北海道クラブマンカップレース第5戦
10/19(日)VITA-01:十勝
ますます秋の深まる十勝!
シリーズ最終戦は予想外の結末に!!
地球温暖化なぞどこ吹く風、ほんの一か月ほど前の真夏日がウソだったように一気に晩秋はおろか冬の気配が忍び寄る十勝、今シーズンもいよいよ最終戦を迎えた。
幸いにして前日の雨は上がり、ときおり雲間から薄日が差すことで気温も10度を超え、コースコンディションに全く問題はない。
ただしレース結果は天候ほど良好ではなかった。レース終了後、仮表彰やシャンペンファイトも終わったあとに、予想外の結末が待っていたのである。
<公式予選>
四倉悠聖選手、シリーズ戦すべてでポールポジションを獲得!
例年このシリーズ最終戦は、午前中にレース1、午後からレース2とダブルヘッダーだったのだが、今シーズンは決勝1レースのみとなった。
参加チームからは、「負担が軽くなった」と歓迎する声もあれば、「もっと走りたかった」と残念がる声もあり、チームによって反応は様々。
ただ、ダブルヘッダーとなれば早朝予選とスケジュールがタイトになり、午前中のレース1でトラブルが発生すればレース2を棒に振らざるを得ないわけで、そのあたりからもこの“改善策”はほとんどのチームが問題なく受け入れてくれたようだ。
今回もまたレース日程の重複などあり、最大勢力の恒志堂レーシングの主力が欠場となり、#910工藤大祐選手(恒志堂レーシングVITA910号機)1台のみが参加。
ただランキング上位を争うすべてのチームが参戦、トータル10台と充実したドライバーラインナップであることは言うまでもない。
予選開始のグリーンランプ点灯と同時に、#910工藤選手を先頭に各ドライバーが次々とコースインしてゆく。
#778四倉悠聖選手(TBR VITA)と#777seto jungo(TBR VITA)の栄建設TBR勢はタンデム走行で互いにタイムを縮める作戦のよう。
まず最初にターゲットタイムである1分30秒台前半に入れてきたのが
#77村上泰規選手(足立眼科Y‘S MRC VITA)で、
#30坂本幸照選手(足立眼科Y’SチームナオタロウVITA)も31秒台前半とタイムを上げてくる。
そしてチェッカー直前に最高のアタックを見せたのがやはり#778四倉選手、
「予選終了の最後まで気を抜かずに走ろうと思っていましたし、そのラストのアタックが実りました!」と、ライバル達を突き放してしまう。
#77村上選手も、「ラストラップに賭けていましたから最終コーナー立ち上がりからスピードに乗せていったんですが、前方にペースダウンしたクルマが現れて、アタック中断。それが残念でした」と2番手どまり。
#777seto選手も「予選時間半ばからは単独走行でタイムを上げようと思い、自分ではうまく乗れていたと思うんですがちょっと足りなかったです」と中盤でマークしたタイムを更新できずに3番手。
注目すべきは5番手に入った#7平中繁延選手(HRSC LLC・日本平中自動車VITA)だろう。
十勝でのVITA-01レースが始まって以来の最古参ドライバーである。
「もう70歳過ぎの爺さんだからね、体もあちこち痛いし、疲れるしね。
だからしばらくVITA-01にも乗ってないんだよ。
でも5番手ならレース序盤くらいはトップ争いに付いて行けるかもしれないからさ、ちょっと楽しみだよ」と往年の走りを期待できそうな順位となった。
4番 #30 坂本 幸照(足立眼科Y’S MRC VITA)
6番 #910 工藤 大祐(恒志堂レーシングVITA910号機)
7番 #129 澤田 圭吾(足立眼科 ミドリ調剤・田口畜産 VITA)
8番 #986 門間 大(チーム相互車輌・VITA-986)
9番 #112 濱田ユウマ(足立眼科 EZO-ISM VITA)
10番 #666 酒井 仁(高砂エアテック・STEP・VITA)
<決勝>
四倉悠聖選手がまたもや完全勝利のはずだったが・・
午前中の予選でトラックリミット違反防止にコーナーアウト側に設置されたポラードを倒すドライバーが多く、その修復と再設置やクラッシュの事故処理などあり、決勝スタートは予定より20分ほど遅れとなった。
予定時間に合わせて集中を高めてゆくドライバーにとって、スケジュールの遅れは決して好ましいものではないのだが、その集中力を切らせなかったのがセカンドグリッドの#77村上泰規選手(足立眼科Y‘S MRC VITA)だった。
ポールの#778四倉悠聖選手(TBR VITA)が後方を気にしてそれを牽制しようとスタート直後にクルマをイン側に寄せるのだが、それを見た#77村上選手は反対にアウト側に進路を定め、一気に加速して第1コーナーのコーナリング速度を高めるのだ。
「スタートは頑張りました。た。ペースも悪くありませんでしたから・・」と、これが成功してホールショットを奪う。
スタートでは#77村上選手に機先を制された#778四倉選手だが、2周目のストレートで差を一気に詰め、スリップから抜け出すや第1コーナー立ち上がりでトップ奪還。
その勢いのまま、今シーズンこれまでのレースと同様にリードを拡大、半ば独走状態でゴールまで突き進んでゆくのだ。
スタートで#30坂本幸照選手(足立眼科Y‘SチームナオタロウVITA)の先行を許した#777seto選手だったが、「ペースは悪くなかったし、レースバトルには自信がありましたから」と、6周目に入ったストレートエンドで抜き去り3番手へとポジションを戻す。
その勢いはその後も変わらず、先行する#77村上選手よりコンマ5秒以上速いラップもあり、徐々に差を詰めてゆく。
そしてラスト2周のストレートで逆転し、栄建設TBRチームのワンツー体制を固めてしまうのだ。
その後方でもポジション争いは激しく、
「スタートはうまくいきました。前方の#7平中選手の走りが安定しないように見えたので、ここは気持ちで負けてはいけない!と思いパスしました」
と言う#129澤田圭吾選手(足立眼科ミドリ調剤・田口畜産VITA)が5番手に上昇、後方との差を広げてゆく。
抜かれた#7平中選手、#910工藤大祐選手(恒志堂レーシングVITA910号機)の追撃を受けるのだが、レース終盤に#910工藤選手がガス欠状態となり脱落、ポジションを守り切ることに成功。
レースはその後、大きな変動もなくチェッカーとなり、上位の3選手が仮表彰のポディウム登壇、シャンパンファイトも終わり、互いに笑顔でチームクルーの待つピットへ戻っていったのだが、問題はここからだった。
最車検でトップでゴールした車両に車両規定違反が発覚し、チーム監督とクルーチーフが競技長に呼ばれ、失格を宣告されたのである。
性能を大きく向上させるようなパーツではなかったようだが、車両規定にないパーツだったことは事実。
これで順位はそれぞれひとつ上がり、優勝は#777seto選手となったのである。
確かに後味の悪い結果となったが、#777seto選手の走りとファイティングスピリッツはデビューイヤーとはいえ充分優勝に値するものであり、その健闘を称えるべきであろう。おめでとう、seto選手!!
優勝:#777 seto jungo TBR VITA
2位:#77 村上 泰規 足立眼科 Y’s MRC VITA
3位:#30 坂本 幸照 足立眼科Y’S チームナオタロウ VITA
4位:#129 澤田 圭吾 足立眼科 ミドリ調剤・田口畜産 VITA
5位:#7平中繁延選手 HRSC LLC・日本平中自動車VITA
6位:9番 #112 濱田ユウマ 足立眼科 EZO-ISM VITA




















































































































































































































































