【もてぎVITA】Rd.2
🏁レースレポート
#83柿沼一峰選手 初表彰台!初優勝!
(プラチナNUTEC制動屋VITA)
2025年のVITAもてぎ・菅生シリーズは、
モビリティリゾートもてぎで5戦、スポーツランドSUGOで2戦、全7戦で争われる。
開幕戦はもてぎでMEC 120とのWタイトルでの開催となり、続くシリーズ第2戦もまた、もてぎを舞台に5月25日に行われた。
エントリーは12台と少々寂しいものの、その中に「あの名前」が!
そう、鈴鹿のv.Granz界隈をにぎわせている、#31富田星羅選手(A-PEX☆monocolle☆VITA)だ。
この週末はv.Granzも開催されるのに、あえてVITAの理由は、と聞くと、
まずはチーム代表でもある#30窪田俊浩選手(A-PEX☆TOKAIDENSO☆VITA)からの誘いがあったからだとし、
「違う種類の車に乗りたい、(パドルシフトではない)ミッションの車に乗りたいというのがあって、VITAにも興味があったんです。
そしたら、窪田さんが『一緒に出よう』って言ってくれて。
あとライセンスを取るためです、国際Cを。
Cにすると出られるレースの幅が広がるので、そのために今回出ることにしました。
とりあえず、いろいろ経験してみたいんです」と納得の理由が。新たな挑戦、大いに歓迎である。
MEC 120で優勝を飾った、藤原大暉選手と金本きれい選手は出場していないものの、2位となった#80志賀卓弥選手(シードソリューション・マーズ01)や、
3位だった#8イシカワヨシオ選手(東京IRC vivoニルズVITA)が今季初優勝を狙いつつ、#31富田選手を迎え撃つ。
予選
この週末は絶えず天気が不安定で、絶えずどんよりとした空模様。
金曜日、土曜日の練習走行まではドライコンディションが保たれていたが、夕方から雨が降り始め、路面をしっかり濡らしてしまう。
日曜日の早朝に行われた予選の頃には霧雨へと転じていたが、もちろん路面はまだ濡れたまま。
厄介なことに近年、もてぎのVITAは雨に見舞われておらず、ぶっつけ本番で雨の予選に臨むこととなった。
そのため、特に序盤はスピンやコースアウトが相次いだ。
計測1周目にトップに立った#30窪田選手さえも、4コーナーで派手なスピンが。
幸い、すぐ復帰できた#30窪田選手は計測3周目には2分29秒027を記録して、トップに返り咲く。
2番手は#32カワモト ミツル選手(シンエイジャパン&オートルックVITA)で、2分29秒924をマーク。
しかし、まだこのあたりが上限ではなかった。
タイヤにもしっかり熱が入り、また路面も徐々に乾いてきたのだろう。計測4周目、#30窪田選手が2分28秒000で再びトップ、#31富田選手が2分28秒929で2番手、そして#83柿沼一峰選手(プラチナNUTEC制動屋VITA)が2分29秒291で3番手に浮上。
そしてラストアタックへ。#30窪田選手は2分27秒975と、わずかな短縮に留めたのに対し、前の周は4番手だった#32カワモト選手が一気にタイムを詰め、2分27秒479を記録してトップに浮上!
さらに#83柿沼選手も2分27秒587を記して、#30窪田選手の前に食い込んできた。
4番手は#31富田選手で2分27秒991。
5番手は2分28秒560で#66 LAM Geoffrey選手(LAM motorsports)が、
そして#8イシカワ選手が2分28秒593で6番手に。
以下、#80志賀選手、#65小松寛子選手(XCEL-LITEマーズ01)の順で続いていた。
ポールポジション:#32カワモト ミツル選手
(シンエイジャパン&オートルックVITA)
もう、どんどんコンディションがいい方向に振ってきたので、まぁ、私、回っちゃったので、偉そうなこと言えないんですけど、それこそA-PEXの窪田選手にしても、星羅選手にしても避けてくれたので、最後の周に集中して、1周まとめられたっていうだけの話です。
本当はその、最後の前の周に行きたかったんですけど、やっぱり、そこの判断ミスというか、まだまだ、ちょっと足りないなと。
でも、最後にまとめることができたのは良かったと思います。
最後の方は、ほぼほぼちょい濡れのドライな感じだったので、まぁ、集中はできたですね。ただスピードは足りなかったですね、もっとありましたね。ポールは2回目です。
もう、ここからドライに振っていくと思うので、安全運転で(笑)。
予選2番手:#83柿沼一峰選手
(プラチナNUTEC制動屋VITA)
後半の方が食っていて、タイヤも来ていて。最後までアタックしようと思って走りました。狙いどおりになりました。走りに点数つけるとすれば、85点ぐらい(笑)。
あとコンマ1、あればポールだったので。スタートでとりあえず、トップに立ちたいですね。
で、そのまんまゴールできれば、と思います。今までは岡山のVITAだったり、FCR-VITAだったり、鈴鹿も出たり。もてぎは今回、初なんで、ちょっと面白そうかなと思って、フロントローに並ぶのは初めてです。
優勝どころか、表彰台乗っても初めてです。初尽くしのレースにしたいです!
