王者」と呼ばれたこともある。
宮城県在住のドライバーでもあり、コースは誰より知り尽くしているのは間違いない。
しかし、まだ1分53秒台。本格的なアタックは、それぞれ2周後からだった。
まず1分50秒339を記してトップに立ったのは#30窪田選手。
これに#32カワモト選手が1分50秒485で続く。
次の周にはひとり#30窪田選手が1分50秒台の壁を崩し、1分49秒803でトップをキープ。
さらに次の周、計測5周目には#83柿沼選手が1分49秒163でトップに立ち、1分49秒520の#30窪田選手を従える。
だが、抜かれた#30窪田選手にしてみれば、タイヤにも十分熱が入り、クールダウンの感覚だったのだろう。
それが証拠にラスト2周のアタックでは、タイムを詰め続けた。
1分49秒384は#83柿沼選手に及ばず。だが、最後のアタックでは1分48秒860を叩き出し、トップ返り咲きに成功。
意外にもVITAでのポールポジションは初めてだという。
若干ではあったが、雨足が弱まっていたのも味方したのだろう。
実際、ほとんどのドライバーがラストアタックで自己ベストを更新。
#83柿沼選手が1分49秒154で2番手に、
そして#32カワモト選手が1分49秒622で3番手に、そしてなかなか1分51秒台を切れずにいた#88阿部選手も、1秒近い短縮を果たす1分50秒578で4番手につけた。
一方、#80志賀選手は1分51秒374で5番手に。やはりラストアタックで決めてきたが、リズムをつかめていないのは間違いない。
それは1分51秒682で6番手の#8イシカワヨシオ選手(東京IRCニルズvivo VITA)にも当てはまろう。
7番手は#25遠藤直人選手(Schatz Racing②)で、今回が四輪レースデビュー戦。
これまではSUGOはSUGOでも、西コースでカートレースを戦っているドライバーで、今年もヤマハSSクラスに参戦中。宮城県在住の大学生でもある。
地元ドライバーが挑んでくれるのは、実に嬉しい限り。
#88阿部選手ともども地域に魅力を伝えて、輪を広げていってほしいものだ。
以下、#44山口心愛選手(FG大和設備工業VITA)、
#95山川敏宏選手(RSかなやエンドレスVITA)の順となった。
ポールポジション:
#30窪田俊浩選手(A-PEX☆TOKAI DENSO☆VITA)
土曜日までの練習で、ドライの路面コンディションだと、各セクションのトップタイムとは今イチどころか1秒近く差があって、まったく太刀打ちできない状況でしたが、日曜日の本番は完全な雨の予想で、ウェット路面は苦手ではないので、比較的楽な感じというか、楽しみでした。
少なからず多過ぎずの良い感じの雨量で予選開始。
後半でヘルメットが曇ってしまった周に一瞬2番手にはなりましたが、計測最終周でトップに返り咲いて予選終了。VITAでは初ポールです!
予選2番手:#83柿沼一峰選手(恵比寿NUTEC制動屋VITA)
予選3番手:#32カワモトミツル選手
(シンエイジャパン&オートルックVITA)
予選4番手:#88阿部智文選手(Schatz Racing)
予選5番手:#80志賀卓也選手
(シードソリューション・マーズ・01)
予選6番手:#8イシカワヨシオ選手
(東京IRCニルズvivo VITA)
決勝
決勝レースは12周、もしくは23分間の争い。
残念ながら、雨はやむことなく降り続け、むしろ勢いを増した感さえあった。
結局、SUGOでの2戦は、いずれもウェットレースに。
そのためレース開始は、セーフティカー(SC)スタートにて。
それぞれゆっくりと周回しつつ、ハンドルだけは左右に素早く切り続けてタイヤを温めていく。
同時にコースのどこに水たまりがひどいか、川ができているかを確認していく。
その確認が誰よりできていたのが、ポールシッターの#30窪田選手だった。
SC先導は2周に渡り、その間にSPインと最終コーナーの入口にひどい水たまりがあった。簡単にハイドロプレーニングを起こすような状況を、トップで通過して水を切り開く形となっていたから、バックストレートでSCルーフのランプが消えても、すぐに加速せず。
最終コーナーに差し掛かったあたりからか、明らかに慎重なスタートを切ったがゆえに#83柿沼選手がぴたりと食らいついていったまま、コントロールラインを駆け抜けることに。
その隊列に、#95山川選手が着いてこない。
