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🏁筑波VITA Rd.2レースレポート
2025/05/26 レポート

つくばVITAシリーズ
2025/5/25レポート
5月25日筑波サーキット

さらに磨きをかけた#77兒島弘訓選手、
自己ベスト更新に挑戦か!

5月25日
「SCCN MAY RACE MEETING in TSUKUBA」が開催され、
筑波VITAシリーズ第2戦が2か月ぶりに行われた。

エントリーは15台、同日にもてぎでもVITAレースが開催されているため筑波でおなじみの選手の顔が何人か見られなかったが、代わって新しいメンバーが登場している。予選終了後にショートインタビューを行った。

#66ITUKI TUCHIYA選手(Deep Racing VITA)
「以前はカートレースを少し、もてぎのK-TAI(カートの耐久レース)に参戦していました。
VITAは今回が初めてのレースです。
去年の2月にDeepRacingさんのオーディションに合格して、1年間練習してきました。
練習でも雨はなかったので初めて走ったのですが、クルマ壊さなくてよかったなというところです」

#71渡邊顕選手(ELIVレーシングVITA)
「前はN-ONEのワンメイクレースに出させていただいたのと、後はレンタルカートの大会に出ていたくらいです。
レーシングカーというカテゴリーはVITAが初めてです」

 

#81高力(こうりき)良明選手
(フォシュルテン・SNRーVITA)
「レース経験はPSCJ(ポルシェスプリントチャレンジジャパン)のGT4クラスに出ていただけですね。
VITAはほとんど経験がなくて、筑波の走行も今日が2回目なので、非常に危険な状態です(苦笑)。
どうにかクラッシュを避けて完走目指します。まわりに迷惑をかけずに走りたいなと、ただそれだけです。
GT4はスリックタイヤで、速度域も違いますが、VITAの方がフォーミュラに近いので、操作している実感があるので、楽しいですね。そのかわり難しいです」


■予選
15分間の予選は午前8時24分コースオープン。天候は曇りで気温16度、路面温度21.1度。
梅雨入りが近い筑波サーキットは 前日の夜から降り続いた雨が朝まで残った影響で路面はセミウエットだが、マシンが走ることで徐々に乾いて行くことが予想される難しいコンディションだ。

#87山本龍選手(お先にどうぞVITA)を先頭に全車がコースインして予選開始。
まずは路面コンディションを確かめるように1分9秒台から走行が開始され、#87山本選手が残り時間12分30秒に1分8秒661でトップに立つと、直後にコントロールラインを通過した#1佐藤孝洋選手(tipo ETA vita-01)が1分8秒127で#87山本選手を上回る。
3番手#75山口真選手(VITA-01)、4番手#17西濱康行選手(ETA白波ワークスVITA)、5番手#10中島正之選手(ビーンズスポーツ3年目VITA)、6番手#32兒島弘訓選手(ZR Winmax VITA)と続く。

残り10分30秒、VITA初レースの#81高力選手が1分11秒042で5番手に浮上。
経験がないというウエット路面に徐々に適応してきたようだ。
そして#17西濱選手が1分7秒388のトップタイム、
VITAでのスプリントレース初参戦の#2並木海和選手(namiki ETA vita-01)が5番手に上がり#81高力選手が6番手。
筑波のVITAレースが初めてという面々が躍進する。

そして真打登場とばかりに前戦のウイナー、#77兒島選手が1分7秒007をマークしてトップに立ち、こちらもVITAデビューの#71渡邊選手と#66TUCHIYA選手がそれぞれ1分8秒496、8秒627で5番手、6番手に進出。
後方ではVITAレース2戦目の#31内田美保乃選手(RaiseUPVITA01)が14番手から12番手にポジションアップ。

このあたりからタイムアタックが本格化。
残り9分を切って#17西濱選手が1分6秒917、#77兒島選手が1分5秒774と立て続けにトップタイムが更新される。さらに残り7分30秒、#71渡邊選手が1分6秒455で3番手に。
#87山本選手4番手、#75山口選手5番手、6番手には#27大沢良明選手(ビーンズSPM VITA)が浮上する。

トップ#77兒島選手は毎ラップベストタイムを更新。1分5秒313から残り時間5分を切って、すべてのセクターの最速タイムを更新し1分4秒451をマークする。

残り1分20秒、#87山本選手が1分4秒834をマークして2番手、
3番手#17西濱選手も4秒台に入れて1分4秒980。
コースはまだ所々にウエットパッチがあるが、各車果敢にタイムを詰める。

#87山本選手がさらに1分4秒681までタイムを削り取りトップと0.230秒差まで詰めたところでチェッカードフラッグが振られる。
この時最後のタイムアタックに入っていた#77兒島選手はダメ押しの1分3秒973を叩き出してトップの座を確実なものとした。2番手#87山本選手との差は0.708秒と筑波では大差だ。
セカンドロウの3番手にはこちらもチェッカー周に1分4秒703と#87山本選手に0.022秒差まで迫った#71渡邊選手と4番手#17西濱選手が並び、
3列目5番手#75山口選手、6番手#27大沢選手というトップ6となった。