予選3番手:#30窪田俊浩選手
(A-PEX☆TOKAI DENSO☆VITA)
更新はずっとしていたので、リーダーボードとピットのサイン見ながら。
31号車が良かったので、『これは夢のフロントローが実現するなぁ』って思っていて。でも、路面がどんどん良くなっていって、まぁまぁウェットセットで行ったんですよ。
『うん、きついけど、頑張るか』と思って、頑張っていたんですけど、いつもの追いつき症候群で、自分がスピンしたのが悪かったんですけど、最終ラップで追いついちゃって、もう諦めました。
その後にパパッと更新されちぃました。
2列目、いつものポジションなので、あとは突散らからずに、2台揃って表彰台上がれたらと思っています。
予選4番手:#31富田星羅選手
(A-PEX☆monocolle☆VITA)
まあ、でも、32番(カワモト選手)が速いのは知っていたし、あと窪田さんが速いのもわかっていたので、4番手でしょうがないのかなっていうのもありつつも、ミスらなければ全然ポール狙えたので、悔しいところもありますね。
S字からV字で、だいぶタイム落としちゃったんで、そういったミスがなければ、フロントローは行けていたと思います。
でも、レースになったら、行けるんじゃないでしょうか。バトル得意なんで、えへへ~!
予選5番手:#66 LAM Geoffrey選手
(LAM motorsports)
初めて雨でVITAに乗るので、トラックラインを探していました。
思ったよりも滑りましたね。タイムは28秒だけど、もっと行けた感じがします。
ドライは怖い思いをしなくてすみそうなので、決勝は頑張ります。
予選6番手:#8イシカワヨシオ選手(東京IRC vivoニルズVITA)
こんなもんじゃないですか、3年、4年ぶりの雨だし、全然踏めなかった。
上の方の人って、けっこうドライライン、入っていったんで、一回行ってみたけど、フラっと来たんで、ちょっと俺には無理だって、ずっと雨ライン走っていて。
後ろから、窪田さんが一回スピンして、それからすごい勢いで迫ってきたから、『相当、俺、遅いな』と思って、今回は無理しないように。
晴れれば、なかなか6番手だと、けっこうきついですよね。通過した時は4番手だったので、帰ってきたら6番手になっていたから、こういう天候の時は仕方ない。
決勝はたぶんドライだろうから、今、足回りをドライ用に変えるんですけど、表彰台に立てるよう、頑張ります。
MARSレーシングファクトリーは女性メカニックが大活躍!
新しくもう1人増えて、ますます魅力的なメンテナンスガレージになってきた!
決勝
10周で争われる決勝は、一転して路面は完全にドライコンディションへ。
陽は出ていないものの、先に行われたレースで水を完全に掃いてもらった格好だ。
雨の予選では本領を発揮できずに終わったドライバーが大半を占めたが、そういったドライバーほど“やる気”を取り戻したに違いない。
スタートは、ポールシッターの#32カワモト選手が絶妙。
しかし、イン側グリッドからまっすぐ1コーナーに飛び込んでいった#83柿本選手の加速が優れ、背後につけた#30窪田選手ともども#32カワモト選手を逃さない。
早くも1周目のヘアピンで#30窪田選手が、#83柿沼選手に迫るも、ここでの逆転は許されず。
そして90度コーナーで#83柿沼選手は姿勢を乱してオーバーシュート!
万事休すかと思われたものの、グラベルベッドに捕まることなく、最小限のロスで復帰する。
これで#30窪田選手が2番手に浮上。またもヘアピンで、今度は#32カワモト選手に仕掛けるが、前に出られず。
この間に、いったん差を広げていた#83柿沼選手、#8イシカワ選手の接近も許していた。
4周目、5番手を走行していた#66 LAM選手がピットイン。
しかし、これはスタート違反に対するペナルティ指示が、実際にはタイムペナルティとしてレース後に10秒加算されるのを、ドライビングスルーと勘違いしてしまったようだ。
すると、3周目の130Rで#83柿沼選手が前に出る。
この時点で、順位を整理すると、トップは#32カワモト選手のまま、
#83柿沼選手と#30窪田選手、#8イシカワ選手が続き、4番手は#80志賀選手。
やや間隔を置いて#65小松選手と#31富田選手、#44山口心愛選手(FIRST GARAGE大和設備工業VITA)という順に。
女性ドライバーと若手ドライバーの戦いは、この時点では接近しており、そのまま白熱してくれることが期待されたが、やがてそれぞれ等間隔を保った状態になったのは、少々残念ではあった。
レースが大きく動いたのは、5周目の3コーナー。
#32カワモト選手の背後につけた、#83柿沼選手が前に出たのだ!