最終コーナーでスピンし、コースとは逆向きにイン側でストップしていたからだ。
すぐにまたSCが導入される。
2周後にルーフランプが消されるも、#30窪田選手のリスタートは、またしても慎重そのもの。
そこを突かれ、1コーナーで#83柿沼選手に迫られるも、ここではポジションをキープ。続く2コーナーで膨らんだように見え、インから#83柿沼選手が食い込むも、その直後にスピン! #30窪田選手は軽く接触するも、姿勢を乱すことなくクリアしてトップを守る。
そして、そのアクシデントをうまく利用できたのが、#88阿部選手だった。
リスタートも鋭く、#32カワモト選手に続いていたが、巧みにかわしたことで2番手に躍り出ていたからだ。
いったんは後ろを離していたかに見えた#30窪田選手だったが、セクター3と4が#88阿部選手が速い。
その時点でのファステストラップ、1分54秒846を記録して7周目を終えた時点で、#30窪田選手にコンマ2秒差まで迫ってきた。
だが、それに動じる#30窪田選手ではない。次の周にはコンマ4秒と、わずかなリード拡大に過ぎなかったが、10周目には1秒に広げたからだ。
一方、9周目の4コーナー入口で、#32カワモト選手を追っていた#80志賀選手がハーフスピン。この時は姿勢を立て直していたようだが、続くS字でコースアウトし、マシンを止めていた。場所が良かったというべきか、3度目のSC導入とはならず。
そして、この周には最後尾まで後退していた、#83柿沼選手が#44山口選手をパス。
結果的には5番手まで順位を戻していたばかりか、9周目には#8イシカワ選手をも抜いて4番手に浮上する。
その間にも#30窪田選手のトップは不動のまま。そればかりかミラーで後ろを見ながら、ペースをコンロールしているのは明らかだ。そして11周目を終えたところでチェッカーが。
スタートから23分経過し、タイムアップとなったからだ。第4戦以来となる勝利を飾った#30窪田選手は、ランキングのトップにも浮上。
2位で初表彰台となった#88阿部選手に続いた、#32カワモト選手がランキングでは2位となり、7ポイント差で最終戦を迎えることになった。
そして4位でゴールの#83柿沼選手が、ランキングでは3位に。
#30窪田選手を10ポイント差で追う。最終ラップにはファステストラップ、1分54秒052をマークしており、もしスピンによる後退がなければ……と悔やまれるところだ。
5位は#8イシカワ選手、
6位は#44イシカワ選手、そして初レースの#25遠藤選手は7位で完走。
なお、8周目にリタイアを喫した#80志賀選手ながら、規定周回数は満たしていたことから8位で完走扱いに。
ランキングトップから4位に落ちはしたが、まだチャンピオンの可能性は残されている。
優勝:#30窪田俊浩選手
(A-PEX☆TOKAI DENSO☆VITA)
予選よりも雨量が多くてSC スタートになり、2周のローリングの後、レースがスタート。開始早々、最終コーナーの入り口で止まった車があって、再びSC 導入。
その後、2周で再開。SPインと最終コーナーの入口が水たまりひどくて、簡単にハイドロ起きそうでコントロール不能になって危なかったので、その2か所を慎重に走行したら、最終コーナーの加速が鈍ってしまい、2位の選手に詰められて2コーナーで一瞬印に並ばれたものの、展開的な雨ラインを走っていたおかげで、危なっかしい局面も耐えられました。
その後の展開では無用なリスクを避けて、後続との距離感を保ちつつ、無事にチェッカーを受けてトップでゴールしました。
もしかしたら、公式戦では人生初めてのポール・トゥ・ウィンかも!
昔のFJ1600の時代も含めて(笑)。
2位:#88阿部智文選手(Schatz Racing)
3位:#32カワモトミツル選手
(シンエイジャパン&オートルックVITA)
4位:#83柿沼一峰選手(恵比寿NUTEC制動屋VITA)
5位:#8イシカワヨシオ選手
(東京IRCニルズvivo VITA)
6位:#44山口心愛選手(FG大和設備工業VITA)
























































































































