VITAレースデビューの#66TUCHIYA選手は8番手、#81高力選手10番手からそれぞれ初戦を迎えることになった。


■決勝

ポールポジション 兒島弘訓選手
(#77 ZR Winmax VITA)
「路面はまだけっこう濡れてはいましたが、第1コーナー、第1、第2ヘアピンあたりはもうドライでした。
筑波でウエットの経験がなかったので、そこはちょっと不安だったのですが、わりとドライ同様に走れました。コントロールが必要な80Rは濡れていたのですが、それ以外の所は普通のドライと同じような感じで攻めていけたので、後続を引き離すことができたのかなと思います。連勝目指してがんばります」

2番手 山本龍選手(#87 お先にどうぞVITA)
「路面がだんだん乾いてきていたので、そこはよかったのですが。最後の2ラップぐらいで、前に追いついてしまってパスできなかったので、それがもったいなかったです。あともうひと踏みはいけたと思います。
決勝はちょっとわからないですが、ドライ(路面)だと思うので、がんばります」

3番手 渡邊顕選手(#71 ELIVレーシングVITA)
「昨日がドライで、正直雨で走ったことがなかったので、どうなるかなと不安ではあったのですが。
チームの方も雨に合わせて(セッティングを)作ってくれたこともあって、フィーリングも悪くなくて、そういう部分で思い切って踏んでいくことができたので。それがタイムに現れたのだと思っています」

4番手 西濱康行選手(#17 ETA白波ワークスVITA)
「ちょっと不本意な結果ですね。タイムが出るラップでリヤを滑らせて第1ヘアピンでハーフスピンしちゃったので、それでこうなったと思います。
決勝はもう少し上に行けるようにがんばります。路面がどんどん乾いて行く状態で、どんどんタイムアップしていく感じでした」

5番手 山口真選手 (#7 5VITA-01)
「路面はだんだん良くなったのですが、最後、前のドライバーに突っかかってしまって。あと少し(タイムが)上げられたと思うので、そこのポジション取りのミスがありました。
決勝はいい順位になれるようにがんばります」

6番手 大沢良明選手(#27 ビーンズSPM VITA)
「路面は最後乾いてきたのですが、なかなか攻め切れなかったです。調子は悪くはないのですが、ウエットからドライの切り替えが、うまく移行できなかったです」

7番手 佐藤孝洋選手
(tipo ETA vita-01)


つくばVITAシリーズ第2戦決勝は午後1時14分にフォーメーションラップが開始。

依然としてどんよりとした曇り空が広がっているが、路面はほぼ乾いたドライコンディションだ。
気温18.8度、路面温度24.1度で、予選の時とほぼ変わらない。
15台のVITA-01が15周または30分のレースに挑む。

全車がグリッドに整列しレッドライト消灯でレーススタート。
蹴り出しがよかったのが4番手から発進の#17西濱選手で、3番手スタートの#71渡邊選手を加速で仕留めて3位、

これを上回るロケットスタートだったのが5番手スタートの#75山口選手で、第1コーナーへの進入でアウトから#71渡邊選手をオーバーテイク。
さらに#17西濱選手とサイド・バイ・サイドになりながらS字で前に出て、これで#75山口選手3位、#17西濱選手4位、#71渡邊選手5位に。

後方では8番手スタートの#66TUCHIYA選手と9番手スタートの#10中島選手の順位が入れ替わり、さらに11番グリッドからひとつ上げた#2並木選手も#66TUCHIYA選手のスキを伺う。

フロントロウの#77兒島選手、#87山本選手は共にスムーズなスタートで#77兒島選手がホールショットを奪ってトップに立つと#87山本選手をじわじわ引き離し、0.598秒差でオープニングラップを終了。

3位の#75山口選手は#17西濱選手と0.176秒差とテール・ツー・ノーズ状態のまま2周目に入り、第1コーナーで#17西濱選手が3位のポジションを奪い返す。

さらに5位#71渡邊選手、6位#27大沢選手、7位#1佐藤選手までがそれぞれ0.2秒から0.4秒の間合いで続く。
この中で#27大沢選手が第1セクターで#71渡邊選手の前に出て5位。
3番手スタートだった#71渡邊選手はバトル上等のVITAレースの洗礼をうけて6位までドロップだ。

#77兒島選手は5周目に1分3秒269とファステストラップを更新し#87山本選手と2.498秒差と早くも独走状態。
しかし続く6周目、デビューレースを9位で走行していた#66TUCHIYA選手が第1コーナーでスピン、アウト側のグラベルで止まってしまう。これで赤旗が出てレースは中断。
3秒以上まで広がっていた#77兒島選手のリードはリセットされることに。

#66TUCHIYA選手のマシンが回収され、メインストレートに並んで待機していた14台は6周目からセーフティカー(SC)先導でリスタート。
SCは6周目で退いて7周目のコントロールライン上からレースは再開。残り9周だ。
この時点でトップ6台は #77兒島選手~#87山本選手~#17西濱選手~#75山口選手~#71渡邊選手~#1佐藤選手の順だ。トップ#77兒島選手は8周目に2位#87山本選手に1.2秒差、