その後、5番手の#80志賀選手が遅れをとるも、4台でのトップ争いはなおも続いた。
しかし、それぞれペースはほぼ一緒だったから、誰ひとり最後まで動けず。
最後は4台が縦一列に連なって、チェッカーを受けることに。
#83柿沼選手が初優勝を飾り、2位は#32カワモト選手で、3位は#30窪田選手。
4位#8イシカワ選手、5位#80志賀選手の順、
6位は相変わらず安定した速さを見せてくれた女性ドライバー#65小松選手が手にした。
ゴールした結果、ポイントランキングでは1ポイント差で#80志賀選手が#8イシカワ選手を従え、トップに浮上した。
注目の#31富田選手は7位に終わった。
「まだペースがなかったのと、シンプルに経験が足りなかったというだけです。この週末を通してペースは徐々に上げていったんですが、最終的なみなさんのタイムより、絶えずコンマ5秒ぐらい遅かったです。
それぐらい足りなかった。
ただ、スタートがうまくいったのは収穫でした(笑)」とレース後に語った#31富田選手ながら、きっと正直な胸の内なのだろう。
だが、悔しいとは一言も言わず。この経験を今後に活かしてくれれば、何よりである。
#44山口心愛選手
(FIRST GARAGE大和設備工業VITA)
の活躍も大いに期待したい。
優勝:#83柿沼一峰選手
(プラチナNUTEC制動屋VITA)
今回、いろいろ初めてのことが多かったんですが、優勝も初めてで、初優勝です。
けっこうしんどかったんですが、なんとか……。もちろん、嬉しいです!
シリーズで出ようと思っていますので、はい、狙っていきます。
2位:#32カワモト ミツル選手
(シンエイジャパン&オートルックVITA)
悔しいですね。でも、柿沼選手、1周目の90度コーナーできっちり止められたっていうのは、見事です!
抜く機会をラスト3周、探っていたんですけど、なかなか行けなくて、悔しいですね。
リベンジしたいですね、次戦も頑張ります。スピード足りませんでした!
3位:#30窪田俊浩選手
(A-PEX☆TOKAI DENSO☆VITA)
まぁ、『行ける時に行っとくかぁ』って思ったんですが、う~ん、ちょっと失敗したね。
もうちょっと待っても良かったかなと思いました、中だるみしてきたんで、前が。『今やったな』って。まぁ、いいです、やれる時に巻きで楽しまないと、僕は(苦笑)。
4位:#8イシカワヨシオ選手
(東京IRC vivoニルズVITA)
はい、なんとか着いていけたんですけど、5周過ぎたあたりから、シフトミスやら何やらで、ようやくここまで詰めて、前がやり合っているからいいなって思ったんですけど、自分がミスっちゃった。4回ぐらいシフトミスした。予選でね、4番手ぐらいだったら、何とかなったんですけど、まぁ、しょうがない。
5位:#80志賀卓弥選手
(シードソリューション・マーズ01)
何とか前の人に着いていこうと必死だったんですが、1回のミスでドンと離れちゃって、そこから縮めることができなくて……。
ただ、次回の課題とかもたくさん見つかったので、頑張りたいと思います。
VITAでのスプリントは初めてで、なんか予選がですね、雨で今まで乗ったことがなくて、なので、まったく訳わからない状態だったんですけど。
ドライで決勝、頑張ろうと思ったんですけど、けっこう接触が1周目、2周目、多くて。なので、それで順位もあんまり上げられなかったんです。
6位:#65小松寛子選手(XCEL-LITEマーズ01)
予選は今シーズン始まって、初のウェットだったので、ちょっとビビりモードに入っちゃいました。
いろいろセッティングも変えていたので、久しぶりすぎて、どこまで行けるか心配で。
もう、目の前でクルクル回っている人もいっぱいいたので、ちょっと自分はとにかく何事もなく、予選は通過しようと思って走っていました。
決勝はドライだったので、頑張りました。
2台ぐらい抜いて、あ、1台スタートで抜かれちゃったので2台、さらにもう1台、目の前ですごいバトルがあったので、それを見ながら、抜けるポイント探していたら、1台いなくなっちゃったので、あとはひたすら前を見て走る感じでしたね。