#17西濱選手がダンロップコーナーで失速して#75山口選手3位。#71渡邊選手4位に上がる。
西濱選手によるとシフトミスがあったとのことだ。#1佐藤選手を挟んで7位グループでは#27大沢選手が#2並木選手を逆転して8位浮上。

#77兒島選手はさらにギアを上げて、9周目1分3秒169、10周目にはこの日のファステストラップとなる1分3秒002を出して2位#87山本選手との差を2.8秒とする。

一方シフトミスで順位を落とした#17西濱選手はだただちに追い上げを開始。
9周目0.247秒差と#71渡邊選手のテールに張り付いて10周目に入ると第1セクターで攻略。
4位を取り戻すと3位#75山口選手に0.18秒差と詰め寄る。

7位グループのバトルは最終コーナーで#27大沢選手がスピン、アウト側のグラベルでストップ。

これで7位#10中島選手、8位#2並木選手、そこから離れて9位#56倉田道夫選手(RSロゴス VITA)
10位#81高力選手、11位#31内田選手、12位#23松本純選手(京王八王子松本眼科VITA)、13位#74和田智弘選手(ユニバーサルツインVITA)とそれぞれ順位を上げる。

トップ#77兒島選手のリードはどんどん広がり、11周目4.055秒、12周目5.115秒と#87山本選手の手の届かない場所に離れてレースは終盤戦。
まだ熱いバトルを繰り広げているのが#75山口選手と#17西濱選手の表彰台をかけた争いで、0.174秒差とテール・ツー・ノーズ状態で13周目へ。
決着は第3セクターで、#17西濱選手がオーバーテイクに成功。3位にポジションアップする。

レースはそのまま#77兒島選手の独走で15周を走り切りフィニッシュ。
最終的に2位#87山本選手に8.2秒の大差をつけてのゴール、

以下2位#87山本選手、3位#17西濱選手、4位#75山口選手、5位#71渡邊選手、6位#1佐藤選手というトップ6となった。


 

優勝 兒島弘訓選手(#77 ZR Winmax VITA)
「自分としては 気温も路面温度も低いことから、決勝でのコースレコードを前回出した1分2秒909から更新できるかなと思っていて。
かなりハイペースで走っていたのですが、ぎりぎり更新できなかったですね。そこは悔しいです。
レース自体はSCのリスタートも含めて、かなりうまくまとめられたと思います。次回も完勝できるようにがんばります」

2位 山本龍選手(#87 お先にどうぞVITA)
「赤旗でリスタートというのが、ここ数年なかったはずで。でも今日ちょうどブリーフィングで赤旗リスタートの話が出たので、普段そういう話が出ることがあまりないのが今年の手順の説明があって。それで今日いきなり赤旗が出たので、主催の方の虫の知らせでもあったのかと思ったりしました(苦笑)
レースの方は もうちょっと前について行ければよかったのにな、という感じです」

3位 西濱康行選手(#17 ETA白波ワークスVITA)
「ダンロップコーナーでシフトミスしてしまって、2台行かれてしまって、取り返すのにちょっと時間がかかってしまいました。
その間に山本さんが逃げちゃったので、やっぱり山本さんの後ろでフィニッシュになりました。
調子自体は悪くなかったと思います。次はもっと前に行きたいと思います」

4位 山口真選手 (#75 VITA-01)
「たまたま序盤に順位が上がって。後ろから速い人たちが来て、それでプレッシャーに負けちゃって。
いつもより1秒くらいラップタイムが落ちて、それで詰められてしまいました。
その後自分の知っている人が後ろに来たので、それから自分のペースで走れて3位を維持できたのですが、最後に抜かれちゃって(苦笑)
でも今日はやり切りました。いいバトルもできました」

5位 渡邊顕選手(#71 ELIVレーシングVITA)
「初めてのVITAレースなので、まだまだ届かない部分がいっぱいあるのはもちろんわかっていることではあるのですが。その中で予選それなりにうまく行って、いい順位狙えるところで自分の未熟さが出たレースだったなと、今とても悔しいです。
それでもこの悔しさをバネにして、次にレース出る時までに、しっかり調整して、もっと戦える状態で臨みたいと思います」

6位 佐藤孝洋選手(#1 tipo ETA vita-01)
「自分にとっては何もなかったレースでしたね。淡々と走って、前がいなくなって。何度かチャンスはあったのですが、それもモノにできず、ちょっと残念でした。
調子はよかったです、昨日ちょっとクラッシュしてしまったので、チームのみんなが一生懸命直してくれて、それで今日入賞までは行けたので、そこはよかったです」

筑波に新しい挑戦者が入って来た。
レーシングカーを操る若者。
自己タイムへの挑戦、多分トライしやすいコースなのかもしれない。
レーシングカーの限界を攻める。
挑戦には限りがなくて、そこは快感の世界に違いない。
『何事も挑戦』

更なる挑戦者、お待ちしています

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